建設業法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第223号
公布年月日: 昭和28年8月17日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

建設業法は昭和24年の制定以来、建設工事の適正な施行確保と建設業の健全な発達に貢献してきたが、4年間の運用経験から改正の必要性が生じた。主な改正点は、法律の適用範囲拡大、建設業者の登録要件強化、一括下請負の禁止強化、建設業審議会の機能強化である。具体的には、一部除外工事への法適用、技術者配置の登録要件化、無登録業者への一括下請負禁止、審議会委員の任期延長と紛争解決機能の拡充などを行い、建設工事の請負契約関係の一層の適正化を図るものである。

参照した発言:
第16回国会 衆議院 建設委員会 第9号

審議経過

第16回国会

衆議院
(昭和28年7月7日)
参議院
(昭和28年7月7日)
衆議院
(昭和28年7月14日)
(昭和28年7月16日)
(昭和28年7月17日)
(昭和28年7月21日)
参議院
(昭和28年7月21日)
(昭和28年7月23日)
(昭和28年7月30日)
(昭和28年8月3日)
衆議院
(昭和28年8月10日)
参議院
(昭和28年8月10日)
建設業法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十八年八月十七日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百二十三号
建設業法の一部を改正する法律
建設業法(昭和二十四年法律第百号)の一部を次のように改正する。
目次中「技術者の設置」を「主任技術者の設置」に改める。
第三条各号列記以外の部分中「この法律は、」の下に「第二十二条第二項及び第三項並びに第三十一条第一項の規定を除き、」を加え、同条第二号中「第十四号から第二十二号まで」を「第二十号」に改める。
第五条に次の一項を加える。
2 登録申請者のうち、建設大臣の登録を受けようとする者は、前項の規定による外、同一都道府県内にあるその営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)の一に、前項各号の一に該当する者を一人以上置く者でなければならない。
第六条各号列記以外の部分中「営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)」を「営業所」に改める。
第七条第四号中「第五条各号に規定する要件の一をそなえる技術者を有すること」を「第五条第一項各号に規定する要件の一をそなえる技術者を有すること及び同条第二項に規定する要件をそなえていること」に改める。
第九条第一項中第二号を削り、第三号を第二号とする。
第十一条第一項第二号中「(法人である場合においては、取消の日において役員であつた者を含む。)」を「(取消の日前三十日以内において、法人である場合においては、その役員又は政令で定める使用人(以下本条中「使用人」という。)であつた者、個人である場合においては、その支配人、法定代理人又は使用人であつた者を含む。)」に改め、同項第三号中「(法人である場合においては、刑に処せられた日において役員であつた者を含む。)」を「(刑に処せられた日前三十日以内において、法人である場合においては、その役員又は使用人であつた者、個人である場合においては、その支配人、法定代理人又は使用人であつた者を含む。)」に改め、同項に次の一号を加える。
六 個人でその支配人が第一号から第三号までの一に該当する者であるもの
第十六条中「建設省令」を「政令」に改める。
第二十一条第一項中「但し、」の下に「公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和二十七年法律第百八十四号)第二条第四項に規定する保証事業会社の保証に係る工事又は」を加える。
第二十二条を次のように改める。
(一括下請負の禁止)
第二十二条 建設業者は、その請け負つた建設工事を、如何なる方法をもつてするを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。
2 建設業を営む者は、建設業者から当該建設業の請け負つた建設工事を一括して請け負つてはならない。
3 前二項の規定は、元請負人があらかじめ注文者の書面による承諾を得た場合には、適用しない。
第二十四条に後段として次のように加える。
この場合において、建設業審議会は、当該建設工事の請負契約が第十八条の規定の趣旨に反して公正でないと認めるときは、当該請負契約の当事者に対して、その契約の内容を変更することを勧告することができる。
第二十四条に次の一項を加える。
2 前項の場合において、建設業審議会は、必要があると認めるときは、当事者又は参考人の出頭を求めることができる。
