第一條 昭和二十二年厚生省令第一号(死因不明死体の死因調査に関する件)に基き監察医が檢案又は解剖をなした死体であつて、死因調査終了後も、なお引取者がないものについては、都道府縣知事は、医学又は歯学に関する学校教育法若しくは大学令による大学(大学の学部を含む。)又は專門学校令による專門学校の長(以下学校長という。)から、医学又は歯学の教育のため交付の要求があつたときは、これを交付することができる。
第二條 前條の規定によつて死体の交付を受けた学校長は、その死体について、監察医が檢案を開始した後、四十八時間以内に、引取者から引渡の要求があつたときは、これを引取者に引き渡さなければならない。
第三條 第一條の規定によつて交付を受けた死体について、前條に規定する期間内に、引取者から引渡の要求がないときは、学校長は、これを解剖させ、又は標本とすることができる。
第四條 第二條に規定する期間を経過した後においても、死者の相続人その他死者と相当の関係のある引取者から要求があつたときは、学校長は、特別の事情のない限り、その死体の全部又は一部をその引取者に引き渡さなければならない。
第五條 第一條の規定によつて学校長に交付する死体についても、行旅病人及行旅死亡人取扱法に規定する市町村長は、遅滯なく同法所定の手続を行わなければならない。但し、同法第七條に規定する埋火葬については、この限りでない。
第六條 学校長は、交付を受けた死体の取扱に当つては、特に礼意を失わないことに注意しなければならない。
第七條 学校長は、第一條の規定によつて交付を受けた死体については、行旅病人及行旅死亡人取扱法第十一條及び第十三條の規定にかかわらず、その運搬に関する諸費、埋火葬に関する諸費及び墓標費であつて、死体の交付を受ける際及びその後に要したものを、負担しなければならない。