海上運送法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第1号
公布年月日: 昭和34年1月10日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

定期航路における過当競争により、運賃の不安定化や海運業者の経営悪化、輸出入貿易への悪影響が生じている。この問題の主因は、航路安定を担う海運同盟の組織が脆弱なことにあり、それは現行法による厳重な規制に起因する。そこで、海運同盟への規制を可能な限り撤廃し、国際的な慣行となっている自衛手段を認めることで、その安定的機能を発揮させる。また、海運同盟の強化が困難な航路で紛争が発生した場合、運輸大臣による調整措置を可能とする制度を設ける。

参照した発言:
第31回国会 衆議院 運輸委員会 第1号

審議経過

第31回国会

衆議院
(昭和33年12月16日)
(昭和33年12月18日)
(昭和33年12月18日)
参議院
(昭和33年12月18日)
(昭和33年12月22日)
(昭和33年12月23日)
(昭和34年1月28日)
衆議院
(昭和34年5月2日)
海上運送法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十四年一月十日
内閣総理大臣 岸信介
法律第一号
海上運送法の一部を改正する法律
海上運送法(昭和二十四年法律第百八十七号)の一部を次のように改正する。
第二十八条各号列記以外の部分中「であつて左の各号に該当する事項を内容としないもの」を削り、同条各号を削る。
第三十条第四号中「正当且つ合理的な理由」を「当該航路における船腹の供給が需要に対し過剰となることその他の正当且つ合理的な理由」に改め、同条に次の一号を加える。
六 運賃のべもどし(荷主が一定期間内に一定範囲の貨物の運送をもつぱら一定の船舶運航事業者に行わせた場合に、当該期間に引き続く一定期間内に一定範囲の貨物の運送をその一定の船舶運航事業者以外の者に行わせなかつたことを条件として、当該運賃及び料金の一部を返還することをいう。以下同じ。)により荷主を不当に拘束し、又は運賃のべもどしにより荷主を不当に拘束する明示若しくは黙示の貨物の運送に関する結合、協定若しくは申し合わせに参加すること。
第三十条の二中「(各号列記の部分を除く。)」を削る。
第三十一条中「第二十八条各号若しくは」を削る。
第三十二条を次のように改める。
(運送秩序に関する勧告)
第三十二条 運輸大臣は、定期航路事業者(定期航路事業を営もうとする者を含む。)と他の定期航路事業者との間に貨物の運送について過度の競争を生じ、又は生ずるおそれがある場合において、その競争が定期航路事業の健全な発達を阻害するおそれがあると認めるときは、当事者に対して競争の停止又は防止のため必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
内閣総理大臣 岸信介
運輸大臣 永野護