(臨時資金調整法施行令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第百二十二號
公布年月日: 昭和19年3月11日
法令の形式: 勅令
朕臨時資金調整法施行令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年三月十日
內閣總理大臣 東條英機
司法大臣 岩村通世
內務大臣 安藤紀三郞
大藏大臣 石渡莊太郞
勅令第百二十二號
臨時資金調整法施行令中左ノ通改正ス
第二條中「以下同ジ」ヲ削ル
第九條ノ二 大藏大臣ハ左ノ各號ノ一ニ揭グルモノノ賣却代金又ハ收用補償金ノ債務ニ付債權者又ハ其ノ利害關係人ニ對シ支拂ハレタル金錢ノ全部若ハ一部ヲ以テ國債其ノ他大藏大臣ノ指定スル者有價證券ヲ買入保有シ又ハ當該金錢ノ全部若ハ一部ヲ大藏大臣ノ指定スル預金若ハ金錢信託ト爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
一 事業
二 土地、建物、船舶又ハ樹木ノ集團
三 地上權、永小作權又ハ土地若ハ建物ノ賃借權
四 特許權、鑛業權又ハ漁業權
五 前三號ニ揭グルモノヲ除クノ外事業ニ屬スル設備又ハ權利
六 書畫又ハ骨董
七 其ノ他大藏大臣ノ指定スルモノ
前項ノ規定ハ左ノ各號ノ一ニ揭グル金錢債務ニ付之ヲ準用ス
一 退職給與金其ノ他之ニ準ズル給與金ノ債務
二 實績補償共助金ノ債務
三 會社ノ合併(會社ガ法令ニ依リ當該法令ニ基キテ設立セラルル他ノ法人ト爲リ又ハ之ニ吸收セラルル場合ヲ含ム)ニ伴フ株主、社員等ニ對スル合併交付金ノ債務
第九條ノ三 大藏大臣ハ前條ノ金錢債務ノ全部又ハ一部ニ付債權者又ハ債務者ニ對シ國債其ノ他大藏大臣ノ指定スル有價證券ヲ交付シ若ハ受領スルコト又ハ大藏大臣ノ指定スル預金若ハ金錢信託ト爲スコトニ依リ其ノ決濟ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第九條ノ四 左ノ各號ノ一ニ揭グル金錢債務ノ決濟ハ企業整備資金措置法第五條ニ規定スル特殊預金又ハ特殊金錢信託ノ方法ニシテ債權者又ハ債務者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ選擇シタルモノニ依リ之ヲ爲スコトヲ要ス但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
一 防空法第五條ノ五第二項ノ規定ニ依リ指定セラレタル地區內ニ存スル建築物(工事中ノモノヲ含ム以下同ジ)ヲ除却スル場合ニ於ケル補償金(建築物ノ除却工事費及移築費竝ニ居住者ノ立退料ニ相當スルモノヲ除ク)ノ債務但シ一件ノ金額三千圓ヲ超ユル場合ニ於テ三千圓以下ノ部分及一件ノ金額三千圓以下ノモノヲ除ク
二 防空上必要ナル空地ノ設定ニ關シ前號ノ地區內ニ存スル建築物又ハ其ノ建築物ノ存スル土地ヲ讓渡スル場合ニ於ケル讓渡代金ノ債務但シ一件ノ金額三千圓ヲ超ユル場合ニ於テ三千圓以下ノ部分及一件ノ金額三千圓以下ノモノヲ除ク
三 戰時特殊損害保險法ニ依ル保險金ノ債務但シ一件ノ金額三千圓ヲ超ユル場合ニ於テ三千圓以下ノ部分及一件ノ金額三千圓以下ノモノヲ除ク
四 會社ノ資本ノ減少ニ因ル株主又ハ社員ニ對スル支拂金ノ債務但シ分類所得稅額ニ相當スル部分ヲ除ク
五 解散シタル法人ノ殘餘財產ヲ分配スル場合ニ於ケル分配金ノ債務但シ分類所得稅額ニ相當スル部分ヲ除ク
第九條ノ五 大藏大臣ハ前條ノ金錢債務ノ當事者ガ前條ノ規定ノ適用ヲ免ルル爲ニ債務ヲ數件ニ分割シタルモノト認ムルトキハ前條ノ特殊預金又ハ特殊金錢信託ノ方法ニ依リ其ノ決濟ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第九條ノ六 政府ハ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ支拂フベキ土地、建物、船舶、樹木ノ集團、設備若ハ權利ノ買收代金又ハ補償金若ハ補助金ノ債務ニ付其ノ全部若ハ一部ノ支拂ニ代ヘ之ヲ債主ヨリノ政府特殊借入金ト爲シ又ハ債主ニ對シ當該支拂金ノ全部若ハ一部ヲ企業整備資金措置法第六條若ハ第七條ノ規定ニ準ジ債主ノ特殊預金若ハ債主ヲ信託者及受益者トスル特殊金錢信託ト爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第九條ノ七 企業整備資金措置法施行令第三條及第十四條ノ規定ハ前三條ノ規定ニ依リテ爲ス決濟ニ關シ之ヲ準用ス
