義勇兵役法施行令
法令番号: 勅令第三百八十五號
公布年月日: 昭和20年6月23日
法令の形式: 勅令
朕義勇兵役法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年六月二十二日
內閣總理大臣 男爵 鈴木貫太郞
海軍大臣 米內光政
陸軍大臣 阿南惟幾
內務大臣 安倍源基
勅令第三百八十五號
義勇兵役法施行令
第一章 總則
第一條 義勇兵役法第二條第一項ノ規定ニ依リ義勇兵役ニ服スル男子ヨリ除外スル者ヲ定ムルコト左ノ如シ
一 現役ニ在ル者(待命、休職又ハ停職中ノ武官、歸休中ノ海軍下士官竝ニ未入營兵及歸休兵ヲ除ク)
二 補充兵役、豫備役又ハ國民兵役ニ在リテ召集中ノ者又ハ志願ニ依リ部隊ニ編入セラレ召集中ノ者ト同一ノ身分取扱ヲ受ケ居ル者
三 陸海軍ノ學生生徒トシテ兵籍ニ編入中ノ者(陸海軍ノ依託學生生徒、陸軍豫備生徒及海軍豫備員候補者ニ在リテハ陸海軍部內ニ於テ敎育中ノ者ニ限ル)
第二條 義勇兵役法第四條但書ノ規定ニ依リ義勇兵役ニ服スルノ資格ヲ取得スル者ハ六年以上ノ懲役又ハ禁錮ノ刑ニ處セラレ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル者ニ就キ陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル所ニ依リ銓衡ヲ經テ之ヲ指定ス
第三條 義勇兵役法第三條第一項ノ規定ニ依ル義勇兵ノ採用ニ關シテハ陸軍大臣又ハ海軍大臣之ヲ定ム
第二章 服役
第四條 義勇召集ヲ令セラレタル者召集ノ期日ニ於テ義勇兵役法第二條第一項ニ規定スル服役期間ヲ過グルニ至ルベキトキハ義勇召集解除ノ命アル迄其ノ服役期間ヲ延長ス國民義勇戰鬪隊員義勇召集中ニ於テ服役期間ヲ過グルニ至ルベキトキ亦同ジ
第五條 前條ニ定ムルモノヲ除クノ外義勇兵役法第二條第二項ノ規定ニ依ル服役期間ノ變更ニ關シテハ主務大臣之ヲ定ム
第六條 義勇兵役法第三條第一項ノ規定ニ依リ義勇兵ニ採用セラレタル者ノ服役期間ハ採用ノ日ヨリ起算シ一年トス但シ引續キ服役ヲ志願スル者ニ對シテハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ一年ヲ一期トシ數次再服役ヲ許可スルコトヲ得
第三章 召集
第七條 義勇召集ハ本人ノ在留地所管ノ聯隊區司令官又ハ陸軍兵事部長之ヲ掌ル但シ工場、事業場、學校、官衙其ノ他ノ施設ニ屬スル者ニ付陸軍大臣、船舶ノ乘組員ニ付海軍大臣特ニ義勇召集ヲ掌ルベキ軍官憲ヲ指定シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第八條 義勇兵ニ對シテハ編入セラルベキ國民義勇戰鬪隊名、國民義勇戰鬪隊ノ職員ニ充テラルベキ者ニ在リテハ其ノ職名其ノ他必要ナル事項ヲ豫メ通知ス
第九條 義勇召集ニ關スル事務ニ付テハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ地方長官及市町村長竝ニ第七條但書ニ規定スル施設ノ長其ノ他必要ト認ムル者ニ對シ之ガ補助ヲ命ジ又ハ之ヲ委囑スルコトヲ得
第十條 義勇召集ハ國民義勇戰鬪隊編成下令ヲ以テ之ヲ實施シ義勇召集ノ解除ハ國民義勇戰鬪隊編成解除ヲ以テ之ヲ實施ス但シ必要アルトキハ之ニ依ラザルコトヲ得
第十一條 義勇召集ハ主務大臣ノ定ムル方法ヲ以テ之ヲ本人ニ通達ス
第十二條 義勇兵疾病其ノ他身體若ハ精神ノ異常ニ因リ義勇召集ニ堪ヘザルトキ又ハ避クベカラザル事故ニ因リ義勇召集ニ應ジ難キトキハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ義勇召集ヲ免除又ハ猶豫ス
第十三條 地方長官又ハ市村町長ハ義勇召集ノ準備又ハ實施ニ關シ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ必要ナル協力ヲ爲シ且聯隊區司令官、陸軍兵事部長又ハ第七條但書ニ規定スル軍官憲ヨリ臨時要求ヲ受ケタルトキハ之ニ應ジ又ハ自ラ義勇召集ヲ容易ナラシムルノ措置ヲ爲スベシ
第十四條 主務大臣ハ朝鮮、臺灣、關東州、南洋群島、滿洲國、支那、香港、澳門、印度支那「タイ」、「ビルマ」、「フィリピン」、「マライ」、「スマトラ」、「ジャワ」、「ボルネオ」又ハ主務大臣ノ指定スル占領地ニ在留スル義勇兵ニ付行フベキ義勇召集ニ關シ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第十五條 兵役法施行令第百三十三條竝ニ第百四十三條第一項及第二項ノ規定ハ義勇召集事務ニ付之ヲ準用ス
第十六條 本令ニ定ムルモノヲ除クノ外義勇召集ニ關シ必要ナル事項ハ主務大臣之ヲ定ム
第四章 雜則
第十七條 本令中主務大臣トアルハ義勇召集ヲ令セラルル場合ニ於テ本人ノ屬スル國民義勇戰鬪隊ノ所屬區分ニ從ヒ陸軍大臣又ハ海軍大臣トス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕義勇兵役法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年六月二十二日
内閣総理大臣 男爵 鈴木貫太郎
海軍大臣 米内光政
陸軍大臣 阿南惟幾
内務大臣 安倍源基
勅令第三百八十五号
義勇兵役法施行令
第一章 総則
第一条 義勇兵役法第二条第一項ノ規定ニ依リ義勇兵役ニ服スル男子ヨリ除外スル者ヲ定ムルコト左ノ如シ
一 現役ニ在ル者(待命、休職又ハ停職中ノ武官、帰休中ノ海軍下士官並ニ未入営兵及帰休兵ヲ除ク)
二 補充兵役、予備役又ハ国民兵役ニ在リテ召集中ノ者又ハ志願ニ依リ部隊ニ編入セラレ召集中ノ者ト同一ノ身分取扱ヲ受ケ居ル者
三 陸海軍ノ学生生徒トシテ兵籍ニ編入中ノ者(陸海軍ノ依託学生生徒、陸軍予備生徒及海軍予備員候補者ニ在リテハ陸海軍部内ニ於テ教育中ノ者ニ限ル)
第二条 義勇兵役法第四条但書ノ規定ニ依リ義勇兵役ニ服スルノ資格ヲ取得スル者ハ六年以上ノ懲役又ハ禁錮ノ刑ニ処セラレ刑ノ執行ヲ終リ又ハ其ノ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル者ニ就キ陸軍大臣又ハ海軍大臣ノ定ムル所ニ依リ銓衡ヲ経テ之ヲ指定ス
第三条 義勇兵役法第三条第一項ノ規定ニ依ル義勇兵ノ採用ニ関シテハ陸軍大臣又ハ海軍大臣之ヲ定ム
第二章 服役
第四条 義勇召集ヲ令セラレタル者召集ノ期日ニ於テ義勇兵役法第二条第一項ニ規定スル服役期間ヲ過グルニ至ルベキトキハ義勇召集解除ノ命アル迄其ノ服役期間ヲ延長ス国民義勇戦闘隊員義勇召集中ニ於テ服役期間ヲ過グルニ至ルベキトキ亦同ジ
第五条 前条ニ定ムルモノヲ除クノ外義勇兵役法第二条第二項ノ規定ニ依ル服役期間ノ変更ニ関シテハ主務大臣之ヲ定ム
第六条 義勇兵役法第三条第一項ノ規定ニ依リ義勇兵ニ採用セラレタル者ノ服役期間ハ採用ノ日ヨリ起算シ一年トス但シ引続キ服役ヲ志願スル者ニ対シテハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ一年ヲ一期トシ数次再服役ヲ許可スルコトヲ得
第三章 召集
第七条 義勇召集ハ本人ノ在留地所管ノ連隊区司令官又ハ陸軍兵事部長之ヲ掌ル但シ工場、事業場、学校、官衙其ノ他ノ施設ニ属スル者ニ付陸軍大臣、船舶ノ乗組員ニ付海軍大臣特ニ義勇召集ヲ掌ルベキ軍官憲ヲ指定シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第八条 義勇兵ニ対シテハ編入セラルベキ国民義勇戦闘隊名、国民義勇戦闘隊ノ職員ニ充テラルベキ者ニ在リテハ其ノ職名其ノ他必要ナル事項ヲ予メ通知ス
第九条 義勇召集ニ関スル事務ニ付テハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ地方長官及市町村長並ニ第七条但書ニ規定スル施設ノ長其ノ他必要ト認ムル者ニ対シ之ガ補助ヲ命ジ又ハ之ヲ委嘱スルコトヲ得
第十条 義勇召集ハ国民義勇戦闘隊編成下令ヲ以テ之ヲ実施シ義勇召集ノ解除ハ国民義勇戦闘隊編成解除ヲ以テ之ヲ実施ス但シ必要アルトキハ之ニ依ラザルコトヲ得
第十一条 義勇召集ハ主務大臣ノ定ムル方法ヲ以テ之ヲ本人ニ通達ス
第十二条 義勇兵疾病其ノ他身体若ハ精神ノ異常ニ因リ義勇召集ニ堪ヘザルトキ又ハ避クベカラザル事故ニ因リ義勇召集ニ応ジ難キトキハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ義勇召集ヲ免除又ハ猶予ス
第十三条 地方長官又ハ市村町長ハ義勇召集ノ準備又ハ実施ニ関シ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ必要ナル協力ヲ為シ且連隊区司令官、陸軍兵事部長又ハ第七条但書ニ規定スル軍官憲ヨリ臨時要求ヲ受ケタルトキハ之ニ応ジ又ハ自ラ義勇召集ヲ容易ナラシムルノ措置ヲ為スベシ
第十四条 主務大臣ハ朝鮮、台湾、関東州、南洋群島、満洲国、支那、香港、澳門、印度支那「タイ」、「ビルマ」、「フィリピン」、「マライ」、「スマトラ」、「ジャワ」、「ボルネオ」又ハ主務大臣ノ指定スル占領地ニ在留スル義勇兵ニ付行フベキ義勇召集ニ関シ特別ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第十五条 兵役法施行令第百三十三条並ニ第百四十三条第一項及第二項ノ規定ハ義勇召集事務ニ付之ヲ準用ス
第十六条 本令ニ定ムルモノヲ除クノ外義勇召集ニ関シ必要ナル事項ハ主務大臣之ヲ定ム
第四章 雑則
第十七条 本令中主務大臣トアルハ義勇召集ヲ令セラルル場合ニ於テ本人ノ属スル国民義勇戦闘隊ノ所属区分ニ従ヒ陸軍大臣又ハ海軍大臣トス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス