農業協同組合法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第157号
公布年月日: 昭和25年5月6日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

農業協同組合法改正の主な改正点は二つある。第一に、連合会における事業の兼営禁止規定を設け、生活改善・教育・指導等の事業と経済的事業の兼営を制限し、都道府県区域以上の連合会では購買事業と販売事業を独立して経営することとした。これは教育・指導事業の発展と民主的な組織確立を目的とする。第二に、農協の経営基準を政令で定める根拠規定を設け、監督規定を整備した。これは、経営状況が憂慮すべき状態にある組合も存在する中で、組合員の利益保護と農協全体の信用向上を図りつつ、組合の自主性も尊重するためである。

参照した発言:
第7回国会 衆議院 農林委員会 第19号

審議経過

第7回国会

衆議院
(昭和25年3月25日)
参議院
(昭和25年3月28日)
衆議院
(昭和25年4月3日)
(昭和25年4月7日)
(昭和25年4月10日)
(昭和25年4月11日)
(昭和25年4月12日)
(昭和25年4月15日)
参議院
(昭和25年4月19日)
(昭和25年4月20日)
(昭和25年4月26日)
(昭和25年4月28日)
衆議院
(昭和25年5月3日)
参議院
(昭和25年5月2日)
農業協同組合法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年五月六日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百五十七号
農業協同組合法の一部を改正する法律
農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
第十條第一項第三号中「又は共同利用施設の設置」を削り、同号の次に次の一号を加え、同項第九号中「改善」を「改善又は医療」に改める。
三の二 組合員の事業又は生活に必要な共同利用施設(医療に関するものを除く。)の設置
第十條第六項を次のように改める。
前項の農業協同組合連合会は、会員のために、手形の割引をし、若しくは定款で定める金融機関に対して会員の負担する債務を保証し、又は当該金融機関の委任を受けてその債権を取り立て、農林中央金庫その他主務大臣の指定する金融機関の業務の代理をし、若しくは政令の定めるところにより内国為替取引をすることができる。
第十條第六項の次に次の二項を加える。
農業協同組合連合会は、第一項の規定にかかわらず、同項第九号又は第十号の事業と同項各号に掲げる事業のうち第九号及び第十号以外のもの(以下経済的事業という。)とを併せ行うことができない。但し、左に掲げるものについては、この限りでない。
一 第一項第九号又は第十号の事業を行う農業協同組合連合会が、その会員の申出により、当該会員のために同項第五号の事業であつてその費用に充てるために第三者から資金を借り入れる必要のないものを併せ行うこと。
二 第一項第九号又は第十号の事業を行う農業協同組合連合会が、当該事業の目的を達成するためにこれに関連して行うことを通常必要とする範囲内において、経済的事業を併せ行うこと。
三 経済的事業を行う農業協同組合連合会が、当該事業の目的を達成するためにこれに関連して行うことを通常必要とする範囲内において、同項第九号又は第十号の事業を併せ行うこと。
都道府県の区域を超える区域を地区とする農業協同組合連合会は、第一項の規定にかかわらず、同項第三号又は第六号の事業と同項各号に掲げる事業のうち第三号以外のもの又は第六号以外のものとを併せ行うことができない。但し、左に掲げるものについては、この限りでない。
一 第一項第三号又は第六号の事業を行う当該農業協同組合連合会が、当該事業の目的を達成するためにこれに関連して行うことを通常必要とする範囲内において、同項各号に掲げる他の事業を併せ行うこと。
二 第一項第三号及び第六号の事業以外の事業を行う当該農業協同組合連合会が、当該事業の目的を達成するためにこれに関連して行うことを通常必要とする範囲内において、同項第三号又は第六号の事業を併せ行うこと。
三 第一項第七号の事業を行う当該農業協同組合連合会が、組合員の事業若しくは生活に必要な物資を加工して供給し、又は組合員の生産する物資を加工して販売すること。
第五十二條の次に次の一條を加える。
第五十二條の二 前二條に定めるものの外、組合が、当該組合とその組合員との間の財務関係を明らかにし、その他組合員の利益を保全するためにその財務を適正に処理するための基準として従わなければならない事項は、政令でこれを定める。
第六十五條第一項の次に次の二項を加える。
農業協同組合連合会については、前項の規定による合併の議決は、投票によつてこれを行わなければならない。
農業協同組合連合会の会員たる農業協同組合又は農業協同組合連合会が前項の規定により合併を可とする投票を行うには、これにつき、それぞれの総会において、その組合員(准組合員を除く。)の半数以上が出席し、無記名投票によつて、その議決権の三分の二以上の多数による議決があつた旨を証する書面を併せて提出しなければならない。
第九十三條を次のように改める。
第九十三條 行政庁は、組合から、当該組合が法令、法令に基いてする行政庁の処分、定款若しくは規約を守つているかどうかを知るために必要な報告を徴し、又は組合に対し、その組合員、役員、使用人、事業の分量その他組合の一般的状況に関する資料であつて組合に関する行政を適正に処理するために特に必要なものの提出を命ずることができる。
第九十四條に次の一項を加える。
