戦時下において、衆議院議員の補欠選挙・再選挙および地方議会議員の選挙は、憲政・地方自治運営上重要である。しかし、短期間であっても選挙を実施することは、関係各方面に少なからぬ影響を及ぼす。戦局が危急である現状では、国民は戦力増強と国土防衛に専念すべきであり、選挙実施は慎重な考慮を要する。そこで政府は、これらの選挙を一時停止し、物心両面の官民の総力を戦争遂行に集中させることが適当と判断した。ただし、議員数が総定数の3分の2を下回った場合は、議会運営に支障をきたす恐れがあるため、補充のための選挙を実施することとする。
参照した発言:
第86回帝国議会 衆議院 本会議 第11号