附 則
本令ハ昭和十九年三月十五日ヨリ之ヲ施行ス但シ第九條ノ四第三號ノ改正規定ハ戰時特殊損害保險法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕臨時資金調整法施行令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年三月十日
内閣総理大臣 東条英機
司法大臣 岩村通世
内務大臣 安藤紀三郎
大蔵大臣 石渡荘太郎
勅令第百二十二号
臨時資金調整法施行令中左ノ通改正ス
第二条中「以下同ジ」ヲ削ル
第九条ノ二 大蔵大臣ハ左ノ各号ノ一ニ掲グルモノノ売却代金又ハ収用補償金ノ債務ニ付債権者又ハ其ノ利害関係人ニ対シ支払ハレタル金銭ノ全部若ハ一部ヲ以テ国債其ノ他大蔵大臣ノ指定スル者有価証券ヲ買入保有シ又ハ当該金銭ノ全部若ハ一部ヲ大蔵大臣ノ指定スル預金若ハ金銭信託ト為スベキコトヲ命ズルコトヲ得
一 事業
二 土地、建物、船舶又ハ樹木ノ集団
三 地上権、永小作権又ハ土地若ハ建物ノ賃借権
四 特許権、鉱業権又ハ漁業権
五 前三号ニ掲グルモノヲ除クノ外事業ニ属スル設備又ハ権利
六 書画又ハ骨董
七 其ノ他大蔵大臣ノ指定スルモノ
前項ノ規定ハ左ノ各号ノ一ニ掲グル金銭債務ニ付之ヲ準用ス
一 退職給与金其ノ他之ニ準ズル給与金ノ債務
二 実績補償共助金ノ債務
三 会社ノ合併(会社ガ法令ニ依リ当該法令ニ基キテ設立セラルル他ノ法人ト為リ又ハ之ニ吸収セラルル場合ヲ含ム)ニ伴フ株主、社員等ニ対スル合併交付金ノ債務
第九条ノ三 大蔵大臣ハ前条ノ金銭債務ノ全部又ハ一部ニ付債権者又ハ債務者ニ対シ国債其ノ他大蔵大臣ノ指定スル有価証券ヲ交付シ若ハ受領スルコト又ハ大蔵大臣ノ指定スル預金若ハ金銭信託ト為スコトニ依リ其ノ決済ヲ為スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第九条ノ四 左ノ各号ノ一ニ掲グル金銭債務ノ決済ハ企業整備資金措置法第五条ニ規定スル特殊預金又ハ特殊金銭信託ノ方法ニシテ債権者又ハ債務者ガ命令ノ定ムル所ニ依リ選択シタルモノニ依リ之ヲ為スコトヲ要ス但シ命令ヲ以テ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
一 防空法第五条ノ五第二項ノ規定ニ依リ指定セラレタル地区内ニ存スル建築物(工事中ノモノヲ含ム以下同ジ)ヲ除却スル場合ニ於ケル補償金(建築物ノ除却工事費及移築費並ニ居住者ノ立退料ニ相当スルモノヲ除ク)ノ債務但シ一件ノ金額三千円ヲ超ユル場合ニ於テ三千円以下ノ部分及一件ノ金額三千円以下ノモノヲ除ク
二 防空上必要ナル空地ノ設定ニ関シ前号ノ地区内ニ存スル建築物又ハ其ノ建築物ノ存スル土地ヲ譲渡スル場合ニ於ケル譲渡代金ノ債務但シ一件ノ金額三千円ヲ超ユル場合ニ於テ三千円以下ノ部分及一件ノ金額三千円以下ノモノヲ除ク
三 戦時特殊損害保険法ニ依ル保険金ノ債務但シ一件ノ金額三千円ヲ超ユル場合ニ於テ三千円以下ノ部分及一件ノ金額三千円以下ノモノヲ除ク
四 会社ノ資本ノ減少ニ因ル株主又ハ社員ニ対スル支払金ノ債務但シ分類所得税額ニ相当スル部分ヲ除ク
五 解散シタル法人ノ残余財産ヲ分配スル場合ニ於ケル分配金ノ債務但シ分類所得税額ニ相当スル部分ヲ除ク
第九条ノ五 大蔵大臣ハ前条ノ金銭債務ノ当事者ガ前条ノ規定ノ適用ヲ免ルル為ニ債務ヲ数件ニ分割シタルモノト認ムルトキハ前条ノ特殊預金又ハ特殊金銭信託ノ方法ニ依リ其ノ決済ヲ為スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第九条ノ六 政府ハ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ支払フベキ土地、建物、船舶、樹木ノ集団、設備若ハ権利ノ買収代金又ハ補償金若ハ補助金ノ債務ニ付其ノ全部若ハ一部ノ支払ニ代ヘ之ヲ債主ヨリノ政府特殊借入金ト為シ又ハ債主ニ対シ当該支払金ノ全部若ハ一部ヲ企業整備資金措置法第六条若ハ第七条ノ規定ニ準ジ債主ノ特殊預金若ハ債主ヲ信託者及受益者トスル特殊金銭信託ト為スベキコトヲ命ズルコトヲ得
第九条ノ七 企業整備資金措置法施行令第三条及第十四条ノ規定ハ前三条ノ規定ニ依リテ為ス決済ニ関シ之ヲ準用ス
附 則
本令ハ昭和十九年三月十五日ヨリ之ヲ施行ス但シ第九条ノ四第三号ノ改正規定ハ戦時特殊損害保険法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス