繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第122号
公布年月日: 昭和35年7月23日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

繊維工業設備臨時措置法の改正は、繊維原料の輸入自由化に対応するための措置である。原綿・原毛の輸入自由化が翌年4月から実施されることに伴い、過剰設備を抱える繊維工業の混乱を防ぎ、秩序ある自由体制への移行を円滑に進めるため、法の有効期間延長と過剰設備の処理方法の改正が必要となった。主な改正点は、過剰設備処理の共同行為指示における参酌事項として需給状況と輸出見込みを明文化すること、過剰設備の処理命令を可能とすること、監督規定を整備すること、そして目標年度を昭和40年度に変更し法の有効期間を4年延長することである。これらの改正により、繊維工業の合理化と安定的発展を図ることを目的としている。

参照した発言:
第34回国会 衆議院 商工委員会 第15号

審議経過

第34回国会

参議院
(昭和35年3月10日)
衆議院
(昭和35年3月11日)
参議院
(昭和35年3月15日)
衆議院
(昭和35年4月28日)
(昭和35年5月6日)
(昭和35年5月11日)
(昭和35年5月17日)
(昭和35年6月17日)
参議院
(昭和35年6月21日)
衆議院
(昭和35年7月15日)
参議院
(昭和35年7月15日)
繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年七月二十三日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百二十二号
繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律
繊維工業設備臨時措置法(昭和三十一年法律第百三十号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三十一条」を「第三十一条の三」に改める。
第二条第一項中「(別表第一に掲げるものをいう。以下同じ。)」を「(別表第一に掲げるものをいう。第四十条第一項及び第四十一条第一項を除き、以下同じ。)」に改める。
第九条第一項中「昭和三十七年度」を「昭和四十年度」に改める。
第十条第一項第三号及び第十条の二第二項中「共同行為に基いて」を「共同行為に基づき、又は第二十七条の二の規定による命令により」に改める。
第二十一条を次のように改める。
(使用の停止等)
第二十一条 通商産業大臣は、第二条の規定に違反して、同条の登録を受けないで精紡機、織物幅出機又は紡糸機を糸の製造、織物の加工又は化学繊維の製造の用に供したときは、その者に対し、期間を定めてその者が使用している精紡機、織物幅出機又は紡糸機であつて同条の登録を受けていないものの全部又は一部を封印し、又は格納すべきことを命ずることができる。
2 通商産業大臣は、第二条の登録を受けた者が第四条の規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めてその精紡機、織物幅出機若しくは紡糸機を糸の製造、織物の加工若しくは化学繊維の製造の用に供することを停止すべきことを命ずることができる。
3 通商産業大臣は、前二項の規定による処分をしたときは、その旨を公表することができる。
第二十四条第一項中「昭和三十七年度」を「昭和四十年度」に改め、「必要な資金の額」の下に「、当該年度における繊維製品の需給状況、繊維製品の輸出見込み」を加える。
第二十七条の次に次の二条を加える。
(精紡機等の過剰設備の処理命令)
第二十七条の二 通商産業大臣は、第二十四条第一項の規定により精紡機、織物幅出機又は紡糸機の処理に関する共同行為を実施すべきことを指示した場合において、当該指示に係る者の三分の二以上がその共同行為を実施しており、かつ、当該指示に係るその他の者の事業活動が第一条の目的を達成するのに著しく障害となつており、このような状態が継続することは、繊維工業の合理化に重大な悪影響を及ぼし、国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがあると認めるときは、繊維工業設備審議会の意見をきいて、当該指示に係るすべての者に対し、当該指示の内容(当該指示の内容に精紡機、織物幅出機又は紡糸機の廃棄に関する条項がある場合には、当該条項を除く。)に従い、当該指示に係る精紡機、織物幅出機又は紡糸機の一部を格納その他の方法により処理すべきことを通商産業省令をもつて命ずることができる。
(命令の変更又は取消し)
第二十七条の三 通商産業大臣は、前条の規定による命令をした後において、その命令をする要件となつた事実が変更し、又は消滅したと認めるときは、その命令を変更し、又は取り消さなければならない。
第二十九条第一項中「指示をしようとするとき」を「指示をし、又は第二十七条の二の規定による命令をしようとするとき」に改め、同条第二項中「第二十六条第一項」の下に「若しくは第二十七条の三」を加える。
第三章中第三十一条の次に次の二条を加える。
(使用の停止等)
第三十一条の二 通商産業大臣は、第二条の登録を受けた者が第二十七条の二の規定による命令に違反したときは、その者に対し、期間を定めて当該命令に係る登録の区分に属する精紡機、織物幅出機又は紡糸機の全部又は一部を糸の製造、織物の加工又は化学繊維の製造の用に供することを停止すべきことを命ずることができる。
2 第二十一条第三項の規定は、前項の規定による処分について準用する。
(苦情の申出)
第三十一条の三 第二十四条第一項の規定による指示に係る共同行為の実施に関し苦情のある者は、通商産業大臣に対し、理由を記載した文書を提出して苦情の申出をすることができる。
第四十七条第一号を削り、同条第二号中「第二十一条」を「第二十一条第二項」に改め、同号を同条第一号とし、同条第三号を同条第二号とし、同条を第四十七条の二とし、第六章中同条の前に次の一条を加える。
第四十七条 次の各号の一に該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第二十一条第一項の規定による命令に違反した者
二 第三十一条の二第一項の規定による命令に違反した者
第五十条中「前三条」を「前四条」に改める。
附則第二項中「五年」を「九年」に改める。
別表第一第三号、第六号及び第八号中「及びビスコース繊維」を「、ビスコース繊維及び銅アンモニヤ繊維」に改め、同表第十五号中「ビスコース繊維」を「ビスコース繊維及び銅アンモニヤ繊維」に改め、同表第十七号中「及びビスコース繊維」を「、ビスコース繊維及び銅アンモニヤ繊維」に改める。
別表第二第二号中「ビスコース繊維」を「ビスコース繊維及び銅アンモニヤ繊維」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して三月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
2 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
内閣総理大臣 池田勇人
通商産業大臣 石井光次郎