貴金属管理法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第百八十九号
公布年月日: 昭和27年6月13日
法令の形式: 法律
貴金属管理法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年六月十三日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百八十九号
貴金属管理法の一部を改正する法律
貴金属管理法(昭和二十五年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
金管理法
目次中「貴金属」を「金」に、「政府売却」を「割当及び売却」に改め、「加工業」の下に「及び加工用金売さばき業」を加える。
本則(第九條、第十條、第十二條第一項、第二十二條第一項第五号及び第二十八條を除く。)中「貴金属」を「金」に改める。
第二條第一項を削り、同條第二項中「又は採取」を「、採取又は回収」に改め、同項を同條第一項とし、同條第三項中「もつぱら」を「主として」に改め、同項を同條第二項とし、同條第四項を同條第三項とし、同條第五項中「銀貨、」を削り、同項を同條第四項とし、同條第六項中「歯科医療用白金加金線その他」を削り、「売り渡した」を「割り当てた」に改め、同項を同條第五項とし、同條第十二項中「鉱業権者」の下に「及び租鉱権者」を加え、同項を同條第十四項とし、同條第七項を同條第九項とし、以下第十一項まで二項ずつ繰り下げ、同條に第六項から第八項までとして、次のように加える。
6 この法律において「金納入者」とは、第三條第一項若しくは第二項又は第四條第一項若しくは第二項の規定により金地金を政府に売却した者をいう。
7 この法律において「加工用金売さばき業」とは、金地金を販売することを目的とする事業をいう。
8 この法律において「加工用金売さばき業者」とは、第十七條の二第一項の規定による認可を受けて加工用金売さばき業を営む者をいう。
第三條第一項中「九百九十八(金及び銀については、九百九十九)」を「九百九十九」に改める。
第三章の標題中「政府売却」を「割当及び売却」に改める。
第七條中「買受」を「割当」に改め、「政府の所有に係る」を削り、「を買い受けようとする者は、」を「の割当てを受けようとする者は、四半期ごとに、」に改める。
第八條第一項中「基礎とし、」の下に「四半期ごとに、」を加え、「政府の所有に係る」を削り、「売却」を「割当」に改め、同條第二項中「売却数量を定めた」を「割当数量を定めた毎四半期の」に改める。
第九條を次のように改める。
(金地金の割当)
第九條 主務大臣は、前條第二項の金配分計画で定めた数量の範囲内で、第七條の規定により申請した者に対して割り当てる金地金の数量を決定して、主務省令で定める手続により、当該申請者に通知しなければならない。
2 主務大臣は、左に掲げる事項を参しやくして前項の決定をしなければならない。
一 用途が正当であるかどうか。
二 金地金の数量がその用途にあてるために必要な数量をこえないかどうか。
(金地金の売却)
第九條の二 金納入者は、四半期ごとに、主務省令で定める手続により、政府の所有に係る金地金の買受を申請することができる。
2 政府は、前條第一項の規定により金地金の割当を受けた者(以下「金需要者」という。)の用に供するため、その所有に係る金地金のうち、第八條第二項の金配分計画で定めた数量を、主務省令で定める手続により、前項の規定により買受を申請した金納入者に対して、当該金納入者が当該金配分計画に係る期間の始期の属する月の前前月末に終る一年間に第三條第一項若しくは第二項又は第四條第一項若しくは第二項の規定により政府に売却した金地金の数量の、前項の規定により買受を申請した総ての金納入者が同期間中にこれらの規定により政府に売却した金地金の数量に対する割合に応じて、売却するものとする。
3 金納入者は、前項の規定により政府から買い受けた金地金を、主務省令で定める手続により、加工用金売さばき業者又は金需要者に売却しなければならない。
4 加工用金売さばき業者は、前項の規定により金納入者から買い受けた金地金又は第九條の三の規定による指示を受けた者から買い受けた金地金を、主務省令で定める手続により、金需要者に売却しなければならない。但し、第九條の三の規定による指示に従つて他の加工用金売さばき業者に売却する場合は、この限りでない。
(売却に関する指示)
第九條の三 主務大臣は、金地金の需給調整上必要があるときは、金納入者又は加工用金売さばき業者に対して、その所有に係る金地金を主務大臣が指定する加工用金売さばき業者又は金需要者に売却することを指示することができる。
(用途の変更等)
第九條の四 金需要者が第九條第一項の規定による割当に基いて買い受けた金地金について第七條の規定により示した用途を変更しようとするときは、主務大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、主務省令で定める手続により、主務大臣に申請しなければならない。
3 第九條第二項の規定は、前項の申請に対する主務大臣の許可について準用する。
4 主務大臣は、第二項の申請があつた場合において、申請者の所有する金地金の数量が変更しようとする用途にあてるために必要な数量をこえていると認めたときは、当該必要数量を限り、変更を許可することができる。
5 金需要者が第九條第一項の規定による割当に基いて買い受けた金地金をその用途にあてる前に滅失したとき、又はやむを得ない事由によりその用途に供することができなくなつたときは、主務省令で定める手続により、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出でなければならない。
6 金需要者が第九條第一項の規定による割当に基いて買い受けた金地金をやむを得ない事由によりその用途に供することができなくなつたとき、又は第一項の規定により用途の変更を申請した金地金の全部若しくは一部につきその許可を得られなかつたときは、政府に対し、その用途に供することができなくなつた金地金又は用途変更につき許可を得られなかつた金地金について第六條に規定する価格による買受を請求することができる。
第十條を次のように改める。
(売却価格)
第十條 政府が第九條の二第二項の規定により金地金を売却する場合の価格、金納入者が同條第三項の規定により、若しくは第九條の三の規定による指示に従つて金地金を加工用金売さばき業者に売却する場合又は加工用金売さばき業者が同條の規定による指示に従つて金地金を他の加工用金売さばき業者に売却する場合の最高価格及び加工用金売さばき業者が第九條の二第四項の規定により、若しくは第九條の三の規定による指示に従つて金地金を金需要者に売却する場合又は金納入者が第九條の二第三項の規定により、若しくは第九條の三の規定による指示に従つて金地金を金需要者に売却する場合の最高価格は、主務大臣が、金地金の国際市場価格並びに国内における生産及び消費の事情を参しやくして定める。
第十二條第一項第一号中「第四條又は第九條第五項若しくは第七項」を「第四條第一項若しくは第二項又は第九條の四第六項」に改め、同項第四号を同項第八号とし、同項第二号及び第三号を次のように改める。
二 金納入者が、第九條の二第二項の規定により政府から金地金を買い受け、又は買い受けた金地金を同條第三項の規定により、若しくは第九條の三の指示に従つて売却し、売却するためによう解し、若しくは売却するために加工する場合
三 加工用金売さばき業者が、第九條の二第三項の規定により、若しくは第九條の三の規定による指示に基き金地金を買い受け、又は買い受けた金地金を第九條の二第四項の規定により、若しくは第九條の三の規定による指示に従つて売却し、売却するためによう解し、若しくは売却するために加工する場合
四 金需要者が、第九條の二第三項若しくは第四項の規定により、若しくは第九條の三の規定による指示に基き金地金を買い受け、又は買い受けた金地金をその用途に供する場合
五 歯科用金地金加工業者が、前條第二項の規定により歯科用金地金販売業者に歯科用金地金を譲り渡す場合又は歯科用金地金販売業者が、同條第四項の規定により歯科医療者に歯科用金地金を譲り渡す場合
六 前條第一項の規定による割当を受けた歯科用金地金販売業者が、その割り当てられた歯科用金地金を歯科用金地金加工業者から譲り受ける場合又は同條第三項の規定による割当を受けた歯科医療者が、その割り当てられた歯科用金地金を歯科用金地金販売業者から譲り受け、若しくはこれを歯科医療の用に供する場合
七 第十七條(第十七條の二第二項又は第十八條第三項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による命令に従つて歯科用金地金若しくは金地金を売却し、又は第十七條の規定による命令に基いて歯科用金地金若しくは金地金を買い受ける場合
第五章の標題中「加工業」の下に「及び加工用金売さばき業」を加える。
第十七條の次に次の一條を加える。
(加工用金売さばき業の認可)
第十七條の二 加工用金売さばき業は、主務大臣の認可を受けなければ営むことができない。
2 第十四條第二項から第六項まで及び第十五條から前條までの規定は、加工用金売さばき業及び加工用金売さばき業者について準用する。この場合において、第十四條第三項第三号中「技術的能力、」とあるのは「金地金の取引についての経験、技術的能力、」と第十七條中「歯科用金地金を」とあるのは「金地金を」と「第十一條第七項の規定により主務大臣が定める同條第一項の規定により割り当てられた歯科用金地金の価格」とあるのは「第十條の規定により加工用金売さばき業者が金地金を売却する場合について主務大臣が定める価格」と読み替えるものとする。
