会社(外國会社を含む。)は、國内において持株会社となつてはならない。
前二項において持株会社とは、國内の他の会社の株式(社員の持分を含む。以下同じ。)を所有することによりその会社の事業活動を支配することを目的として、株式を所有することを主たる事業とする会社をいう。
前項の持株会社でない会社であつて、國内の他の会社の株式を所有することを主たる事業とするもの(外國会社を含む。)が、その会社の株式を所有することによりその会社の事業活動に著しい影響を與えた場合においては、第二項の適用については、これを持株会社とみなす。
第十條 会社(外國会社を含む。)は、直接たると間接たるとを問わず、國内の一又は二以上の他の会社の株式又は社債を取得し、又は所有することにより、これらの会社間の競爭を実質的に減殺することとなる場合又は一定の取引分野における競爭を実質的に制限することとなる場合には、当該株式又は社債を取得し、又は所有してはならず、又、不公正な競爭方法により、國内の他の会社の株式又は社債を取得し、又は所有してはならない。
金融業(銀行業、信託業、保險業、無盡業又は証券業をいう。以下同じ。)以外の事業を営む会社(外國会社を含む。)は、自己と國内において競爭関係にある國内の他の会社の株式又は社債を取得し、又は所有してはならない。
前項の規定の適用については、金融業以外の事業を営む会社(外國会社を含む。以下本項において親会社という。)とその子会社との間には競爭関係があるものと解してはならない。(第十三條並びに第十四條第二項及び第三項の規定の適用についても同じ。)この場合において子会社とは、左の各号のすべてに該当する國内の会社をいう。
一 事業活動に必要な原材料、半製品、部分品、副産物、廃物等の物資その他の経済上の利益(資金を除く。)の供給を受け、又は事業活動に必要な特許発明若しくは実用新案を利用することに関し、親会社と当該事業活動の主要部分について継続的で緊密な関係にあることにより当該親会社に從属している会社
二 親会社により株式の相当部分が所有されており、又は所有されることとなる会社
三 親会社により株式を取得される際又はその直前において、当該親会社と國内において競爭していない会社
金融業以外の事業を営む國内の会社であつて、その総資産(最終の貸借対照表により、且つ、未拂込株金、未拂込出資金又は未拂込基金に対する請求権を除いたものとする。以下同じ。)が五百万円を超えるもの又は金融業以外の事業を営む外國会社は、國内の他の会社の株式又は社債を所有する場合(株式又は社債の有價証券信託において、自己を受益者とする場合を含む。但し、株式については、自己が議決権を行使する場合に限る。)には、公正取引委員会規則の定めるところにより、毎年四月一日現在及び十月一日現在においてその所有し、又は信託をしている株式又は社債に関する報告書をそれぞれ三十日以内に公正取引委員会に提出しなければならない。
第十一條 金融業を営む会社(外國会社を含む。以下本條において同じ。)は、自己と國内において競爭関係にある同種の金融業を営む國内の他の会社の株式を取得し、又は所有してはならない。
金融業を営む会社は、國内の他の会社の株式総数の百分の五を超えてその会社の株式を所有することとなる場合には、その株式を取得し、又は所有してはならない。
前二項の規定は、左の各号の一に該当する場合には、これを適用しない。
一 証券業を営む会社が業務として株式を取得し、又は所有する場合
二 証券業以外の金融業を営む会社が賣出のための引受によつて株式を所有する場合
三 委託者を受益者とする有價証券信託の引受によつて株式を取得し、又は所有する場合。但し、委託者が議決権を行使する場合に限る。
第二項の規定は、金融業を営む会社が担保権の行使又は代物弁済により、國内の他の会社の株式を取得する場合には、これを適用しない。
第三項第一号若しくは第二号又は前項の場合において、取得の日から一年を超えて株式を所有しようとするときは、公正取引委員会規則の定めるところにより、あらかじめ公正取引委員会の認可を受けなければならない。この場合における公正取引委員会の認可は、金融業を営む会社が当該株式をすみやかに処分することを條件としなければならない。
第十三條 会社(外國会社を含む。)の役員又は從業員(継続して会社の業務に從事する者であつて役員以外の者をいう。)は、その会社と國内において競爭関係にある國内の他の会社の役員の地位を兼ねてはならない。
第十四條 会社(外國会社を含む。)以外の者は、直接たると間接たるとを問わず、國内の一又は二以上の会社の株式又は社債を取得し、又は所有することにより、これらの会社間の競爭を実質的に減殺することとなる場合又は一定の取引分野における競爭を実質的に制限することとなる場合には、当該株式又は社債を取得し、又は所有してはならず、又、不公正な競爭方法により國内の会社の株式又は社債を取得し、又は所有してはならない。
会社(外國会社を含む。)以外の者は、國内において相互に競爭関係にある二以上の國内の会社の株式を所有する場合において、いずれか一の会社の株式をその総数の百分の十を超えて所有することとなるときは、公正取引委員会規則の定めるところにより、これらの株式に関する報告書をその所有することとなつた日から三十日以内に公正取引委員会に提出しなければならない。
会社(外國会社を含む。)の役員は、その会社と國内において競爭関係にある國内の他の会社の株式を取得し、又は所有してはならない。
会社(外國会社を含む。)の役員は、その就任の際、就任する会社と國内において競爭関係にある國内の他の会社の株式を所有している場合においては、その就任の日から三十日以内は、前項の規定にかかわらず、これを所有することができる。
公正取引委員会は、特別の事情があると認めるときは、申請により、すみやかに処分することを條件として、前項に規定する期間を延長することができる。この場合において、申請をした日からその承認又は却下の日までの期間は、これを三十日の期間に算入しない。
第十五條 國内の会社は、左の各号の一に該当する場合には、合併をしてはならない。
一 当該合併によつて不当な事業能力の較差が生ずることとなる場合
二 当該合併によつて一定の取引分野における競爭を実質的に制限することとなる場合
三 当該合併が不公正な競爭方法によるものである場合
國内の会社は、合併をしようとする場合には公正取引委員会規則の定めるところにより、あらかじめ公正取引委員会に届け出なければならない。
前項の場合において、國内の会社は、届出受理の日から三十日を経過するまでは、合併をしてはならない。但し、公正取引委員会が、当該合併が第一項各号の一に該当する疑があると認める場合には、当該会社の同意を得て更に六十日をこえない期間を限り当該期間を延長することができる。
公正取引委員会は、第十七條の二の規定により当該合併に関し必要な措置を命ずるために、審判開始決定をし、又は勧告する場合には、前項本文に規定する三十日の期間又は同項但書の規定により延長された期間内にこれをしなければならない。但し、第二項の届出に重要な事項につき虚僞の記載があつた場合には、この限りでない。
前項の規定は、公正取引委員会が、第七條、第八條第一項又は第二十條の規定により必要な措置を命ずるために審判開始決定をし、又は勧告することを妨げるものと解してはならない。
第十六條 前條の規定は、会社(外國会社を含む。以下本條において同じ。)が左の各号に掲げる行爲をする場合に、これを準用する。
一 他の会社の國内における営業の全部又は重要部分の讓受
二 他の会社の國内における営業上の固定資産の全部又は重要部分の讓受
三 他の会社の國内における営業の全部又は重要部分の賃借
四 他の会社の國内における営業の全部又は重要部分についての経営の受任
五 他の会社と國内における営業上の損益全部を共通にする契約の締結