(石炭及コークス配給統制法の一部を改正する法律)
法令番号: 法律第33号
公布年月日: 昭和21年10月1日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

戦後の産業再建における石炭・コークスの重要性と需給逼迫を踏まえ、配給統制の強化と戦後の新事態への対応が必要となった。主な改正点は、産業民主化に即応するため、日本石炭株式会社の社長・副社長の選任方法を株主総会での選任後に主務大臣認可とし、監理官制度を廃止。また、国民総動員法に基づく配給調整規則等を廃止し、配給統制の基本事項を本法に統合。これにより日本石炭株式会社による下請販売機関の指定を可能とし、需給調整のための行政官庁の命令権限も規定した。

参照した発言:
第90回帝国議会 貴族院 本会議 第21号

審議経過

第90回帝国議会

貴族院
本会議 - 第21号
(昭和21年8月19日)
電気事業法の一部を改正する法律案特別委員会 - 第5号
(昭和21年8月19日)
電気事業法の一部を改正する法律案特別委員会 - 第9号
(昭和21年8月24日)
本会議 - 第24号
(昭和21年8月27日)
衆議院
本会議 - 第40号
(昭和21年9月4日)
電気事業法の一部を改正する法律案外一件委員会 - 第2号
(昭和21年9月7日)
電気事業法の一部を改正する法律案外一件委員会 - 第5号
(昭和21年9月18日)
電気事業法の一部を改正する法律案外一件委員会 - 第6号
(昭和21年9月20日)
電気事業法の一部を改正する法律案外一件委員会 - 第7号
(昭和21年9月25日)
電気事業法の一部を改正する法律案外一件委員会 - 第8号
(昭和21年9月26日)
電気事業法の一部を改正する法律案外一件委員会 - 第9号
(昭和21年9月27日)
本会議 - 第48号
(昭和21年9月28日)
朕は、帝國議會の協贊を經た石炭及コークス配給統制法の一部を改正する法律を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年九月三十日
内閣總理大臣　吉田茂
商工大臣　星島二郎
法律第三十三號
石炭及コークス配給統制法の一部を次のやうに改正する。
第一條中「、輸入業者及移入業者」を「及輸入業者」に、「、輸入若は移入」を「若は輸入」に、「、輸入業者又ハ移入業者」を「又ハ輸入業者」に、「、輸入又ハ移入」を「又ハ輸入」に改める。
第二條第一項中「、移入業者」を削る。
第五條中「若ハ移入業者」を削る。
第十二條第一項を次のやうに改め、同條第二項を削る。
社長、副社長及理事ハ株主總會ニ於テ之ヲ選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クルモノトシ其ノ任期ヲ四年トス
第十四條第一項中「、輸入、移出及移入」を「及輸入」に改める。
第十五條　日本石炭株式會社ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ販賣ノ目的ヲ以テ日本石炭株式會社ヨリ石炭又ハコークスヲ買入ルル者ヲ指定スルコトヲ得
日本石炭株式會社及前項ノ規定ニ依リ指定セラレタル者（以下指定販賣機關ト稱ス）以外ノ者ハ販賣ノ目的ヲ以テ石炭若ハコークスヲ買入レ又ハ之ヲ賣渡スコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
石炭又ハコークスヲ使用スル者ハ日本石炭株式會社及指定販賣機關以外ノ者ヨリ石炭又ハコークスヲ讓受クルコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十五條ノ二第一項中「若ハ移入業者」を削り、同條を第十五條ノ五とする。
第十五條ノ二　日本石炭株式會社ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ認可ヲ受ケ指定販賣機關ニ對シ石炭又ハコークスノ販賣ニ關シ必要ナル事項ヲ指示スルコトヲ得
主務大臣ハ石炭又ハコークスノ配給ノ圓滑又ハ價格ノ公正ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ指定販賣機關ニ對シ前項ノ指示ニ從フベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十五條ノ三　主務大臣ハ石炭又ハコークスノ需給調整上特ニ必要アリト認ムルトキハ石炭又ハコークスヲ販賣スル者ニ對シ石炭又ハコークスノ販賣ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第十五條ノ四　主務大臣ハ石炭又ハコークスノ需給調整上特ニ必要アリト認ムルトキハ石炭又ハコークスヲ使用スル者ニ對シ石炭又ハコークスノ使用ニ關シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第二十三條ノ二を削る。
第二十六條　主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法ニ依ル職權ノ一部ヲ地方長官其ノ他地方官衙ノ長ヲシテ行ハシムルコトヲ得
第二十七條　主務大臣必要アリト認ムルトキハ日本石炭株式會社ヨリ其ノ業務及財産ノ状況ニ關シ報告ヲ徴シ又ハ當該官吏ヲシテ其ノ事業所其ノ他ノ場所ニ臨檢シ業務ノ状況若ハ金庫、帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ當該官吏ヲシテ臨檢檢査セシムル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ身分ヲ示ス證票ヲ携帶セシムベシ
第二十八條第二項中「若ハ公益ヲ害スト認ムルトキ又ハ事業ノ運營上役員ヲ不適當ナリト認ムルトキ」を「又ハ公益ヲ害スト認ムルトキ」に改める。
第三十條　左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五年以下ノ懲役又ハ五萬圓以下ノ罰金ニ處ス但シ犯罪ニ係ル石炭又ハコークスノ價格ノ三倍ガ五萬圓ヲ超ユルトキハ罰金ハ當該價格ノ三倍以下トス
一　第一條又ハ第十五條第二項若ハ第三項ノ規定ニ違反シタル者
二　第十五條ノ二第二項、第十五條ノ三又ハ第十五條ノ四ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
前項ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情状ニ因リ懲役及罰金ヲ併科スルコトヲ得
第三十二條　左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ六月以下ノ懲役又ハ五千圓以下ノ罰金ニ處ス
一　第五條、第十五條ノ五第一項又ハ第二十七條第一項ノ規定ニ依ル報告ヲ爲サズ又ハ虚僞ノ報告ヲ爲シタル者
二　第五條、第十五條ノ五第二項又ハ第二十七條第一項ノ規定ニ依ル檢査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
第三十八條ノ二　本州、北海道、四國、九州及此等ノ附屬島嶼ト此等ノ地域以外ノ地域トノ間ニ於テ行ハルル石炭又ハコークスノ取引其ノ他ニ依ル移動ハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ輸出又ハ輸入トス
附　則
この法律は、公布の日から、これを施行する。
この法律施行後一箇月以内に、第十二條第一項の改正規定により、株主總會において社長及び副社長を選任しなければならない。
この法律施行の際、現に日本石炭株式會社の社長及び副社長の職にある者については、前項の規定により社長及び副社長が選任せられ、主務大臣の認可があるまでの期間は、從前の例による。
朕は、帝国議会の協賛を経た石炭及コークス配給統制法の一部を改正する法律を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年九月三十日
内閣総理大臣　吉田茂
商工大臣　星島二郎
法律第三十三号
石炭及コークス配給統制法の一部を次のやうに改正する。
第一条中「、輸入業者及移入業者」を「及輸入業者」に、「、輸入若は移入」を「若は輸入」に、「、輸入業者又ハ移入業者」を「又ハ輸入業者」に、「、輸入又ハ移入」を「又ハ輸入」に改める。
第二条第一項中「、移入業者」を削る。
第五条中「若ハ移入業者」を削る。
第十二条第一項を次のやうに改め、同条第二項を削る。
社長、副社長及理事ハ株主総会ニ於テ之ヲ選任シ主務大臣ノ認可ヲ受クルモノトシ其ノ任期ヲ四年トス
第十四条第一項中「、輸入、移出及移入」を「及輸入」に改める。
第十五条　日本石炭株式会社ハ主務大臣ノ認可ヲ受ケ販売ノ目的ヲ以テ日本石炭株式会社ヨリ石炭又ハコークスヲ買入ルル者ヲ指定スルコトヲ得
日本石炭株式会社及前項ノ規定ニ依リ指定セラレタル者（以下指定販売機関ト称ス）以外ノ者ハ販売ノ目的ヲ以テ石炭若ハコークスヲ買入レ又ハ之ヲ売渡スコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
石炭又ハコークスヲ使用スル者ハ日本石炭株式会社及指定販売機関以外ノ者ヨリ石炭又ハコークスヲ譲受クルコトヲ得ズ但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十五条ノ二第一項中「若ハ移入業者」を削り、同条を第十五条ノ五とする。
第十五条ノ二　日本石炭株式会社ハ命令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ認可ヲ受ケ指定販売機関ニ対シ石炭又ハコークスノ販売ニ関シ必要ナル事項ヲ指示スルコトヲ得
主務大臣ハ石炭又ハコークスノ配給ノ円滑又ハ価格ノ公正ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ指定販売機関ニ対シ前項ノ指示ニ従フベキコトヲ命ズルコトヲ得
第十五条ノ三　主務大臣ハ石炭又ハコークスノ需給調整上特ニ必要アリト認ムルトキハ石炭又ハコークスヲ販売スル者ニ対シ石炭又ハコークスノ販売ニ関シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第十五条ノ四　主務大臣ハ石炭又ハコークスノ需給調整上特ニ必要アリト認ムルトキハ石炭又ハコークスヲ使用スル者ニ対シ石炭又ハコークスノ使用ニ関シ必要ナル事項ヲ命ズルコトヲ得
第二十三条ノ二を削る。
第二十六条　主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法ニ依ル職権ノ一部ヲ地方長官其ノ他地方官衙ノ長ヲシテ行ハシムルコトヲ得
第二十七条　主務大臣必要アリト認ムルトキハ日本石炭株式会社ヨリ其ノ業務及財産ノ状況ニ関シ報告ヲ徴シ又ハ当該官吏ヲシテ其ノ事業所其ノ他ノ場所ニ臨検シ業務ノ状況若ハ金庫、帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査セシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ当該官吏ヲシテ臨検検査セシムル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ身分ヲ示ス証票ヲ携帯セシムベシ
第二十八条第二項中「若ハ公益ヲ害スト認ムルトキ又ハ事業ノ運営上役員ヲ不適当ナリト認ムルトキ」を「又ハ公益ヲ害スト認ムルトキ」に改める。
第三十条　左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ五年以下ノ懲役又ハ五万円以下ノ罰金ニ処ス但シ犯罪ニ係ル石炭又ハコークスノ価格ノ三倍ガ五万円ヲ超ユルトキハ罰金ハ当該価格ノ三倍以下トス
一　第一条又ハ第十五条第二項若ハ第三項ノ規定ニ違反シタル者
二　第十五条ノ二第二項、第十五条ノ三又ハ第十五条ノ四ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者
前項ノ罪ヲ犯シタル者ニハ情状ニ因リ懲役及罰金ヲ併科スルコトヲ得
第三十二条　左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ六月以下ノ懲役又ハ五千円以下ノ罰金ニ処ス
一　第五条、第十五条ノ五第一項又ハ第二十七条第一項ノ規定ニ依ル報告ヲ為サズ又ハ虚偽ノ報告ヲ為シタル者
二　第五条、第十五条ノ五第二項又ハ第二十七条第一項ノ規定ニ依ル検査ヲ拒ミ、妨ゲ又ハ忌避シタル者
第三十八条ノ二　本州、北海道、四国、九州及此等ノ附属島嶼ト此等ノ地域以外ノ地域トノ間ニ於テ行ハルル石炭又ハコークスノ取引其ノ他ニ依ル移動ハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ輸出又ハ輸入トス
附　則
この法律は、公布の日から、これを施行する。
この法律施行後一箇月以内に、第十二条第一項の改正規定により、株主総会において社長及び副社長を選任しなければならない。
この法律施行の際、現に日本石炭株式会社の社長及び副社長の職にある者については、前項の規定により社長及び副社長が選任せられ、主務大臣の認可があるまでの期間は、従前の例による。