学校教育法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第19号
公布年月日: 昭和29年3月31日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

医学及び歯学教育の改善のため、大学の医学・歯学課程の修業年限を6年以上とし、4年の専門課程と2年以上の進学課程に分けることを提案する。特別な必要がある場合は専門課程のみの設置を可能とする。現行制度では、総合大学で医学・歯学部進学希望者が他学部に入学するため専門課程進学者が減少し、単科大学では希望する入学者確保が困難な状況にある。また、盲学校及び聾学校の中学部就学義務を1954年度から年次進行で実施することを提案する。これは小学部の義務制完成を受けて、同様に第一学年から順次進めていくものである。

参照した発言:
第19回国会 衆議院 文部委員会 第3号

審議経過

第19回国会

衆議院
(昭和29年2月13日)
参議院
(昭和29年2月18日)
(昭和29年3月9日)
衆議院
(昭和29年3月11日)
(昭和29年3月12日)
参議院
(昭和29年3月26日)
(昭和29年3月29日)
衆議院
(昭和29年6月15日)
学校教育法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十九年三月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第十九号
学校教育法の一部を改正する法律
学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第五十五条に次の二項を加える。
医学又は歯学の学部において医学又は歯学を履修する課程については、前項本文の規定にかかわらず、その修業年限は、六年以上とし、四年の専門の課程とこれに進学するための二年以上の課程とする。
特別の事情のあるときは、監督庁の定めるところにより、医学若しくは歯学の学部に、前項の規定にかかわらず、同項に規定する専門の課程のみを置き、又は医学若しくは歯学の学部以外の学部に同項に規定する二年以上の課程を置くことができる。
第五十六条第二項を次のように改める。
前条第二項に規定する専門の課程に進学することのできる者は、同項に規定する二年以上の課程を修了した者又は監督庁の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者とする。
第九十三条第二項を次のように改め、同条第三項を削る。
第三十九条第一項に規定する盲学校及び聾学校に係る保護者の義務は、昭和二十九年度においては、子女の満十三歳に達した日の属する学年の終りまでとし、以後昭和三十年度及び昭和三十一年度において、毎年度一学年ずつ延長するものとする。
第百九条第一項中「第五十五条」を「第五十五条第一項」に改め、同条第三項中「第六十二条」を「第五十五条第三項及び第六十二条」に改める。
附 則
1 この法律中、第九十三条の改正規定は昭和二十九年四月一日から、その他の規定は昭和三十年四月一日から施行する。
2 昭和三十一年三月三十一日までに、改正前の学校教育法第五十六条第二項の規定により、医学又は歯学の学部を置く大学において医学又は歯学を履修することのできる資格を得た者は、改正後の学校教育法第五十五条第二項に規定する専門の課程に進学することができる。
文部大臣 大達茂雄
内閣総理大臣 吉田茂