(国有財産法の一部を改正する法律)
法令番号: 法律第八十六号
公布年月日: 昭和22年4月30日
法令の形式: 法律
朕は、帝國議会の協賛を経た國有財產法の一部を改正する法律を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年四月二十八日
内閣総理大臣 吉田茂
大藏大臣 石橋湛山
法律第八十六号
國有財產法の一部を次のように改正する。
第一條中「勅令」を「政令」に改める。
第三條 衆議院議長、參議院議長、最高裁判所長官、會計檢査院長竝内閣總理大臣及各省大臣(以下各省各廳ノ長ト稱ス)ハ其ノ所管ニ屬スル國有財產ノ維持保存及運用(以下管理ト稱ス)ヲ爲スヘシ
第三條ノ二 雜種財產ハ法律ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外大藏大臣之ヲ管理シ又ハ處分スルモノトス
第三條ノ三 公共用財產、公用財產又ハ營林財產ノ用途又ハ目的ヲ廢止シタル場合ニ於テハ法律ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外各省各廳ノ長大藏大臣ニ之ヲ引繼クヘシ
第三條ノ四 大藏大臣ハ各省各廳ノ長ノ行フ國有財產ノ管理及處分ニ付其ノ適正ヲ期スル爲之ヲ總轄スヘシ
大藏大臣必要アリト認ムルトキハ各省各廳ノ長ニ對シ其ノ管理ニ屬スル國有財產ニ關シ其ノ状況ニ關スル報告ヲ求メ實地監査ヲ行ヒ又ハ閣議ノ決定ヲ經テ用途ノ變更、用途若ハ目的ノ廢止又ハ管理換其ノ他必要ナル措置ヲ求ムルコトヲ得
第五條 雜種財產ハ法律ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外之ヲ讓與スルコトヲ得ス
第七條第一項中「帝室用又ハ國、」を「國又ハ」に改め、「若ハ私人」を削り、「勅令」を「政令」に改める。
第八條中「政府」を「当該財產ヲ所管シタル各省各廳ノ長」に改める。
第九條 國有財產ノ賣拂代金又ハ交換差金ハ財產引渡前之ヲ納付セシムヘシ但シ當該財產ノ讓渡ヲ受ケタル公共團體又ハ教育若ハ社會事業ヲ營ム團體ニ於テ代金又ハ差金ヲ一時ニ支拂フコト困難ナリト認ムルトキハ五年以内ノ延納ノ特約ヲ爲スコトヲ得前項但書ノ規定ニ依リ延納ノ特約ヲ爲サントスルトキハ各省各廳ノ長ハ延納期限及擔保ニ關シテハ同項ニ規定スル團體ヲ監督スル主務大臣ノ意見ヲ聞キ大藏大臣ニ協議スヘシ
第一項但書ノ規定ニ依リ延納ノ特約ヲ爲シタル場合ニ於テ左ノ各號ノ一ニ該當スル事由アルトキハ各省各廳ノ長ハ直ニ其ノ特約ヲ解除スヘシ
一 當該財產ノ讓渡ヲ受ケタル者ノ爲ス管理カ適當ナラスト認ムルトキ
二 延納ニ係ル代金又ハ差金ノ各年度ニ於ケル納付金額カ當該年度ノ當該財產ノ賃貸料及公租公課ノ合計額ニ滿タサルトキ
第十三條 削除
第十四條及び第十九條中「政府」を「當該財產ヲ所管スル各省各廳」に改める。
第十五條第一項第一号中「八十年」を「六十年」に改める。
第十六條 國有財產ハ之ヲ無償ニテ貸付スルコトヲ得ス但シ公共團體ニ於テ公共用、公用若ハ公益事業ニ供スル爲必要アル場合其ノ他法律ニ別段ノ定アル場合ハ此ノ限ニ在ラス
前項但書ノ規定ニ依リ無償貸付ヲ爲サントスルトキハ各省各廳ノ長ハ當該公共團體ヲ監督スル主務大臣ノ意見ヲ聞キ大藏大臣ト協議スヘシ
第一項但書ノ場合ニ於テ國有財產ノ無償貸付ヲ受ケタル者ノ爲ス當該財產ノ管理良好ナラスト認ムルトキハ當該財產ヲ所管スル各省各廳ノ長ハ直ニ其ノ契約ヲ解除スヘシ
内閣ハ政令ノ定ムル所ニ依リ無償貸付ヲ爲シタル國有財產ニ付毎會計年度末現在ニ於ケル状況ヲ翌年度開會ノ國會ノ常會ニ報告スヘシ
第十八條第一項中「帝室用又ハ國、」を「國又ハ」に改め、「若ハ私人」を削り、「政府」を「當該財產ヲ所管スル各省各廳ノ長」に改め、同條第二項中「損害ニ付」の下に「當該財產ヲ所管スル各省各廳ノ長ニ對シ其ノ」を加え、同項の次に次の二項を加える。
前項ノ規定ニ依リ賠償ノ請求アリタルトキハ當該財產ヲ所管スル各省各廳ノ長ハ之ヲ會計檢査院ノ審査ニ附スルコトヲ得
主務官廳ハ前項ノ審査ノ結果ニ關シ會計檢査院ノ通知ヲ受ケタルトキハ其ノ通知アリタル判定ニ基キ適當ナル措置ヲ採ルヘシ
第二十一條 削除
第二十二條 削除
第二十三條 削除
第二十五條中「政府」を「各省各廳」に改める。
第二十六條 各省各廳ノ長ハ毎會計年度間ニ於ケル國有財產増減報告書及毎會計年度末現在ニ於ケル國有財產現在額報告書ヲ調製シ翌年度八月三十一日迄ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スヘシ
大藏大臣ハ前項ノ規定ニ依リ送付ヲ受ケタル國有財產増減報告書及國有財產現在額報告書ニ基キ國有財產増減總計算書及國有財產現在額總計算書ヲ調製スヘシ
内閣ハ前項ノ國有財產増減總計算書及國有財產現在額總計算書ヲ各省各廳ノ國有財產増減報告書及國有財產現在額報告書ト共ニ翌年度十一月三十日迄ニ之ヲ會計檢査院ニ送付シ其ノ檢査ヲ受クヘシ
第二十六條ノ二 内閣ハ前條第三項ニ依リ會計檢査院ノ檢査ヲ經タル國有財產増減總計算書及國有財產現在額總計算書ニ會計檢査院ノ檢査報告ノ外各省各廳ノ國有財產増減報告書及國有財產現在額報告書ヲ添附シ之ヲ翌年度開會ノ國會ノ常會ニ報告スルコトヲ例トス
第二十六條ノ三 各省各廳ノ長ハ毎會計年度毎ニ當該年度末及翌年度末ニ於ケル國有財產見込現在額報告書ヲ調製シ當該年度九月三十日迄ニ之ヲ大藏大臣ニ送付スヘシ
大藏大臣ハ前項ノ規定ニ依リ送付ヲ受ケタル各省各廳ノ國有財產見込現在額報告書ニ基キ當該年度末及翌年度末ニ於ケル國有財產見込現在額總計算書ヲ調製スヘシ
第二十九條ノ三 削除
第二十九條ノ四 第二十六條第一項ノ規定ニ依リ調製スヘキ國有財產増減報告書及國有財產現在額報告書ニハ昭和十九年度以後ノ朝鮮、臺灣、樺太、南洋、關東州及外國ニ係ル分ハ之ヲ省略スルコトヲ得
第三十一條中「第二條、」の下に「第三條第二項、」を加える。
第三十三條 削除
附 則
この法律は、日本國憲法施行の日から、これを施行する。但し、第二十六條の規定は、昭和二十一年度分から、これを適用する。
農林大臣の所管する國有林野に属するもの、史蹟名勝天然記念物に指定されているもの及び帝國鉄道会計、通信事業特別会計、簡易生命保險及び郵便年金特別会計の保險勘定に属するもの並びに雜種財產で現に大藏大臣と協定してあるものについては、第三條ノ三の規定にかかわらず、当該財產を所管する各省各廳の長は、当分の間、これを、大藏大臣に引き継ぐことを必要としない。
前項の規定により、大藏大臣に引き継ぐことを必要としない雜種財產については、当該財產を所管する各省各廳の長が、これを管理し又は処分するものとする。
國有財產に関する法制を整備するため、内閣に、國有財產法制調査会を設置する。
調査会は、会長一人委員六人以内で、これを組織する。
会長は、大藏大臣を以て、これに充て、委員は、会計檢査院その他関係各廳の一級の官吏及び学識経驗のある者の中から、内閣でこれを命ずる。
調査会は、國有財產に関する法律案を作成し、内閣は、これを次の國会の常会に提出するものとする。
前三項に定めるものの外、調査会に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
