近年、不法な不動産侵奪行為が問題となっており、特に終戦直後の混乱期に行われたものも含め、現在も同種の行為が続いている。不法占拠には暴力等の不法手段が用いられ、権利者側も実力での権利回復を試みる傾向があり、暴力的犯罪が発生している。このような事態は不動産の安全な利用に対する国民の不安感を強め、順法精神にも悪影響を及ぼす。そこで、不動産侵奪罪に関する規定及び境界毀損罪に関する規定を新設し、これに伴う所要の改正を行うため、刑法の一部改正を提案するものである。不動産侵奪罪は不法領得の意思をもって不動産の占有を侵害する行為を処罰し、境界毀損罪は土地の境界を認識不能にする行為を処罰するものである。
参照した発言:
第34回国会 衆議院 法務委員会 第5号