(会計規則等戦時特例中改正ノ件)
法令番号: 勅令第三百六十五號
公布年月日: 昭和19年5月24日
法令の形式: 勅令
朕會計規則等戰時特例中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年五月二十三日
內閣總理大臣 東條英機
大藏大臣 石渡莊太郞
勅令第三百六十五號
會計規則等戰時特例中左ノ通改正ス
第三條及第四條中「陸軍大臣、海軍大臣又ハ軍需大臣」ヲ「各省大臣」ニ改メ「陸軍省、海軍省又ハ軍需省所管ノ」及「(軍需省所管ノモノニ在リテハ軍需省航空兵器總局ニ屬スルモノニ限ル)」ヲ削ル
第五條第九號中「陣中用品」ノ下ニ「及練習用品」ヲ加フ
第六條但書ヲ削リ同條第一號中「戰鬪行爲ニ因ル」ヲ削リ同條ニ左ノ一號ヲ加フ
六 前號ニ揭グルモノヲ除クノ外國防目的達成ノ爲緊要缺クベカラザル事業ノ用ニ供スル爲必要ナル物品及其ノ材料
第七條中「第四條」ヲ「第九條」ニ、「第五條第一號」ヲ「第十條第一號」ニ、「第五條第十一號」ヲ「同條第十一號」ニ改メ「運送ニ付爲シタル契約」ノ下ニ「(軍需大臣ニ在リテハ軍需省航空兵器總局ノ取扱ニ係ルモノニ限ル)」ヲ加フ
第十二條中「五萬圓(戰地ニ在リテハ十萬圓)」ヲ「十萬圓(戰地ニ在リテハ三十萬圓)」ニ改ム
第十三條中「一萬圓」ヲ「五萬圓」ニ改ム
第十四條第一項ニ左ノ一號ヲ加フ
六 豫定代價二萬圓ヲ超エザル財產ノ賣拂ヲ爲ストキ
同條第二項及第三項ヲ削ル
第二條ヲ第五條トシ第三條ヲ第八條トシ以下第九條迄順次五條宛繰下ゲ第十條ヲ第十六條トシ以下第十四條迄順次六條宛繰下ゲ第十六條ヲ第二十三條トシ第十七條ヲ第二十四條トシ第十八條ヲ第二十六條トシ以下第二十一條迄順次八條宛繰下ゲ第二十二條ヲ第三十三條トシ第二十三條ヲ第三十四條トシ第二十四條ヲ第三十六條トス
第二條 會計規則及各特別會計規則ニ規定スル徵收報吿書、徵收集計報吿書、徵收總報吿書、支出濟額報吿書、支出濟額集計報吿書及支出總報吿書ハ戰時ニ限リ每年度七月、十月及一月中竝ニ翌年度四月中ニ各前三月間ニ於ケル收入又ハ支出ヲ、翌年度五月又ハ六月中ニ年度經過後ノ整理期間ニ於ケル收入又ハ支出ヲ取纏メタルモノニ依リ之ヲ調製シ送付スルコトヲ得
第三條 日本銀行戰時ニ際シ災害(戰鬪行爲、地震又ハ此等ニ關聯アル事件ニ因ル災害其ノ他非常ノ災害ヲ謂フ以下之ニ同ジ)ニ因リ會計規則第百六十條第一項第二號ニ規定スル帳簿ヲ喪失シタル場合ニ於テ小切手ノ呈示アリタルトキハ同令第五十一條第一項ノ規定ニ依ル券面金額ガ支拂豫算各項定額ノ殘高ニ超過スルコトナキカノ調査ヲ省略スルコトヲ得
第四條 支出官戰時ニ際シ小切手ノ所持人ヨリ償還ノ請求ヲ受ケタル場合ニ於テ之ヲ調査シ償還スベキモノト認ムルトキハ會計規則第五十五條ノ規定ニ拘ラズ之ガ支拂ヲ爲スコトヲ得
前項ノ規定ハ支出官戰時ニ際シ會計規則第五十二條ノ規定ニ依リ日本銀行ノ支拂ヲ受ケザル債主又ハ出納官吏ヨリ更ニ支拂ノ請求ヲ受ケタル場合ニ之ヲ準用ス
第六條 陸軍大臣及海軍大臣以外ノ各省大臣戰時ニ際シ必要アルトキハ會計法第十七條ノ規定ニ依リ左ニ揭グル經費(軍需省所管ノモノニ在リテハ軍需省航空兵器總局ニ屬スルモノヲ除ク)ニ付主任ノ官吏ヲシテ現金支拂ヲ爲サシムル爲其ノ資金ヲ當該官吏ニ前渡スルコトヲ得
