中央卸売市場法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第百五十八号
公布年月日: 昭和31年6月22日
法令の形式: 法律
中央卸売市場法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十一年六月二十二日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第百五十八号
中央卸売市場法の一部を改正する法律
中央卸売市場法(大正十二年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。
本則中「主務大臣」を「農林大臣」に改める。
第一条第一項中「又ハ特別ノ事情アル場合ニ於テハ民法第三十四条ノ規定ニ依ル法人」を削り、「隣接地」の下に「(以下指定区域ト謂フ)」を加え、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。
前項ノ規定ニ依ル指定ハ都市ニ在リテハ政令ヲ以テ定ムル数以上ノ人口ヲ有スルモノニ付、隣接地ニ在リテハ其ノ区域ト当該都市ノ区域トヲ一体トシテ前項ニ掲グル物品ノ流通ノ円滑ヲ図ル必要アリト認メラルルモノニ付之ヲ為スモノトス
第三条に次の一項を加える。
開設者ハ中央卸売市場ニ於ル業務ノ適正且健全ナル運営ヲ確保スル為必要アルトキハ業務規程ヲ以テ卸売ノ業務ヲ為ス者ノ数ノ最高限度ヲ定ムルコトヲ得
第七条第一項中「勅令」を「政令」に改め、同条第二項中「地方長官」を「農林大臣」に、「決定ニ不服アル者」を「決定ニ係ル補償金額ニ不服アル者」に、「通常裁判所ニ出訴スルコトヲ得」を「訴ヲ以テ其ノ増減ヲ請求スルコトヲ得」に改め、同条に次の一項を加える。
前項ノ訴ニ於テハ他ノ当事者ヲ被告トス
第十条中「地方長官」を「農林大臣」に改め、同条の次に次の六条を加える。
第十条ノ二 農林大臣ハ第三条第二項ノ規定ニ依ル数ノ最高限度ヲ超エテ前条ノ許可ヲ為スコトヲ得ズ
第十条ノ三 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ第十条ノ許可ヲ受クルコトヲ得ズ
一 破産者ニシテ復権ヲ得ザルモノ
二 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者又ハ此ノ法律ノ規定ニ違反シテ罰金ニ処セラレタル者ニシテ其ノ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ刑ノ執行ヲ受クルコトナクナリタル日ヨリ三年ヲ経過セザルモノ
三 第十八条第一項ノ規定ニ依ル許可ノ取消ヲ受ケタル者ニシテ其ノ取消ノ日ヨリ三年ヲ経過セザルモノ
四 法人ニシテ其ノ無限責任社員又ハ取締役其ノ他業務ヲ執行スル役員中ニ前三号ノ一ニ該当スル者アルモノ
第十条ノ四 左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ農林大臣ハ第十条ノ許可ヲ為サザルコトヲ得
一 許可ヲ受ケムトスル者第十条ノ六第二項第一号又ハ第二号ノ規定ニ依リ許可ノ取消ヲ受ケ其ノ取消ノ日ヨリ一年ヲ経過セザル者ナルトキ
二 許可ヲ受ケムトスル者当該卸売ノ業務ヲ為スニ足ル資力信用ヲ有セザルトキ
三 許可ヲ受ケムトスル者ガ当該卸売ノ業務ヲ開始スルトキハ当該中央卸売市場ニ於テ卸売ノ業務ヲ為ス者ノ間ニ過度ノ競争ガ行ハレ其ノ結果当該中央卸売市場ニ於ル卸売ノ業務ノ適正且健全ナル運営ガ阻害セラルル虞アリト認メラルルトキ
第十条ノ五 第十条ノ許可又ハ許可ノ拒否ノ処分ハ農林大臣ニ於テ開設者ノ意見ヲ聞キ其ノ意見ヲ尊重シテ之ヲ為スベシ
農林大臣前項ノ処分ヲ為ス場合ニ於テ当該処分ガ開設者ノ意見ト異ナルトキハ理由ヲ明記シタル文書ヲ以テ其ノ旨ヲ当該開設者ニ通知スベシ
第十条ノ六 農林大臣ハ第十条ノ許可ヲ受ケタル者第十条ノ三第一号、第二号又ハ第四号ニ該当スルニ至リタルトキハ其ノ許可ヲ取消スベシ
