商船管理委員会の解散及び清算に関する法律
法令番号: 法律第24号
公布年月日: 昭和27年3月31日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

戦時海運管理令に基づき設立された商船管理委員会は、国家総動員法廃止後も総司令部の指令により効力を延長してきた。同委員会は占領軍が設置を命じたCMMCに代替する機関として機能してきたが、占領終結が見通された現在、その存続は不要となった。3月31日での戦時海運管理令失効に伴い、同委員会も解散することとなるが、特別法に基づく法人であるため民法・商法の適用を受けない。そこで、解散及び清算の実施とその監督等について新たに法律を制定する必要がある。

参照した発言:
第13回国会 衆議院 運輸委員会 第13号

審議経過

第13回国会

衆議院
(昭和27年3月18日)
参議院
(昭和27年3月18日)
衆議院
(昭和27年3月25日)
(昭和27年3月25日)
参議院
(昭和27年3月25日)
(昭和27年3月27日)
(昭和27年4月16日)
衆議院
(昭和27年7月31日)
商船管理委員会の解散及び清算に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年三月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二十四号
商船管理委員会の解散及び清算に関する法律
(通則)
第一條 商船管理委員会(以下「委員会」という。)の解散及び清算に関しては、この法律の定めるところによる。
(解散の登記)
第二條 委員会が運輸大臣の命令により解散したときは、委員会の清算人は、遅滞なく、委員会の主たる事務所及び従たる事務所の所在地において、その解散の登記をしなければならない。
(委員会の存続)
第三條 委員会は、解散した後でも、清算の目的の範囲内において、その清算の結了まで、なお存続するものとみなす。
(清算人の指名等)
第四條 清算人は、運輸大臣が解散前の委員会の役員又は職員の中から指名した者がなる。
2 運輸大臣は、清算人が法令に違反し、その他その職務を適切に遂行していないと認めるときは、これを解任することができる。
(清算人の代表権)
第五條 清算人は、委員会を代表する。
(清算人の登記)
第六條 清算人は、その就任の日から、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間以内に、その氏名及び住所を登記しなければならない。
2 清算人は、前項の規定により登記した事項に変更を生じたときは、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間以内に、変更の登記をしなければならない。
(清算人の職務権限)
第七條 清算人は、左の職務を行う。
一 現務の結了
二 債権の取立及び債務の弁済
三 残余財産の引渡
2 清算人は、前項の職務を行うために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をすることができる。
(清算費用の支出)
第八條 清算人は、委員会の昭和二十七年度の収入金及び昭和二十六年度剰余金を国に納付しないで、清算に必要な経費の支払に充てることができる。
(清算事務の監督)
第九條 清算人は、就任の後直ちに委員会の財産の現況を調査して、財産目録及び貸借対照表を作成し、運輸大臣の承認を受けなければならない。
2 清算人は、前項の承認を得た財産目録及び貸借対照表につき会計検査院の検査を受けなければならない。
(清算行為の特則)
第十條 清算人が左の行為をするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。
一 委員会の財産の処分
二 訴の提起
三 和解契約又は仲裁契約の締結
四 権利又は利益の放棄
五 契約の更改
2 運輸大臣は、前項の認可をしようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。
(債権債務の承継)
第十一條 運輸大臣は、委員会の清算事務の結了を促進するため必要があると認めるときは、委員会の債権又は債務で昭和二十七年九月三十日までに取立又は弁済をすることが困難なものを告示する。
2 運輸大臣は、前項の告示をしようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。
3 第一項の告示があつたときは、国は、その告示の日において、告示に係る債権又は債務を承継する。
(訴訟の受継)
第十二條 前條第三項の規定により国が承継した債権又は債務に係る委員会を当事者とする訴訟であつて、債権又は債務の承継の日において現に係属しているものは、その日において、国が受け継ぐ。
2 民事訴訟法(明治二十三年法律第二十九号)中訴訟手続の中断及び受継に関する規定は、前項の規定により国が訴訟を受継した場合に準用する。
(債権者に対する催告)
第十三條 清算人は、その就任の日から一箇月以内に、少くとも三回の公告をもつて、債権者に対し、二箇月以内にその債権を申し出るべき旨を催告しなければならない。
2 前項の公告には、債権者が期間内に申出をしないときは、清算から除斥されるべき旨を附記しなければならない。
3 清算人は、知れている債権者には、各別にその債権の申出を催告しなければならない。
4 清算人は、知れている債権者を清算から除斥することができない。
(除斥された債権者に対する弁済)
第十四條 清算から除斥された債権者は、委員会の債務完済後まだ国庫に引き渡さない財産に対してのみ請求をすることができる。
(残余財産の帰属)
第十五條 委員会の残余財産は、国庫に帰属する。
(清算書類提出の義務)
第十六條 清算事務が終つたときは、清算人は、直ちに清算報告書を作成し、運輸大臣に提出してその承認を受けなければならない。
2 前項の清算報告書には、清算に関する重要な書類、委員会の帳簿及びその事業に関する重要な書類を添附しなければならない。
3 清算人は、第一項の規定により運輸大臣の承認を受けた清算報告書につき、会計検査院の検査を受けなければならない。
(清算結了の時期)
第十七條 委員会の清算は、遅くとも昭和二十七年九月三十日までに結了しなければならない。
(清算結了の登記)
第十八條 清算人は、第十六條第一項の承認及び同條第三項の検査があつた後、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間以内に清算結了の登記をしなければならない。
(登記手続)
第十九條 第六條第一項の規定による登記の申請書には、清算人の就任を証する書面を添附しなければならない。
2 第六條第二項の規定による登記の申請書には、登記事項の変更を証する書面を添附しなければならない。
第二十條 清算結了の登記の申請書には、第十六條第一項の承認を得たこと及び同條第三項の検査を受けたことを証する書面を添附しなければならない。
第二十一條 この法律の規定による登記については、その事務所の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局又はその支局若しくは出張所が管轄登記所としてこれをつかさどる。
2 前項の登記は、統制団体登記簿に記載して行う。
第二十二條 非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百三十九條ノ二、第百四十二條から第百五十條まで、第百五十條ノ三から第百五十一條ノ六まで、第百五十四條から第百五十六條ノ二まで及び第百五十七條の規定は、この法律の規定による登記に準用する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和二十七年四月一日から施行する。
(他の法律の改廃)
2 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第四條第二項第一号を次のように改める。
一 商船管理委員会の清算を監督すること。
第二十三條第二項第二号を次のように改める。
二 商船管理委員会の清算の監督に関すること。
第二十三條第二項第二号の次に次の一号を加える。
二の二 商船管理委員会の解散及び清算に関する法律(昭和二十七年法律第二十四号)第十一條の規定により国が承継した債権又は債務の処理に関すること。
法務総裁 木村篤太郎
大蔵大臣 池田勇人
運輸大臣 村上義一
内閣総理大臣 吉田茂
商船管理委員会の解散及び清算に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年三月三十一日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二十四号
商船管理委員会の解散及び清算に関する法律
(通則)
第一条 商船管理委員会(以下「委員会」という。)の解散及び清算に関しては、この法律の定めるところによる。
(解散の登記)
第二条 委員会が運輸大臣の命令により解散したときは、委員会の清算人は、遅滞なく、委員会の主たる事務所及び従たる事務所の所在地において、その解散の登記をしなければならない。
(委員会の存続)
第三条 委員会は、解散した後でも、清算の目的の範囲内において、その清算の結了まで、なお存続するものとみなす。
(清算人の指名等)
第四条 清算人は、運輸大臣が解散前の委員会の役員又は職員の中から指名した者がなる。
2 運輸大臣は、清算人が法令に違反し、その他その職務を適切に遂行していないと認めるときは、これを解任することができる。
(清算人の代表権)
第五条 清算人は、委員会を代表する。
(清算人の登記)
第六条 清算人は、その就任の日から、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間以内に、その氏名及び住所を登記しなければならない。
2 清算人は、前項の規定により登記した事項に変更を生じたときは、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間以内に、変更の登記をしなければならない。
(清算人の職務権限)
第七条 清算人は、左の職務を行う。
一 現務の結了
二 債権の取立及び債務の弁済
三 残余財産の引渡
2 清算人は、前項の職務を行うために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をすることができる。
(清算費用の支出)