一 諸拂戾金
二 調停委員、調停補助者、勸解者、鑑定委員、翻譯人又ハ計算人ニ支給スル旅費其ノ他ノ給與
三 釋放セラルベキ者ニ給與スル歸住旅費
四 朝鮮總督府、臺灣總督府、樺太廳又ハ關東局ノ內地(樺太廳ニ關シテハ樺太ヲ除ク)ニ在ル事務所ノ經費
五 災害アリタル地方ニ於テ支拂ヲ爲ス經費但シ災害アリタル時ヨリ三月以內ニ支拂ヲ爲スモノニ限ル
會計規則第五十八條ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ資金ヲ前渡スル場合ニ之ヲ準用ス
第七條 陸軍大臣及海軍大臣以外ノ各省大臣戰時ニ際シ必要アルトキハ會計規則第五十七條第七號ニ規定スル經費(軍需省所管ノモノニ在リテハ軍需省航空兵器總局ニ屬スルモノヲ除ク)ニ付主任ノ官吏ヲシテ現金支拂ヲ爲サシムル爲同號但書ノ規定ニ拘ラズ一主任官ニ付常時一萬圓ヲ超エザル金額ノ制限內ニ於テ其ノ資金ヲ當該官吏ニ前渡スルコトヲ得
第十五條 所管大臣戰時ニ際シ必要アルトキハ會計法第二十二條ノ規定ニ依リ左ニ揭グル官署ノ事務費ニ付其ノ全部又ハ一部ヲ主務官吏ニ對シ渡切ヲ以テ支給スルコトヲ得
一 地方專賣局煙草販賣所
二 登記又ハ調停ノ事務ノミヲ取扱フ區裁判所
前項ノ渡切ト爲スベキ歲出科目及支給ノ方法ハ所管大臣大藏大臣ト協議シテ之ヲ定ム
第二十一條 各省大臣ハ戰時ニ限リ會計規則第百十二條及第百十九條ノ規定ニ依ル會計檢査院ヘノ通知ヲ省略スルコトヲ得
第二十二條 各省大臣ハ戰時ニ際シ作戰上又ハ災害ニ因リ已ムヲ得ザル場合ニ限リ戰地又ハ災害アリタル地方ニ在ル出納官吏ノ帳簿金櫃ノ定時ノ檢査ヲ會計規則第百三十六條第一項ノ規定ニ拘ラズ三月三十一日以外ノ日ニ於テ爲サシムルコトヲ得
第二十五條 會計檢査院法第十六條第一項ノ規定ニ依リ計算ノ檢査及責任解除ヲ委託セラレタル官廳ハ戰時ニ限リ委託檢査ニ付セラレタル現金ノ出納ヲ帳簿ヲ以テ證明セシメ會計規則第百四十條乃至第百四十三條及第百四十五條ノ規定ニ依ル出納計算書ノ調製ヲ省略セシムルコトヲ得但シ同法第十六條第二項ノ規定ニ依リ會計檢査院ニ於テ檢査ヲ行フ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十條 各省大臣戰時ニ際シ必要アルトキハ會計規則第五十九條但書、第六十條但書、第百九條及第百十四條第二項ノ規定ニ依ル大藏大臣トノ協議ヲ省略スルコトヲ得
各省大臣戰時ニ際シ必要アルトキハ會計規則第二十八條第一項但書及第百二十七條第二項、物品會計規則第五條ノ二第二項竝ニ大正五年勅令第二百五十六號第六條第二項ノ規定ニ依ル大藏大臣トノ協議ヲ省略シ大藏大臣ヘノ遲滯ナキ事後報吿ニ止ムルコトヲ得
各省大臣戰時ニ際シ必要アルトキハ左ニ揭グル場合ニ限リ大正十年勅令第三百七十四號第三項ノ規定ニ依ル大藏大臣トノ協議ヲ省略スルコトヲ得
一 軍ノ需要充足ノ爲ノ必要ニ基キ物件ノ賣拂ヲ爲ストキ
二 災害ニ關スル應急措置ノ爲ノ必要ニ基キ物件ノ賣拂ヲ爲ストキ
三 戰地ニ於ケル特別ノ事情ニ基キ代金ヲ本邦ニ於テ納入セシムル特約ヲ以テ物件ノ賣拂ヲ爲ストキ
第三十一條 大藏大臣戰時ニ際シ國家經濟ノ圓滑ナル運營ヲ確保スル爲必要アルトキハ所管大臣ト協議シテ第八條乃至第十一條竝ニ會計規則第五十九條及第六十條ノ規定ニ對シ制限ヲ設クルコトヲ得
大藏大臣戰時ニ際シ災害ニ基ク特別ノ事情ニ因リ必要アルトキハ會計規則其ノ他ノ收入支出ニ關スル勅令ノ規定ニ對シ特例ヲ設クルコトヲ得
第三十二條 各省大臣大東亞戰爭ニ際シ必要アルトキハ會計規則第十四條又ハ第十五條ノ規定ニ依ル支拂豫算又ハ其ノ更定計算書ノ會計檢査院ヘノ送付ヲ省略スルコトヲ得
朝鮮總督、臺灣總督、樺太廳長官、滿洲國駐箚特命全權大使又ハ南洋廳長官大東亞戰爭ニ際シ必要アルトキハ各特別會計規則ノ規定ニ依ル支拂豫算又ハ其ノ更定計算書ノ大藏大臣及會計檢査院ヘノ送付ヲ省略シ支拂豫算又ハ其ノ更定ノ日本銀行ヘノ通知ノミニ止ムルコトヲ得
第三十五條 各省大臣大東亞戰爭ニ際シ其ノ管理ニ屬スル國有ノ工業所有權又ハ物件ヲ大藏大臣ノ指定スル者ヲシテ使用セシメ又ハ大藏大臣ノ指定スル者ニ對シ賣拂ヲ爲ス場合ニ於テハ當該工業所有權ノ使用料又ハ當該物件ノ賣拂代金ハ後日之ヲ納付セシムルコトヲ得
第三十七條 陸軍造兵廠ハ大東亞戰爭中ニ限リ作業會計規則第二十九條ノ規定ニ拘ラズ其ノ作業ノ益金ヲ當該作業ヲ營ミタル年度ノ翌年度ノ一般ノ歲入ニ納付スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
改正後ノ第二條及第三十二條ノ規定ハ一般會計竝ニ特殊財產資金及臨時軍事費ノ兩特別會計以外ノ各特別會計ニ在リテハ昭和十九年度所屬ノ歲入又ハ歲出ニ關スル分ヨリ之ヲ適用ス
朕会計規則等戦時特例中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年五月二十三日
内閣総理大臣 東条英機
大蔵大臣 石渡荘太郎
勅令第三百六十五号
会計規則等戦時特例中左ノ通改正ス
第三条及第四条中「陸軍大臣、海軍大臣又ハ軍需大臣」ヲ「各省大臣」ニ改メ「陸軍省、海軍省又ハ軍需省所管ノ」及「(軍需省所管ノモノニ在リテハ軍需省航空兵器総局ニ属スルモノニ限ル)」ヲ削ル
第五条第九号中「陣中用品」ノ下ニ「及練習用品」ヲ加フ
第六条但書ヲ削リ同条第一号中「戦闘行為ニ因ル」ヲ削リ同条ニ左ノ一号ヲ加フ
六 前号ニ掲グルモノヲ除クノ外国防目的達成ノ為緊要欠クベカラザル事業ノ用ニ供スル為必要ナル物品及其ノ材料
第七条中「第四条」ヲ「第九条」ニ、「第五条第一号」ヲ「第十条第一号」ニ、「第五条第十一号」ヲ「同条第十一号」ニ改メ「運送ニ付為シタル契約」ノ下ニ「(軍需大臣ニ在リテハ軍需省航空兵器総局ノ取扱ニ係ルモノニ限ル)」ヲ加フ
第十二条中「五万円(戦地ニ在リテハ十万円)」ヲ「十万円(戦地ニ在リテハ三十万円)」ニ改ム
第十三条中「一万円」ヲ「五万円」ニ改ム
第十四条第一項ニ左ノ一号ヲ加フ
六 予定代価二万円ヲ超エザル財産ノ売払ヲ為ストキ
同条第二項及第三項ヲ削ル
第二条ヲ第五条トシ第三条ヲ第八条トシ以下第九条迄順次五条宛繰下ゲ第十条ヲ第十六条トシ以下第十四条迄順次六条宛繰下ゲ第十六条ヲ第二十三条トシ第十七条ヲ第二十四条トシ第十八条ヲ第二十六条トシ以下第二十一条迄順次八条宛繰下ゲ第二十二条ヲ第三十三条トシ第二十三条ヲ第三十四条トシ第二十四条ヲ第三十六条トス
第二条 会計規則及各特別会計規則ニ規定スル徴収報告書、徴収集計報告書、徴収総報告書、支出済額報告書、支出済額集計報告書及支出総報告書ハ戦時ニ限リ毎年度七月、十月及一月中並ニ翌年度四月中ニ各前三月間ニ於ケル収入又ハ支出ヲ、翌年度五月又ハ六月中ニ年度経過後ノ整理期間ニ於ケル収入又ハ支出ヲ取纏メタルモノニ依リ之ヲ調製シ送付スルコトヲ得
第三条 日本銀行戦時ニ際シ災害(戦闘行為、地震又ハ此等ニ関連アル事件ニ因ル災害其ノ他非常ノ災害ヲ謂フ以下之ニ同ジ)ニ因リ会計規則第百六十条第一項第二号ニ規定スル帳簿ヲ喪失シタル場合ニ於テ小切手ノ呈示アリタルトキハ同令第五十一条第一項ノ規定ニ依ル券面金額ガ支払予算各項定額ノ残高ニ超過スルコトナキカノ調査ヲ省略スルコトヲ得
第四条 支出官戦時ニ際シ小切手ノ所持人ヨリ償還ノ請求ヲ受ケタル場合ニ於テ之ヲ調査シ償還スベキモノト認ムルトキハ会計規則第五十五条ノ規定ニ拘ラズ之ガ支払ヲ為スコトヲ得
前項ノ規定ハ支出官戦時ニ際シ会計規則第五十二条ノ規定ニ依リ日本銀行ノ支払ヲ受ケザル債主又ハ出納官吏ヨリ更ニ支払ノ請求ヲ受ケタル場合ニ之ヲ準用ス
第六条 陸軍大臣及海軍大臣以外ノ各省大臣戦時ニ際シ必要アルトキハ会計法第十七条ノ規定ニ依リ左ニ掲グル経費(軍需省所管ノモノニ在リテハ軍需省航空兵器総局ニ属スルモノヲ除ク)ニ付主任ノ官吏ヲシテ現金支払ヲ為サシムル為其ノ資金ヲ当該官吏ニ前渡スルコトヲ得
一 諸払戻金
二 調停委員、調停補助者、勧解者、鑑定委員、翻訳人又ハ計算人ニ支給スル旅費其ノ他ノ給与
三 釈放セラルベキ者ニ給与スル帰住旅費
四 朝鮮総督府、台湾総督府、樺太庁又ハ関東局ノ内地(樺太庁ニ関シテハ樺太ヲ除ク)ニ在ル事務所ノ経費
五 災害アリタル地方ニ於テ支払ヲ為ス経費但シ災害アリタル時ヨリ三月以内ニ支払ヲ為スモノニ限ル
会計規則第五十八条ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ資金ヲ前渡スル場合ニ之ヲ準用ス
第七条 陸軍大臣及海軍大臣以外ノ各省大臣戦時ニ際シ必要アルトキハ会計規則第五十七条第七号ニ規定スル経費(軍需省所管ノモノニ在リテハ軍需省航空兵器総局ニ属スルモノヲ除ク)ニ付主任ノ官吏ヲシテ現金支払ヲ為サシムル為同号但書ノ規定ニ拘ラズ一主任官ニ付常時一万円ヲ超エザル金額ノ制限内ニ於テ其ノ資金ヲ当該官吏ニ前渡スルコトヲ得
第十五条 所管大臣戦時ニ際シ必要アルトキハ会計法第二十二条ノ規定ニ依リ左ニ掲グル官署ノ事務費ニ付其ノ全部又ハ一部ヲ主務官吏ニ対シ渡切ヲ以テ支給スルコトヲ得
一 地方専売局煙草販売所
二 登記又ハ調停ノ事務ノミヲ取扱フ区裁判所
前項ノ渡切ト為スベキ歳出科目及支給ノ方法ハ所管大臣大蔵大臣ト協議シテ之ヲ定ム
第二十一条 各省大臣ハ戦時ニ限リ会計規則第百十二条及第百十九条ノ規定ニ依ル会計検査院ヘノ通知ヲ省略スルコトヲ得
第二十二条 各省大臣ハ戦時ニ際シ作戦上又ハ災害ニ因リ已ムヲ得ザル場合ニ限リ戦地又ハ災害アリタル地方ニ在ル出納官吏ノ帳簿金櫃ノ定時ノ検査ヲ会計規則第百三十六条第一項ノ規定ニ拘ラズ三月三十一日以外ノ日ニ於テ為サシムルコトヲ得
第二十五条 会計検査院法第十六条第一項ノ規定ニ依リ計算ノ検査及責任解除ヲ委託セラレタル官庁ハ戦時ニ限リ委託検査ニ付セラレタル現金ノ出納ヲ帳簿ヲ以テ証明セシメ会計規則第百四十条乃至第百四十三条及第百四十五条ノ規定ニ依ル出納計算書ノ調製ヲ省略セシムルコトヲ得但シ同法第十六条第二項ノ規定ニ依リ会計検査院ニ於テ検査ヲ行フ場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十条 各省大臣戦時ニ際シ必要アルトキハ会計規則第五十九条但書、第六十条但書、第百九条及第百十四条第二項ノ規定ニ依ル大蔵大臣トノ協議ヲ省略スルコトヲ得
各省大臣戦時ニ際シ必要アルトキハ会計規則第二十八条第一項但書及第百二十七条第二項、物品会計規則第五条ノ二第二項並ニ大正五年勅令第二百五十六号第六条第二項ノ規定ニ依ル大蔵大臣トノ協議ヲ省略シ大蔵大臣ヘノ遅滞ナキ事後報告ニ止ムルコトヲ得
各省大臣戦時ニ際シ必要アルトキハ左ニ掲グル場合ニ限リ大正十年勅令第三百七十四号第三項ノ規定ニ依ル大蔵大臣トノ協議ヲ省略スルコトヲ得
一 軍ノ需要充足ノ為ノ必要ニ基キ物件ノ売払ヲ為ストキ
二 災害ニ関スル応急措置ノ為ノ必要ニ基キ物件ノ売払ヲ為ストキ
三 戦地ニ於ケル特別ノ事情ニ基キ代金ヲ本邦ニ於テ納入セシムル特約ヲ以テ物件ノ売払ヲ為ストキ
第三十一条 大蔵大臣戦時ニ際シ国家経済ノ円滑ナル運営ヲ確保スル為必要アルトキハ所管大臣ト協議シテ第八条乃至第十一条並ニ会計規則第五十九条及第六十条ノ規定ニ対シ制限ヲ設クルコトヲ得
大蔵大臣戦時ニ際シ災害ニ基ク特別ノ事情ニ因リ必要アルトキハ会計規則其ノ他ノ収入支出ニ関スル勅令ノ規定ニ対シ特例ヲ設クルコトヲ得
第三十二条 各省大臣大東亜戦争ニ際シ必要アルトキハ会計規則第十四条又ハ第十五条ノ規定ニ依ル支払予算又ハ其ノ更定計算書ノ会計検査院ヘノ送付ヲ省略スルコトヲ得
朝鮮総督、台湾総督、樺太庁長官、満洲国駐箚特命全権大使又ハ南洋庁長官大東亜戦争ニ際シ必要アルトキハ各特別会計規則ノ規定ニ依ル支払予算又ハ其ノ更定計算書ノ大蔵大臣及会計検査院ヘノ送付ヲ省略シ支払予算又ハ其ノ更定ノ日本銀行ヘノ通知ノミニ止ムルコトヲ得
第三十五条 各省大臣大東亜戦争ニ際シ其ノ管理ニ属スル国有ノ工業所有権又ハ物件ヲ大蔵大臣ノ指定スル者ヲシテ使用セシメ又ハ大蔵大臣ノ指定スル者ニ対シ売払ヲ為ス場合ニ於テハ当該工業所有権ノ使用料又ハ当該物件ノ売払代金ハ後日之ヲ納付セシムルコトヲ得
第三十七条 陸軍造兵廠ハ大東亜戦争中ニ限リ作業会計規則第二十九条ノ規定ニ拘ラズ其ノ作業ノ益金ヲ当該作業ヲ営ミタル年度ノ翌年度ノ一般ノ歳入ニ納付スルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
改正後ノ第二条及第三十二条ノ規定ハ一般会計並ニ特殊財産資金及臨時軍事費ノ両特別会計以外ノ各特別会計ニ在リテハ昭和十九年度所属ノ歳入又ハ歳出ニ関スル分ヨリ之ヲ適用ス