農林大臣ハ第十条ノ許可ヲ受ケタル者左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ其ノ許可ヲ取消スコトヲ得
一 許可ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ一月内ニ第十一条ノ保証金ヲ納付セズ又ハ当該卸売ノ業務ヲ開始セザルトキ
二 正当ノ理由ナクシテ引続キ一月以上当該卸売ノ業務ヲ休止シタルトキ
三 当該卸売ノ業務ヲ為スニ足ル資力信用ヲ欠クニ至リタルトキ
第十条ノ七 農林大臣前条第二項ノ規定ニ依ル処分ヲ為サムトスルトキハ当該処分ノ相手方ニ対シ相当ノ期間ヲ置キタル上期日、場所及処分ノ原因タル事由ヲ通知シテ公開ニ依ル聴聞ヲ行ヒ其ノ者又ハ其ノ代理人が証拠ヲ提示シ意見ヲ陳述スル機会ヲ与フベシ
第十一条中「前条」を「第十条」に改め、第十五条の次に次の五条を加える。
第十五条ノ二 第十条ノ規定ニ依リ卸売ノ業務ヲ為ス者ノ間ニ於ル過度ノ競争ニ因ル弊害ヲ防止シ卸売ノ業務ノ適正且健全ナル運営ヲ確保スル為特ニ必要アル場合ニ於テ当該卸売ノ業務ヲ為ス者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ予メ農林大臣ノ認可ヲ受ケ此等ノ者ノ間ニ於テ為ス合併若ハ営業ノ譲受又ハ命令ノ定ムル所ニ依リ予メ農林大臣ノ認可ヲ受ケ此等ノ者ノ間ニ於テ締結スル卸売ノ業務ニ係ル取引条件ニ関スル協定(卸売ノ業務ヲ為ス者ノ取扱フ物品ノ価格、品質又ハ数量ニ関スルモノヲ除ク)及之ニ基キテ為ス行為ニハ私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)ノ規定ハ之ヲ適用セズ但不公正ナル取引方法ヲ用フルトキハ此ノ限ニ在ラズ
農林大臣ハ前項ノ認可ノ申請アリタル場合ニ於テ申請ニ係ル合併若ハ営業ノ譲受又ハ協定左ノ各号ニ適合スルト認ムルトキハ之ヲ認可スベシ
一 其ノ合併若ハ営業ノ譲受又ハ其ノ協定ノ内容ガ当該卸売ノ業務ヲ為ス者ノ間ニ於ル過度ノ競争ニ因ル弊害ヲ防止シ卸売ノ業務ノ適正且健全ナル運営ヲ確保スル為必要ニシテ最少限度ノモノナルコト
二 其ノ合併若ハ営業ノ譲受又ハ其ノ協定ノ内容不当ニ差別的ニ非ザルコト
三 其ノ協定ニ参加シ又ハ其ノ協定ヨリ脱退スルコトヲ不当ニ制限セザルコト
四 関係事業者及一般消費者ノ利益ヲ不当ニ害スル虞ナキコト
第十五条ノ三 農林大臣ハ前条第一項ノ認可ヲ為シタル協定同条第二項各号ノ全部又ハ一部ニ適合セザルモノトナルニ至リタルト認ムルトキハ当該協定ヲ締結シタル者ニ対シ其ノ変更ヲ命ジ又ハ認可ヲ取消スベシ
第十五条ノ四 第十条ノ規定ニ依リ卸売ノ業務ヲ為ス者第十五条ノ二第一項ノ協定ヲ廃止シタルトキハ其ノ旨ヲ農林大臣ニ届出ヅベシ
第十五条ノ五 農林大臣第十五条ノ二第一項ノ認可ヲ為サムトスルトキハ公正取引委員会ニ協議スベシ
農林大臣第十五条ノ三ノ規定ニ依ル処分ヲ為シ又ハ前条ノ規定ニ依ル届出ヲ受理シタルトキハ遅滞ナク其ノ旨ヲ公正取引委員会ニ通知スベシ
公正取引委員会ハ第十五条ノ二第一項ノ認可ヲ受ケテ締結シタル協定同条第二項各号ノ全部又ハ一部ニ適合セザルモノトナルニ至リタルト認ムルトキハ農林大臣ニ対シ第十五条ノ三ノ規定ニ依ル処分ヲ為スベキ旨ヲ請求スルコトヲ得
第十五条ノ六 開設者必要アリト認ムルトキハ仲買ノ業務ヲ為ス者ヲ売買ニ参加セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ同項ノ仲買ノ業務ヲ為ス者ノ資格、員数其ノ他命令ヲ以テ定ムル事項ハ業務規程ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第十六条中「千円以下」を「十万円以下」に改め、第十七条に次の一項を加える。
農林大臣必要アリト認ムルトキハ第十条ノ規定ニ依リ卸売ノ業務ヲ為ス者ヨリ其ノ業務又ハ財産ノ状況ニ関シ報告ヲ徴スルコトヲ得
第十八条第三号中「業務許可」を「許可」に改め、同条第四号を削り、同条に次の一項を加える。
