優生保護法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第216号
公布年月日: 昭和24年6月24日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

優生保護法施行後の実績と社会情勢の変化を踏まえ、人工妊娠中絶の施行範囲拡大、受胎調節の普及指導、手続きの簡素化を図るため改正を行う。主な改正点として、遺伝性精神病質の定義変更、病名指定を厚生大臣の権限とすること、医師の強制優生手術申請の義務化、人工妊娠中絶の対象を配偶者まで拡大、経済的理由による中絶の容認、優生結婚相談所での受胎調節指導の実施などが含まれる。これらにより、法の運用を適切かつ容易にすることを目指す。

参照した発言:
第5回国会 参議院 厚生委員会 第18号

審議経過

第5回国会

参議院
(昭和24年5月6日)
(昭和24年5月9日)
(昭和24年5月12日)
(昭和24年5月13日)
衆議院
(昭和24年5月14日)
(昭和24年5月16日)
(昭和24年5月18日)
(昭和24年5月20日)
(昭和24年5月22日)
(昭和24年5月22日)
参議院
(昭和24年5月22日)
(昭和24年5月26日)
衆議院
(昭和24年5月31日)
優生保護法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年六月二十四日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百十六号
優生保護法の一部を改正する法律
優生保護法(昭和二十三年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
第三條第一項第一号中「遺傳性精神変質症、遺傳性病的性格」を「遺傳性精神病質」に改め、同項第二号中「遺傳性精神変質症、遺傳性病的性格」を「遺傳性精神病質」に、「有し、且つ、子孫にこれが遺傳する虞れのあるもの」を「有しているもの」に改める。
第四條中「前條の同意を得なくとも、」を削り、「申請することができる。」を「申請しなければならない。」に改める。
第十三條第一項中第一号から第三号までを次のように改め、第四号を第三号とする。
一 本人又は配偶者が精神病又は精神薄弱であるもの
二 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害する虞れのあるもの
同條第二項を次のように改める。
2 前項の申請には、同項第一号の場合にあつては他の医師の意見書を、同項第二号の場合にあつては身体的理由によるときは他の医師の、経済的理由によるときは他の医師及び民生委員の意見書を、同項第三号の場合にあつては民生委員の意見書を添えることを要する。
同條第三項を次のように改める。
3 第一項の同意には、第三條第二項の規定を準用する。
4 本人が心神喪失の状態にあるため、その意思を表示することができない場合において、親権者、後見人又は保佐人があるときは、親権者、後見人又は保佐人の、親権者、後見人又は保佐人がないときは、親族の同意をもつて本人の同意に代えることができ、そのいずれもないときは、本人の同意を必要としない。
第二十條を次のように改める。
(優生結婚相談所)
第二十條 優生保護の見地から結婚の相談に應じ遺傳その他優生保護上必要な知識の普及向上を図るとともに、受胎調節に関する適正な方法の普及指導をするため、優生結婚相談所を設置する。
第二十八條中「優生手術」を「生殖を不能にすることを目的として手術又はレントゲン照射」に改める。
第三十三條中「違反して、優生手術を行つた者」を「違反した者」に改める。
別表を次のように改める。
別表
一 遺傳性精神病
精神分裂病
そううつ病
てんかん
二 遺傳性精神薄弱
三 顯著な遺傳性精神病質
顯著な性慾異常
顯著な犯罪傾向
四 顯著な遺傳性身体疾患
ハンチントン氏舞踏病
遺傳性脊髄性運動失調症
遺傳性小脳性運動失調症
神経性進行性筋い縮症
進行性筋性筋栄養障がい症
筋緊張病
先天性筋緊張消失症
先天性軟骨発育障がい
白兒
魚りんせん
多発性軟性神経纖維しゆ
結節性硬化症
先天性表皮水ほう症
先天性ポルフイリン尿症
先天性手掌足しよ角化症
遺傳性視神経い縮
網膜色素変性
全色盲
先天性眼球震とう
青色きよう膜
遺傳性の難聽又はつんぼ
血友病
五 強度な遺傳性奇型
裂手、裂足
先天性骨欠損症
第一次改正法律附則
この法律は、公布の日から施行する。
厚生大臣 林讓治
内閣総理大臣 吉田茂
優生保護法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和二十四年六月二十四日
内閣総理大臣 吉田茂
法律第二百十六号
優生保護法の一部を改正する法律
優生保護法(昭和二十三年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第一号中「遺伝性精神変質症、遺伝性病的性格」を「遺伝性精神病質」に改め、同項第二号中「遺伝性精神変質症、遺伝性病的性格」を「遺伝性精神病質」に、「有し、且つ、子孫にこれが遺伝する虞れのあるもの」を「有しているもの」に改める。
第四条中「前条の同意を得なくとも、」を削り、「申請することができる。」を「申請しなければならない。」に改める。
第十三条第一項中第一号から第三号までを次のように改め、第四号を第三号とする。
一 本人又は配偶者が精神病又は精神薄弱であるもの
二 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害する虞れのあるもの
同条第二項を次のように改める。
2 前項の申請には、同項第一号の場合にあつては他の医師の意見書を、同項第二号の場合にあつては身体的理由によるときは他の医師の、経済的理由によるときは他の医師及び民生委員の意見書を、同項第三号の場合にあつては民生委員の意見書を添えることを要する。
同条第三項を次のように改める。
3 第一項の同意には、第三条第二項の規定を準用する。
4 本人が心神喪失の状態にあるため、その意思を表示することができない場合において、親権者、後見人又は保佐人があるときは、親権者、後見人又は保佐人の、親権者、後見人又は保佐人がないときは、親族の同意をもつて本人の同意に代えることができ、そのいずれもないときは、本人の同意を必要としない。
第二十条を次のように改める。
(優生結婚相談所)
第二十条 優生保護の見地から結婚の相談に応じ遺伝その他優生保護上必要な知識の普及向上を図るとともに、受胎調節に関する適正な方法の普及指導をするため、優生結婚相談所を設置する。
第二十八条中「優生手術」を「生殖を不能にすることを目的として手術又はレントゲン照射」に改める。
第三十三条中「違反して、優生手術を行つた者」を「違反した者」に改める。
別表を次のように改める。
別表
一 遺伝性精神病
精神分裂病
そううつ病
てんかん
二 遺伝性精神薄弱
三 顕著な遺伝性精神病質
顕著な性慾異常
顕著な犯罪傾向
四 顕著な遺伝性身体疾患
ハンチントン氏舞踏病
遺伝性脊髄性運動失調症
遺伝性小脳性運動失調症
神経性進行性筋い縮症
進行性筋性筋栄養障がい症
筋緊張病
先天性筋緊張消失症
先天性軟骨発育障がい
白児
魚りんせん
多発性軟性神経繊維しゆ
結節性硬化症
先天性表皮水ほう症
先天性ポルフイリン尿症
先天性手掌足しよ角化症
遺伝性視神経い縮
網膜色素変性
全色盲
先天性眼球震とう
青色きよう膜
遺伝性の難聴又はつんぼ
血友病
五 強度な遺伝性奇型
裂手、裂足
先天性骨欠損症
第一次改正法律附則
この法律は、公布の日から施行する。
厚生大臣 林譲治
内閣総理大臣 吉田茂