飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第84号
公布年月日: 昭和31年4月26日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

飼料問題の解決は畜産振興において重要な前提であり、昭和28年制定の飼料の品質改善に関する法律により一定の効果を上げてきた。しかし、さらなる品質改善促進のため、登録制度の改正と取締りの強化が必要となった。具体的には、公定規格を設け、これに適合する飼料のみ登録を認めることで、良質飼料推奨制度としての性格を明確化する。また、炭カルや貝がら粉末等の材料を混入した飼料について、混入物の名称や混入割合等の表示を義務付け、消費者保護と取引の公正化を図る。これらの実施のため、都道府県知事への権限委任等の改正を行う。

参照した発言:
第24回国会 参議院 農林水産委員会 第16号

審議経過

第24回国会

参議院
(昭和31年3月9日)
衆議院
(昭和31年3月14日)
(昭和31年3月20日)
(昭和31年3月22日)
(昭和31年3月23日)
(昭和31年3月27日)
(昭和31年3月27日)
参議院
(昭和31年4月13日)
(昭和31年4月17日)
(昭和31年4月18日)
衆議院
(昭和31年6月3日)
参議院
(昭和31年6月3日)
飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十一年四月二十六日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第八十四号
飼料の品質改善に関する法律の一部を改正する法律
飼料の品質改善に関する法律(昭和二十八年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
第三条第二項中「前項に掲げる者は、同項の届出事項」を「前二項の規定による届出をした者は、その届出事項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 新たに第二条第一項の農林大臣の指定があつたため製造業者又は輸入業者となつた者は、その指定があつた日から一箇月以内に、前項各号に掲げる事項を農林大臣に届け出なければならない。
第三条の次に次の三条を加える。
(公定規格の設定)
第三条の二 農林大臣は、第一条に規定する目的を達成するため必要があると認めるときは、飼料の種類を指定して、その種類ごとに成分量の最小量又は最大量その他必要な事項についての規格(以下「公定規格」という。)を定める。
2 製造業者、輸入業者、販売業者又は飼料の消費者(以下「利害関係人」という。)は、省令で定める手続により、飼料の種類を定め、その種類につき、公定規格案を具して公定規格を定めるべきことを農林大臣に申し出ることができる。
3 農林大臣は、前項の規定による申出を受けた場合において、その申出に係る種類の飼料について公定規格を定める必要がないと認めるときは、その理由を記載した書面をもつて、その旨を当該申出人に通知しなければならない。
4 農林大臣は、必要があると認めるときは、公定規格を定めるべきかどうか又は定めるべき公定規格の案について、公聴会を開いて利害関係人及び学識経験のある者の意見を聞くことができる。
5 前項の公聴会について必要な事項は、省令で定める。
(公定規格の改正及び廃止)
第三条の三 前条の規定は、公定規格の改正又は廃止について準用する。
(公示)
第三条の四 公定規格の設定、改正又は廃止は、その施行期日を定め、その期日の三十日前までに告示してしなければならない。
第四条第一項中「前条第一項の規定により届出をした者」を「公定規格が定められている種類の飼料の製造業者又は輸入業者であつて第三条第一項又は第二項の規定による届出をしたもの」に、「輸入に係る飼料」を「輸入に係る飼料で公定規格が定められている種類のもの」に改め、同条第二項中「成分量」を「保証成分量」に改める。
第五条第一項中第一号を削り、第二号を第三号とし、同号の前に次の二号を加える。
一 申請に係る飼料が公定規格に適合しないとき。
二 申請に係る飼料の名称が第十六条第二項の規定に違反するとき。
第五条第二項中「第二十二条」を「第二十二条第二項」に改める。
第六条中「当該飼料につき、前条第一項各号の規定に違反していないと認めるときは」を「前条第一項又は第二項の規定により登録を行わない場合を除き」に改める。
第七条第一項中「三年とし、申請により更新することができる」を「三年とする」に改め、同条中第三項を第四項とし、第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。
2 前項の登録の有効期間は、申請により更新することができる。但し、公定規格の改正により公定規格に適合しなくなつた飼料及び公定規格の廃止により当該種類につき公定規格の定がなくなつた飼料については、この限りでない。
第八条第三号を削る。
第九条中「又は前条の規定により登録が失効したとき」を「、前条の規定により登録が失効したとき、又は第二十二条第二項の規定により登録を取り消したとき」に改める。
第十条第五項中「又は第八条の規定により登録がその効力を失つたとき」を「第八条の規定により登録がその効力を失つたとき、又は第二十二条第二項の規定により登録が取り消されたとき」に、「登録証を附して効力を失つた事由及びその年月日を農林大臣に届け出なければならない」を「登録証を農林大臣に返納しなければならない」に改める。
第十一条の見出しを「(登録飼料保証票)」に改め、同条第一項中「保証票」を「登録飼料保証票」に改める。
第十二条第一項、第十三条第二項及び第十四条(見出しを含む。)中「保証票」を「登録飼料保証票」に改め、第十五条の次に次の一条を加える。
(成分等の表示義務)
第十五条の二 製造業者又は輸入業者は、その製造又は輸入に係る飼料で左の表の上欄に掲げるものについては、その容器又は包装の外部に、省令で定めるところにより、それぞれ同表の下欄に掲げる事項並びに当該製造業者又は輸入業者の氏名及び住所を表示したものでなければ、これを譲り渡してはならない。但し、登録飼料の製造業者又は輸入業者が当該登録に係る名称を用いて飼料を譲り渡す場合は、この限りでない。
一 石灰石粉末、貝がら粉末、骨粉その他カルシウム又は燐酸の含有量が多く、家畜の栄養上これらの物質の補給の用に供される物で省令で定めるものを混入した飼料
 粗灰分の成分量並びに混入した上欄に掲げる物の名称及びその混入の割合
二 わら粉末、乾草粉末その他粗繊維の含有量が多く、家畜の栄養にも供される物で省令で定めるものを混入した飼料
 粗繊維の成分量並びに混入した上欄に掲げる物の名称及びその混入の割合
三 尿素を混入した飼料
 尿素を混入した旨及びその混入の割合
第十八条中「登録飼料」の下に「又は第十五条の二の規定による表示の附された飼料」を加え、「保証票」を「登録飼料保証票又は第十五条の二の規定による表示」に改める。
第二十二条を次のように改める。
(違反の場合の行政処分)
第二十二条 農林大臣は、製造業者、輸入業者又は販売業者がこの法律又はこの法律に基く命令の規定に違反したときは、これらの者に対し、飼料の譲渡又は引渡を制限し、又は禁止することができる。
2 農林大臣は、登録飼料の製造業者又は輸入業者がこの法律又はこの法律に基く命令の規定に違反したときは、その登録を取り消すことができる。
第二十三条中「前条」を「前条第二項」に改める。
第二十四条第一項第三号中「第二十二条の規定による飼料の譲渡若しくは」を「第二十二条第一項の規定による飼料の譲渡又は」に改める。
第二十五条を次のように改める。
(権限の委任)
第二十五条 この法律の規定により農林大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、都道府県知事に行わせることができる。
第二十七条第二号中「保証票」を「登録飼料保証票」に改め、第二十九条中「第二十二条の規定による飼料の譲渡若しくは」を「第二十二条第一項の規定による飼料の譲渡又は」に改め、第三十二条中「第十一条」の下に「又は第十五条の二」を加える。
附 則
1 この法律は、昭和三十一年十月一日から施行する。
2 この法律の施行前に改正前の飼料の品質改善に関する法律の規定によつてした登録は、当該登録の有効期間中は、改正後の同法の相当規定に基いてしたものとみなす。
農林大臣臨時代理 国務大臣 高碕達之助
内閣総理大臣 鳩山一郎