(臨時資金調整法中改正法律)
法令番号: 法律第8号
公布年月日: 昭和20年2月14日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

戦力の基礎となる国民経済の秩序維持のため、国民貯蓄の増強、浮動資金の吸収、緊要産業資金の円滑な供給等に関する措置を講じる必要があることから、臨時資金調整法の改正を行うものである。主な改正点として、日本興業銀行の興業債券発行限度を50億円から100億円に拡張すること、日本勧業銀行の預り金限度の制限撤廃、福券等割増金附証券の記載事項の簡略化、元金を返還しない証券の発売実施、都道府県・市町村への国民貯蓄運営委員会の設置、割増金附証券の割増金等を有価証券で支払う場合の有価証券移転税の非課税措置などが含まれる。

参照した発言:
第86回帝国議会 衆議院 本会議 第4号

審議経過

第86回帝国議会

衆議院
本会議 - 第4号
(昭和20年1月22日)
軍需金融等特別措置法案外四件委員会 - 第2号
(昭和20年1月24日)
軍需金融等特別措置法案外四件委員会 - 第3号
(昭和20年1月25日)
軍需金融等特別措置法案外四件委員会 - 第4号
(昭和20年1月26日)
軍需金融等特別措置法案外四件委員会 - 第5号
(昭和20年1月28日)
軍需金融等特別措置法案外四件委員会 - 第6号
(昭和20年1月30日)
本会議 - 第6号
(昭和20年1月30日)
貴族院
本会議 - 第7号
(昭和20年1月31日)
外資金庫法案特別委員会 - 第3号
(昭和20年1月31日)
外資金庫法案特別委員会 - 第5号
(昭和20年2月2日)
外資金庫法案特別委員会 - 第7号
(昭和20年2月5日)
本会議 - 第9号
(昭和20年2月6日)
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル臨時資金調整法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年二月十三日
內閣總理大臣　小磯國昭
大藏大臣　石渡莊太郞
內務大臣　大達茂雄
法律第八號
臨時資金調整法中左ノ通改正ス
第六條第一項中「五十億圓」ヲ「百億圓」ニ改ム
第七條ノ三　日本勸業銀行法第三十一條ノ四但書ノ規定ハ之ヲ適用セズ
第十條ノ五第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第一項ニ規定スル債券ガ社債ナル場合ニ於テハ商法第三百六條第二項ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第十條ノ六中「前條第一項ニ規定スル證券」ノ下ニ「竝ニ第十條ノ十二第一項ニ規定スル證票」ヲ加フ
第十條ノ十二　政府ハ資金ノ吸收ヲ圖ル爲必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ命令ノ定ムル法人ヲシテ賣得金ノ中ヨリ抽籤ヲ以テ購買者ニ當籤金ヲ交付スルコトヲ得ル證票ヲ發賣セシムルコトヲ得
前項ニ規定スル證票ヲ發賣スル法人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ賣得金ヨリ前項ノ當籤金及命令ノ定ムル經費ヲ控除シタル殘額ニ相當スル金額ヲ政府ニ納付スベシ
第一項ニ規定スル證票ヲ發賣スル法人ガ法人稅法、營業稅法及臨時利得稅法ニ依リ法人稅、營業稅及臨時利得稅ヲ課セラルベキモノナルトキハ法人稅法ニ依ル所得、營業稅法ニ依ル純益及臨時利得稅法ニ依ル利益ノ計算ニ付テハ第一項ノ賣得金ハ當該法人ノ總益金ヨリ、第一項ノ當籤金竝ニ前項ノ經費及納付金ハ當該法人ノ總損金ヨリ之ヲ控除ス
第一項ノ當籤金ノ債權ハ一年間之ヲ行ハザルトキハ時效ニ因リテ消滅ス
政府ハ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ第一項ニ規定スル證票ニ關シ之ヲ發賣スル法人ヨリ報吿ヲ徵シ又ハ帳簿其ノ他ノ檢查ヲ爲スコトヲ得
第一項ニ規定スル證票ニ關シ重要ナル事項ヲ調查審議スル爲資金吸收特別方策委員會ヲ置ク
資金吸收特別方策委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十條ノ十三　國民貯蓄增强施策ノ圓滑ナル運營ヲ圖ル爲都道府縣及市町村ニ國民貯蓄運營委員會ヲ置クコトヲ得
國民貯蓄運營委員會ニ關スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四條ノ五中「及第十條ノ五第一項ニ規定スル證券ニハ」ヲ「、第十條ノ五第一項ニ規定スル證券及第十條ノ十二第一項ニ規定スル證票ニハ」ニ改ム
第十四條ノ六　左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ有價證券移轉稅ヲ課セズ
一　第十條ノ三ノ規定ニ基ク貯蓄ニ關シ國債證券其ノ他ノ有價證券ノ移轉アリタルトキ
二　第十條ノ五第一項、第十條ノ七、第十四條第二項又ハ第十四條ノ三第二項ノ割增金ノ支拂ニ關シ國債證券其ノ他ノ有價證券ノ移轉アリタルトキ
三　第十條ノ十二第一項ノ當籤金ノ支拂ニ關シ國債證券其ノ他ノ有價證券ノ移轉アリタルトキ
第十八條第五號及第十八條ノ二中「第十六條」ノ上ニ「第十條ノ十二第五項又ハ」ヲ加フ
附　則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル臨時資金調整法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和二十年二月十三日
内閣総理大臣　小磯国昭
大蔵大臣　石渡荘太郎
内務大臣　大達茂雄
法律第八号
臨時資金調整法中左ノ通改正ス
第六条第一項中「五十億円」ヲ「百億円」ニ改ム
第七条ノ三　日本勧業銀行法第三十一条ノ四但書ノ規定ハ之ヲ適用セズ
第十条ノ五第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第一項ニ規定スル債券ガ社債ナル場合ニ於テハ商法第三百六条第二項ノ規定ニ拘ラズ勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
第十条ノ六中「前条第一項ニ規定スル証券」ノ下ニ「並ニ第十条ノ十二第一項ニ規定スル証票」ヲ加フ
第十条ノ十二　政府ハ資金ノ吸収ヲ図ル為必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ命令ノ定ムル法人ヲシテ売得金ノ中ヨリ抽籤ヲ以テ購買者ニ当籤金ヲ交付スルコトヲ得ル証票ヲ発売セシムルコトヲ得
前項ニ規定スル証票ヲ発売スル法人ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ売得金ヨリ前項ノ当籤金及命令ノ定ムル経費ヲ控除シタル残額ニ相当スル金額ヲ政府ニ納付スベシ
第一項ニ規定スル証票ヲ発売スル法人ガ法人税法、営業税法及臨時利得税法ニ依リ法人税、営業税及臨時利得税ヲ課セラルベキモノナルトキハ法人税法ニ依ル所得、営業税法ニ依ル純益及臨時利得税法ニ依ル利益ノ計算ニ付テハ第一項ノ売得金ハ当該法人ノ総益金ヨリ、第一項ノ当籤金並ニ前項ノ経費及納付金ハ当該法人ノ総損金ヨリ之ヲ控除ス
第一項ノ当籤金ノ債権ハ一年間之ヲ行ハザルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
政府ハ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ第一項ニ規定スル証票ニ関シ之ヲ発売スル法人ヨリ報告ヲ徴シ又ハ帳簿其ノ他ノ検査ヲ為スコトヲ得
第一項ニ規定スル証票ニ関シ重要ナル事項ヲ調査審議スル為資金吸収特別方策委員会ヲ置ク
資金吸収特別方策委員会ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十条ノ十三　国民貯蓄増強施策ノ円滑ナル運営ヲ図ル為都道府県及市町村ニ国民貯蓄運営委員会ヲ置クコトヲ得
国民貯蓄運営委員会ニ関スル規程ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第十四条ノ五中「及第十条ノ五第一項ニ規定スル証券ニハ」ヲ「、第十条ノ五第一項ニ規定スル証券及第十条ノ十二第一項ニ規定スル証票ニハ」ニ改ム
第十四条ノ六　左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ有価証券移転税ヲ課セズ
一　第十条ノ三ノ規定ニ基ク貯蓄ニ関シ国債証券其ノ他ノ有価証券ノ移転アリタルトキ
二　第十条ノ五第一項、第十条ノ七、第十四条第二項又ハ第十四条ノ三第二項ノ割増金ノ支払ニ関シ国債証券其ノ他ノ有価証券ノ移転アリタルトキ
三　第十条ノ十二第一項ノ当籤金ノ支払ニ関シ国債証券其ノ他ノ有価証券ノ移転アリタルトキ
第十八条第五号及第十八条ノ二中「第十六条」ノ上ニ「第十条ノ十二第五項又ハ」ヲ加フ
附　則
本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム