(水防事務組合の設立)
第三条の二 地形の状況により、市町村が単独で前条の責任を果すことが著しく困難又は不適当であると認められる場合においては、関係市町村は、洪水又は高潮による被害の共通性を勘案して、共同して水防を行う区域を定め、水防事務組合を設けなければならない。
(水害予防組合の区域を水防を行う区域とする水防事務組合が設けられる場合の特別措置)
第三条の三 水害予防組合法(明治四十一年法律第五十号)第十五条第一項の規定により都道府県知事が水害予防組合を廃止しようとする場合において、当該水害予防組合の区域の全部又は一部について、当該水害予防組合に代るべき水防管理団体として引き続き水防事務組合が設けられるときは、都道府県知事は、同条第三項の規定にかかわらず、当該水害予防組合が、その有する財産及び負債のうち水防の用に供せられ、又は供せられる予定となつている財産及びこれらの財産に係る負債以外の財産及び負債の処分を完了したときは、当該水害予防組合を廃止することができる。
2 前項の規定により廃止される水害予防組合は、その廃止の日において有する水防の用に供せられ、又は供せられる予定となつている財産を、当該水害予防組合の区域の全部を水防を行う区域とする一の水防事務組合が設けられる場合においては、当該水防事務組合に、当該水害予防組合の区域について二以上の水防事務組合が設けられる場合又は当該水害予防組合の区域の一部が市町村の水防を行うべき区域となる場合においては、当該水害予防組合と関係水防事務組合又は市町村との協議に基き、関係水防事務組合又は市町村に無償譲渡し、当該水防事務組合又は市町村は、それぞれ、その譲渡される財産に係る負債を引き受けなければならない。この場合においては、当該水害予防組合は、当該財産の譲渡及び負債の引継のために必要な範囲内において、当該財産の譲渡及び負債の引継を完了するまで、なお存続するものとみなす。
(水防事務組合の議会の議員の選挙)
第三条の四 水防事務組合の議会の議員は、組合規約で定めるところにより、関係市町村の議会において、当該市町村の議会の議員の被選挙権を有する者で水防に関し学識経験があり、かつ、熱意があると認められるもののうちから選挙するものとする。ただし、数市町村にわたる水防上の特別の利害を調整する必要があると認められるときは、組合規約で定めるところにより、当該市町村の議会の議員の被選挙権を有する者で水防に関し学識経験があり、かつ、熱意があると認められるものにつき当該市町村の長が推薦した者のうちから選挙することができる。この場合において、市町村の長が推薦した者のうちから選挙される議員の数は、当該市町村の議会において選挙される議員の数の二分の一をこえてはならない。
2 前項の規定により関係市町村の議会において選挙される議員の数は、水防事務組合の行う事業による受益の割合及び防護すべき施設の延長の割合を勘案して定めるものとする。
(水防事務組合の経費の分賦)
第三条の五 水防事務組合の経費の関係市町村に対する分賦は、前条第二項に規定する割合を勘案して定めるものとする。
(都道府県の水防責任)
第三条の六 都道府県は、その区域における水防管理団体が行う水防が十分に行われるように確保すべき責任を有する。