第十八條第三項中「前條」を「第十七條」に改める。
第十九條第三項中「前條第三項」を「第十七條の二第二項又は前條第三項」に改め、同條第四項及び第五項中「第十四條第一項」の下に「、第十七條の二第一項」を加える。
第二十二條第一項第三号を削り、同項第四号を同項第三号とし、同項第七号を同項第八号とし、同項第六号を同項第七号とし、同項第五号を次のように改める。
四 金納入者
五 加工用金売さばき業者
六 金地金を買い受けた金需要者
第二十二條第二項第一号中「第七号」を「第八号」に改め、同項第二号中「買受」を「割当」に改め、同項第三号中「第十四條第二項」の下に「(第十七條の二第二項において準用する場合を含む。)」を加え、同條第三項第二号中「金地金その他の」を削り、同條第七項中「第四項」を「第五項」に、「第五項」を「第六項」に改め、同項を同條第八項とし、同條第四項から第六項までを一項ずつ繰り下げ、同條第三項の次に次の一項を加える。
4 都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、主務省令で定めるところにより、歯科医療者から報告を徴することができる。
第二十三條第一項中「第二條第六項」を「第二條第五項」に、「第十四條から第十九條まで」を「第十四條から第十七條まで及び第十八條」に「第九條まで」を「第九條まで及び第九條の四」に、「その他の規定」を「第十九條の規定における主務大臣は、第十四條第一項、第十七條の二第一項又は第十八條第一項の規定により認可をすべき主務大臣とし、その他の規定(第十七條の二第二項において準用する第十四條第二項、第三項及び第六項並びに第十五條から第十七條までの規定を含む。)」に改め、同條第二項中「第九條まで」の下に「及び第九條の四」を、「その他の規定」の下に「(第十七條の二第二項において準用する第十四條第二項及び第六項並びに第十五條の規定を含む。)」を加える。
第二十四條第二号及び第三号を削り、同條第四号を同條第二号とする。
第二十五條第一号中「第九條第二項」を「第九條の四第一項」に改め、同條第二号を削り、同條第三号を同條第二号とし、同條第四号中「第十八條」を「第十七條の二第二項又は第十八條」に、「を売却しなかつた」を「又は金地金を売却しなかつた」に改め、同号を同條第三号とし、同條第五号の前に次の一号を加える。
四 第十七條の二第一項の規定に違反して認可を受けないで加工用金売さばき業を営んだ者
第二十六條第一号中「第九條第六項」を「第九條の四第五項」に、「第十八條」を「第十七條の二第二項又は第十八條」に改め、同條第二号中「第一項」を「第一項又は第四項」に改め、同條第三号中「第四項」を「第五項」に改め、同條第四号中「第五項」を「第六項」に改める。
第二十八條中「貴金属地金、歯科用貴金属地金又は金地金」を「金地金又は歯科用金地金」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律施行前に改正前の貴金属管理法(以下「旧法」という。)第七條の規定により主務大臣に対して政府の所有に係る金地金の買受の申請をし、且つ、この法律施行の際当該申請に係る金地金について旧法第九條第一項の規定による通知を受けていない者は、改正後の金管理法(以下「新法」という。)第七條の規定により主務大臣に対して金地金の割当の申請をした者とみなす。
3 政府は、この法律施行の日から二箇月以内で政令で定める日までの間は、新法第九條の二第二項の規定にかかわらず、その所有に係る金地金を金需要者に対して旧法第十條の規定により主務大臣が定めた価格で売却するものとする。
4 この法律施行前に旧法第九條第一項の規定による通知を受けた者で当該通知に係る金地金を政府から買い受けていない者(この法律施行前に当該金地金を政府から買い受ける権利を失つていない者に限る。)は、前項の規定の適用については、金需要者とみなす。
5 旧法第十四條第一項の規定により主務大臣の認可を受けた歯科用貴金属地金加工業者(歯科用金地金の加工について認可を受けた者に限る。)又は旧法第十八條第一項の規定による都道府県知事の認可を受けた歯科用貴金属地金販売業者は、それぞれ、この法律施行の際、新法第十四條第一項の規定による歯科用金地金加工業についての主務大臣の認可又は新法第十八條第一項の規定による歯科用金地金販売業についての都道府県知事の認可を受けたものとみなす。
6 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
内閣総理大臣 吉田茂
法務総裁 木村篤太郎
大蔵大臣 池田勇人
文部大臣 天野貞祐
厚生大臣 吉武恵市
