(国民義勇戦闘隊員ニ関スル陸軍刑法、海軍刑法、陸軍軍法会議法及海軍軍法会議法ノ適用ニ関スル法律)
法令番号: 法律第四十號
公布年月日: 昭和20年6月23日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル國民義勇戰鬪隊員ニ關スル陸軍刑法、海軍刑法、陸軍軍法會議法及海軍軍法會議法ノ適用ニ關スル法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年六月二十二日
內閣總理大臣 男爵 鈴木貫太郞
海軍大臣 米內光政
陸軍大臣 阿南惟幾
法律第四十號
第一條 國民義勇戰鬪隊員ハ其ノ屬スル國民義勇戰鬪隊ノ所屬區分ニ從ヒ陸軍刑法第八條第二號又ハ海軍刑法第八條第二號ニ揭グル者ト看做ス
第二條 前條ニ規定スル者ニ關シ陸軍刑法及陸軍軍法會議法又ハ海軍刑法及海軍軍法會議法ヲ適用スル場合ニ於ケル特例ハ第三條乃至第十條ノ定ムル所ニ依ル
第三條 陸軍刑法第十六條第二項又ハ海軍刑法第十二條第二項ノ規定ハ國民義勇戰鬪隊員ニ付テハ之ヲ適用セズ
第四條 國民義勇戰鬪隊員ニシテ陸軍刑法ノ司令官又ハ海軍刑法ノ指揮官タルハ國民義勇戰鬪隊ノ職員ニシテ國民義勇戰鬪隊ノ司令ニ任ジ又ハ之ヲ指揮スルモノニ限ル
第五條 陸軍刑法ノ罪(同法第二條ニ揭グル罪ヲ除ク)又ハ海軍刑法ノ罪(同法第二條ニ揭グル罪ヲ除ク)ヲ犯シタル國民義勇戰鬪隊員ニ對シテハ其ノ刑ヲ減輕スルコトヲ得
第六條 國民義勇戰鬪隊員ニ對シ陸軍刑法第七十五條及第七十六條又ハ海軍刑法第七十三條及第七十四條ノ規定ヲ適用スル場合ニ於テハ此等ノ規定中三日トアルハ六日トシ六日トアルハ十二日トス
第七條 國民義勇戰鬪隊員ニ對スル被吿事件ニ付テハ陸軍軍法會議法第四十四條、第四十九條ノ二、第六十三條及第七十條又ハ海軍軍法會議法第四十四條、第五十條、第六十三條及第七十條ノ規定ニ依ルノ外陸軍又ハ海軍ノ常設軍法會議(高等軍法會議及海軍ノ東京軍法會議ヲ除ク)及臨時軍法會議ノ長官ハ當該軍法會議ノ設置セラレタル部隊ノ作戰地域、管轄地域若ハ守備地域又ハ艦隊ノ警備區內ニ在ル高等文官ニシテ判事又ハ檢事タルノ資格ヲ有スルモノヲシテ法務官ニ代リ裁判官、豫審官又ハ檢察官ノ職務ヲ行ハシメ又ハ此等ノ地域內ニ在ル判任文官ヲシテ錄事ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ裁判官、豫審官若ハ檢察官又ハ錄事ノ職務ヲ行フ者ハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ニ於テ所管ノ大臣ト協議シテ之ヲ指定ス
第八條 國民義勇戰鬪隊員ニ對スル被吿事件ノ審判ニ付テハ裁判官中判士一人ヲ減ジ法務官一人ヲ增スコトヲ得
第九條 判士一人及法務官二人ヲ以テ裁判官ト爲ス場合ヲ除クノ外國民義勇戰鬪隊員ニ對スル被吿事件ニ付テハ國民義勇戰鬪隊ノ職員中中隊ニ準ズル隊以上ノ隊ノ隊長又ハ副隊長タル者ヲシテ判士ノ中一人ニ代リ裁判官ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
被吿人國民義勇戰鬪隊ノ職員タル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依リ裁判官ノ職務ヲ行フ者ハ被吿人ヨリ下位ノ職ニ在ル者タルコトヲ得ズ
第一項ノ場合ニ於テハ陸軍ノ兵科將校又ハ海軍ノ將校ヲ以テ上席判士トス
第十條 前條ニ規定スル隊長ハ其ノ部下ニ屬スル者ノ犯罪ニ付陸軍司法警察官又ハ海軍司法警察官ノ職務ヲ行フ
附 則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル国民義勇戦闘隊員ニ関スル陸軍刑法、海軍刑法、陸軍軍法会議法及海軍軍法会議法ノ適用ニ関スル法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年六月二十二日
内閣総理大臣 男爵 鈴木貫太郎
海軍大臣 米内光政
陸軍大臣 阿南惟幾
法律第四十号
第一条 国民義勇戦闘隊員ハ其ノ属スル国民義勇戦闘隊ノ所属区分ニ従ヒ陸軍刑法第八条第二号又ハ海軍刑法第八条第二号ニ掲グル者ト看做ス
第二条 前条ニ規定スル者ニ関シ陸軍刑法及陸軍軍法会議法又ハ海軍刑法及海軍軍法会議法ヲ適用スル場合ニ於ケル特例ハ第三条乃至第十条ノ定ムル所ニ依ル
第三条 陸軍刑法第十六条第二項又ハ海軍刑法第十二条第二項ノ規定ハ国民義勇戦闘隊員ニ付テハ之ヲ適用セズ
第四条 国民義勇戦闘隊員ニシテ陸軍刑法ノ司令官又ハ海軍刑法ノ指揮官タルハ国民義勇戦闘隊ノ職員ニシテ国民義勇戦闘隊ノ司令ニ任ジ又ハ之ヲ指揮スルモノニ限ル
第五条 陸軍刑法ノ罪(同法第二条ニ掲グル罪ヲ除ク)又ハ海軍刑法ノ罪(同法第二条ニ掲グル罪ヲ除ク)ヲ犯シタル国民義勇戦闘隊員ニ対シテハ其ノ刑ヲ減軽スルコトヲ得
第六条 国民義勇戦闘隊員ニ対シ陸軍刑法第七十五条及第七十六条又ハ海軍刑法第七十三条及第七十四条ノ規定ヲ適用スル場合ニ於テハ此等ノ規定中三日トアルハ六日トシ六日トアルハ十二日トス
第七条 国民義勇戦闘隊員ニ対スル被告事件ニ付テハ陸軍軍法会議法第四十四条、第四十九条ノ二、第六十三条及第七十条又ハ海軍軍法会議法第四十四条、第五十条、第六十三条及第七十条ノ規定ニ依ルノ外陸軍又ハ海軍ノ常設軍法会議(高等軍法会議及海軍ノ東京軍法会議ヲ除ク)及臨時軍法会議ノ長官ハ当該軍法会議ノ設置セラレタル部隊ノ作戦地域、管轄地域若ハ守備地域又ハ艦隊ノ警備区内ニ在ル高等文官ニシテ判事又ハ検事タルノ資格ヲ有スルモノヲシテ法務官ニ代リ裁判官、予審官又ハ検察官ノ職務ヲ行ハシメ又ハ此等ノ地域内ニ在ル判任文官ヲシテ録事ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ裁判官、予審官若ハ検察官又ハ録事ノ職務ヲ行フ者ハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ニ於テ所管ノ大臣ト協議シテ之ヲ指定ス
第八条 国民義勇戦闘隊員ニ対スル被告事件ノ審判ニ付テハ裁判官中判士一人ヲ減ジ法務官一人ヲ増スコトヲ得
第九条 判士一人及法務官二人ヲ以テ裁判官ト為ス場合ヲ除クノ外国民義勇戦闘隊員ニ対スル被告事件ニ付テハ国民義勇戦闘隊ノ職員中中隊ニ準ズル隊以上ノ隊ノ隊長又ハ副隊長タル者ヲシテ判士ノ中一人ニ代リ裁判官ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
被告人国民義勇戦闘隊ノ職員タル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依リ裁判官ノ職務ヲ行フ者ハ被告人ヨリ下位ノ職ニ在ル者タルコトヲ得ズ
第一項ノ場合ニ於テハ陸軍ノ兵科将校又ハ海軍ノ将校ヲ以テ上席判士トス
第十条 前条ニ規定スル隊長ハ其ノ部下ニ属スル者ノ犯罪ニ付陸軍司法警察官又ハ海軍司法警察官ノ職務ヲ行フ
附 則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス