高圧ガス取締法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第六十号
公布年月日: 昭和31年4月1日
法令の形式: 法律
高圧ガス取締法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十一年四月一日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第六十号
高圧ガス取締法の一部を改正する法律
高圧ガス取締法(昭和二十六年法律第二百四号)の一部を次のように改正する。
第二条第三号を次のように改める。
三 常用の温度において圧力が二キログラム毎平方センチメートル以上となる液化ガスであつて現にその圧力が二キログラム毎平方センチメートル以上であるもの又は圧力が二キログラム毎平方センチメートルとなる場合の温度が三十五度以下である液化ガス
第二条第四号中「シアン化水素ガス、フレオン十一ガス、ブロムメチルガス」を「液化シアン化水素、液化ブロムメチル」に改める。
第二十四条の次に次の四条を加える。
(消費)
第二十四条の二 五百キログラム以上の液化酸素を貯蔵することができる設備に貯蔵して液化酸素を消費する者(以下「液化酸素消費者」という。)は、事業所ごとに、消費開始の日の二十日前までに、消費のための施設の位置、構造及び設備並びに消費の方法を記載した書面を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
第二十四条の三 液化酸素消費者は、消費のための施設を、その位置、構造及び設備が通商産業省令で定める技術上の基準に適合するように維持しなければならない。
2 液化酸素消費者は、通商産業省令で定める技術上の基準に従つて液化酸素の消費をしなければならない。
3 都道府県知事は、液化酸素消費者の消費のための施設又は消費の方法が前二項の技術上の基準に適合していないと認めるときは、その技術上の基準に適合するように消費のための施設を修理し、改造し、若しくは移転し、又はその技術上の基準に従つて液化酸素の消費をすべきことを命ずることができる。
第二十四条の四 液化酸素消費者は、消費のための施設の位置、構造若しくは設備の変更の工事をし、又は消費の方法を変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に届け出なければならない。
2 液化酸素消費者は、液化酸素の消費を廃止したときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
第二十四条の五 前三条に定めるものの外、通商産業省令で定める高圧ガスの消費は、消費の場所、数量その他消費の方法について通商産業省令で定める技術上の基準に従つてしなければならない。
第二十五条(見出しを含む。)中「消費及び」を削る。
第二十七条中「販売業者又は」を「販売業者、」に改め、「占有者」の下に「又は液化酸素消費者」を加える。
第二十八条の見出しを「(作業主任者及び取扱主任者)」に改め、同条第二項中「第一種製造者」の下に「、販売業者又は液化酸素消費者」を加え、「前項」を「第一項又は前項」に改め、「作業主任者」の下に「又は取扱主任者」を加え、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 販売業者(通商産業省令で定める高圧ガスを販売する者に限る。以下この条及び第三十四条において同じ。)又は液化酸素消費者は、販売所又は事業所ごとに、通商産業省令で定めるところにより、高圧ガス取扱主任者(以下「取扱主任者」という。)を選任し、高圧ガスの取扱又は液化酸素の消費に係る保安について監督を行わせなければならない。
第二十九条第三項中「高圧ガス作業主任者国家試験(以下「国家試験」という。)」を「高圧ガス作業主任者試験(以下「作業主任者試験」という。)」に改める。
第三十一条(見出しを含む。)中「国家試験」を「作業主任者試験」に改める。
第三十二条第一項中「作業主任者」の下に「又は取扱主任者」を加え、同条第二項中「高圧ガスの製造」の下に「若しくは販売又は液化酸素の消費」を、「作業主任者」の下に「又は取扱主任者」を加え、「又はこの法律に基く命令及び」を「若しくはこの法律に基く命令又は」に改める。
第三十四条中「若しくはその代理者」の下に「若しくは取扱主任者」を、「第一種製造者」の下に「、販売業者又は液化酸素消費者」を加え、「又はその代理者」を「若しくはその代理者又は取扱主任者」に改める。
第三十六条第一項中「、高圧ガス貯蔵所」を「若しくは貯蔵所、液化酸素の消費のための施設」に改める。
第三十七条第一項中「事業所又は高圧ガス貯蔵所」を「事業所、高圧ガス貯蔵所又は第二十四条の二の事業所」に改め、同項及び同条第二項中「第二種製造者又は」を「第二種製造者、」に改め、「占有者」の下に「又は液化酸素消費者」を加える。
