海軍法務科武官任用及服役臨時特例
法令番号: 勅令第二百七十三號
公布年月日: 昭和20年5月11日
法令の形式: 勅令
朕海軍法務科武官任用及服役臨時特例ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年五月十日
內閣總理大臣 男爵 鈴木貫太郞
海軍大臣 米內光政
勅令第二百七十三號
海軍法務科武官任用及服役臨時特例
第一條 海軍監獄長、海軍錄事、海軍監獄看守長、海軍警査又ハ海軍監獄看守タリシ者ハ當分ノ內海軍武官任用令ニ拘ラズ海軍監獄長タリシ者ニ在リテハ前官等ト槪ネ同官等ノ海軍ノ法務科ノ特務士官(前官等高等官五等以上ナルトキハ士官又ハ特務士官)ニ、海軍錄事又ハ海軍監獄看守長タリシ者ニ在リテハ海軍ノ法務科ノ特務士官、準士官又ハ下士官ニ、海軍警査又ハ海軍監獄看守タリシ者ニ在リテハ海軍ノ法務科ノ準士官又ハ下士官ニ特ニ之ヲ任用スルコトヲ得但シ士官又ハ特務士官ノ任用ニ付テハ海軍武官任用委員ノ銓衡ヲ、準士官又ハ下士官ノ任用ニ付テハ海軍大臣ノ定ムル銓衡ヲ經ルコトヲ要ス
海軍武官任用令第四條第二號ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル任用ニ付テハ之ヲ適用セズ
第二條 海軍武官任用令第二十二條ノ三ノ規定ハ前條ノ規定ニ依ル準士官ノ任用ニ之ヲ準用ス
第三條 第一條ノ規定ニ依リ任用セラレタル士官、特務士官及准士官ハ之ヲ海軍武官服役令第八條第一項ノ規定ニ依ル現役ニ、下士官ハ之ヲ同令第十八條第一項本文ノ規定ニ依ル現役ニ服セシム
第四條 第一條ノ規定ニ依リ任用セラレタル士官、特務士官、准士官又ハ下士官其ノ任用前豫備役ニ服スル旨ヲ志願シタルトキハ前條ノ規定ニ拘ラズ之ヲ豫備役ニ服セシム
第五條 前條ノ規定ニ依リ豫備役ニ服セシメラレタル士官、特務士官及准士官ノ豫備役定限年齡ハ海軍武官服役令第八條ニ規定スル現役定限年齡ニ五年ヲ加ヘタル年齡トス
前條ノ規定ニ依リ豫備役ニ服セシメラレタル下士官ノ豫備役期間ハ年齡四十五年ニ滿ツル年ノ三月三十一日迄トス
第一項ニ揭グル者任用ノ際同項ノ規定ニ依ル豫備役定限年齡ヲ超エ居ル場合又ハ前項ニ揭グル者任用ノ際同項ニ規定スル豫備役期間ノ終期ヲ過ギ居ル場合ニ於テハ其ノ豫備役期間ハ前二項ノ規定ニ拘ラズ任用ノ月ノ一日ヨリ起算シ三年トス
第六條 第一條ノ規定ニ依リ任用セラレタル士官、特務士官、准士官又ハ下士官ニ付テハ海軍大臣ノ定ムル所ニ依リ士官又ハ特務士官ニ在リテハ當該士官又ハ特務士官ノ官等以上ノ海軍監獄長、海軍錄事又ハ海軍監獄看守長トシテノ在職期間ヲ、准士官又ハ下士官ニ在リテハ當該准士官又ハ下士官ノ俸給額(級俸ノ定アルモノニ在リテハ其ノ最モ低キ級俸ノ額)以上ノ額ノ俸給ヲ受ケタル海軍錄事、海軍監獄看守長、海軍警査又ハ海軍監獄看守トシテノ在職期間ヲ各海軍武官進級令ニ依リ當該士官、特務士官、准士官又ハ下士官ノ進級ニ必要ナル實役停年ニ通算スルコトヲ得
第七條 第一條ノ規定ニ依リ任用セラレタル士官及特務士官ノ席次ニ關シテハ海軍大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和二十年五月十五日ヨリ之ヲ施行ス
