特定道路整備事業特別会計法
法令番号: 法律第170号
公布年月日: 昭和27年6月6日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

道路の整備促進と交通利便性向上のため、道路整備特別措置法に基づく道路整備事業と地方公共団体への貸付資金に関する経理を、一般会計と区分して明確化する必要があることから、特別会計を設置するものである。歳入は資金運用部からの借入金や道路通行料金等とし、歳出は道路の新設・改築費用や地方公共団体への貸付金・補助金等とする。また、会計の損益計算上の利益は積立金に組み入れ、損失は積立金で補填する。道路整備等の財源は資金運用部から借り入れ、建設費用や貸付金等は会計の資産として整理し、建設費用は毎年度一定基準で減額整理を行う。

参照した発言:
第13回国会 衆議院 大蔵委員会 第38号

審議経過

第13回国会

参議院
(昭和27年3月24日)
衆議院
(昭和27年3月25日)
参議院
(昭和27年3月25日)
(昭和27年3月26日)
衆議院
(昭和27年3月29日)
(昭和27年3月29日)
参議院
(昭和27年5月27日)
(昭和27年5月28日)
衆議院
(昭和27年7月31日)
参議院
(昭和27年7月31日)
特定道路整備事業特別会計法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年六月六日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百七十号
特定道路整備事業特別会計法
(設置)
第一條 道路整備特別措置法(昭和二十七年法律第百六十九号。以下「法」という。)に基き国が直轄で施行する道路(法第三條第一項の規定により法第二條第二項に規定する料金を徴収することができる同條第一項に規定する道路をいう。以下同じ。)の整備事業及び法第七條の規定による地方公共団体に対する資金の貸付等に関する政府の経理を明確にするため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理する。
(管理)
第二條 この会計は、建設大臣が、法令の定めるところに従い、管理する。
(歳入及び歳出)
第三條 この会計においては、第十一條の規定による借入金、法第三條第一項の規定により徴収する料金、法第七條の規定による地方公共団体に対する貸付金(以下「貸付金」という。)の償還金及び利子並びに附属雑収入をもつてその歳入とし、道路の新設及び改築(舗装を含む。以下同じ。)に必要な費用、貸付金、第十一條の規定による借入金の償還金及び利子、法第十一條の規定による補助金、事務取扱費並びに附属諸費をもつてその歳出とする。
(歳入歳出予定計算書の作製及び送付)
第四條 建設大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作製し、大蔵大臣に送付しなければならない。
2 前項の歳入歳出予定計算書には、左の書類を添附しなければならない。
一 前前年度の貸借対照表及び損益計算書
二 前年度及び当該年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書
三 前年度及び当該年度の直轄道路整備事業及び地方公共団体に対する貸付の計画表
(歳入歳出予算の区分)
第五條 この会計の歳入歳出予算は、歳入にあつては、その性質に従つて款及び項に、歳出にあつては、その目的に従つて項に区分する。
(予算の作成及び提出)
第六條 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の予算には、第四條第一項に規定する歳入歳出予定計算書及び同條第二項各号に掲げる書類を添附しなければならない。
(損益の処理)
第七條 この会計において、毎会計年度の損益計算上利益を生じたときは、これを積立金に組み入れて整理するものとする。
2 この会計において、毎会計年度の損益計算上損失を生じたときは、その損失については、積立金を減額して整理するものとする。但し、その損失の額が積立金の額を超過するときはその超過額を、積立金がないときはその損失の額をそれぞれ損失の繰越として整理するものとする。
3 前二項に規定する損益計算の方法は、政令で定める。
(剰余金の繰入)
第八條 この会計において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じたときは、これを翌年度の歳入に繰り入れるものとする。
(歳入歳出決定計算書の作製及び送付)