第十条ノ七ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル処分ヲ為サムトスル場合ニ之ヲ準用ス
第十九条中「又ハ地方長官」を削り、「官吏」を「当該職員」に改め、同条に次の一項を加える。
前項ノ規定ニ依リ検査ヲ行フ場合ニ於テハ当該職員ハ其ノ身分ヲ示ス証明書ヲ携帯シ之ヲ関係人ニ提示スベシ
第二十二条から第二十四条までを削り、第二十一条中「命令」を「政令」に、「地方長官」を「都道府県知事」に改め、同条を第二十四条とし、第二十条の次に次の三条を加える。
第二十一条 中央卸売市場ノ取扱品目ニ付当該指定区域内ニ於テ中央卸売市場類似ノ業務ヲ為ス市場ニシテ其ノ施設ガ命令ヲ以テ定ムル基準ヲ超ユルモノ(以下類似市場ト謂フ)ヲ開設セムトスル者又ハ類似市場以外ノ市場ヲ類似市場ト為サムトスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ左ニ掲グル事項ヲ農林大臣ニ届出ヅベシ
一 氏名又ハ名称及住所
二 市場ノ位置、施設ノ概況及取扱品目
三 業務ノ方法
四 卸売ノ業務ヲ為ス者ノ氏名又ハ名称及住所竝ニ取扱品目
五 其ノ他命令ヲ以テ定ムル事項
左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テ類似市場以外ノ市場ガ類似市場トナリタルトキノ当該市場ノ開設者亦前項ニ同ジ
一 中央卸売市場ノ開設ノ認可アリタルトキ
二 中央卸売市場ノ取扱品目ニ付追加アリタルトキ
三 指定区域ニ変更アリタルトキ
四 前項ノ命令ヲ以テ定ムル基準ニ変更アリタルトキ
類似市場ノ開設者ハ第一項各号ニ掲グル事項ニ変更ヲ生ジタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ変更ニ係ル事項ヲ農林大臣に届出ヅベシ
第二十二条 農林大臣第一条第一項ニ掲グル物品ノ円滑ナル流通ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ類似市場ノ開設者若ハ類似市場ニ於テ卸売ノ業務ヲ為ス者ヨリ其ノ業務若ハ財産ノ状況ニ関シ報告ヲ徴シ又ハ当該職員ヲシテ類似市場若ハ卸売ノ業務ヲ為ス者ノ事務所若ハ事業所ニ立入リ其ノ業務若ハ財産ノ状況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル立入検査ノ権限ハ犯罪捜査ノ為認メラレタルモノト解スルコトヲ得ズ
第十九条第二項ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依ル立入検査ニ付之ヲ準用ス
第二十三条 農林大臣ハ類似市場ニ於ル業務ノ公正ヲ確保シ又ハ類似市場ニ於テ卸売ノ業務ヲ為ス者ニ対シ販売若ハ販売ノ委託ヲ為ス者ヲ保護スル為必要アリト認ムルトキハ類似市場ノ開設者又ハ類似市場ニ於テ卸売ノ業務ヲ為ス者ニ対シ其ノ施設又ハ業務ノ方法ノ変更ヲ命ズルコトヲ得
農林大臣ハ前項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者正当ノ理由ナクシテ当該命令ニ違反シタルトキハ一年以内ノ期間ヲ定メ其ノ業務ノ停止ヲ命ズルコトヲ得
第十条ノ七ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル命令ヲ為サムトスル場合ニ之ヲ準用ス
第二十五条から第二十七条までを次のように改め、第二十八条を削る。
第二十五条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五万円以下ノ罰金ニ処ス
一 第六条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
二 第十七条第二項ノ規定ニ依ル報告ヲ為サズ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタル者
三 第十八条第一項第三号ノ規定ニ依ル処分ニ違反シタル者
四 第二十一条ノ規定ニ依ル届出ヲ為サズ又ハ虚偽ノ届出ヲ為シタル者
五 第二十三条第二項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第二十六条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ三万円以下ノ罰金ニ処ス
一 第十五条又ハ第二十二条第一項ノ規定ニ依ル報告ヲ為サズ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタル者
二 第十九条第一項又ハ第二十二条第一項ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
第二十七条 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シ前二条ノ違反行為ヲ為シタルトキハ其ノ行為者ヲ罰スル外其ノ法人又ハ人ニ対シテ各本条ノ刑ヲ科ス
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して九十日を経過した日から施行する。
2 改正前の中央卸売市場法第一条第一項の規定によつてした指定であつて、その区域内にこの法律の施行の際現に中央卸売市場が開設されている都市及びその隣接地に係るものは、改正後の同条第一項及び第二項の規定によつてしたものとみなす。
3 改正前の中央卸売市場法第十条の規定によつてした許可は、改正後の同条の規定によつてしたものとみなす。
4 この法律の施行の際現に改正後の中央卸売市場法第二十一条第一項に規定する類似市場を開設している者は、この法律の施行の日から六十日以内に農林省令で定める手続により同項各号に掲げる事項を農林大臣に届け出なければならない。
5 前項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、五万円以下の罰金に処する。
6 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。
7 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
農林大臣 河野一郎
内閣総理大臣 鳩山一郎
中央卸売市場法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十一年六月二十二日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第百五十八号
中央卸売市場法の一部を改正する法律
中央卸売市場法(大正十二年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。
本則中「主務大臣」を「農林大臣」に改める。
第一条第一項中「又ハ特別ノ事情アル場合ニ於テハ民法第三十四条ノ規定ニ依ル法人」を削り、「隣接地」の下に「(以下指定区域ト謂フ)」を加え、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同条第一項の次に次の一項を加える。
前項ノ規定ニ依ル指定ハ都市ニ在リテハ政令ヲ以テ定ムル数以上ノ人口ヲ有スルモノニ付、隣接地ニ在リテハ其ノ区域ト当該都市ノ区域トヲ一体トシテ前項ニ掲グル物品ノ流通ノ円滑ヲ図ル必要アリト認メラルルモノニ付之ヲ為スモノトス
第三条に次の一項を加える。
開設者ハ中央卸売市場ニ於ル業務ノ適正且健全ナル運営ヲ確保スル為必要アルトキハ業務規程ヲ以テ卸売ノ業務ヲ為ス者ノ数ノ最高限度ヲ定ムルコトヲ得
第七条第一項中「勅令」を「政令」に改め、同条第二項中「地方長官」を「農林大臣」に、「決定ニ不服アル者」を「決定ニ係ル補償金額ニ不服アル者」に、「通常裁判所ニ出訴スルコトヲ得」を「訴ヲ以テ其ノ増減ヲ請求スルコトヲ得」に改め、同条に次の一項を加える。
前項ノ訴ニ於テハ他ノ当事者ヲ被告トス
第十条中「地方長官」を「農林大臣」に改め、同条の次に次の六条を加える。
