国有林野法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第83号
公布年月日: 昭和29年5月1日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

国有林野と地元は密接な協力関係にあり、国有林野所在地元市町村交付金の交付や部分林、共用林野の設定等を通じて、地元市町村財政の確立と産業振興、住民の生業維持に努めてきた。本法案は、この協力関係を踏まえ、国有林野の貸付・使用料等の減免を行い、農山漁村経済振興に資することを基本理念とする。具体的には、公共用途での貸付における対価の無償化や減額、農林漁業共同利用施設としての利用における使用料の減額、災害時の料金減免などを可能とし、地元との関係強化を図るものである。

参照した発言:
第19回国会 衆議院 農林委員会 第30号

審議経過

第19回国会

衆議院
(昭和29年4月14日)
(昭和29年4月16日)
(昭和29年4月17日)
(昭和29年4月17日)
参議院
(昭和29年4月19日)
(昭和29年4月23日)
(昭和29年4月26日)
衆議院
(昭和29年6月15日)
参議院
(昭和29年6月15日)
国有林野法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十九年五月一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第八十三号
国有林野法等の一部を改正する法律
(国有林野法の一部改正)
第一条 国有林野法(昭和二十六年法律第二百四十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「(第七条・第八条)」を「(第七条―第八条の四)」に改める。
第三章中第八条の次に次の三条を加える。
(無償貸付等)
第八条の二 農林大臣は、国有林野を左に掲げる施設の用に供するため、地方公共団体、水害予防組合、水害予防組合連合、土地改良区、土地改良区連合、森林組合、森林組合連合会、農業協同組合、農業協同組合連合会及び水産業協同組合に対し貸し付け、又は使用させるときは、政令の定めるところにより、その貸付又は使用の対価を、無償とし、又は時価よりも低く定めることができる。
一 林道又は農道
二 水道施設又は用排水路
三 水害又は火災の予防施設
四 船揚場、水産物干場又は漁具干場
五 その他公用、公共用又は公益事業の用に供する施設で政令で定めるもの
2 前項の規定により国有林野を無償で貸し付け、又は使用させる場合には、国有財産法第二十二条第二項及び第三項の規定を準用する。
第八条の三 農林大臣は、国有林野を当該国有林野の所在する地方の市町村の住民又は当該市町村内の一定の区域に住所を有する者の共同の利用に供するため左に掲げる土地として貸し付け、又は使用させる場合において、これらの者の生業の維持又は農林漁業経営の安定のため特に必要があると認めるときは、その貸付又は使用の対価を時価よりも低く定めることができる。
一 放牧地又は採草地
二 ため池又は用排水路の敷地
三 林道又は農道の敷地
四 その他農林漁業の用に供する共同利用施設で政令で定めるものの敷地
(貸付等の対価の減免)
第八条の四 農林大臣は、国有林野を当該国有林野の所在する地方の農林漁業の用に供するため貸し付け、又は使用させている場合において、風水害、冷害等の災害で異常、且つ、広範囲なものにより、その借受人又は使用者が、当該国有林野の貸付又は使用の対価を納付することが著しく困難であると認められるときは、これらの者に対しその困難の程度に応じて当該貸付若しくは使用の対価を減じ、又はその支払を免除することができる。
第二十一条の見出し中「免除」を「減免」に改め、同条中「使用の対価を徴しない旨の定をすること」を「使用の対価を徴しない旨の定をし、又は使用の対価を時価よりも低く定めること」に改める。
第二十一条の次に次の一条を加える。
第二十一条の二 第十八条の規定により国有林野を使用させている場合には、第八条の四の規定を準用する。
(国有林野整備臨時措置法の一部改正)
第二条 国有林野整備臨時措置法(昭和二十六年法律第二百四十七号)の一部を次のように改正する。
附則第二項中「公布の日から起算して三年を経過した時に」を「昭和三十年三月三十一日限り」に改める。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
農林大臣 保利茂
内閣総理大臣 吉田茂