第九條 建設大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作製し、大蔵大臣に送付しなければならない。
2 前項の歳入歳出決定計算書には、当該年度の貸借対照表及び損益計算書を添附しなければならない。
(歳入歳出決算の作成及び提出)
第十條 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の歳入歳出決算には、前條第一項に規定する歳入歳出決定計算書並びに同條第二項に規定する当該年度の貸借対照表及び損益計算書を添附しなければならない。
(借入金)
第十一條 この会計においては、道路の新設及び改築に必要な費用、当該新設及び改築に関する事務取扱費並びに貸付金の財源に充てるため必要があるときは、この会計の負担において、資金運用部から借入金をすることができる。当該借入金のうち、貸付金の財源に充てるための借入金以外のものの利子の支出に必要な財源についても、同様とする。
(余裕金の預託)
第十二條 この会計において支払上現金に余裕があるときは、資金運用部に預託することができる。
(借入金の借入及び償還の事務)
第十三條 第十一條の規定による借入金の借入及び償還に関する事務は、大蔵大臣が行う。
(国債整理基金特別会計への繰入)
第十四條 第十一條の規定による借入金の償還金及び利子の支出に必要な金額は、毎会計年度、国債整理基金特別会計に繰り入れなければならない。
(支出未済額の繰越)
第十五條 この会計において、支払義務の生じた歳出金で、当該年度の出納の完結までに支出済とならなかつたものに係る歳出予算は、翌年度に繰り越して使用することができる。
2 建設大臣は、前項の規定による繰越をしたときは、大蔵大臣及び会計検査院に通知しなければならない。
3 第一項の規定により繰越をしたときは、当該経費については、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第三十一條第一項の規定による予算の配賦があつたものとみなす。
(資産の計理)
第十六條 道路の新設及び改築に必要な費用並びに当該新設及び改築に関する事務取扱費並びにこれらの経費の財源に充てるための第十一條の規定による借入金の利子で支出済のもの(以下「建設費用」という。)並びに貸付金、未収金及び現金は、この会計の資産として整理しなければならない。
2 前項の資産のうち建設費用の価額については、建設大臣の定めるところにより、毎会計年度、減額して整理するものとする。
3 前項の規定による減額の基準については、建設大臣が大蔵大臣と協議して定める。
4 第一項の資産の価額の算定方法その他資産の計理について必要な事項は、政令で定める。
(実施規定)
第十七條 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、政令で定める。
附 則
この法律は、法施行の日から施行する。
大蔵大臣 池田勇人
建設大臣 野田卯一
内閣総理大臣 吉田茂
特定道路整備事業特別会計法をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年六月六日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百七十号
特定道路整備事業特別会計法
(設置)
第一条 道路整備特別措置法(昭和二十七年法律第百六十九号。以下「法」という。)に基き国が直轄で施行する道路(法第三条第一項の規定により法第二条第二項に規定する料金を徴収することができる同条第一項に規定する道路をいう。以下同じ。)の整備事業及び法第七条の規定による地方公共団体に対する資金の貸付等に関する政府の経理を明確にするため、特別会計を設置し、一般会計と区分して経理する。
(管理)
第二条 この会計は、建設大臣が、法令の定めるところに従い、管理する。
(歳入及び歳出)
第三条 この会計においては、第十一条の規定による借入金、法第三条第一項の規定により徴収する料金、法第七条の規定による地方公共団体に対する貸付金(以下「貸付金」という。)の償還金及び利子並びに附属雑収入をもつてその歳入とし、道路の新設及び改築(舗装を含む。以下同じ。)に必要な費用、貸付金、第十一条の規定による借入金の償還金及び利子、法第十一条の規定による補助金、事務取扱費並びに附属諸費をもつてその歳出とする。
(歳入歳出予定計算書の作製及び送付)
第四条 建設大臣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出予定計算書を作製し、大蔵大臣に送付しなければならない。
