消費生活協同組合法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第八十一号
公布年月日: 昭和29年4月30日
法令の形式: 法律
消費生活協同組合法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十九年四月三十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第八十一号
消費生活協同組合法の一部を改正する法律
消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)の一部を次のように改正する。
第三条の見出しを「(名称)」に改め、同条第二項中「前項に掲げる文字」を「消費生活協同組合又は消費生活協同組合連合会であることを示す文字」に改め、同条に次の一項を加える。
3 消費生活協同組合又は消費生活協同組合連合会は、その名称を使用することを他人に許諾してはならない。
第十条第三項を削る。
第二十六条の次に次の一条を加える。
(規約)
第二十六条の二 会計又は業務の執行に関し、組合の運営上重要な事項は、定款で定めなければならない事項を除いて、規約で定めることができる。
第三十九条第一項中「定款」を「定款、規約」に改める。
第四十二条中「第五十五条」を「第五十六条」に改め、同条に後段として次のように加える。
この場合において、民法第五十六条中「裁判所ハ利害関係人又ハ検察官ノ請求ニ因リ」とあるのは、「当該行政庁ハ利害関係人ノ請求ニ因リ、又ハ職権ヲ以テ」と読み替えるものとする。
第四十三条第一項中第二号を第三号とし、以下順次一号ずつ繰り下げ、第一号の次に次の一号を加える。
二 規約の設定、変更及び廃止
第五十二条第四項中「五分」を「一割」に改める。
第五十三条の次に次の一条を加える。
(財務基準)
第五十三条の二 前三条に定めるものの外、組合がその財務を適正に処理するために必要な事項は、厚生省令で定める。
第五十八条中「及び設立の手続又は定款若しくは事業計画の内容が法令又は法令に基いてする行政庁の処分に違反する場合」を「、設立の手続又は定款若しくは事業計画の内容が法令又は法令に基いてする行政庁の処分に違反する場合及びその組合が事業を行うに必要な経営的基礎を欠く等その事業の目的を達成することが著しく困難であると認められる場合」に改める。
第五十九条第二項中「前条」を「前項」に、「同条」を「同項」に改め、同条第五項前段中「、第五十七条第一項の認可があつたものとみなす。」を「第五十七条第一項の申請書が受理されたものとみなして、第一項から第三項までの規定を適用する。」に改め、同項後段を削る。
第五十九条の次に次の一条を加える。
(認可の失効)
第五十九条の二 第五十七条第一項の認可は、認可のあつた日から六箇月以内に主たる事務所の所在地において設立の登記の申請がなされないときは、その効力を失う。
第六十二条第一項中第五号を第六号とし、第四号を削り、第三号を第五号とし、第二号を第四号とし、第一号の次に次の二号を加える。
二 定款に定めた存立時期の満了又は解散事由の発生
三 目的たる事業の成功の不能
第六十二条第二項を次のように改める。
2 前項第一号又は第三号に掲げる事由による解散は、当該行政庁の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第七十条第二項を削る。
第九十三条中「処分又は定款を守らせるために必要があると認めるとき」を「処分、定款若しくは規約を守らせるために必要があると認めるとき、又は組合の会計経理が著しく適正でないと認めるとき」に改める。
第九十三条の次に次の一条を加える。
第九十三条の二 当該行政庁は、組合に関する行政を適正に処理するために、毎年一回を限り、組合から、その組合員、役員、使用人、事業の分量その他組合の一般的状況に関して必要な報告を徴することができる。
第九十四条第一項中「又は定款」を「、定款又は規約」に改め、同条第二項中「処分又は定款を守らせるために、必要があると認めるとき」を「処分、定款若しくは規約を守らせるために必要があると認めるとき、又は組合の会計経理が著しく適正でないと認めるとき」に改める。
第九十五条第一項を次のように改める。
当該行政庁は、前条の規定による検査を行つた場合において、その組合が、左の各号の一に該当すると認めるときは、その組合に対し、期間を定めて、必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。
一 その業務又は会計が法令、法令に基いてする行政庁の処分、定款又は規約に違反していること。
二 正当な理由がなくて一年以上その事業を休止し、又は正当な理由がなくてその成立後一年以内にその事業を開始しないこと。
三 第一号に掲げるものの外、その会計経理が著しく適正でないこと。
第九十五条第三項中「又は第十条若しくは第十二条第三項の規定に違反した場合」を「第三条第三項、第十条若しくは第十二条第三項の規定に違反した場合又は第一項第二号に掲げる事由に該当する場合」に改める。
第九十五条の次に次の一条を加える。
(弁明の機会の供与)
第九十五条の二 当該行政庁は、前条第三項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ当該組合に弁明の機会を与えなければならない。この場合においては、命令の理由並びに弁明の期日及び場所をその期日の二週間前までに、当該組合に通知しなければならない。
2 当該組合及び利害関係人は、弁明の期日に出頭して、自己又は本人のために釈明をし、且つ、有利な証拠を提出することができる。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(経過規定)
2 この法律による改正後の第五十九条の二の規定は、この法律の施行前になされた組合の設立の認可についても、適用されるものとする。但し、同条に規定する期間は、この法律の施行の日から起算する。
3 この法律による改正後の第九十五条第一項第二号の規定は、この法律の施行前に成立した組合で、この法律の施行の際現にその事業を休止し、又はまだその事業を開始していないものについても、適用されるものとする。
厚生大臣 草葉隆円
内閣総理大臣 吉田茂