少年法及び少年院法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第86号
公布年月日: 昭和28年7月25日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

代用少年鑑別所等の特例措置が7月31日で廃止されることに伴う法改正である。少年法改正では、少年鑑別所から離れた家庭裁判所支部で観護措置をとった場合、交通事情等により直ちに少年鑑別所への収容が困難な際、72時間を限度に近隣の少年院や拘置所の区別された場所への一時収容を可能とする。少年院法改正では、医療少年院について男女分隔施設がある場合は男女別設置を不要とし、また移送や審判等で同行中の少年を近隣の少年鑑別所等に一時収容できるようにする。

参照した発言:
第16回国会 衆議院 法務委員会 第3号

審議経過

第16回国会

衆議院
(昭和28年6月23日)
参議院
(昭和28年6月24日)
(昭和28年6月26日)
衆議院
(昭和28年7月7日)
(昭和28年7月8日)
参議院
(昭和28年7月15日)
(昭和28年7月17日)
衆議院
(昭和28年8月10日)
参議院
(昭和28年8月10日)
少年法及び少年院法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十八年七月二十五日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第八十六号
少年法及び少年院法の一部を改正する法律
第一条 少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)の一部を次のように改正する。
第十七条の次に次の一条を加える。
(少年鑑別所送致の場合の仮収容)
第十七条の二 家庭裁判所は、前条第一項第二号の措置をとつた場合において、直ちに少年鑑別所に収容することが著しく困難であると認める事情があるときは、決定をもつて、少年を仮に最寄の少年院又は拘置監(監獄法(明治四十一年法律第二十八号)第一条第三項の規定により代用されるものを含まない。)の特に区別した場所に収容することができる。但し、その期間は、収容したときから七十二時間を超えることはできない。
2 前項の規定による収容の期間は、これを前条第一項第二号の措置により少年鑑別所に収容した期間とみなし、同条第三項の期間は、少年院又は拘置監に収容した日から、これを起算する。
3 裁判官が第四十三条第一項の請求のあつた事件につき、第一項の収容をした場合において、事件が家庭裁判所に送致されたときは、その収容は、これを第一項の規定による収容とみなす。
第二十六条第一項及び第二項中「第十七条第一項第二号」の下に「、第十七条の二第一項」を加える。
第二条 少年院法(昭和二十三年法律第百六十九号)の一部を次のように改正する。
第二条第六項に次の但書を加える。
但し、医療少年院については、男女を分隔する施設がある場合は、この限りでない。
第十七条の二を第十七条の三とし、以下第十七条の四まで順次一条ずつ繰り下げ、第十七条の次に次の一条を加える。
第十七条の二 少年院又は少年鑑別所に収容中の者を同行する場合において、やむを得ない事由が生じたときは、少年院に収容中の者については最寄の少年鑑別所又は拘置監(監獄法(明治四十一年法律第二十八号)第一条第三項の規定により代用されるものを含まない。以下同じ。)の特に区別した場所に、少年鑑別所に収容中の者については最寄の少年院又は拘置監の特に区別した場所に、仮にこれを収容することができる。
第二十一条を削る。
附 則
1 この法律は、昭和二十八年八月一日から施行する。
2 この法律の施行の際、現に少年院法第二十一条第一項の規定により少年鑑別所に充てられた少年院又は拘置監の特に区別した場所に収容されている者については、この法律の施行の際、少年法第十七条の二の規定による決定があつたものとみなす。
法務大臣 犬養健
内閣総理大臣 吉田茂