第十条ノ二 農林大臣ハ第三条第二項ノ規定ニ依ル数ノ最高限度ヲ超エテ前条ノ許可ヲ為スコトヲ得ズ
第十条ノ三 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ第十条ノ許可ヲ受クルコトヲ得ズ
一 破産者ニシテ復権ヲ得ザルモノ
二 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者又ハ此ノ法律ノ規定ニ違反シテ罰金ニ処セラレタル者ニシテ其ノ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ刑ノ執行ヲ受クルコトナクナリタル日ヨリ三年ヲ経過セザルモノ
三 第十八条第一項ノ規定ニ依ル許可ノ取消ヲ受ケタル者ニシテ其ノ取消ノ日ヨリ三年ヲ経過セザルモノ
四 法人ニシテ其ノ無限責任社員又ハ取締役其ノ他業務ヲ執行スル役員中ニ前三号ノ一ニ該当スル者アルモノ
第十条ノ四 左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ農林大臣ハ第十条ノ許可ヲ為サザルコトヲ得
一 許可ヲ受ケムトスル者第十条ノ六第二項第一号又ハ第二号ノ規定ニ依リ許可ノ取消ヲ受ケ其ノ取消ノ日ヨリ一年ヲ経過セザル者ナルトキ
二 許可ヲ受ケムトスル者当該卸売ノ業務ヲ為スニ足ル資力信用ヲ有セザルトキ
三 許可ヲ受ケムトスル者ガ当該卸売ノ業務ヲ開始スルトキハ当該中央卸売市場ニ於テ卸売ノ業務ヲ為ス者ノ間ニ過度ノ競争ガ行ハレ其ノ結果当該中央卸売市場ニ於ル卸売ノ業務ノ適正且健全ナル運営ガ阻害セラルル虞アリト認メラルルトキ
第十条ノ五 第十条ノ許可又ハ許可ノ拒否ノ処分ハ農林大臣ニ於テ開設者ノ意見ヲ聞キ其ノ意見ヲ尊重シテ之ヲ為スベシ
農林大臣前項ノ処分ヲ為ス場合ニ於テ当該処分ガ開設者ノ意見ト異ナルトキハ理由ヲ明記シタル文書ヲ以テ其ノ旨ヲ当該開設者ニ通知スベシ
第十条ノ六 農林大臣ハ第十条ノ許可ヲ受ケタル者第十条ノ三第一号、第二号又ハ第四号ニ該当スルニ至リタルトキハ其ノ許可ヲ取消スベシ
農林大臣ハ第十条ノ許可ヲ受ケタル者左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ其ノ許可ヲ取消スコトヲ得
一 許可ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ一月内ニ第十一条ノ保証金ヲ納付セズ又ハ当該卸売ノ業務ヲ開始セザルトキ
二 正当ノ理由ナクシテ引続キ一月以上当該卸売ノ業務ヲ休止シタルトキ
三 当該卸売ノ業務ヲ為スニ足ル資力信用ヲ欠クニ至リタルトキ
第十条ノ七 農林大臣前条第二項ノ規定ニ依ル処分ヲ為サムトスルトキハ当該処分ノ相手方ニ対シ相当ノ期間ヲ置キタル上期日、場所及処分ノ原因タル事由ヲ通知シテ公開ニ依ル聴聞ヲ行ヒ其ノ者又ハ其ノ代理人が証拠ヲ提示シ意見ヲ陳述スル機会ヲ与フベシ
第十一条中「前条」を「第十条」に改め、第十五条の次に次の五条を加える。
第十五条ノ二 第十条ノ規定ニ依リ卸売ノ業務ヲ為ス者ノ間ニ於ル過度ノ競争ニ因ル弊害ヲ防止シ卸売ノ業務ノ適正且健全ナル運営ヲ確保スル為特ニ必要アル場合ニ於テ当該卸売ノ業務ヲ為ス者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ予メ農林大臣ノ認可ヲ受ケ此等ノ者ノ間ニ於テ為ス合併若ハ営業ノ譲受又ハ命令ノ定ムル所ニ依リ予メ農林大臣ノ認可ヲ受ケ此等ノ者ノ間ニ於テ締結スル卸売ノ業務ニ係ル取引条件ニ関スル協定(卸売ノ業務ヲ為ス者ノ取扱フ物品ノ価格、品質又ハ数量ニ関スルモノヲ除ク)及之ニ基キテ為ス行為ニハ私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)ノ規定ハ之ヲ適用セズ但不公正ナル取引方法ヲ用フルトキハ此ノ限ニ在ラズ
農林大臣ハ前項ノ認可ノ申請アリタル場合ニ於テ申請ニ係ル合併若ハ営業ノ譲受又ハ協定左ノ各号ニ適合スルト認ムルトキハ之ヲ認可スベシ
