所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律
法令番号: 法律第81号
公布年月日: 昭和32年4月26日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

日本国とスウェーデンとの間で締結する二重課税回避及び脱税防止のための条約の実施に伴い、法律上の措置が必要な事項について対応するものである。主な内容は、非居住者への利子所得等に対する所得税率を15%に軽減すること、及び非居住者の特許権等の譲渡所得に対する課税について、所得税・法人税の税負担が収入金額の15%を超える場合はその負担を15%に軽減することである。また条約実施に必要な手続きは大蔵省令で定めることとしている。

参照した発言:
第26回国会 衆議院 大蔵委員会 第7号

審議経過

第26回国会

衆議院
(昭和32年3月1日)
参議院
(昭和32年3月1日)
衆議院
(昭和32年3月5日)
参議院
(昭和32年3月5日)
衆議院
(昭和32年3月6日)
(昭和32年3月8日)
(昭和32年3月12日)
(昭和32年3月13日)
参議院
(昭和32年3月13日)
衆議院
(昭和32年3月14日)
参議院
(昭和32年3月27日)
(昭和32年3月29日)
衆議院
(昭和32年5月19日)
参議院
(昭和32年5月19日)
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年四月二十六日
内閣総理大臣 岸信介
法律第八十一号
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律
(趣旨)
第一条 この法律は、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とスウェーデンとの間の条約(以下「条約」という。)を実施するため、所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)及び法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)の特例その他必要な事項を定めるものとする。
(使用料、配当又は利子に対する所得税の税率の特例等)
第二条 所得税法第一条第二項又は第五項の規定に該当する個人又は法人でスウェーデンの居住者又は法人である者(所得税法の施行地に条約第二条第一項(j)に規定する恒久的施設を有する者を除く。以下同じ。)が支払を受ける条約第六条第一項、第七条第一項又は第八条第一項に規定する使用料、配当又は利子で同法の施行地にその源泉があるものに対する同法第十七条、第十八条第二項又は第四十一条の規定の適用については、これらの規定中「百分の二十」とあるのは、「百分の十五」とする。ただし、これらの所得に対し所得税を課さず、又はこれらの所得に対する所得税額をその収入金額の百分の十五に相当する金額以下とする租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)その他の法律の規定の適用を妨げない。
2 前項に規定する者が条約第六条第四項に規定する所得で所得税法又は法人税法の施行地にその源泉があるものを有する場合において、その者の所得税額(所得税法第十七条に規定する所得に係るものを除く。以下同じ。)又は法人税額の同項に規定する所得に対応する部分の金額が、同項に規定する財産の売却により支払を受ける金額の百分の十五に相当する金額をこえるときは、その者の所得税額又は法人税額につき、そのこえる金額に相当する税額を軽減する。この場合において、同項に規定する所得に対応する部分の金額は、当該所得の生じた年分又は事業年度分の所得税額又は法人税額に、当該所得がこれらの税額の計算の基礎となつた所得の金額のうちに占める割合を乗じて得た金額とする。
(実施規定)
第三条 前条に定めるものを除くほか、条約の実施及びこの法律の適用に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。
附 則
1 この法律は、条約の効力発生の日から施行する。
2 第二条第一項中所得税法第十七条又は第十八条第二項の規定に係る部分及び第二条第二項の規定は、この法律の施行の日の属する年の一月一日以後に支払を受けるべき使用料、配当又は利子及び同日以後(法人にあつては、同日以後に開始する事業年度以後の事業年度)に生ずる所得について、第二条第一項中同法第四十一条の規定に係る部分は、同日以後に支払を受けるべき使用料、配当又は利子でこの法律の施行の日以後に支払われるものについて適用する。
大蔵大臣 池田勇人
内閣総理大臣 岸信介