道路運送法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第168号
公布年月日: 昭和31年7月2日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

戦後の自動車運送の急激な発展に伴い、自動車事故も増加の一途をたどっている。政府は交通事故防止対策本部を設置し、根本的な防止対策を検討してきた。本法案は、自動車運送事業による輸送の安全確保と道路運送に関する秩序確立により、道路運送の健全な発達を促進するために提案するものである。主な改正点として、自動車運送事業の定義から「有償で」を削除し規制対象を拡大すること、特定自動車運送事業の免許基準に事業の適確遂行能力を加えること、特定旅客自動車運送事業の運転手にも一定要件を設けること、事業者への規制強化、輸送安全準則・運行安全準則の整備、監査責任の明確化などが挙げられる。

参照した発言:
第24回国会 衆議院 運輸委員会 第15号

審議経過

第24回国会

衆議院
(昭和31年3月8日)
参議院
(昭和31年3月9日)
(昭和31年3月15日)
衆議院
(昭和31年3月23日)
(昭和31年3月27日)
(昭和31年3月27日)
参議院
(昭和31年3月30日)
(昭和31年4月4日)
(昭和31年4月10日)
(昭和31年4月13日)
(昭和31年4月17日)
(昭和31年4月19日)
(昭和31年4月20日)
衆議院
(昭和31年6月3日)
(昭和31年6月3日)
道路運送法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十一年七月二日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第百六十八号
道路運送法の一部を改正する法律
道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)の一部を次のように改正する。
第二条第二項中「有償で」を削る。
第六条第二項に次の一号を加える。
三 当該事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであること。
第二十七条を次のように改める。
(運転者の制限)
第二十七条 第三条第二項第一号から第三号まで及び同条第三項第一号の自動車運送事業を経営する者は、年齢、運転の経歴その他政令で定める一定の要件を備える者でなければ、その事業用自動車の運転をさせてはならない。但し、当該運行が旅客の運送を目的としない場合は、この限りでない。
第三十条中「従業員の選任」の下に「、事業用自動車の運行の管理」を、「掲示すべき事項その他」の下に「輸送の安全及び」を加える。
第三十条に次の一項を加える。
2 事業用自動車の運転者及び運転の補助に従事する従業員が運行の安全の確保のために遵守すべき事項は、運輸省令で定める。
第百二十六条第二項を次のように改める。
2 当該行政庁は、第一条の目的を達成するため必要があると認めるときは、その職員をして自動車、自動車若しくは軽車両の所在する場所又は道路運送事業者の事業場に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査し、又は関係者に質問させることができる。
第百二十八条の次に次の一条を加える。
第百二十八条の二 左の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第二十七条の規定に違反した者
二 第四十三条(第七十二条において準用する場合を含む。)の規定による輸送施設の使用の停止又は事業の停止の処分に違反した者
第百二十九条第三号を次のように改める。
三 削除
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。
2 この法律の施行の際、現に改正後の道路運送法第二条第二項の規定により新たに自動車運送事業となる事業を経営している者は、この法律の施行の日から三十日間は、同法第四条第一項の規定による免許を受けないでも、当該事業を引き続き経営することができる。その者が、その期間内に当該事業について同項の免許の申請をした場合において、免許をする旨又は免許をしない旨の通知を受ける日までの期間についても同様とする。
運輸大臣 吉野信次
内閣総理大臣 鳩山一郎