食糧管理法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第158号
公布年月日: 昭和27年5月29日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

麦の供出配給制度を廃止し、新たな需給調整制度を設けることを主な目的とする改正案である。戦後、食糧事情が改善され、麦類については価格が安定し配給辞退も見られるようになった。そのため、供出配給制度を続ける必要性が薄れ、統制を廃止しても社会経済に不安を与えるおそれはないと判断された。ただし、麦製品は主要食糧であるため、政府による間接的な需給調節措置を講じ、安定した価格水準を維持する。具体的には、政府による内外麦の買入れと売渡し制度を設け、生産者には最低価格を保証し、消費者には安定した価格での供給を確保する。また、いも類・雑穀関連規定の削除や食糧配給公団関連規定の削除など、その他の改正も行う。

参照した発言:
第13回国会 衆議院 農林委員会 第25号

審議経過

第13回国会

参議院
(昭和27年4月17日)
衆議院
(昭和27年4月18日)
(昭和27年4月23日)
参議院
(昭和27年4月23日)
衆議院
(昭和27年4月24日)
参議院
(昭和27年4月24日)
衆議院
(昭和27年4月25日)
(昭和27年4月26日)
(昭和27年4月30日)
参議院
(昭和27年5月7日)
衆議院
(昭和27年5月8日)
参議院
(昭和27年5月8日)
(昭和27年5月9日)
(昭和27年5月12日)
(昭和27年5月13日)
(昭和27年5月21日)
(昭和27年5月23日)
衆議院
(昭和27年5月27日)
(昭和27年7月31日)
食糧管理法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年五月二十九日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百五十八号
食糧管理法の一部を改正する法律
食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)の一部を次のように改正する。
第二條中「、甘藷、馬鈴薯、雑穀」を削る。
第三條第一項中「、大麦、裸麦、小麦又ハ雑穀(以下米麦等ト総称ス)」を削り、「其ノ生産シタル米麦等」を「其ノ生産シタル米穀」に改め、同條第二項中「参酌シテ」を「参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ」に改める。
第三條ノ二を削る。
第四條第一項中「米麦等、甘藷又ハ馬鈴薯ヲ食糧配給公団」を「米穀ヲ第八條ノ二第二項ノ販売業者」に、同條第二項中「参酌シテ」を「参酌シ消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ」に改める。
第四條の次に次の二條を加える。
第四條ノ二 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ麦(大麦、裸麦又ハ小麦ヲ謂フ以下同ジ)ヲ其ノ生産者又ハ其ノ生産者ヨリ委託ヲ受ケタル者ノ売渡ノ申込ニ応ジテ無制限ニ買入ルルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於ケル政府ノ買入ノ価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ昭和二十五年産及昭和二十六年産ノ麦ノ政府ノ買入ノ価格ヲ平均シテ得タル額ニ農業パリテイ指数(物及役務ニ付農業者ノ支払フ価格等ノ総合指数ヲ謂フ)ヲ乗ジテ得タル額ヲ下ラザルモノトシ、其ノ額ヲ基準トシテ麦ノ生産事情其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ麦ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム
政府ハ前項ノ買入ノ価格ヲ決定シタルトキハ之ヲ告示ス
第四條ノ三 政府ハ其ノ買入レタル麦(麦ヲ加工シ又ハ之ヲ原料トシテ製造シタル製品ヲ含ム)ヲ随意契約ニ依リ売渡スモノトシ農林大臣ニ於テ随意契約ニ依ルコトヲ不適当ト認ムルトキハ入札ノ方法ニ依ル一般競争契約又ハ指名競争契約ノ中農林大臣ノ選択スル競争契約ニ依リ売渡スモノトス
前項ノ規定ニ依リ売渡ヲ為ス場合ニ於ケル予定価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ標準売渡価格ヲ基準トシテ之ヲ定ム
前項ノ標準売渡価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ家計費及米価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム
政府ハ標準売渡価格ヲ決定シタルトキハ命令ヲ以テ定ムル麦及麦製品ニ付之ヲ告示ス
前四項ニ定ムルモノノ外第一項ノ売渡ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五條第一項中「米麦等、甘藷及馬鈴薯」を「米穀及麦」に改める。
第八條ノ二第一項中「主要食糧」を「米穀及之ヲ加工シ又ハ之ヲ原料トシテ製造シタル製品ニシテ農林大臣ノ指定スルモノ(以下米穀類ト称ス)」に改め、同條第二項中「主要食糧」を「米穀類」に改め、「食糧配給公団、」を削る。
第八條ノ三第一項中「主要食糧」を「米穀類」に改める。
第八條ノ四第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を第四項とし、同條第二項中「食糧配給公団又ハ」を削り、「主要食糧」を「米穀類」に改め、同項を第三項とし、同條第一項中「食糧配給公団又ハ」を削り、「第八條ノ二第一項」を「第八條ノ二第二項」に、「記入シ販売業者又ハ消費者ニ対シ主要食糧ヲ売渡スベシ」を「記入スルニ非ザレバ米穀類ヲ売渡スコトヲ得ズ」に改め、同項を第二項とし、同條に第一項として次の一項を加える。
販売業者ハ他ノ販売業者又ハ消費者ガ前條ノ購入券ヲ呈示シ米穀類ノ買受ヲ申込ミタルトキハ其ノ者ニ対シ米穀類ヲ売渡スベシ
第八條ノ六中「前四條」を「前三條」に改める。
第十一條第一項及び第二項中「、大麦、裸麦又ハ小麦」を「又ハ麦」に、同條第四項中「、大麦、裸麦及小麦」を「及麦」に改める。
第十四條から第二十八條までを次のように改める。
第十四條乃至第二十八條 削除
第二十九條から第三十條ノ七までを削り、第三十條ノ八第二項中「米麦等」を「米穀」に改め、同條を第二十九條とし、第三十條ノ九を第三十條とする。
第三十一條中「第八條ノ五ノ規定」を「第八條ノ四第一項若ハ第二項若ハ第八條ノ五ノ規定」に改める。
第三十一條ノ二及び第三十一條ノ三を削る。
第三十二條第一項第二号中「第八條ノ四第二項」を「第八條ノ四第三項」に改める。
第三十七條中「第三十一條、第三十一條ノ二、第三十二條、第三十三條又ハ第三十五條」を「第三十一條乃至第三十三條」に改め、同條に次の但書を加える。
但シ法人又ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者ノ当該違反行為ヲ防止スル為当該業務ニ対シ相当ノ注意及監督ノ尽サレタルコトニ付証明アリタルトキハ其ノ法人又ハ人ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第三十八條から第四十三條までを次のように改める。
第三十八條乃至第四十三條 削除
附 則
1 この法律の施行期日は、その公布の日から起算して六十日をこえない期間内において、政令で定める。
2 政府の買い入れた麦(麦を加工し、又はこれを原料として製造した製品を含む。)であつて政令の定めるところにより食生活改善の用途に供するために売り渡すものについては、政令で定める期日までは、食糧管理法第四條ノ三第二項の規定にかかわらず、その売渡の予定価格は、農林大臣の定める価格によるものとする。
3 食糧配給公団の清算及びこの法律の施行前にした行為に対する罰則の適用に関しては、改正前の食糧管理法の規定は、この法律の施行後もなおその効力を有する。
4 農産物検査法(昭和二十六年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第三條第一項中「その売渡前」の下に「(その生産した大麦、はだか麦又は小麦について売渡を委託する場合には、その委託前)」を加える。
第十一條但書を削り、同條に次の一項を加える。
2 左に掲げる場合には、前項の規定は、適用しない。
一 もみ、玄米又は精米を政府に売り渡すため検査を受ける場合
二 輸入に係る農産物を政府に売り渡すため検査を受ける場合
三 政府の所有に係る農産物を政府に引き渡すため検査を受ける場合
農林大臣 広川弘禅
経済安定本部総裁 吉田茂
内閣総理大臣 吉田茂
食糧管理法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年五月二十九日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百五十八号
食糧管理法の一部を改正する法律
食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)の一部を次のように改正する。
第二条中「、甘藷、馬鈴薯、雑穀」を削る。
第三条第一項中「、大麦、裸麦、小麦又ハ雑穀(以下米麦等ト総称ス)」を削り、「其ノ生産シタル米麦等」を「其ノ生産シタル米穀」に改め、同条第二項中「参酌シテ」を「参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ」に改める。
第三条ノ二を削る。
第四条第一項中「米麦等、甘藷又ハ馬鈴薯ヲ食糧配給公団」を「米穀ヲ第八条ノ二第二項ノ販売業者」に、同条第二項中「参酌シテ」を「参酌シ消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ」に改める。
第四条の次に次の二条を加える。
第四条ノ二 政府ハ命令ノ定ムル所ニ依リ麦(大麦、裸麦又ハ小麦ヲ謂フ以下同ジ)ヲ其ノ生産者又ハ其ノ生産者ヨリ委託ヲ受ケタル者ノ売渡ノ申込ニ応ジテ無制限ニ買入ルルコトヲ要ス
前項ノ場合ニ於ケル政府ノ買入ノ価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ昭和二十五年産及昭和二十六年産ノ麦ノ政府ノ買入ノ価格ヲ平均シテ得タル額ニ農業パリテイ指数(物及役務ニ付農業者ノ支払フ価格等ノ総合指数ヲ謂フ)ヲ乗ジテ得タル額ヲ下ラザルモノトシ、其ノ額ヲ基準トシテ麦ノ生産事情其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ麦ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム
政府ハ前項ノ買入ノ価格ヲ決定シタルトキハ之ヲ告示ス
第四条ノ三 政府ハ其ノ買入レタル麦(麦ヲ加工シ又ハ之ヲ原料トシテ製造シタル製品ヲ含ム)ヲ随意契約ニ依リ売渡スモノトシ農林大臣ニ於テ随意契約ニ依ルコトヲ不適当ト認ムルトキハ入札ノ方法ニ依ル一般競争契約又ハ指名競争契約ノ中農林大臣ノ選択スル競争契約ニ依リ売渡スモノトス
前項ノ規定ニ依リ売渡ヲ為ス場合ニ於ケル予定価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ標準売渡価格ヲ基準トシテ之ヲ定ム
前項ノ標準売渡価格ハ政令ノ定ムル所ニ依リ家計費及米価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム
政府ハ標準売渡価格ヲ決定シタルトキハ命令ヲ以テ定ムル麦及麦製品ニ付之ヲ告示ス
前四項ニ定ムルモノノ外第一項ノ売渡ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第五条第一項中「米麦等、甘藷及馬鈴薯」を「米穀及麦」に改める。
第八条ノ二第一項中「主要食糧」を「米穀及之ヲ加工シ又ハ之ヲ原料トシテ製造シタル製品ニシテ農林大臣ノ指定スルモノ(以下米穀類ト称ス)」に改め、同条第二項中「主要食糧」を「米穀類」に改め、「食糧配給公団、」を削る。
第八条ノ三第一項中「主要食糧」を「米穀類」に改める。
第八条ノ四第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を第四項とし、同条第二項中「食糧配給公団又ハ」を削り、「主要食糧」を「米穀類」に改め、同項を第三項とし、同条第一項中「食糧配給公団又ハ」を削り、「第八条ノ二第一項」を「第八条ノ二第二項」に、「記入シ販売業者又ハ消費者ニ対シ主要食糧ヲ売渡スベシ」を「記入スルニ非ザレバ米穀類ヲ売渡スコトヲ得ズ」に改め、同項を第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。
販売業者ハ他ノ販売業者又ハ消費者ガ前条ノ購入券ヲ呈示シ米穀類ノ買受ヲ申込ミタルトキハ其ノ者ニ対シ米穀類ヲ売渡スベシ
第八条ノ六中「前四条」を「前三条」に改める。
第十一条第一項及び第二項中「、大麦、裸麦又ハ小麦」を「又ハ麦」に、同条第四項中「、大麦、裸麦及小麦」を「及麦」に改める。
第十四条から第二十八条までを次のように改める。
第十四条乃至第二十八条 削除
第二十九条から第三十条ノ七までを削り、第三十条ノ八第二項中「米麦等」を「米穀」に改め、同条を第二十九条とし、第三十条ノ九を第三十条とする。
第三十一条中「第八条ノ五ノ規定」を「第八条ノ四第一項若ハ第二項若ハ第八条ノ五ノ規定」に改める。
第三十一条ノ二及び第三十一条ノ三を削る。
第三十二条第一項第二号中「第八条ノ四第二項」を「第八条ノ四第三項」に改める。
第三十七条中「第三十一条、第三十一条ノ二、第三十二条、第三十三条又ハ第三十五条」を「第三十一条乃至第三十三条」に改め、同条に次の但書を加える。
但シ法人又ハ人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者ノ当該違反行為ヲ防止スル為当該業務ニ対シ相当ノ注意及監督ノ尽サレタルコトニ付証明アリタルトキハ其ノ法人又ハ人ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第三十八条から第四十三条までを次のように改める。
第三十八条乃至第四十三条 削除
附 則
1 この法律の施行期日は、その公布の日から起算して六十日をこえない期間内において、政令で定める。
2 政府の買い入れた麦(麦を加工し、又はこれを原料として製造した製品を含む。)であつて政令の定めるところにより食生活改善の用途に供するために売り渡すものについては、政令で定める期日までは、食糧管理法第四条ノ三第二項の規定にかかわらず、その売渡の予定価格は、農林大臣の定める価格によるものとする。
3 食糧配給公団の清算及びこの法律の施行前にした行為に対する罰則の適用に関しては、改正前の食糧管理法の規定は、この法律の施行後もなおその効力を有する。
4 農産物検査法(昭和二十六年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項中「その売渡前」の下に「(その生産した大麦、はだか麦又は小麦について売渡を委託する場合には、その委託前)」を加える。
第十一条但書を削り、同条に次の一項を加える。
2 左に掲げる場合には、前項の規定は、適用しない。
一 もみ、玄米又は精米を政府に売り渡すため検査を受ける場合
二 輸入に係る農産物を政府に売り渡すため検査を受ける場合
三 政府の所有に係る農産物を政府に引き渡すため検査を受ける場合
農林大臣 広川弘禅
経済安定本部総裁 吉田茂
内閣総理大臣 吉田茂