2 前項の歳入歳出予定計算書には、左の書類を添附しなければならない。
一 前前年度の貸借対照表及び損益計算書
二 前年度及び当該年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書
三 前年度及び当該年度の直轄道路整備事業及び地方公共団体に対する貸付の計画表
(歳入歳出予算の区分)
第五条 この会計の歳入歳出予算は、歳入にあつては、その性質に従つて款及び項に、歳出にあつては、その目的に従つて項に区分する。
(予算の作成及び提出)
第六条 内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の予算には、第四条第一項に規定する歳入歳出予定計算書及び同条第二項各号に掲げる書類を添附しなければならない。
(損益の処理)
第七条 この会計において、毎会計年度の損益計算上利益を生じたときは、これを積立金に組み入れて整理するものとする。
2 この会計において、毎会計年度の損益計算上損失を生じたときは、その損失については、積立金を減額して整理するものとする。但し、その損失の額が積立金の額を超過するときはその超過額を、積立金がないときはその損失の額をそれぞれ損失の繰越として整理するものとする。
3 前二項に規定する損益計算の方法は、政令で定める。
(剰余金の繰入)
第八条 この会計において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じたときは、これを翌年度の歳入に繰り入れるものとする。
(歳入歳出決定計算書の作製及び送付)
第九条 建設大臣は、毎会計年度、歳入歳出予定計算書と同一の区分により、この会計の歳入歳出決定計算書を作製し、大蔵大臣に送付しなければならない。
2 前項の歳入歳出決定計算書には、当該年度の貸借対照表及び損益計算書を添附しなければならない。
(歳入歳出決算の作成及び提出)
第十条 内閣は、毎会計年度、この会計の歳入歳出決算を作成し、一般会計の歳入歳出決算とともに、国会に提出しなければならない。
2 前項の歳入歳出決算には、前条第一項に規定する歳入歳出決定計算書並びに同条第二項に規定する当該年度の貸借対照表及び損益計算書を添附しなければならない。
(借入金)
第十一条 この会計においては、道路の新設及び改築に必要な費用、当該新設及び改築に関する事務取扱費並びに貸付金の財源に充てるため必要があるときは、この会計の負担において、資金運用部から借入金をすることができる。当該借入金のうち、貸付金の財源に充てるための借入金以外のものの利子の支出に必要な財源についても、同様とする。
(余裕金の預託)
第十二条 この会計において支払上現金に余裕があるときは、資金運用部に預託することができる。
(借入金の借入及び償還の事務)
第十三条 第十一条の規定による借入金の借入及び償還に関する事務は、大蔵大臣が行う。
(国債整理基金特別会計への繰入)
第十四条 第十一条の規定による借入金の償還金及び利子の支出に必要な金額は、毎会計年度、国債整理基金特別会計に繰り入れなければならない。
(支出未済額の繰越)
第十五条 この会計において、支払義務の生じた歳出金で、当該年度の出納の完結までに支出済とならなかつたものに係る歳出予算は、翌年度に繰り越して使用することができる。
2 建設大臣は、前項の規定による繰越をしたときは、大蔵大臣及び会計検査院に通知しなければならない。
3 第一項の規定により繰越をしたときは、当該経費については、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第三十一条第一項の規定による予算の配賦があつたものとみなす。
(資産の計理)
第十六条 道路の新設及び改築に必要な費用並びに当該新設及び改築に関する事務取扱費並びにこれらの経費の財源に充てるための第十一条の規定による借入金の利子で支出済のもの(以下「建設費用」という。)並びに貸付金、未収金及び現金は、この会計の資産として整理しなければならない。
2 前項の資産のうち建設費用の価額については、建設大臣の定めるところにより、毎会計年度、減額して整理するものとする。
3 前項の規定による減額の基準については、建設大臣が大蔵大臣と協議して定める。
4 第一項の資産の価額の算定方法その他資産の計理について必要な事項は、政令で定める。
(実施規定)
第十七条 この法律の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、政令で定める。
附 則
この法律は、法施行の日から施行する。
大蔵大臣 池田勇人
建設大臣 野田卯一
内閣総理大臣 吉田茂