簡易生命保険法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第18号
公布年月日: 昭和30年6月7日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

簡易保険の保険料計算の基礎となる死亡生残表について、戦後の衛生思想の普及と医薬の進歩により国民の死亡率が低下したため、第九回生命表の男子死亡率をもとに新たな死亡生残表を採用し、予定利率を年3.5%から4%に引き上げる。また、不慮の事故等による死亡時の保険金倍額支払いの期間を2カ月から3カ月に延長し、10歳未満死亡時の倍額支払いを廃止する。さらに、日本脳炎の伝染病指定に伴う保険金削減条項の改正や、保険約款改正の効力に関する規定の明確化を行うものである。

参照した発言:
第22回国会 衆議院 逓信委員会 第8号

審議経過

第22回国会

衆議院
(昭和30年4月30日)
(昭和30年5月6日)
(昭和30年5月9日)
(昭和30年5月11日)
参議院
(昭和30年5月20日)
衆議院
(昭和30年5月21日)
(昭和30年5月23日)
参議院
(昭和30年5月24日)
衆議院
(昭和30年5月26日)
参議院
(昭和30年5月31日)
(昭和30年5月31日)
(昭和30年6月13日)
衆議院
(昭和30年7月25日)
簡易生命保険法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十年六月七日
内閣総理大臣 鳩山一郎
法律第十八号
簡易生命保険法の一部を改正する法律
簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。
第十八条第一号を次のように改める。
一 終身保険にあつては、昭和二十九年に厚生省が発表した第九回生命表(以下この号において「生命表」という。)の男子死亡率にその百分の三十(保険料払込期間を十年とするものについては、その百分の二十)を加え、これに千分の二を加えて作成した死亡生残表、養老保険にあつては、生命表の男子死亡率により作成した死亡生残表(保険期間を四十年とする養老保険については、生命表の男子死亡率にその百分の三十を加え、これに千分の二を加えて作成した死亡生残表)
第十八条第二号中「年三分五厘」を「年四分」に改める。
第三十一条第一項中「加害行為に因つて身体の外部に生じた傷害」を「加害行為」に、「二箇月以内」を「三箇月以内」に改め、「保険金支払の際、」を削る。
第三十一条第二項を次のように改め、同条第三項を削る。
2 前項の規定は、左に掲げる場合には、適用しない。
一 疾病を直接の原因とする事故によつて死亡したとき。
二 精神障害中に又は酒に酔つている間に招いた事故によつて死亡したとき。
三 重大な過失によつて死亡したとき。
第三十二条及び第四十四条中「若しくは日本脳炎」を削る。
第五十三条第二項第二号中「保険金の削減」を「保険金の削減率の引上」に改め、同項第三号中「剰余金の分配」を「剰余金の分配率の引下」に改める。
附 則
1 この法律は、昭和三十年九月一日から施行する。
2 この法律の施行前に効力が発生した簡易生命保険契約に係る保険料の計算の基礎及び保険金の倍額支払については、なお従前の例による。
郵政大臣 松田竹千代
内閣総理大臣 鳩山一郎