戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律
法令番号: 法律第158号
公布年月日: 昭和30年8月10日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

戦後10年が経過し、戦争の記憶が薄れつつある中、戦傷により身体の自由を失った多くの人々への援護が必要である。占領下では実施できなかったが、最近各方面で援護が実現しつつある中、本法案は旧軍人軍属の戦傷病者への援護として、日本国有鉄道の無賃乗車制度を設けるものである。これは戦前の制度を戦後の実情に合わせて復活させるもので、対象者と介護者は政令で定める回数・等級の範囲内で無賃乗車できる。運賃相当額は社会保障の一環として国が負担し、初年度で約3億円を見込んでいる。

参照した発言:
第22回国会 衆議院 運輸委員会 第31号

審議経過

第22回国会

衆議院
(昭和30年7月19日)
(昭和30年7月19日)
参議院
(昭和30年7月21日)
(昭和30年7月28日)
(昭和30年7月30日)
(昭和30年7月30日)
(昭和30年7月30日)
衆議院
(昭和30年7月25日)
戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十年八月十日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第百五十八号
戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律
第一条 旧軍人軍属たる戦傷病者(恩給法(大正十二年法律第四十八号)又は恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)の規定による増加恩給、傷病年金又は傷病賜金を支給された又は支給されている旧軍人、旧準軍人及び旧軍属であつて現にその不具廃疾又は傷病の程度が政令で定めるところに該当するものをいう。)及び政令で定めるその介護者は、日本国有鉄道の鉄道及び連絡船に、運賃を支払うことなく乗車又は乗船することができる。
2 前項の乗車又は乗船の回数、等級、区間その他必要な事項は、政令で定める。
第二条 国は、前条の規定による取扱に伴う鉄道及び連絡船の運賃に相当する金額を負担するものとする。
2 前項の規定による負担の方法その他必要な事項は、運輸大臣が定める。
附 則
この法律は、昭和三十一年四月一日から施行する。
大蔵大臣 一万田尚登
運輸大臣 三木武夫
内閣総理大臣 鳩山一郎