朕は、帝国議会の協賛を経た国有財産法の一部を改正する法律を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十二年四月二十八日
内閣総理大臣 吉田茂
大蔵大臣 石橋湛山
法律第八十六号
国有財産法の一部を次のように改正する。
第一条中「勅令」を「政令」に改める。
第三条 衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官、会計検査院長並内閣総理大臣及各省大臣(以下各省各庁ノ長ト称ス)ハ其ノ所管ニ属スル国有財産ノ維持保存及運用(以下管理ト称ス)ヲ為スヘシ
第三条ノ二 雑種財産ハ法律ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外大蔵大臣之ヲ管理シ又ハ処分スルモノトス
第三条ノ三 公共用財産、公用財産又ハ営林財産ノ用途又ハ目的ヲ廃止シタル場合ニ於テハ法律ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外各省各庁ノ長大蔵大臣ニ之ヲ引継クヘシ
第三条ノ四 大蔵大臣ハ各省各庁ノ長ノ行フ国有財産ノ管理及処分ニ付其ノ適正ヲ期スル為之ヲ総轄スヘシ
大蔵大臣必要アリト認ムルトキハ各省各庁ノ長ニ対シ其ノ管理ニ属スル国有財産ニ関シ其ノ状況ニ関スル報告ヲ求メ実地監査ヲ行ヒ又ハ閣議ノ決定ヲ経テ用途ノ変更、用途若ハ目的ノ廃止又ハ管理換其ノ他必要ナル措置ヲ求ムルコトヲ得
第五条 雑種財産ハ法律ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外之ヲ譲与スルコトヲ得ス
第七条第一項中「帝室用又ハ国、」を「国又ハ」に改め、「若ハ私人」を削り、「勅令」を「政令」に改める。
第八条中「政府」を「当該財産ヲ所管シタル各省各庁ノ長」に改める。
第九条 国有財産ノ売払代金又ハ交換差金ハ財産引渡前之ヲ納付セシムヘシ但シ当該財産ノ譲渡ヲ受ケタル公共団体又ハ教育若ハ社会事業ヲ営ム団体ニ於テ代金又ハ差金ヲ一時ニ支払フコト困難ナリト認ムルトキハ五年以内ノ延納ノ特約ヲ為スコトヲ得前項但書ノ規定ニ依リ延納ノ特約ヲ為サントスルトキハ各省各庁ノ長ハ延納期限及担保ニ関シテハ同項ニ規定スル団体ヲ監督スル主務大臣ノ意見ヲ聞キ大蔵大臣ニ協議スヘシ
第一項但書ノ規定ニ依リ延納ノ特約ヲ為シタル場合ニ於テ左ノ各号ノ一ニ該当スル事由アルトキハ各省各庁ノ長ハ直ニ其ノ特約ヲ解除スヘシ
一 当該財産ノ譲渡ヲ受ケタル者ノ為ス管理カ適当ナラスト認ムルトキ
二 延納ニ係ル代金又ハ差金ノ各年度ニ於ケル納付金額カ当該年度ノ当該財産ノ賃貸料及公租公課ノ合計額ニ満タサルトキ
第十三条 削除
第十四条及び第十九条中「政府」を「当該財産ヲ所管スル各省各庁」に改める。
第十五条第一項第一号中「八十年」を「六十年」に改める。
第十六条 国有財産ハ之ヲ無償ニテ貸付スルコトヲ得ス但シ公共団体ニ於テ公共用、公用若ハ公益事業ニ供スル為必要アル場合其ノ他法律ニ別段ノ定アル場合ハ此ノ限ニ在ラス
前項但書ノ規定ニ依リ無償貸付ヲ為サントスルトキハ各省各庁ノ長ハ当該公共団体ヲ監督スル主務大臣ノ意見ヲ聞キ大蔵大臣ト協議スヘシ
第一項但書ノ場合ニ於テ国有財産ノ無償貸付ヲ受ケタル者ノ為ス当該財産ノ管理良好ナラスト認ムルトキハ当該財産ヲ所管スル各省各庁ノ長ハ直ニ其ノ契約ヲ解除スヘシ
内閣ハ政令ノ定ムル所ニ依リ無償貸付ヲ為シタル国有財産ニ付毎会計年度末現在ニ於ケル状況ヲ翌年度開会ノ国会ノ常会ニ報告スヘシ
