損害保険料率算出団体に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第三百五号
公布年月日: 昭和26年12月10日
法令の形式: 法律
損害保險料率算出団体に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十六年十二月十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第三百五号
損害保險料率算出団体に関する法律の一部を改正する法律
損害保險料率算出団体に関する法律(昭和二十三年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。
第二條に次の一項を加える。
6 保險料率には、標準となるべき第一項に規定する割合を中心とし、当該割合に対しそれぞれ百分の十以内の引上げ及び引下げを認める範囲料率を含むものとする。
第八條中「利害関係人は」を「会社、保險契約者、被保險者その他の利害関係人(以下「利害関係人」という。)は」に改める。
第九條中「あつてはならず、且つ、会員を拘束するものであつてはならない。」を「あつてはならない。」に改める。
第十條を次のように改める。
(保險料率の認可申請)
第十條 料率団体は、保險料率を算出したときは、その保險料率について、大蔵大臣の認可を受けなければならない。その認可を受けた保險料率を変更しようとするときも、同様とする。
2 料率団体は、保險料率について前項の認可を受けようとするときは、認可申請書に当該保險料率について左に掲げる事項を記載した書類を添附して、これを大蔵大臣に提出しなければならない。
一 予定損害率に関する事項
二 予定事業費率に関する事項
三 保險料率の計算方法に関する事項
四 その他保險料率算出の基礎となつた事項
3 料率団体は、前項の規定により認可申請書を提出したときは、遅滞なく、その認可申請書に係る保險料率及びその認可申請書を大蔵大臣が受理した日を会員(当該保險料率の利用を加入の目的としない会員を除く。以下同じ。)に通知しなければならない。
(利害関係人の審査請求)
第十條の二 会員は、その所属する料率団体が前條第二項の規定により認可を申請した保險料率について不服がある場合には、その認可申請に係る認可申請書を大蔵大臣が受理した日後二週間内に大蔵大臣にその不服を申し立て、当該保險料率について審査を請求することができる。
2 会員以外の利害関係人は、前條第二項の規定による認可の申請のあつた保險料率について不服がある場合には、その認可申請に係る認可申請書を大蔵大臣が受理した日後二週間内に大蔵大臣にその不服を申し立て、当該保險料率について審査を請求することができる。
3 前二項の審査請求は、その不服の理由を記載した書面をもつてしなければならない。
4 大蔵大臣は、災害その他特別の事情があるときは、第一項又は第二項の期間を延長することができる。
(大蔵大臣の審査)
第十條の三 大蔵大臣は、保險料率について前條第一項の審査請求があつたときは、その申請者及びその者の属する料率団体の理事で当該保險料率の算出について同意したすべてのもの又はこれらの者の代理人の出頭を求め、事情を聽取して審査しなければならない。
2 前項の場合において、同項の請求者又はその代理人が、正当の理由がないのに出頭を求められた日に出頭しなかつたときは、その請求者は、前條第一項の審査請求を放棄したものとみなし、前項の保險料率の算出について同意した理事又はこれらの者の代理人のすべてが正当の理由がないのに出頭を求められた日に出頭しなかつたときは、第十條第二項の規定による認可申請を取り下げたものとみなす。
3 大蔵大臣は、前條第二項の審査請求があつたときは、公開による聽聞を行い、事情を聽取して審査しなければならない。但し、当該審査請求に係る保險料率を緊急に認可する必要があると認められる場合、当該保險料率を認可することに伴う影響が問題とする程度に至らないと認められる場合その他の政令で定める場合においては、公開による聽聞を行わないで、審査することができる。
4 大蔵大臣は、前項の聽聞を行い審査するときは、当該聽聞の期日の二週間前までにその聽聞を行おうとする理由並びに聽聞の期日及び場所を当該審査の申請者及び当該審査の請求に係る保險料率を算出した料率団体に通知し、且つ、当該聽聞に係る事案の要旨並びに聽聞の期日及び場所を公告しなければならない。
