優生保護法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第127号
公布年月日: 昭和30年8月5日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

現行の優生保護法では、受胎調節実地指導員が避妊用具の販売は可能だが、避妊薬の販売は薬事法により不可能である。指導を受ける婦人の心理的理由等から、避妊薬を自由に購入できる体制が望ましく、指導効果も高まる。そこで本改正案では、実地指導員が厚生大臣指定の避妊薬に限り、薬事法の手続によらず販売できるようにする。ただし都道府県知事への届出と指定証への証印が必要である。また公衆衛生の観点から、厚生大臣・都道府県知事による監督権限を設け、違反への罰則規定や行政処分も整備する。

参照した発言:
第22回国会 参議院 社会労働委員会 第26号

審議経過

第22回国会

参議院
(昭和30年7月14日)
(昭和30年7月19日)
(昭和30年7月21日)
(昭和30年7月22日)
衆議院
(昭和30年7月25日)
参議院
(昭和30年7月25日)
衆議院
(昭和30年7月29日)
(昭和30年7月29日)
参議院
(昭和30年7月30日)
衆議院
(昭和30年7月25日)
優生保護法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十年八月五日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第百二十七号
優生保護法の一部を改正する法律
優生保護法(昭和二十三年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
第三十八条の次に次の一条を加える。
(受胎調節指導のために必要な医薬品)
第三十九条 第十五条第一項の規定により都道府県知事の指定を受けた者は、昭和三十五年七月三十一日までを限り、その実地指導を受ける者に対しては、受胎調節のために必要な医薬品で厚生大臣が指定するものに限り、薬事法(昭和二十三年法律第百九十七号)第二十九条第一項及び第四十四条第八号の規定にかかわらず、販売することができる。
2 都道府県知事は、第十五条第一項の規定により都道府県知事の指定を受けた者が次の各号の一に該当したときは、同条同項の指定を取り消すことができる。
一 前項の規定により厚生大臣が指定する医薬品につき薬事法第三十三条の規定の適用がある場合において、同条の規定による検査に合格しない当該医薬品を販売したとき
二 前項の規定により厚生大臣が指定する医薬品以外の医薬品を業として販売したとき
三 前各号の外、受胎調節の実地指導を受ける者以外の者に対して、医薬品を業として販売したとき
3 都道府県知事は、前項に規定する処分をしようとするときは、処分の事由並びに聴聞の期日及び場所を、期日の一週間前までに当該処分を受ける者に通知しかつ、その者又はその代理人の出頭を求めて聴聞を行わなければならない。ただし、都道府県知事は、当該処分を受ける者又はその代理人が正当な理由がなくて聴聞に応じなかつたときは、聴聞を行わないで前項に規定する処分をすることができる。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
厚生大臣 川崎秀二
内閣総理大臣 鳩山一郎