第一條 當分ノ內陸軍ノ航空關係ノ豫備役兵科將校ハ航空機操縱ニ從事スル兵科將校ヲ志願スル見習士官(以下特別操縱見習士官ト稱ス)ニシテ少尉ニ任ゼラルルノ資格ヲ具フルモノヲ以テ之ヲ補充スルコトヲ得
第二條 特別操縱見習士官ハ大學令ニ依ル大學學部若ハ豫科、高等學校高等科、專門學校、高等師範學校、師範學校又ハ陸軍大臣ニ於テ之ト同等以上ト認ムル學校ヲ卒業シタル者ニシテ特別操縱見習士官タルコトヲ志願スルモノヨリ陸軍大臣ニ於テ銓衡ノ上之ヲ採用ス
禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル者又ハ破產ノ宣吿ヲ受ケ復權ヲ得ザル者ハ特別操縱見習士官タルコトヲ得ズ
特別操縱見習士官ノ每年ノ採用員數ハ陸軍大臣其ノ都度之ヲ定ム
第三條 特別操縱見習士官ノ修業期間ハ其ノ入營期日ヨリ起算シ一年六月ニ滿ツル日迄トス但シ昭和十年勅令第二百六十七號ニ依リ派遣シタル將校ノ行フ飛行機操縱ノ檢定ニ合格シタル者又ハ飛行機操縱士免狀若ハ滑空機乘員ノ航空免狀ヲ有スル者ニ在リテハ入營期日ヨリ起算シ一年ニ滿ツル日迄トス
前項ノ飛行機操縱ノ檢定ニ關スル事項ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第四條 特別操縱見習士官ハ生徒トシテ兵籍ニ編入シ之ニ曹長ノ階級ヲ與フ
第五條 特別操縱見習士官ハ水戶陸軍飛行學校又ハ陸軍大臣ノ定ムル部隊ニ於テ航空關係ノ兵科將校タルニ必要ナル敎育ヲ受ケシム
第六條 陸軍補充令第六十二條ノ十一ノ規定ハ特別操縱見習士官ニ之ヲ準用ス
第七條 特別操縱見習士官ハ情願ヲ以テ之ヲ免ズルコトナシ但シ本人ニ依ルニ非ザレバ一家ノ生計ヲ營ミ難キ事故ヲ生ジタルトキハ本人ノ願ニ依リ之ヲ免ズルコトヲ得
第八條 特別操縱見習士官ニシテ左ノ各號ノ一ニ該當スルモノハ特別操縱見習士官ヲ免ズ
一 軍紀ヲ紊リ若ハ屢法則ヲ犯シ又ハ品行不正ニシテ改悛ノ見込ナキ者
三 前號ニ揭グル者ノ外成績不良ニシテ修業ノ見込ナキ者
五 疾病其ノ他身體又ハ精神ノ異常ニ因リ修業ノ見込ナキ者
六 前各號ニ揭グル者ノ外將校タルニ適セズト認メタル者
第九條 前條第二號ノ規定ニ該當スル者ニシテ航空關係(操縱ヲ除ク以下同ジ)ノ兵科甲種幹部候補生ト爲スヲ適當トスルモノアルトキハ之ヲ兵科甲種幹部候補生ト爲シ之ニ見習士官ヲ命ズルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ兵科甲種幹部候補生ト爲リタル者ノ修業期間ハ特別操縱見習士官タリシ期間ヲ通算シ一年六月ニ滿ツル日迄トス
第十條 前條ニ揭グル者ヲ除クノ外第八條第二號乃至第四號又ハ第六號ノ一ニ該當スル者ニシテ航空關係ノ兵科乙種幹部候補生ト爲スヲ適當トスルモノアルトキハ之ヲ兵科乙種幹部候補生ト爲シ之ニ伍長ノ階級ヲ與フルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ兵科乙種幹部候補生ト爲リタル者ノ修業期間ハ特別操縱見習士官タリシ期間ヲ通算シ二年ニ滿ツル日迄トス
第一項ノ規定ニ依リ兵科乙種幹部候補生ト爲リタル者ハ陸軍補充令第六十一條第一項ノ規定ニ依ル敎育ヲ終リタルモノト看做シ同令第六十二條ノ三ノ規定ノ適用ニ付テハ特別操縱見習士官ニ採用セラレタル日ヲ以テ幹部候補生ニ採用セラレタル日ト看做ス
第十一條 第三條、第九條第二項及第十條第二項ニ規定スル期間ハ必要アル場合ニ於テハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ之ヲ變更スルコトヲ得
第十二條 特別操縱見習士官ヨリ豫備役將校ト爲リタル者ノ爾後ノ服役ハ幹部候補生ヨリ豫備役將校ト爲リタル者ノ服役ニ同ジ