5 前項に規定する者を除く外、第三項の聽聞に参加して意見を述べようとする者は、当該聽聞に関して利害関係を有する理由を記載した文書をもつて、大蔵大臣に申し出なければならない。
6 第三項の聽聞においては、利害関係人に対して、当該聽聞に係る事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を與えなければならない。
7 大蔵大臣は、第三項の聽聞に係る事案について必要な調査をするため、利害関係人の申立により又は職権で、利害関係人若しくは参考人に出頭を命じて審問し、若しくはこれらの者の意見若しくは報告を徴し、又は鑑定人の出頭を命じて鑑定させることができる。
(保險料率の認可)
第十條の四 大蔵大臣は、第十條の二第一項及び第二項の審査請求がなかつた場合において、当該申請書に係る保險料率が第九條に規定する要件に適合すると認めるときは、遅滞なく、これを認可しなければならない。前條第一項及び第三項の審査の結果、当該審査請求に係る料率団体の算出した保險料率が第九條に規定する要件に適合すると認めるときも、同様とする。
2 料率団体が、保險料率について、前項の規定により認可を受けたときは、その料率団体に属する会員について当該保險料率に対する保險業法第十條第一項の認可があつたものとみなす。
3 大蔵大臣は、第一項の認可をしたときは、これを告示する。
(保險料率の不認可の通知及び再検討の命令)
第十條の五 大蔵大臣は、前條第一項の場合において、当該申請書に係る保險料率が第九條に規定する要件に適合しないと認めるときは、遅滞なく、理由を記載した書面をもつて、認可しない旨を申請者に通知しなければならない。
2 大蔵大臣は、第十條の三第一項又は第三項の審査の結果、当該審査の請求者の不服に正当の理由があると認めるときは、その審査に係る保險料率を算出した料率団体に対し、当該審査の申請に係る保險料率の算出について再検討すべきことを命じなければならない。
(認可した保險料率の変更命令)
第十條の六 大蔵大臣は、第十條の四第一項の規定により認可した保險料率が、その算出の基礎となつた條件の当該認可後の変更により第九條に規定する要件に適合しないこととなつたものと認めるときは、当該保險料率を算出した料率団体に対し理由を記載した書面をもつて当該保險料率について変更をなすべきことを命じなければならない。この場合において当該料率団体は、第十條第一項後段の規定により当該保險料率の変更の認可申請をしなければならない。
(保險料率遵守義務)
第十條の七 会員は、その所属する料率団体が第十條の四第一項の規定により大蔵大臣の認可を受けた保險料率を守らなければならない。
(特別保險料率)
第十條の八 会員は、その会員の行う保險事業の事業費率その他保險料率の算出の基礎となる條件に特別の事情があるときは、前條の規定にかかわらず、保險料率の算出の基礎を同じくする保險の目的について、その所属する料率団体が第十條の四第一項の規定により大蔵大臣の認可を受けた保險料率に対し、一定割合の引上げ又は引下げを行つた特別保險料率を使用することができる。
2 会員は、前項の特別保險料率を使用しようとするときは、当該特別保險料率について大蔵大臣の認可を受けなければならない。
3 第一項の保險の目的の範囲に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
(特別保險料率の認可申請、審査の請求及び審査)
第十條の九 会員は、前條の特別保險料率について認可を受けようとするときは、申請の理由を記載した認可申請書に当該特別保險料率について第十條第二項第一号から第三号までに掲げる事項を記載した書類及び当該特別保險料率の算出の基礎となつた資料を添附して、これを大蔵大臣に提出しなければならない。
2 会員は、前項の規定により認可申請書を提出したときは、遅滞なく、当該認可申請に係る特別保險料率及び当該認可申請書を大蔵大臣が受理した日をその所属する料率団体に通知し、且つ、これらの事項を公告しなければならない。
3 第十條の二第二項から第四項までの規定は、第一項の規定により認可申請した保險料率についての審査の請求に、第十條の三第三項から第七項までの規定は、当該審査の請求があつた場合にこれを準用する。この場合において、第十條の二第二項中「会員以外の利害関係人」とあるのは、「利害関係人」と読み替えるものとする。
(特別保險料率の認可)
第十條の十 大蔵大臣は、前條第一項の規定による認可申請書を受理した日後二週間内に同條第三項において準用する第十條の二第二項の審査の請求がなかつた場合において、前條第一項の規定による認可の申請について正当の理由があると認めるときは、遅滞なく、一年内の期間を付して当該申請に係る特別保險料率を認可しなければならない。前條第三項において準用する第十條の三第三項の審査の結果、当該審査の請求に係る特別保險料率の認可の申請について正当の理由があると認めるときも、同様とする。
2 会員が、前項の特別保險料率の認可を受けたときは、当該特別保險料率について保險業法第十條第一項の認可があつたものとみなす。
3 大蔵大臣は、前條第一項の特別保險料率の認可の申請について正当の理由がないと認めるときは、遅滞なく、理由を記載した書面をもつて、当該特別保險料率を認可しない旨を申請者に通知しなければならない。
4 第十條の四第三項の規定は、第一項の認可にこれを準用する。
(利害関係人の再審査請求及び再審査)
第十條の十一 利害関係人は、第十條の四第一項又は前條第一項の規定により認可を受けた保險料率について不服がある場合には、当該認可に係る第十條の四第三項(前條第四項において準用する場合を含む。)の規定による告示があつた日後二週間内に大蔵大臣に不服を申し立て、当該保險料率について再審査を請求することができる。
2 第十條の二第三項及び第四項の規定は、前項の再審査の請求に、第十條の三第三項(但書を除く。)から第七項までの規定は、当該再審査の請求があつた場合にこれを準用する。この場合において、第十條の二第四項中「第一項又は第二項」とあるのは、「第十條の十一第一項」と読み替えるものとする。
(再審査に伴う大蔵大臣の処分)
第十條の十二 大蔵大臣は、保險料率について前條第一項の再審査の請求があつた場合において、同條第二項において準用する第十條の三第三項の審査の結果、当該再審査の請求に正当の理由があると認めるときは、当該保險料率の認可を受けた料率団体又は全員に対し当該保險料率を変更すべきことを命じなければならない。
2 料率団体が前項の大蔵大臣の命令に基き保險料率を変更したときは、その料率団体に属する会員についてその変更後の保險料率に対する保險業法第十條第一項の認可があつたものとみなし、会員が前項の大蔵大臣の命令に基き保險料率を変更したときは、その会員についてその変更後の保險料率に対する保險業法第十條第一項の認可があつたものとみなす。
3 大蔵大臣は、前條第一項の再審査の請求があつた場合において、同條第二項において準用する第十條の三第三項の審査の結果、当該再審査の請求に正当の理由がないと認めるときは、当該請求の棄却の決定をなし、理由を記載した書面をもつて当該審査の請求者に対して通知しなければならない。
(訴の提起)
第十條の十三 この法律の規定に基く大蔵大臣の処分に対し不服がある者は、その処分に関し大蔵大臣の行つた事実の認定及び法律の適用につき、行政事件訴訟特例法(昭和二十三年法律第八十一号)の定めるところにより、裁判所に訴を提起することができる。
第十二條中「定款」を「命令」に改める。
第十四條第一項中「他の法令」を「この法律」に改め、「大蔵大臣の発する命令」の下に「若しくは他の法令」を加える。
第二十六條第二号を削り、同條第一号を同條第三号とし、同條第一号及び第二号として次の二号を加える。
一 第十條の五第二項、第十條の十二第一項又は第十四條の規定による命令に違反した者
二 第十條の六の規定に違反して認可申請をしなかつた者
第二十八條中「損害保險料率算出団体」を「料率団体」に改め、同條第四号を同條第五号とし、以下一号ずつ繰り下げ、同條第三号の次に次の一号を加える。
四 第十條第三項の規定に違反したとき。
本則中第二十八條の次に次の一條を加える。
第二十八條の二 第十條の九第二項の規定による通知若しくは公告をなすことを怠り、又は不正の通知若しくは公告をなした会員は、これを五千円以下の過料に処する。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
大蔵大臣 池田勇人
通商産業大臣 高橋龍太郎
運輸大臣 山崎猛
内閣総理大臣 吉田茂
損害保険料率算出団体に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十六年十二月十日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第三百五号
損害保険料率算出団体に関する法律の一部を改正する法律
損害保険料率算出団体に関する法律(昭和二十三年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。
第二条に次の一項を加える。
6 保険料率には、標準となるべき第一項に規定する割合を中心とし、当該割合に対しそれぞれ百分の十以内の引上げ及び引下げを認める範囲料率を含むものとする。
第八条中「利害関係人は」を「会社、保険契約者、被保険者その他の利害関係人(以下「利害関係人」という。)は」に改める。
第九条中「あつてはならず、且つ、会員を拘束するものであつてはならない。」を「あつてはならない。」に改める。
第十条を次のように改める。
(保険料率の認可申請)
第十条 料率団体は、保険料率を算出したときは、その保険料率について、大蔵大臣の認可を受けなければならない。その認可を受けた保険料率を変更しようとするときも、同様とする。
2 料率団体は、保険料率について前項の認可を受けようとするときは、認可申請書に当該保険料率について左に掲げる事項を記載した書類を添附して、これを大蔵大臣に提出しなければならない。
一 予定損害率に関する事項
二 予定事業費率に関する事項
三 保険料率の計算方法に関する事項
四 その他保険料率算出の基礎となつた事項
3 料率団体は、前項の規定により認可申請書を提出したときは、遅滞なく、その認可申請書に係る保険料率及びその認可申請書を大蔵大臣が受理した日を会員(当該保険料率の利用を加入の目的としない会員を除く。以下同じ。)に通知しなければならない。
(利害関係人の審査請求)
第十条の二 会員は、その所属する料率団体が前条第二項の規定により認可を申請した保険料率について不服がある場合には、その認可申請に係る認可申請書を大蔵大臣が受理した日後二週間内に大蔵大臣にその不服を申し立て、当該保険料率について審査を請求することができる。
2 会員以外の利害関係人は、前条第二項の規定による認可の申請のあつた保険料率について不服がある場合には、その認可申請に係る認可申請書を大蔵大臣が受理した日後二週間内に大蔵大臣にその不服を申し立て、当該保険料率について審査を請求することができる。
3 前二項の審査請求は、その不服の理由を記載した書面をもつてしなければならない。
4 大蔵大臣は、災害その他特別の事情があるときは、第一項又は第二項の期間を延長することができる。
(大蔵大臣の審査)
第十条の三 大蔵大臣は、保険料率について前条第一項の審査請求があつたときは、その申請者及びその者の属する料率団体の理事で当該保険料率の算出について同意したすべてのもの又はこれらの者の代理人の出頭を求め、事情を聴取して審査しなければならない。
2 前項の場合において、同項の請求者又はその代理人が、正当の理由がないのに出頭を求められた日に出頭しなかつたときは、その請求者は、前条第一項の審査請求を放棄したものとみなし、前項の保険料率の算出について同意した理事又はこれらの者の代理人のすべてが正当の理由がないのに出頭を求められた日に出頭しなかつたときは、第十条第二項の規定による認可申請を取り下げたものとみなす。
3 大蔵大臣は、前条第二項の審査請求があつたときは、公開による聴聞を行い、事情を聴取して審査しなければならない。但し、当該審査請求に係る保険料率を緊急に認可する必要があると認められる場合、当該保険料率を認可することに伴う影響が問題とする程度に至らないと認められる場合その他の政令で定める場合においては、公開による聴聞を行わないで、審査することができる。
4 大蔵大臣は、前項の聴聞を行い審査するときは、当該聴聞の期日の二週間前までにその聴聞を行おうとする理由並びに聴聞の期日及び場所を当該審査の申請者及び当該審査の請求に係る保険料率を算出した料率団体に通知し、且つ、当該聴聞に係る事案の要旨並びに聴聞の期日及び場所を公告しなければならない。
5 前項に規定する者を除く外、第三項の聴聞に参加して意見を述べようとする者は、当該聴聞に関して利害関係を有する理由を記載した文書をもつて、大蔵大臣に申し出なければならない。
6 第三項の聴聞においては、利害関係人に対して、当該聴聞に係る事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。
7 大蔵大臣は、第三項の聴聞に係る事案について必要な調査をするため、利害関係人の申立により又は職権で、利害関係人若しくは参考人に出頭を命じて審問し、若しくはこれらの者の意見若しくは報告を徴し、又は鑑定人の出頭を命じて鑑定させることができる。
(保険料率の認可)
第十条の四 大蔵大臣は、第十条の二第一項及び第二項の審査請求がなかつた場合において、当該申請書に係る保険料率が第九条に規定する要件に適合すると認めるときは、遅滞なく、これを認可しなければならない。前条第一項及び第三項の審査の結果、当該審査請求に係る料率団体の算出した保険料率が第九条に規定する要件に適合すると認めるときも、同様とする。
2 料率団体が、保険料率について、前項の規定により認可を受けたときは、その料率団体に属する会員について当該保険料率に対する保険業法第十条第一項の認可があつたものとみなす。
3 大蔵大臣は、第一項の認可をしたときは、これを告示する。
(保険料率の不認可の通知及び再検討の命令)
第十条の五 大蔵大臣は、前条第一項の場合において、当該申請書に係る保険料率が第九条に規定する要件に適合しないと認めるときは、遅滞なく、理由を記載した書面をもつて、認可しない旨を申請者に通知しなければならない。
2 大蔵大臣は、第十条の三第一項又は第三項の審査の結果、当該審査の請求者の不服に正当の理由があると認めるときは、その審査に係る保険料率を算出した料率団体に対し、当該審査の申請に係る保険料率の算出について再検討すべきことを命じなければならない。
(認可した保険料率の変更命令)
第十条の六 大蔵大臣は、第十条の四第一項の規定により認可した保険料率が、その算出の基礎となつた条件の当該認可後の変更により第九条に規定する要件に適合しないこととなつたものと認めるときは、当該保険料率を算出した料率団体に対し理由を記載した書面をもつて当該保険料率について変更をなすべきことを命じなければならない。この場合において当該料率団体は、第十条第一項後段の規定により当該保険料率の変更の認可申請をしなければならない。
(保険料率遵守義務)
第十条の七 会員は、その所属する料率団体が第十条の四第一項の規定により大蔵大臣の認可を受けた保険料率を守らなければならない。
(特別保険料率)
第十条の八 会員は、その会員の行う保険事業の事業費率その他保険料率の算出の基礎となる条件に特別の事情があるときは、前条の規定にかかわらず、保険料率の算出の基礎を同じくする保険の目的について、その所属する料率団体が第十条の四第一項の規定により大蔵大臣の認可を受けた保険料率に対し、一定割合の引上げ又は引下げを行つた特別保険料率を使用することができる。
2 会員は、前項の特別保険料率を使用しようとするときは、当該特別保険料率について大蔵大臣の認可を受けなければならない。
3 第一項の保険の目的の範囲に関し必要な事項は、命令でこれを定める。
(特別保険料率の認可申請、審査の請求及び審査)
第十条の九 会員は、前条の特別保険料率について認可を受けようとするときは、申請の理由を記載した認可申請書に当該特別保険料率について第十条第二項第一号から第三号までに掲げる事項を記載した書類及び当該特別保険料率の算出の基礎となつた資料を添附して、これを大蔵大臣に提出しなければならない。
2 会員は、前項の規定により認可申請書を提出したときは、遅滞なく、当該認可申請に係る特別保険料率及び当該認可申請書を大蔵大臣が受理した日をその所属する料率団体に通知し、且つ、これらの事項を公告しなければならない。
3 第十条の二第二項から第四項までの規定は、第一項の規定により認可申請した保険料率についての審査の請求に、第十条の三第三項から第七項までの規定は、当該審査の請求があつた場合にこれを準用する。この場合において、第十条の二第二項中「会員以外の利害関係人」とあるのは、「利害関係人」と読み替えるものとする。
(特別保険料率の認可)
第十条の十 大蔵大臣は、前条第一項の規定による認可申請書を受理した日後二週間内に同条第三項において準用する第十条の二第二項の審査の請求がなかつた場合において、前条第一項の規定による認可の申請について正当の理由があると認めるときは、遅滞なく、一年内の期間を付して当該申請に係る特別保険料率を認可しなければならない。前条第三項において準用する第十条の三第三項の審査の結果、当該審査の請求に係る特別保険料率の認可の申請について正当の理由があると認めるときも、同様とする。
2 会員が、前項の特別保険料率の認可を受けたときは、当該特別保険料率について保険業法第十条第一項の認可があつたものとみなす。
3 大蔵大臣は、前条第一項の特別保険料率の認可の申請について正当の理由がないと認めるときは、遅滞なく、理由を記載した書面をもつて、当該特別保険料率を認可しない旨を申請者に通知しなければならない。
4 第十条の四第三項の規定は、第一項の認可にこれを準用する。
(利害関係人の再審査請求及び再審査)
第十条の十一 利害関係人は、第十条の四第一項又は前条第一項の規定により認可を受けた保険料率について不服がある場合には、当該認可に係る第十条の四第三項(前条第四項において準用する場合を含む。)の規定による告示があつた日後二週間内に大蔵大臣に不服を申し立て、当該保険料率について再審査を請求することができる。
2 第十条の二第三項及び第四項の規定は、前項の再審査の請求に、第十条の三第三項(但書を除く。)から第七項までの規定は、当該再審査の請求があつた場合にこれを準用する。この場合において、第十条の二第四項中「第一項又は第二項」とあるのは、「第十条の十一第一項」と読み替えるものとする。
(再審査に伴う大蔵大臣の処分)
第十条の十二 大蔵大臣は、保険料率について前条第一項の再審査の請求があつた場合において、同条第二項において準用する第十条の三第三項の審査の結果、当該再審査の請求に正当の理由があると認めるときは、当該保険料率の認可を受けた料率団体又は全員に対し当該保険料率を変更すべきことを命じなければならない。
2 料率団体が前項の大蔵大臣の命令に基き保険料率を変更したときは、その料率団体に属する会員についてその変更後の保険料率に対する保険業法第十条第一項の認可があつたものとみなし、会員が前項の大蔵大臣の命令に基き保険料率を変更したときは、その会員についてその変更後の保険料率に対する保険業法第十条第一項の認可があつたものとみなす。
3 大蔵大臣は、前条第一項の再審査の請求があつた場合において、同条第二項において準用する第十条の三第三項の審査の結果、当該再審査の請求に正当の理由がないと認めるときは、当該請求の棄却の決定をなし、理由を記載した書面をもつて当該審査の請求者に対して通知しなければならない。
(訴の提起)
第十条の十三 この法律の規定に基く大蔵大臣の処分に対し不服がある者は、その処分に関し大蔵大臣の行つた事実の認定及び法律の適用につき、行政事件訴訟特例法(昭和二十三年法律第八十一号)の定めるところにより、裁判所に訴を提起することができる。
第十二条中「定款」を「命令」に改める。
第十四条第一項中「他の法令」を「この法律」に改め、「大蔵大臣の発する命令」の下に「若しくは他の法令」を加える。
第二十六条第二号を削り、同条第一号を同条第三号とし、同条第一号及び第二号として次の二号を加える。
一 第十条の五第二項、第十条の十二第一項又は第十四条の規定による命令に違反した者
二 第十条の六の規定に違反して認可申請をしなかつた者
第二十八条中「損害保険料率算出団体」を「料率団体」に改め、同条第四号を同条第五号とし、以下一号ずつ繰り下げ、同条第三号の次に次の一号を加える。
四 第十条第三項の規定に違反したとき。
本則中第二十八条の次に次の一条を加える。
第二十八条の二 第十条の九第二項の規定による通知若しくは公告をなすことを怠り、又は不正の通知若しくは公告をなした会員は、これを五千円以下の過料に処する。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。
大蔵大臣 池田勇人
通商産業大臣 高橋龍太郎
運輸大臣 山崎猛
内閣総理大臣 吉田茂