アルコール専売法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第七十号
公布年月日: 昭和30年7月16日
法令の形式: 法律
アルコール専売法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十年七月十六日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第七十号
アルコール専売法の一部を改正する法律
アルコール専売法(昭和十二年法律第三十二号)の一部を次のように改正する。
第四条中「又ハ移入」を削る。
第十八条第二項中「第十六条、」の下に「第二十九条ノ二第一項、第二十九条ノ三第一項、」を加える。
第二十条第三号中「又ハ移出」を削る。
第二十七条第二項中「、輸出又ハ移出」を「又ハ輸出」に改める。
第二十八条第二項中「アルコール売捌人」を「本法ニ規定スルモノノ外アルコール売捌人」に改める。
第二十九条の次に次の二条を加える。
第二十九条ノ二 アルコール製造者命令ヲ以テ定ムル設備ヲ新設又ハ変更シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ検査ヲ受ケタル後ニ非ザレバ之ヲ使用スルコトヲ得ズ
アルコール売捌人命令ヲ以テ定ムル貯蔵設備ヲ新設又ハ変更シタルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ政府ノ検査ヲ受ケタル後ニ非ザレバ之ヲ使用スルコトヲ得ズ
第二十九条ノ三 アルコール製造者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ帳簿ヲ作成シアルコール製造ニ関スル事項ヲ記載スベシ
第二十条ノ価格ヲ以テアルコールヲ買受ケタル者及アルコール売捌人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ帳簿ヲ作成シアルコールノ受払ニ関スル事項ヲ記載スべシ
第三十条第二号中「、納付又ハ販売」を「又ハ受払」に改め、同条第三号中「又ハ販売」を「、販売又ハ使用」に改め、同条に次の一項を加える。
前項ノ規定ニ依リ質問、検査又ハ監督上必要ノ処分ヲ為スベキ官吏ハ其ノ身分ヲ証スル証明書ヲ携帯シ関係人ニ提示スべシ
第三十二条第三項中「第八条、」の下に「第十四条第二項、」を、「第二十九条、」の下に「第二十九条ノ二第一項、第二十九条ノ三第一項、」を加える。
第三十三条から第三十五条までを次のように改める。
第三十三条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ三年以下ノ懲役若ハ三十万円以下ノ罰金ニ処シ又ハ之ヲ併科ス但シ違反ニ係ルアルコールノ価額ノ十倍ガ三十万円ヲ超ユルトキハ罰金ハ当該価額ノ十倍以下トス
一 政府ノ特許、許可又ハ委託ヲ受ケズシテアルコールヲ製造シタル者
二 第四条ノ規定ニ違反シアルコールノ輸入ヲ為シタル者
三 政府ニ納付スべキアルコールヲ譲渡シ、消費シ又ハ隠匿シタル者
前項ノ犯罪ニ着手シ之ヲ遂ゲザル者亦前項ニ同ジ
第三十四条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ三年以下ノ懲役若ハ三十万円以下ノ罰金ニ処シ又ハ之ヲ併科ス
一 第二十四条第一項ノ規定ニ違反シアルコールヲ譲渡シ、質入シ又ハ其ノ用途ヲ変更シタル者
二 アルコール売捌人ニ非ズシテアルコールヲ販売シタル者
三 第二十九条第一項(第三十二条第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シ政府ノ売渡サザルアルコールヲ所有シ、所持シ、譲渡シ、質入シ又ハ消費シタル者
第二十二条第二項及第三項並ニ第二十三条ノ規定ハ前項第一号ノ場合ニ付之ヲ準用ス
第三十五条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ二十万円以下ノ罰金ニ処ス
一 第七条(第十八条第二項又ハ第三十二条第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シ製造場若ハ蔵置場ヲ新設、変更若ハ廃止シ又ハ許可ヲ受ケタル事項ヲ変更シタル者
二 第八条(第十八条第二項又ハ第三十二条第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シ酒母又ハ醪ヲ譲渡シ、質入シ、消費シ又ハ製造場ヨリ移出シタル者
第三十五条の次に次の一条を加える。
第三十五条ノ二 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ十万円以下ノ罰金ニ処ス
一 第五条第二項ノ規定ニ依リ政府ノ指定シタル製造原料ヲ使用セザル者
二 第十四条第二項(第十八条第二項又ハ第三十二条第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ依リ政府ノ命ジタル処理ヲ為サザル者
三 第二十九条ノ二第一項(第十八条第二項又ハ第三十二条第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ規定ニ違反シ設備ヲ使用シタル者
四 第二十九条ノ二第二項ノ規定ニ違反シ貯蔵設備ヲ使用シタル者
第三十六条を次のように改める。
第三十六条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五万円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
一 正当ノ事由ナクシテ政府ノ指定シタル納付期日ニアルコールヲ納付セザル者
二 第二十九条ノ三第一項(第十八条第二項又ハ第三十二条第三項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ同条第二項ノ規定ニ違反シ帳簿ヲ作成セズ又ハ其ノ記載ヲ怠リ若ハ不実ノ記載ヲ為シタル者
三 第三十条第一項ノ規定ニ依ル当該官吏ノ質問ニ対シ答弁ヲ為サズ、虚偽ノ陳述ヲ為シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
第三十七条中「第三十四条第三号若ハ第四号」を「第三十四条第一項」に改める。
第三十八条から第四十条までを次のように改める。
第三十八条 第三十三条又ハ第三十四条第一項ノ罪ヲ犯シタル者ニ付テハ刑法第四十八条第二項、第六十三条及第六十六条ノ規定ハ之ヲ適用セズ但シ懲役ノ刑ニ処スル場合又ハ懲役及罰金ヲ併科スル場合ニ於ケル懲役刑ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第三十九条 法人ノ代表者又ハ法人若ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者其ノ法人又ハ人ノ業務又ハ財産ニ関シ第三十三条乃至第三十六条ノ違反行為ヲ為シタルトキハ行為者ヲ罰スルノ外其ノ法人又ハ人ニ対シ各本条ノ罰金刑ヲ科ス
第四十条 国税犯則取締法ノ規定ハ本法ノ犯罪ニ付之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テ本法ノ違反事件ハ間接国税ノ犯則事件トス
前項ノ場合ニ於テ国税犯則取締法ニ規定スル国税局長又ハ税務署長ノ職務ハ通商産業局長之ヲ行ヒ同法ニ規定スル収税官吏ノ職務ハ専売官吏、収税官吏、税関官吏、警察官、海上保安官又ハ司法警察職員トシテ職務ヲ行フ日本国有鉄道ノ役員若ハ職員之ヲ行フ
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
通商産業大臣 石橋湛山
内閣総理大臣 鳩山一郎