第四章の章名を次のように改める。
第四章 主任技術者の設置
第二十六条第一項中「第五条」を「第五条第一項」に改める。
二十七条を次のように改める。
第二十七条 削除
第二十八条第一項に次の一号を加える。
六 建設業者が、その請け負つた建設工事を第十条の規定に違反する者に請け負わせたとき。
第二十八条第二項中「当該建設業者に対し、」の下に「中央建設業審議会又は都道府県建設業審議会にはかつて、」を加える。
第二十九条各号列記以外の部分中「左の各号の一に該当するときは、」の下に「中央建設業審議会又は都道府県建設業審議会にはかつて、」を加え、同条第一号を次のように改める。
一 第五条第一項各号に規定する要件をそなえる者を欠くに至つた場合又は同条第二項に規定する要件を欠くに至つた場合
第二十九条第二号中「第五号」を「第六号」に改める。
第二十九条の次に次の一条を加える。
第二十九条の二 建設大臣又は都道府県知事は、建設業者の営業所の所在地を確知できないとき、又は建設業者の所在(法人である場合においては、その役員の所在をいい、個人である場合においては、その支配人の所在を含むものとする。)を確知できないときは、官報又は当該都道府県の公報でその事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該建設業者から申出がないときは、当該建設業者の登録を取り消すことができる。
第三十条中「又は都道府県知事」を「若しくは都道府県知事又は当該建設業者が建設業を営んでいる地を管轄する都道府県知事」に改める。
第三十一条第一項中「すべての建設業者」を「建設業を営むすべての者」に、「その登録を受けた建設業者」を「当該都道府県の区域内で建設業を営む者(建設大臣の登録を受けた者を除く。)」に改め、同条第三項中「第一項」を「前項」に改め、「(前項において準用する場合を含む)」を削り、同条第四項中「建設省令」を「政令」に改め、同条第二項を削り、同条第三項を同条第二項とし、同条第四項を同条第三項とする。
第三十二条に次の一項を加える。
2 前項の規定は、第四十二条の規定により第二十八条第一項に規定する建設大臣の権限を委任された都道府県知事が同条同項に規定する処分をする場合について準用する。
第三十四条第二項中「建設工事の標準請負契約約款」の下に、「、入札の参加者の資格に関する基準並びに予定価格を構成する材料費及び役務費以外の諸経費に関する基準」を加え、「及び」を「並びに」に改める。
第三十七条第一項本文中「六月」を「二年」に改め、同条第二項但書を削る。
第四十二条中「特別の必要があると認めるときは、」を「政令の定めるところにより、第二十八条第一項及び第三項並びに」に改める。
第四十四条中「第三十二条」を「第二十四条第二項及び第三十二条」に改める。
第四十七条第三号を次のように改める。
三 削除
第四十七条第四号及び第五号中「(同条第二項において準用する場合を含む。)」を削る。
第四十九条中第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 正当な理由がなくて第二十四条第二項の規定による出頭の要求に応じなかつた者
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。但し、第十一条第一項第二号及び第三号並びに第二十二条の改正規定は、この法律公布の日から起算して六十日を経過した日から施行する。
2 この法律施行の際、現に建設業を営んでいる者で、この法律の施行によつて新たに建設業法第四条第一項の規定により登録を受けなければならなくなつたものは、同法同条同項による登録を受けないでも、この法律施行の日から起算して六十日を限り、建設業者とみなす。その者がその期間内に同法第六条の規定により登録を申請した場合においてその期間を経過したときは、その申請に対する処分のある日まで、また同様とする。
3 建設業法第十八条から第二十四条まで、第二十六条及び第四十条の規定は、前項の規定により建設業者とみなされた者については、適用しない。
4 建設業法第十七条の規定は、附則第二項後段の規定により建設業者とみなされた者の登録が同法第十一条第一項の規定により拒否された場合について準用する。
5 前項において準用する建設業法第十七条第一項後段に規定する通知をしなかつた者は、二万円以下の罰金に処する。
6 改正後の建設業法第五条第二項の規定は、この法律施行の際、現に建設大臣の登録を受けている者又はこの法律施行の日前若しくは施行の日から起算して六十日以内において建設大臣に登録を申請した者については、適用せず、これらの者については、なお、改正前の建設業法第二十七条及び第四十七条第三号の規定の例によるものとする。
7 この法律施行の際、現に建設業審議会の委員である者の任期は、この法律施行の日前に委員であつた期間を通算する。
建設大臣 戸塚九一郎
内閣総理大臣 吉田茂