第一復員裁判所及第二復員裁判所令
法令番号: 勅令第六百五十八號
公布年月日: 昭和20年11月24日
法令の形式: 勅令
朕昭和二十年勅令第五百四十二號「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ發スル命令ニ關スル件ニ基ク第一復員裁判所及第二復員裁判所令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年十一月二十二日
內閣總理大臣 男爵 幣原喜重郞
海軍大臣 米內光政
陸軍大臣 下村定
勅令第六百五十八號
第一復員裁判所及第二復員裁判所令
第一條 臨時ニ第一復員裁判所ヲ設クルコト左ノ如シ
一 第一復員高等裁判所
二 第一復員地方裁判所
臨時ニ第二復員裁判所ヲ設クルコト左ノ如シ
一 第二復員高等裁判所
二 東京復員裁判所
三 第二復員地方裁判所
第二條 第一復員裁判所ニハ本令ニ定ムルモノノ外陸軍軍法會議法其ノ他陸軍軍法會議ニ關スル規定ヲ適用ス此ノ場合ニ於テハ第一復員高等裁判所ハ之ヲ高等軍法會議、第一復員地方裁判所ハ之ヲ軍軍法會議トス但シ陸軍軍法會議法中陸軍大臣、軍司令官、陸軍司法警察官、陸軍司法警察吏若ハ陸軍司法警察官吏トアリ、同法第十二條中軍管區內若ハ第一條乃至第三條記載ノ者ニ對スル被吿事件、同法第三十二條中陸軍ノ兵科將校トアリ、同法第三十三條第一項中將官トアリ、同法第三十四條第一項中佐官以下ノ將校トアリ、同條第二項中將校トアリ、同法第三十五條中陸軍ノ法務部將校トアリ、同法第四十二條及第七十三條ノ二中陸軍ノ法務部ノ將校、准士官又ハ下士官トアリ、同法第四十三條中陸軍ノ法務部ノ下士官又ハ兵トアリ、同法第七十四條第一項中部隊、中隊以上ノ軍隊及之ニ準スヘキ軍隊若ハ官衙、學校、特務機關及戰時ニ於ケル特設機關トアリ、同法第七十五條中部隊若ハ將校トアリ又ハ同法第八十八條中陸軍ノ將校若ハ陸軍高等文官又ハ同試補トアルハ夫々閣令ヲ以テ定ムルモノトス
第二復員裁判所ニハ本令ニ定ムルモノノ外海軍軍法會議法其ノ他海軍軍法會議ニ關スル規定ヲ適用ス此ノ場合ニ於テハ第二復員高等裁判所ハ之ヲ高等軍法會議、東京復員裁判所ハ之ヲ東京軍法會議、第二復員地方裁判所ハ之ヲ鎭守府軍法會議トス但シ海軍軍法會議法中海軍大臣、鎭守府司令長官、海軍司法警察官、海軍司法警察吏若ハ海軍司法警察官吏トアリ、同法第十二條中第一條乃至第三條記載ノ者ニ對スル被吿事件トアリ、同法第十三條中警備區內若ハ第一條乃至第三條記載ノ者ニ對スル被吿事件トアリ、同法第三十二條中海軍ノ將校トアリ、同法第三十三條中將官トアリ、同法第三十四條第一項中佐官以下ノ將校トアリ、同條第二項中將校トアリ、同法第三十五條中海軍ノ法務科士官トアリ、同法第四十二條及第七十三條ノ三中海軍ノ法務科ノ特務士官、准士官又ハ下士官トアリ、同法第四十三條中海軍ノ法務科ノ下士官又ハ兵トアリ、同法第七十四條中部隊トアリ、同法第七十五條中部隊若ハ將校又ハ將校相當官トアリ又ハ同法第八十八條中海軍ノ將校又ハ將校相當官若ハ海軍高等文官又ハ同試補トアルハ夫々閣令ヲ以テ定ムルモノトス
第三條 第一復員裁判所及第二復員裁判所ハ之ヲ軍法會議トシ刑事交涉法ヲ適用ス但シ同法中陸海軍ノ檢察官、陸軍司法警察官、海軍司法警察官、陸軍又ハ海軍ノ部隊內、陸軍司法官憲又ハ海軍司法官憲トアルハ夫々閣令ヲ以テ定ムルモノトス
第四條 復員裁判所ニ關シテハ陸軍軍法會議法第一條又ハ海軍軍法會議法第一條ニ記載シタル者陸軍軍法會議法第一條又ハ海軍軍法會議法第一條ニ記載シタル身分ヲ有セザル時ニ犯シタル犯罪事件ニ付テハ陸軍軍法會議法第二條又ハ海軍軍法會議法第二條ノ規定ハ之ヲ適用セズ但シ陸軍軍法會議又ハ海軍軍法會議ニ於テ言渡シタル判決ニ對スル上吿及非常上吿竝ニ本令施行ノ際陸軍軍法會議又ハ海軍軍法會議ニ於テ搜查若ハ豫審中又ハ公判ニ繫屬中ノ被吿事件ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第五條 第一復員地方裁判所、東京復員裁判所及第二復員地方裁判所ニ於テハ上席判士及法務官ヲ除クノ外裁判官二人ヲ減ズルコトヲ得
第六條 第一復員裁判所及第二復員裁判所ノ裁判官タル判士ハ其ノ官等被吿人ト同等以上ノ者タルヲ以テ足ル
附 則
本令ハ陸軍省官制及海軍省官制廢止ノ日ヨリ之ヲ施行ス
陸軍軍法會議法及海軍軍法會議法ノ規定ニ依リ常設セラレタル軍法會議(高雄警備府軍法會議ヲ除ク)ハ之ヲ廢止ス
陸軍軍法會議法ニ規定スル陸軍大臣ノ職權及海軍軍法會議法ニ規定スル海軍大臣ノ職權ハ閣令ヲ以テ定ムル者之ヲ行フ
朕昭和二十年勅令第五百四十二号「ポツダム」宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件ニ基ク第一復員裁判所及第二復員裁判所令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年十一月二十二日
内閣総理大臣 男爵 幣原喜重郎
海軍大臣 米内光政
陸軍大臣 下村定
勅令第六百五十八号
第一復員裁判所及第二復員裁判所令
第一条 臨時ニ第一復員裁判所ヲ設クルコト左ノ如シ
一 第一復員高等裁判所
二 第一復員地方裁判所
臨時ニ第二復員裁判所ヲ設クルコト左ノ如シ
一 第二復員高等裁判所
二 東京復員裁判所
三 第二復員地方裁判所
第二条 第一復員裁判所ニハ本令ニ定ムルモノノ外陸軍軍法会議法其ノ他陸軍軍法会議ニ関スル規定ヲ適用ス此ノ場合ニ於テハ第一復員高等裁判所ハ之ヲ高等軍法会議、第一復員地方裁判所ハ之ヲ軍軍法会議トス但シ陸軍軍法会議法中陸軍大臣、軍司令官、陸軍司法警察官、陸軍司法警察吏若ハ陸軍司法警察官吏トアリ、同法第十二条中軍管区内若ハ第一条乃至第三条記載ノ者ニ対スル被告事件、同法第三十二条中陸軍ノ兵科将校トアリ、同法第三十三条第一項中将官トアリ、同法第三十四条第一項中佐官以下ノ将校トアリ、同条第二項中将校トアリ、同法第三十五条中陸軍ノ法務部将校トアリ、同法第四十二条及第七十三条ノ二中陸軍ノ法務部ノ将校、准士官又ハ下士官トアリ、同法第四十三条中陸軍ノ法務部ノ下士官又ハ兵トアリ、同法第七十四条第一項中部隊、中隊以上ノ軍隊及之ニ準スヘキ軍隊若ハ官衙、学校、特務機関及戦時ニ於ケル特設機関トアリ、同法第七十五条中部隊若ハ将校トアリ又ハ同法第八十八条中陸軍ノ将校若ハ陸軍高等文官又ハ同試補トアルハ夫々閣令ヲ以テ定ムルモノトス
第二復員裁判所ニハ本令ニ定ムルモノノ外海軍軍法会議法其ノ他海軍軍法会議ニ関スル規定ヲ適用ス此ノ場合ニ於テハ第二復員高等裁判所ハ之ヲ高等軍法会議、東京復員裁判所ハ之ヲ東京軍法会議、第二復員地方裁判所ハ之ヲ鎮守府軍法会議トス但シ海軍軍法会議法中海軍大臣、鎮守府司令長官、海軍司法警察官、海軍司法警察吏若ハ海軍司法警察官吏トアリ、同法第十二条中第一条乃至第三条記載ノ者ニ対スル被告事件トアリ、同法第十三条中警備区内若ハ第一条乃至第三条記載ノ者ニ対スル被告事件トアリ、同法第三十二条中海軍ノ将校トアリ、同法第三十三条中将官トアリ、同法第三十四条第一項中佐官以下ノ将校トアリ、同条第二項中将校トアリ、同法第三十五条中海軍ノ法務科士官トアリ、同法第四十二条及第七十三条ノ三中海軍ノ法務科ノ特務士官、准士官又ハ下士官トアリ、同法第四十三条中海軍ノ法務科ノ下士官又ハ兵トアリ、同法第七十四条中部隊トアリ、同法第七十五条中部隊若ハ将校又ハ将校相当官トアリ又ハ同法第八十八条中海軍ノ将校又ハ将校相当官若ハ海軍高等文官又ハ同試補トアルハ夫々閣令ヲ以テ定ムルモノトス
第三条 第一復員裁判所及第二復員裁判所ハ之ヲ軍法会議トシ刑事交渉法ヲ適用ス但シ同法中陸海軍ノ検察官、陸軍司法警察官、海軍司法警察官、陸軍又ハ海軍ノ部隊内、陸軍司法官憲又ハ海軍司法官憲トアルハ夫々閣令ヲ以テ定ムルモノトス
第四条 復員裁判所ニ関シテハ陸軍軍法会議法第一条又ハ海軍軍法会議法第一条ニ記載シタル者陸軍軍法会議法第一条又ハ海軍軍法会議法第一条ニ記載シタル身分ヲ有セザル時ニ犯シタル犯罪事件ニ付テハ陸軍軍法会議法第二条又ハ海軍軍法会議法第二条ノ規定ハ之ヲ適用セズ但シ陸軍軍法会議又ハ海軍軍法会議ニ於テ言渡シタル判決ニ対スル上告及非常上告並ニ本令施行ノ際陸軍軍法会議又ハ海軍軍法会議ニ於テ捜査若ハ予審中又ハ公判ニ繋属中ノ被告事件ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第五条 第一復員地方裁判所、東京復員裁判所及第二復員地方裁判所ニ於テハ上席判士及法務官ヲ除クノ外裁判官二人ヲ減ズルコトヲ得
第六条 第一復員裁判所及第二復員裁判所ノ裁判官タル判士ハ其ノ官等被告人ト同等以上ノ者タルヲ以テ足ル
附 則
本令ハ陸軍省官制及海軍省官制廃止ノ日ヨリ之ヲ施行ス
陸軍軍法会議法及海軍軍法会議法ノ規定ニ依リ常設セラレタル軍法会議(高雄警備府軍法会議ヲ除ク)ハ之ヲ廃止ス
陸軍軍法会議法ニ規定スル陸軍大臣ノ職権及海軍軍法会議法ニ規定スル海軍大臣ノ職権ハ閣令ヲ以テ定ムル者之ヲ行フ