第八条 清算人は、委員会の昭和二十七年度の収入金及び昭和二十六年度剰余金を国に納付しないで、清算に必要な経費の支払に充てることができる。
(清算事務の監督)
第九条 清算人は、就任の後直ちに委員会の財産の現況を調査して、財産目録及び貸借対照表を作成し、運輸大臣の承認を受けなければならない。
2 清算人は、前項の承認を得た財産目録及び貸借対照表につき会計検査院の検査を受けなければならない。
(清算行為の特則)
第十条 清算人が左の行為をするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。
一 委員会の財産の処分
二 訴の提起
三 和解契約又は仲裁契約の締結
四 権利又は利益の放棄
五 契約の更改
2 運輸大臣は、前項の認可をしようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。
(債権債務の承継)
第十一条 運輸大臣は、委員会の清算事務の結了を促進するため必要があると認めるときは、委員会の債権又は債務で昭和二十七年九月三十日までに取立又は弁済をすることが困難なものを告示する。
2 運輸大臣は、前項の告示をしようとするときは、大蔵大臣に協議しなければならない。
3 第一項の告示があつたときは、国は、その告示の日において、告示に係る債権又は債務を承継する。
(訴訟の受継)
第十二条 前条第三項の規定により国が承継した債権又は債務に係る委員会を当事者とする訴訟であつて、債権又は債務の承継の日において現に係属しているものは、その日において、国が受け継ぐ。
2 民事訴訟法(明治二十三年法律第二十九号)中訴訟手続の中断及び受継に関する規定は、前項の規定により国が訴訟を受継した場合に準用する。
(債権者に対する催告)
第十三条 清算人は、その就任の日から一箇月以内に、少くとも三回の公告をもつて、債権者に対し、二箇月以内にその債権を申し出るべき旨を催告しなければならない。
2 前項の公告には、債権者が期間内に申出をしないときは、清算から除斥されるべき旨を附記しなければならない。
3 清算人は、知れている債権者には、各別にその債権の申出を催告しなければならない。
4 清算人は、知れている債権者を清算から除斥することができない。
(除斥された債権者に対する弁済)
第十四条 清算から除斥された債権者は、委員会の債務完済後まだ国庫に引き渡さない財産に対してのみ請求をすることができる。
(残余財産の帰属)
第十五条 委員会の残余財産は、国庫に帰属する。
(清算書類提出の義務)
第十六条 清算事務が終つたときは、清算人は、直ちに清算報告書を作成し、運輸大臣に提出してその承認を受けなければならない。
2 前項の清算報告書には、清算に関する重要な書類、委員会の帳簿及びその事業に関する重要な書類を添附しなければならない。
3 清算人は、第一項の規定により運輸大臣の承認を受けた清算報告書につき、会計検査院の検査を受けなければならない。
(清算結了の時期)
第十七条 委員会の清算は、遅くとも昭和二十七年九月三十日までに結了しなければならない。
(清算結了の登記)
第十八条 清算人は、第十六条第一項の承認及び同条第三項の検査があつた後、主たる事務所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間以内に清算結了の登記をしなければならない。
(登記手続)
第十九条 第六条第一項の規定による登記の申請書には、清算人の就任を証する書面を添附しなければならない。
2 第六条第二項の規定による登記の申請書には、登記事項の変更を証する書面を添附しなければならない。
第二十条 清算結了の登記の申請書には、第十六条第一項の承認を得たこと及び同条第三項の検査を受けたことを証する書面を添附しなければならない。
第二十一条 この法律の規定による登記については、その事務所の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局又はその支局若しくは出張所が管轄登記所としてこれをつかさどる。
2 前項の登記は、統制団体登記簿に記載して行う。
第二十二条 非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百三十九条ノ二、第百四十二条から第百五十条まで、第百五十条ノ三から第百五十一条ノ六まで、第百五十四条から第百五十六条ノ二まで及び第百五十七条の規定は、この法律の規定による登記に準用する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和二十七年四月一日から施行する。
(他の法律の改廃)
2 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第二項第一号を次のように改める。
一 商船管理委員会の清算を監督すること。
第二十三条第二項第二号を次のように改める。
二 商船管理委員会の清算の監督に関すること。
第二十三条第二項第二号の次に次の一号を加える。
二の二 商船管理委員会の解散及び清算に関する法律(昭和二十七年法律第二十四号)第十一条の規定により国が承継した債権又は債務の処理に関すること。
法務総裁 木村篤太郎
大蔵大臣 池田勇人
運輸大臣 村上義一
内閣総理大臣 吉田茂