(国有の機械等の譲渡、貸付及び交換)
第一条 昭和二十八年六月及び七月の大水害(以下「水害」という。)を受けた政令で指定する地方公共団体の区域内に事業所(作業所を含む。以下同じ。)を有する中小企業者(政令で定める者に限る。以下「中小企業者」という。)で、水害により、その事業所及びその所有する機械又は器具(以下「機械等」という。)につき被害を受けたもの(以下「被害中小企業者」という。)に対しては、旧陸軍省、海軍省及び軍需省の所管に属していた普通財産のうち機械又は器具(以下「国有の機械等」という。)を、当該機械等の被害を受けた限度において時価からその五割以内を減額した対価で譲渡し若しくは貸し付け、又はその損害を受けた機械等と交換することができる。
2 前項の規定により交換をする場合における国有の機械等の価額は、当該機械等の被害を受けた限度において時価からその五割以内を減額した額とする。
3 前二項の規定により交換をする場合において、その価額が等しくないときは、その差額を金銭で補足しなければならない。
4 被害中小企業者が第一項の規定により国有の機械等の譲渡を受け、又は交換をした場合において、その納付すべき売払代金又は交換差金については、十年以内の延納の特約をすることができる。この場合においては、確実な担保を徴するものとする。
5 国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第三十一条第二項及び第三項の規定は、前項の規定により延納の特約をする場合に準用する。この場合において、国有財産法第三十一条第二項中「前項但書」とあり、又は同条第三項中「第一項但書」とあるのは、「昭和二十八年六月及び七月の大水害による被害中小企業者に対する国有の機械等の譲渡等に関する特別措置法第一条第四項」と読み替えるものとする。
(交換差金の延納期限の延長)
第二条 被害中小企業者の所有する機械等が、国有財産特別措置法(昭和二十七年法律第二百十九号。以下「法」という。)第九条の規定により交換をされ、且つ、水害により損害を受けたものである場合において、法第十一条の規定によりその交換差金につき延納の特約がなされているときは、同条の規定にかかわらず、当該特約による延納の期限を更に三年以内延長する。
(国有の機械等の引渡前の損害の場合)
第三条 中小企業者で、水害により、その事業所又は機械等につき被害を受けたものがした法第九条の規定による交換の契約の後、その引渡前に、その交換に係る国有の機械等が損害を受けた場合において、他の同種の国有の機械等があるときは、当該国有の機械等に代えてこれを交換することができる。この場合において、交換差金の全部又は一部が納付されているときは、当該契約に係る機械等の価額にその納付した交換差金を加算した額をもつて、当該契約における機械等の価額とする。
2 前項の場合において、水害により、当該契約に係る機械等も損害を受けた場合においては、当該契約における国有の機械等の価額については、第一条第二項の規定を準用する。この場合において、交換差金を生ずるときは、当該交換差金については、同条第四項及び第五項の規定を準用する。
(実施手続等)
第四条 前三条に規定するものの外、この法律の実施その他の手続について必要な事項は、政令で定める。