行政庁は、第十條第一項第二号の事業を行う組合又は都道府県の区域若しくはこれを超える区域を地区とする組合の業務又は会計の状況につき、毎年一回を常例として検査をしなければならない。
第九十五條中「行政庁は、」の下に「第九十三條の規定による報告を徴した場合又は」を加える。
第百條第一項中「千円」を「一万円」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律施行の際、改正後の農業協同組合法第十條の規定により併せ行うことができなくなつた事業を現に併せ行つている農業協同組合連合会は、同條の規定にかかわらず、この法律施行後一年を限り、なおその事業を併せ行うことができる。
大蔵大臣臨時代理 国務大臣 殖田俊吉
農林大臣 森幸太郎
内閣総理大臣 吉田茂
農業協同組合法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十五年五月六日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第百五十七号
農業協同組合法の一部を改正する法律
農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項第三号中「又は共同利用施設の設置」を削り、同号の次に次の一号を加え、同項第九号中「改善」を「改善又は医療」に改める。
三の二 組合員の事業又は生活に必要な共同利用施設(医療に関するものを除く。)の設置
第十条第六項を次のように改める。
前項の農業協同組合連合会は、会員のために、手形の割引をし、若しくは定款で定める金融機関に対して会員の負担する債務を保証し、又は当該金融機関の委任を受けてその債権を取り立て、農林中央金庫その他主務大臣の指定する金融機関の業務の代理をし、若しくは政令の定めるところにより内国為替取引をすることができる。
第十条第六項の次に次の二項を加える。
農業協同組合連合会は、第一項の規定にかかわらず、同項第九号又は第十号の事業と同項各号に掲げる事業のうち第九号及び第十号以外のもの(以下経済的事業という。)とを併せ行うことができない。但し、左に掲げるものについては、この限りでない。
一 第一項第九号又は第十号の事業を行う農業協同組合連合会が、その会員の申出により、当該会員のために同項第五号の事業であつてその費用に充てるために第三者から資金を借り入れる必要のないものを併せ行うこと。
二 第一項第九号又は第十号の事業を行う農業協同組合連合会が、当該事業の目的を達成するためにこれに関連して行うことを通常必要とする範囲内において、経済的事業を併せ行うこと。
三 経済的事業を行う農業協同組合連合会が、当該事業の目的を達成するためにこれに関連して行うことを通常必要とする範囲内において、同項第九号又は第十号の事業を併せ行うこと。
都道府県の区域を超える区域を地区とする農業協同組合連合会は、第一項の規定にかかわらず、同項第三号又は第六号の事業と同項各号に掲げる事業のうち第三号以外のもの又は第六号以外のものとを併せ行うことができない。但し、左に掲げるものについては、この限りでない。
一 第一項第三号又は第六号の事業を行う当該農業協同組合連合会が、当該事業の目的を達成するためにこれに関連して行うことを通常必要とする範囲内において、同項各号に掲げる他の事業を併せ行うこと。
二 第一項第三号及び第六号の事業以外の事業を行う当該農業協同組合連合会が、当該事業の目的を達成するためにこれに関連して行うことを通常必要とする範囲内において、同項第三号又は第六号の事業を併せ行うこと。
三 第一項第七号の事業を行う当該農業協同組合連合会が、組合員の事業若しくは生活に必要な物資を加工して供給し、又は組合員の生産する物資を加工して販売すること。
第五十二条の次に次の一条を加える。
第五十二条の二 前二条に定めるものの外、組合が、当該組合とその組合員との間の財務関係を明らかにし、その他組合員の利益を保全するためにその財務を適正に処理するための基準として従わなければならない事項は、政令でこれを定める。
第六十五条第一項の次に次の二項を加える。
農業協同組合連合会については、前項の規定による合併の議決は、投票によつてこれを行わなければならない。
農業協同組合連合会の会員たる農業協同組合又は農業協同組合連合会が前項の規定により合併を可とする投票を行うには、これにつき、それぞれの総会において、その組合員(准組合員を除く。)の半数以上が出席し、無記名投票によつて、その議決権の三分の二以上の多数による議決があつた旨を証する書面を併せて提出しなければならない。
第九十三条を次のように改める。
第九十三条 行政庁は、組合から、当該組合が法令、法令に基いてする行政庁の処分、定款若しくは規約を守つているかどうかを知るために必要な報告を徴し、又は組合に対し、その組合員、役員、使用人、事業の分量その他組合の一般的状況に関する資料であつて組合に関する行政を適正に処理するために特に必要なものの提出を命ずることができる。
第九十四条に次の一項を加える。
行政庁は、第十条第一項第二号の事業を行う組合又は都道府県の区域若しくはこれを超える区域を地区とする組合の業務又は会計の状況につき、毎年一回を常例として検査をしなければならない。
第九十五条中「行政庁は、」の下に「第九十三条の規定による報告を徴した場合又は」を加える。
第百条第一項中「千円」を「一万円」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律施行の際、改正後の農業協同組合法第十条の規定により併せ行うことができなくなつた事業を現に併せ行つている農業協同組合連合会は、同条の規定にかかわらず、この法律施行後一年を限り、なおその事業を併せ行うことができる。
大蔵大臣臨時代理 国務大臣 殖田俊吉
農林大臣 森幸太郎
内閣総理大臣 吉田茂