一 其ノ合併若ハ営業ノ譲受又ハ其ノ協定ノ内容ガ当該卸売ノ業務ヲ為ス者ノ間ニ於ル過度ノ競争ニ因ル弊害ヲ防止シ卸売ノ業務ノ適正且健全ナル運営ヲ確保スル為必要ニシテ最少限度ノモノナルコト
二 其ノ合併若ハ営業ノ譲受又ハ其ノ協定ノ内容不当ニ差別的ニ非ザルコト
三 其ノ協定ニ参加シ又ハ其ノ協定ヨリ脱退スルコトヲ不当ニ制限セザルコト
四 関係事業者及一般消費者ノ利益ヲ不当ニ害スル虞ナキコト
第十五条ノ三 農林大臣ハ前条第一項ノ認可ヲ為シタル協定同条第二項各号ノ全部又ハ一部ニ適合セザルモノトナルニ至リタルト認ムルトキハ当該協定ヲ締結シタル者ニ対シ其ノ変更ヲ命ジ又ハ認可ヲ取消スベシ
第十五条ノ四 第十条ノ規定ニ依リ卸売ノ業務ヲ為ス者第十五条ノ二第一項ノ協定ヲ廃止シタルトキハ其ノ旨ヲ農林大臣ニ届出ヅベシ
第十五条ノ五 農林大臣第十五条ノ二第一項ノ認可ヲ為サムトスルトキハ公正取引委員会ニ協議スベシ
農林大臣第十五条ノ三ノ規定ニ依ル処分ヲ為シ又ハ前条ノ規定ニ依ル届出ヲ受理シタルトキハ遅滞ナク其ノ旨ヲ公正取引委員会ニ通知スベシ
公正取引委員会ハ第十五条ノ二第一項ノ認可ヲ受ケテ締結シタル協定同条第二項各号ノ全部又ハ一部ニ適合セザルモノトナルニ至リタルト認ムルトキハ農林大臣ニ対シ第十五条ノ三ノ規定ニ依ル処分ヲ為スベキ旨ヲ請求スルコトヲ得
第十五条ノ六 開設者必要アリト認ムルトキハ仲買ノ業務ヲ為ス者ヲ売買ニ参加セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ同項ノ仲買ノ業務ヲ為ス者ノ資格、員数其ノ他命令ヲ以テ定ムル事項ハ業務規程ヲ以テ之ヲ定ムベシ
第十六条中「千円以下」を「十万円以下」に改め、第十七条に次の一項を加える。
農林大臣必要アリト認ムルトキハ第十条ノ規定ニ依リ卸売ノ業務ヲ為ス者ヨリ其ノ業務又ハ財産ノ状況ニ関シ報告ヲ徴スルコトヲ得
第十八条第三号中「業務許可」を「許可」に改め、同条第四号を削り、同条に次の一項を加える。
第十条ノ七ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル処分ヲ為サムトスル場合ニ之ヲ準用ス
第十九条中「又ハ地方長官」を削り、「官吏」を「当該職員」に改め、同条に次の一項を加える。
前項ノ規定ニ依リ検査ヲ行フ場合ニ於テハ当該職員ハ其ノ身分ヲ示ス証明書ヲ携帯シ之ヲ関係人ニ提示スベシ
第二十二条から第二十四条までを削り、第二十一条中「命令」を「政令」に、「地方長官」を「都道府県知事」に改め、同条を第二十四条とし、第二十条の次に次の三条を加える。
第二十一条 中央卸売市場ノ取扱品目ニ付当該指定区域内ニ於テ中央卸売市場類似ノ業務ヲ為ス市場ニシテ其ノ施設ガ命令ヲ以テ定ムル基準ヲ超ユルモノ(以下類似市場ト謂フ)ヲ開設セムトスル者又ハ類似市場以外ノ市場ヲ類似市場ト為サムトスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ左ニ掲グル事項ヲ農林大臣ニ届出ヅベシ
一 氏名又ハ名称及住所
二 市場ノ位置、施設ノ概況及取扱品目
三 業務ノ方法
四 卸売ノ業務ヲ為ス者ノ氏名又ハ名称及住所並ニ取扱品目
五 其ノ他命令ヲ以テ定ムル事項
左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テ類似市場以外ノ市場ガ類似市場トナリタルトキノ当該市場ノ開設者亦前項ニ同ジ
一 中央卸売市場ノ開設ノ認可アリタルトキ
二 中央卸売市場ノ取扱品目ニ付追加アリタルトキ
三 指定区域ニ変更アリタルトキ
四 前項ノ命令ヲ以テ定ムル基準ニ変更アリタルトキ
類似市場ノ開設者ハ第一項各号ニ掲グル事項ニ変更ヲ生ジタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ変更ニ係ル事項ヲ農林大臣に届出ヅベシ
