第一條 當分ノ內陸軍ノ兵科(憲兵及航空機操縱關係ヲ除ク以下同ジ)及經理部ノ豫備役將校ハ特別甲種幹部候補生ニシテ少尉ニ任ゼラルルノ資格ヲ具フルモノヲ以テ之ヲ補充スルコトヲ得
第二條 特別甲種幹部候補生ハ左ニ揭グル資格ヲ具ヘ特別甲種幹部候補生ヲ志願スル者ノ中ヨリ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ銓衡ノ上之ヲ採用ス
一 兵科特別甲種幹部候補生ニ在リテハ大學令ニ依ル大學學部若ハ豫科、高等學校高等科、專門學校、高等師範學校、師範學校本科、靑年師範學校又ハ陸軍大臣ニ於テ之ト同等以上ト認ムル學校ニ在學シタル者、經理部特別甲種幹部候補生ニ在リテハ陸軍補充令第五十四條一項第二號ニ規定スル學校ヲ卒業シタル者ノ外法律、經濟、商業若ハ農業ニ關スル學科ヲ敎授スル專門學校(硏究科、選科等ノ別科ヲ除ク)又ハ陸軍大臣ニ於テ之ト同等以上ト認ムル學校ニ在學シタル者
二 配屬將校(陸軍現役將校學校配屬令又ハ大正十四年勅令第二百四十六號ニ依リ配屬シタル將校ヲ謂フ)ノ行フ敎練ノ檢定ニ合格シタル者
禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル者又ハ破產ノ宣吿ヲ受ケ復權ヲ得ザル者ハ特別甲種幹部候補生タルコトヲ得ズ
特別甲種幹部候補生ノ每年ノ採用員數ハ陸軍大臣其ノ都度之ヲ定ム
第三條 特別甲種幹部候補生ノ修業期間ハ其ノ入隊期日ヨリ起算シ一年六月ニ滿ツル日迄トス
第四條 特別甲種幹部候補生ハ採用ト同時ニ生徒トシテ兵籍ニ編入シ陸軍豫備士官學校若ハ陸軍經理學校又ハ陸軍大臣ノ定ムル其ノ他ノ部隊ニ入校又ハ入隊セシメ槪ネ一年間兵科又ハ經理部ノ將校タルニ必要ナル敎育ヲ受ケシム
特別甲種幹部候補生ハ入校又ハ入隊後直ニ伍長ノ階級ヲ與ヘ槪ネ六月ノ後軍曹ノ階級ニ進ム
第五條 特別甲種幹部候補生前條第一項ノ規定ニ依ル敎育ノ課程ヲ終了シタルトキハ陸軍大臣ノ定ムル部隊ニ配當シ槪ネ六月間其ノ本務ニ必要ナル勤務ヲ習得セシム
特別甲種幹部候補生ハ前項ノ規定ニ依ル部隊配當後槪ネ二月ニシテ曹長ノ階級ニ進メ見習士官ヲ命ズ
第六條 陸軍補充令第六十二條ノ二ノ規定ハ特別甲種幹部候補生ニ之ヲ準用ス
第七條 特別甲種幹部候補生ハ情願ヲ以テ之ヲ免ズルコトナシ但シ本人ニ依ルニ非ザレバ一家ノ生計ヲ營ミ難キ事故ヲ生ジタルトキハ本人ノ願ニ依リ之ヲ免ズルコトヲ得
第八條 特別甲種幹部候補生ニシテ左ノ各號ノ一ニ該當スルモノハ特別甲種幹部候補生ヲ免ズ
二 軍紀ヲ紊リ若ハ屢法則ヲ犯シ又ハ品行不正ニシテ改悛ノ見込ナキ者
五 疾病其ノ他身體又ハ精神ノ異常ニ因リ修業ノ見込ナキ者
六 前各號ニ揭グル者ノ外將校タルニ適セズト認メタル者
第九條 前條第三號、第四號又ハ第六號ノ一ニ該當スル者ニシテ乙種幹部候補生ト爲スヲ適當トスルモノアルトキハ之ヲ其ノ所屬ニ從ヒ兵科又ハ經理部ノ乙種幹部候補生ト爲シ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ニ軍曹又ハ伍長ノ階級ヲ與フルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ乙種幹部候補生ト爲リタル者ノ修業期間ハ特別甲種幹部候補生タリシ期間ヲ通算シ二年ニ滿ツル日迄トシ陸軍補充令第六十二條ノ三ノ規定ノ適用ニ付テハ特別甲種幹部候補生ニ採用セラレタル日ヲ以テ幹部候補生ニ採用セラレタル日ト看做ス
第十條 第三條乃至第五條及前條第二項ニ規定スル期間ハ必要アル場合ニ於テハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ變更スルコトヲ得
第十一條 特別甲種幹部候補生ヨリ豫備役將校ト爲リタル者ノ爾後ノ服役ハ幹部候補生ヨリ豫備役將校ト爲リタル者ノ服役ニ同ジ