第十八条第一項中「帝室用又ハ国、」を「国又ハ」に改め、「若ハ私人」を削り、「政府」を「当該財産ヲ所管スル各省各庁ノ長」に改め、同条第二項中「損害ニ付」の下に「当該財産ヲ所管スル各省各庁ノ長ニ対シ其ノ」を加え、同項の次に次の二項を加える。
前項ノ規定ニ依リ賠償ノ請求アリタルトキハ当該財産ヲ所管スル各省各庁ノ長ハ之ヲ会計検査院ノ審査ニ附スルコトヲ得
主務官庁ハ前項ノ審査ノ結果ニ関シ会計検査院ノ通知ヲ受ケタルトキハ其ノ通知アリタル判定ニ基キ適当ナル措置ヲ採ルヘシ
第二十一条 削除
第二十二条 削除
第二十三条 削除
第二十五条中「政府」を「各省各庁」に改める。
第二十六条 各省各庁ノ長ハ毎会計年度間ニ於ケル国有財産増減報告書及毎会計年度末現在ニ於ケル国有財産現在額報告書ヲ調製シ翌年度八月三十一日迄ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スヘシ
大蔵大臣ハ前項ノ規定ニ依リ送付ヲ受ケタル国有財産増減報告書及国有財産現在額報告書ニ基キ国有財産増減総計算書及国有財産現在額総計算書ヲ調製スヘシ
内閣ハ前項ノ国有財産増減総計算書及国有財産現在額総計算書ヲ各省各庁ノ国有財産増減報告書及国有財産現在額報告書ト共ニ翌年度十一月三十日迄ニ之ヲ会計検査院ニ送付シ其ノ検査ヲ受クヘシ
第二十六条ノ二 内閣ハ前条第三項ニ依リ会計検査院ノ検査ヲ経タル国有財産増減総計算書及国有財産現在額総計算書ニ会計検査院ノ検査報告ノ外各省各庁ノ国有財産増減報告書及国有財産現在額報告書ヲ添附シ之ヲ翌年度開会ノ国会ノ常会ニ報告スルコトヲ例トス
第二十六条ノ三 各省各庁ノ長ハ毎会計年度毎ニ当該年度末及翌年度末ニ於ケル国有財産見込現在額報告書ヲ調製シ当該年度九月三十日迄ニ之ヲ大蔵大臣ニ送付スヘシ
大蔵大臣ハ前項ノ規定ニ依リ送付ヲ受ケタル各省各庁ノ国有財産見込現在額報告書ニ基キ当該年度末及翌年度末ニ於ケル国有財産見込現在額総計算書ヲ調製スヘシ
第二十九条ノ三 削除
第二十九条ノ四 第二十六条第一項ノ規定ニ依リ調製スヘキ国有財産増減報告書及国有財産現在額報告書ニハ昭和十九年度以後ノ朝鮮、台湾、樺太、南洋、関東州及外国ニ係ル分ハ之ヲ省略スルコトヲ得
第三十一条中「第二条、」の下に「第三条第二項、」を加える。
第三十三条 削除
附 則
この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。但し、第二十六条の規定は、昭和二十一年度分から、これを適用する。
農林大臣の所管する国有林野に属するもの、史蹟名勝天然記念物に指定されているもの及び帝国鉄道会計、通信事業特別会計、簡易生命保険及び郵便年金特別会計の保険勘定に属するもの並びに雑種財産で現に大蔵大臣と協定してあるものについては、第三条ノ三の規定にかかわらず、当該財産を所管する各省各庁の長は、当分の間、これを、大蔵大臣に引き継ぐことを必要としない。
前項の規定により、大蔵大臣に引き継ぐことを必要としない雑種財産については、当該財産を所管する各省各庁の長が、これを管理し又は処分するものとする。
国有財産に関する法制を整備するため、内閣に、国有財産法制調査会を設置する。
調査会は、会長一人委員六人以内で、これを組織する。
会長は、大蔵大臣を以て、これに充て、委員は、会計検査院その他関係各庁の一級の官吏及び学識経験のある者の中から、内閣でこれを命ずる。
調査会は、国有財産に関する法律案を作成し、内閣は、これを次の国会の常会に提出するものとする。
前三項に定めるものの外、調査会に関し必要な事項は、政令でこれを定める。