第二十二条 農林大臣第一条第一項ニ掲グル物品ノ円滑ナル流通ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ類似市場ノ開設者若ハ類似市場ニ於テ卸売ノ業務ヲ為ス者ヨリ其ノ業務若ハ財産ノ状況ニ関シ報告ヲ徴シ又ハ当該職員ヲシテ類似市場若ハ卸売ノ業務ヲ為ス者ノ事務所若ハ事業所ニ立入リ其ノ業務若ハ財産ノ状況若ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル立入検査ノ権限ハ犯罪捜査ノ為認メラレタルモノト解スルコトヲ得ズ
第十九条第二項ノ規定ハ第一項ノ規定ニ依ル立入検査ニ付之ヲ準用ス
第二十三条 農林大臣ハ類似市場ニ於ル業務ノ公正ヲ確保シ又ハ類似市場ニ於テ卸売ノ業務ヲ為ス者ニ対シ販売若ハ販売ノ委託ヲ為ス者ヲ保護スル為必要アリト認ムルトキハ類似市場ノ開設者又ハ類似市場ニ於テ卸売ノ業務ヲ為ス者ニ対シ其ノ施設又ハ業務ノ方法ノ変更ヲ命ズルコトヲ得
農林大臣ハ前項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者正当ノ理由ナクシテ当該命令ニ違反シタルトキハ一年以内ノ期間ヲ定メ其ノ業務ノ停止ヲ命ズルコトヲ得
第十条ノ七ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル命令ヲ為サムトスル場合ニ之ヲ準用ス
第二十五条から第二十七条までを次のように改め、第二十八条を削る。
第二十五条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五万円以下ノ罰金ニ処ス
一 第六条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
二 第十七条第二項ノ規定ニ依ル報告ヲ為サズ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタル者
三 第十八条第一項第三号ノ規定ニ依ル処分ニ違反シタル者
四 第二十一条ノ規定ニ依ル届出ヲ為サズ又ハ虚偽ノ届出ヲ為シタル者
五 第二十三条第二項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
第二十六条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ三万円以下ノ罰金ニ処ス
一 第十五条又ハ第二十二条第一項ノ規定ニ依ル報告ヲ為サズ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタル者
二 第十九条第一項又ハ第二十二条第一項ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
第二十七条 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者其ノ法人又ハ人ノ業務ニ関シ前二条ノ違反行為ヲ為シタルトキハ其ノ行為者ヲ罰スル外其ノ法人又ハ人ニ対シテ各本条ノ刑ヲ科ス
附 則
1 この法律は、公布の日から起算して九十日を経過した日から施行する。
2 改正前の中央卸売市場法第一条第一項の規定によつてした指定であつて、その区域内にこの法律の施行の際現に中央卸売市場が開設されている都市及びその隣接地に係るものは、改正後の同条第一項及び第二項の規定によつてしたものとみなす。
3 改正前の中央卸売市場法第十条の規定によつてした許可は、改正後の同条の規定によつてしたものとみなす。
4 この法律の施行の際現に改正後の中央卸売市場法第二十一条第一項に規定する類似市場を開設している者は、この法律の施行の日から六十日以内に農林省令で定める手続により同項各号に掲げる事項を農林大臣に届け出なければならない。
5 前項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、五万円以下の罰金に処する。
6 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。
7 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
農林大臣 河野一郎
内閣総理大臣 鳩山一郎