第三十八条第一項第一号中「、第十二条第三項」を削り、同項第三号中「第二十八条第一項」の下に「若しくは第二項」を加え、同条第二項中「第二種製造者」の下に「又は液化酸素消費者」を、「その製造」の下に「又は消費」を加え、同項第一号中「第十二条第三項」の下に「、第二十四条の三第三項」を加え、同項に次の一号を加える。
三 第二十八条第二項の規定に違反したとき。
第三十九条第一号中「第二種製造者又は」を「第二種製造者、」に改め、「占有者」の下に「又は液化酸素消費者」を加え、「施設又は高圧ガス貯蔵所」を「施設、高圧ガス貯蔵所又は液化酸素の消費のための施設」に改め、同条第二号中「占有者」の下に「、液化酸素消費者」を加える。
第四十六条の見出し中「容器の」の下に「刻印及び」を加え、同条第一項を次のように改める。
容器検査に合格した容器の所有者は、前条第一項の規定により容器証明書の交付を受けたときは、遅滞なく、通商産業省令で定めるところにより、その容器に、刻印及び表示をしなければならない。その表示が滅失したときも、同様とする。
第四十八条第一項中第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 第四十六条第一項の表示をしてあること。
第六十一条中「高圧ガスの輸入をした者」の下に「、液化酸素消費者」を加える。
第六十五条中「第十六条第一項」を「第十四条第一項、第十六条第一項、第十九条第一項」に改める。
第六十八条中「国家試験」を「作業主任者試験」に改める。
第七十条中「六箇月」を「二年」に改める。
第七十三条第一項の表中「七千円」を「九千円」に、「五千円」を「六千五百円」に、「二千円」を「二千五百円」に、「千円」を「千三百円」に、「三千円」を「四千円」に、「国家試験」を「作業主任者試験」に、「八百円」を「千円」に、「二百円」を「三百円」に、「六十円」を「八十円」に、「五十円」を「七十円」に改め、同表第十二号の次に次の一号を加える。
十三 第五十四条第一項の規定による容器証明書の書換を受けようとする者
八十円
第七十三条第二項中「国家試験」を「通商産業大臣が行う作業主任者試験」に、「作業主任者免状」を「通商産業大臣が行う作業主任者試験に係る作業主任者免状」に改める。
第七十四条の見出し中「通商産業大臣」を「都道府県知事」に改め、同条第一項中「通商産業大臣又は」を削り、「第五条第三項若しくは」を「第五条第三項、」に改め、「第四項」の下に「、第二十四条の二若しくは第二十四条の四第二項」を加える。
第七十五条中「第二十三条から第二十五条まで」を「第二十三条、第二十四条、第二十四条の三第一項若しくは第二項、第二十四条の五、第二十五条」に改める。
第八十一条第六号中「製造」の下に「若しくは消費」を加え、同条第七号中「高圧ガス貯蔵所」の下に「若しくは液化酸素の消費のための施設」を加える。
第八十二条第一号中「第二十三条から第二十五条まで」を「第二十八条第二項」に改める。
第八十三条第一号中「第二十八条第二項」を「第二十四条の二、第二十四条の四、第二十八条第三項」に改め、同条第二号中「第十三条」の下に「、第二十三条、第二十四条、第二十四条の三第一項若しくは第二項、第二十四条の五、第二十五条」を加える。
第八十四条ただし書を削る。
附 則
1 この法律の施行期日は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める。ただし、第二条第三号及び第四号、第二十九条第三項、第三十一条、第六十五条、第六十八条、第七十条並びに第七十三条の改正規定は、公布の日から施行する。
2 第二条第三号の改正規定の施行の際現に改正後の同号の規定により新たに高圧ガスとされた液化ガス(以下「追加ガス」という。)の製造をしている者のその追加ガスに関しては、同号の改正規定の施行の日から一月間は、第五条第一項又は第十四条第一項の規定は、適用しない。その期間内に第五条第一項又は第十四条第一項の許可を申請した場合において、その申請について許可又は不許可の処分があるまでの間も、同様とする。
3 第二条第三号の改正規定の施行の際現に追加ガスの製造をしている者のその追加ガスに関する第五条第二項の規定の適用については、同項中「事業開始の日」とあるのは、「高圧ガス取締法の一部を改正する法律(昭和三十一年法律第六十号)による第二条第三号の改正規定の施行の日」とする。
4 この法律の施行の際現に液化酸素消費者である者に関する第二十四条の二の規定の適用については、同条中「消費開始の日の二十日前までに、」とあるのは、「高圧ガス取締法の一部を改正する法律(昭和三十一年法律第六十号)の施行の日から一月以内に、」とする。
5 第二十九条第三項及び第三十一条の改正規定の施行の際現に従前のこれらの規定により行われた国家試験に合格している者は、改正後のこれらの規定による作業主任者試験に合格しているものとみなす。
内閣総理大臣 鳩山一郎
通商産業大臣 石橋湛山