朕海軍法務科武官任用及服役臨時特例ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年五月十日
内閣総理大臣 男爵 鈴木貫太郎
海軍大臣 米内光政
勅令第二百七十三号
海軍法務科武官任用及服役臨時特例
第一条 海軍監獄長、海軍録事、海軍監獄看守長、海軍警査又ハ海軍監獄看守タリシ者ハ当分ノ内海軍武官任用令ニ拘ラズ海軍監獄長タリシ者ニ在リテハ前官等ト概ネ同官等ノ海軍ノ法務科ノ特務士官(前官等高等官五等以上ナルトキハ士官又ハ特務士官)ニ、海軍録事又ハ海軍監獄看守長タリシ者ニ在リテハ海軍ノ法務科ノ特務士官、準士官又ハ下士官ニ、海軍警査又ハ海軍監獄看守タリシ者ニ在リテハ海軍ノ法務科ノ準士官又ハ下士官ニ特ニ之ヲ任用スルコトヲ得但シ士官又ハ特務士官ノ任用ニ付テハ海軍武官任用委員ノ銓衡ヲ、準士官又ハ下士官ノ任用ニ付テハ海軍大臣ノ定ムル銓衡ヲ経ルコトヲ要ス
海軍武官任用令第四条第二号ノ規定ハ前項ノ規定ニ依ル任用ニ付テハ之ヲ適用セズ
第二条 海軍武官任用令第二十二条ノ三ノ規定ハ前条ノ規定ニ依ル準士官ノ任用ニ之ヲ準用ス
第三条 第一条ノ規定ニ依リ任用セラレタル士官、特務士官及准士官ハ之ヲ海軍武官服役令第八条第一項ノ規定ニ依ル現役ニ、下士官ハ之ヲ同令第十八条第一項本文ノ規定ニ依ル現役ニ服セシム
第四条 第一条ノ規定ニ依リ任用セラレタル士官、特務士官、准士官又ハ下士官其ノ任用前予備役ニ服スル旨ヲ志願シタルトキハ前条ノ規定ニ拘ラズ之ヲ予備役ニ服セシム
第五条 前条ノ規定ニ依リ予備役ニ服セシメラレタル士官、特務士官及准士官ノ予備役定限年齢ハ海軍武官服役令第八条ニ規定スル現役定限年齢ニ五年ヲ加ヘタル年齢トス
前条ノ規定ニ依リ予備役ニ服セシメラレタル下士官ノ予備役期間ハ年齢四十五年ニ満ツル年ノ三月三十一日迄トス
第一項ニ掲グル者任用ノ際同項ノ規定ニ依ル予備役定限年齢ヲ超エ居ル場合又ハ前項ニ掲グル者任用ノ際同項ニ規定スル予備役期間ノ終期ヲ過ギ居ル場合ニ於テハ其ノ予備役期間ハ前二項ノ規定ニ拘ラズ任用ノ月ノ一日ヨリ起算シ三年トス
第六条 第一条ノ規定ニ依リ任用セラレタル士官、特務士官、准士官又ハ下士官ニ付テハ海軍大臣ノ定ムル所ニ依リ士官又ハ特務士官ニ在リテハ当該士官又ハ特務士官ノ官等以上ノ海軍監獄長、海軍録事又ハ海軍監獄看守長トシテノ在職期間ヲ、准士官又ハ下士官ニ在リテハ当該准士官又ハ下士官ノ俸給額(級俸ノ定アルモノニ在リテハ其ノ最モ低キ級俸ノ額)以上ノ額ノ俸給ヲ受ケタル海軍録事、海軍監獄看守長、海軍警査又ハ海軍監獄看守トシテノ在職期間ヲ各海軍武官進級令ニ依リ当該士官、特務士官、准士官又ハ下士官ノ進級ニ必要ナル実役停年ニ通算スルコトヲ得
第七条 第一条ノ規定ニ依リ任用セラレタル士官及特務士官ノ席次ニ関シテハ海軍大臣之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和二十年五月十五日ヨリ之ヲ施行ス