農林大臣 広川弘禅
通商産業大臣 高橋龍太郎
運輸大臣 村上義一
電気通信大臣 佐藤栄作
建設大臣 野田卯一
貴金属管理法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年六月十三日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百八十九号
貴金属管理法の一部を改正する法律
貴金属管理法(昭和二十五年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
金管理法
目次中「貴金属」を「金」に、「政府売却」を「割当及び売却」に改め、「加工業」の下に「及び加工用金売さばき業」を加える。
本則(第九条、第十条、第十二条第一項、第二十二条第一項第五号及び第二十八条を除く。)中「貴金属」を「金」に改める。
第二条第一項を削り、同条第二項中「又は採取」を「、採取又は回収」に改め、同項を同条第一項とし、同条第三項中「もつぱら」を「主として」に改め、同項を同条第二項とし、同条第四項を同条第三項とし、同条第五項中「銀貨、」を削り、同項を同条第四項とし、同条第六項中「歯科医療用白金加金線その他」を削り、「売り渡した」を「割り当てた」に改め、同項を同条第五項とし、同条第十二項中「鉱業権者」の下に「及び租鉱権者」を加え、同項を同条第十四項とし、同条第七項を同条第九項とし、以下第十一項まで二項ずつ繰り下げ、同条に第六項から第八項までとして、次のように加える。
6 この法律において「金納入者」とは、第三条第一項若しくは第二項又は第四条第一項若しくは第二項の規定により金地金を政府に売却した者をいう。
7 この法律において「加工用金売さばき業」とは、金地金を販売することを目的とする事業をいう。
8 この法律において「加工用金売さばき業者」とは、第十七条の二第一項の規定による認可を受けて加工用金売さばき業を営む者をいう。
第三条第一項中「九百九十八(金及び銀については、九百九十九)」を「九百九十九」に改める。
第三章の標題中「政府売却」を「割当及び売却」に改める。
第七条中「買受」を「割当」に改め、「政府の所有に係る」を削り、「を買い受けようとする者は、」を「の割当てを受けようとする者は、四半期ごとに、」に改める。
第八条第一項中「基礎とし、」の下に「四半期ごとに、」を加え、「政府の所有に係る」を削り、「売却」を「割当」に改め、同条第二項中「売却数量を定めた」を「割当数量を定めた毎四半期の」に改める。
第九条を次のように改める。
(金地金の割当)
第九条 主務大臣は、前条第二項の金配分計画で定めた数量の範囲内で、第七条の規定により申請した者に対して割り当てる金地金の数量を決定して、主務省令で定める手続により、当該申請者に通知しなければならない。
2 主務大臣は、左に掲げる事項を参しやくして前項の決定をしなければならない。
一 用途が正当であるかどうか。
二 金地金の数量がその用途にあてるために必要な数量をこえないかどうか。
(金地金の売却)
第九条の二 金納入者は、四半期ごとに、主務省令で定める手続により、政府の所有に係る金地金の買受を申請することができる。
2 政府は、前条第一項の規定により金地金の割当を受けた者(以下「金需要者」という。)の用に供するため、その所有に係る金地金のうち、第八条第二項の金配分計画で定めた数量を、主務省令で定める手続により、前項の規定により買受を申請した金納入者に対して、当該金納入者が当該金配分計画に係る期間の始期の属する月の前前月末に終る一年間に第三条第一項若しくは第二項又は第四条第一項若しくは第二項の規定により政府に売却した金地金の数量の、前項の規定により買受を申請した総ての金納入者が同期間中にこれらの規定により政府に売却した金地金の数量に対する割合に応じて、売却するものとする。
3 金納入者は、前項の規定により政府から買い受けた金地金を、主務省令で定める手続により、加工用金売さばき業者又は金需要者に売却しなければならない。
4 加工用金売さばき業者は、前項の規定により金納入者から買い受けた金地金又は第九条の三の規定による指示を受けた者から買い受けた金地金を、主務省令で定める手続により、金需要者に売却しなければならない。但し、第九条の三の規定による指示に従つて他の加工用金売さばき業者に売却する場合は、この限りでない。
(売却に関する指示)
第九条の三 主務大臣は、金地金の需給調整上必要があるときは、金納入者又は加工用金売さばき業者に対して、その所有に係る金地金を主務大臣が指定する加工用金売さばき業者又は金需要者に売却することを指示することができる。
(用途の変更等)
第九条の四 金需要者が第九条第一項の規定による割当に基いて買い受けた金地金について第七条の規定により示した用途を変更しようとするときは、主務大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、主務省令で定める手続により、主務大臣に申請しなければならない。
3 第九条第二項の規定は、前項の申請に対する主務大臣の許可について準用する。
4 主務大臣は、第二項の申請があつた場合において、申請者の所有する金地金の数量が変更しようとする用途にあてるために必要な数量をこえていると認めたときは、当該必要数量を限り、変更を許可することができる。
5 金需要者が第九条第一項の規定による割当に基いて買い受けた金地金をその用途にあてる前に滅失したとき、又はやむを得ない事由によりその用途に供することができなくなつたときは、主務省令で定める手続により、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出でなければならない。
6 金需要者が第九条第一項の規定による割当に基いて買い受けた金地金をやむを得ない事由によりその用途に供することができなくなつたとき、又は第一項の規定により用途の変更を申請した金地金の全部若しくは一部につきその許可を得られなかつたときは、政府に対し、その用途に供することができなくなつた金地金又は用途変更につき許可を得られなかつた金地金について第六条に規定する価格による買受を請求することができる。
第十条を次のように改める。
(売却価格)
第十条 政府が第九条の二第二項の規定により金地金を売却する場合の価格、金納入者が同条第三項の規定により、若しくは第九条の三の規定による指示に従つて金地金を加工用金売さばき業者に売却する場合又は加工用金売さばき業者が同条の規定による指示に従つて金地金を他の加工用金売さばき業者に売却する場合の最高価格及び加工用金売さばき業者が第九条の二第四項の規定により、若しくは第九条の三の規定による指示に従つて金地金を金需要者に売却する場合又は金納入者が第九条の二第三項の規定により、若しくは第九条の三の規定による指示に従つて金地金を金需要者に売却する場合の最高価格は、主務大臣が、金地金の国際市場価格並びに国内における生産及び消費の事情を参しやくして定める。
第十二条第一項第一号中「第四条又は第九条第五項若しくは第七項」を「第四条第一項若しくは第二項又は第九条の四第六項」に改め、同項第四号を同項第八号とし、同項第二号及び第三号を次のように改める。
二 金納入者が、第九条の二第二項の規定により政府から金地金を買い受け、又は買い受けた金地金を同条第三項の規定により、若しくは第九条の三の指示に従つて売却し、売却するためによう解し、若しくは売却するために加工する場合
三 加工用金売さばき業者が、第九条の二第三項の規定により、若しくは第九条の三の規定による指示に基き金地金を買い受け、又は買い受けた金地金を第九条の二第四項の規定により、若しくは第九条の三の規定による指示に従つて売却し、売却するためによう解し、若しくは売却するために加工する場合
四 金需要者が、第九条の二第三項若しくは第四項の規定により、若しくは第九条の三の規定による指示に基き金地金を買い受け、又は買い受けた金地金をその用途に供する場合
五 歯科用金地金加工業者が、前条第二項の規定により歯科用金地金販売業者に歯科用金地金を譲り渡す場合又は歯科用金地金販売業者が、同条第四項の規定により歯科医療者に歯科用金地金を譲り渡す場合
六 前条第一項の規定による割当を受けた歯科用金地金販売業者が、その割り当てられた歯科用金地金を歯科用金地金加工業者から譲り受ける場合又は同条第三項の規定による割当を受けた歯科医療者が、その割り当てられた歯科用金地金を歯科用金地金販売業者から譲り受け、若しくはこれを歯科医療の用に供する場合
七 第十七条(第十七条の二第二項又は第十八条第三項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による命令に従つて歯科用金地金若しくは金地金を売却し、又は第十七条の規定による命令に基いて歯科用金地金若しくは金地金を買い受ける場合
第五章の標題中「加工業」の下に「及び加工用金売さばき業」を加える。
第十七条の次に次の一条を加える。
(加工用金売さばき業の認可)
第十七条の二 加工用金売さばき業は、主務大臣の認可を受けなければ営むことができない。
2 第十四条第二項から第六項まで及び第十五条から前条までの規定は、加工用金売さばき業及び加工用金売さばき業者について準用する。この場合において、第十四条第三項第三号中「技術的能力、」とあるのは「金地金の取引についての経験、技術的能力、」と第十七条中「歯科用金地金を」とあるのは「金地金を」と「第十一条第七項の規定により主務大臣が定める同条第一項の規定により割り当てられた歯科用金地金の価格」とあるのは「第十条の規定により加工用金売さばき業者が金地金を売却する場合について主務大臣が定める価格」と読み替えるものとする。
第十八条第三項中「前条」を「第十七条」に改める。
第十九条第三項中「前条第三項」を「第十七条の二第二項又は前条第三項」に改め、同条第四項及び第五項中「第十四条第一項」の下に「、第十七条の二第一項」を加える。
第二十二条第一項第三号を削り、同項第四号を同項第三号とし、同項第七号を同項第八号とし、同項第六号を同項第七号とし、同項第五号を次のように改める。
四 金納入者
五 加工用金売さばき業者
六 金地金を買い受けた金需要者
第二十二条第二項第一号中「第七号」を「第八号」に改め、同項第二号中「買受」を「割当」に改め、同項第三号中「第十四条第二項」の下に「(第十七条の二第二項において準用する場合を含む。)」を加え、同条第三項第二号中「金地金その他の」を削り、同条第七項中「第四項」を「第五項」に、「第五項」を「第六項」に改め、同項を同条第八項とし、同条第四項から第六項までを一項ずつ繰り下げ、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、主務省令で定めるところにより、歯科医療者から報告を徴することができる。
第二十三条第一項中「第二条第六項」を「第二条第五項」に、「第十四条から第十九条まで」を「第十四条から第十七条まで及び第十八条」に「第九条まで」を「第九条まで及び第九条の四」に、「その他の規定」を「第十九条の規定における主務大臣は、第十四条第一項、第十七条の二第一項又は第十八条第一項の規定により認可をすべき主務大臣とし、その他の規定(第十七条の二第二項において準用する第十四条第二項、第三項及び第六項並びに第十五条から第十七条までの規定を含む。)」に改め、同条第二項中「第九条まで」の下に「及び第九条の四」を、「その他の規定」の下に「(第十七条の二第二項において準用する第十四条第二項及び第六項並びに第十五条の規定を含む。)」を加える。
第二十四条第二号及び第三号を削り、同条第四号を同条第二号とする。
第二十五条第一号中「第九条第二項」を「第九条の四第一項」に改め、同条第二号を削り、同条第三号を同条第二号とし、同条第四号中「第十八条」を「第十七条の二第二項又は第十八条」に、「を売却しなかつた」を「又は金地金を売却しなかつた」に改め、同号を同条第三号とし、同条第五号の前に次の一号を加える。
四 第十七条の二第一項の規定に違反して認可を受けないで加工用金売さばき業を営んだ者
第二十六条第一号中「第九条第六項」を「第九条の四第五項」に、「第十八条」を「第十七条の二第二項又は第十八条」に改め、同条第二号中「第一項」を「第一項又は第四項」に改め、同条第三号中「第四項」を「第五項」に改め、同条第四号中「第五項」を「第六項」に改める。
第二十八条中「貴金属地金、歯科用貴金属地金又は金地金」を「金地金又は歯科用金地金」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律施行前に改正前の貴金属管理法(以下「旧法」という。)第七条の規定により主務大臣に対して政府の所有に係る金地金の買受の申請をし、且つ、この法律施行の際当該申請に係る金地金について旧法第九条第一項の規定による通知を受けていない者は、改正後の金管理法(以下「新法」という。)第七条の規定により主務大臣に対して金地金の割当の申請をした者とみなす。
3 政府は、この法律施行の日から二箇月以内で政令で定める日までの間は、新法第九条の二第二項の規定にかかわらず、その所有に係る金地金を金需要者に対して旧法第十条の規定により主務大臣が定めた価格で売却するものとする。
4 この法律施行前に旧法第九条第一項の規定による通知を受けた者で当該通知に係る金地金を政府から買い受けていない者(この法律施行前に当該金地金を政府から買い受ける権利を失つていない者に限る。)は、前項の規定の適用については、金需要者とみなす。
5 旧法第十四条第一項の規定により主務大臣の認可を受けた歯科用貴金属地金加工業者(歯科用金地金の加工について認可を受けた者に限る。)又は旧法第十八条第一項の規定による都道府県知事の認可を受けた歯科用貴金属地金販売業者は、それぞれ、この法律施行の際、新法第十四条第一項の規定による歯科用金地金加工業についての主務大臣の認可又は新法第十八条第一項の規定による歯科用金地金販売業についての都道府県知事の認可を受けたものとみなす。
6 この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
内閣総理大臣 吉田茂
法務総裁 木村篤太郎
大蔵大臣 池田勇人
文部大臣 天野貞祐
厚生大臣 吉武恵市
農林大臣 広川弘禅
通商産業大臣 高橋龍太郎
運輸大臣 村上義一
電気通信大臣 佐藤栄作
建設大臣 野田卯一