(会社経理統制令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第百十三號
公布年月日: 昭和19年3月9日
法令の形式: 勅令
朕會社經理統制令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年三月八日
內閣總理大臣兼軍需大臣 東條英機
厚生大臣 小泉親彥
海軍大臣 嶋田繁太郞
內務大臣 安藤紀三郞
大東亞大臣 靑木一男
大藏大臣 石渡莊太郞
農商大臣 內田信也
運輸通信大臣 五島慶太
勅令第百十三號
會社經理統制令中左ノ通改正ス
第四條第一項ニ左ノ一號ヲ加フ
三 其ノ他國民經濟ノ運營上必要アリト認メラルルトキ
第六條第一項中「會社收益ノ狀況其ノ他經理ノ實情ニ照シ」ヲ「國民經濟ノ運營上」ニ、「當該會社」ヲ「會社」ニ改ム
第十三條第一項中「少キ金額ヲ超ユルトキ」ノ下ニ「又ハ其ノ支給ガ閣令ノ定ムル金額ニ付閣令ノ定ムル方法ニ依ラザルトキ」ヲ加フ
第十五條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ閣令ノ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十九條第一項中「社員ノ基本給料ノ增加支給(以下昇給ト稱ス)ヲ爲サントスルトキ」ヲ「定期昇給ヲ爲サントスルトキ及臨時昇給ヲ爲サントスルトキ」ニ、同條第二項第一號中「海軍軍醫科、藥劑科、主計科、造船科、造機科及造兵科士官」ヲ「海軍將校相當官」ニ改メ同條ニ第一項トシテ左ノ一項ヲ加フ
社員ノ基本給料ノ增加支給(以下昇給ト稱ス)ヲ分チテ左ノ各號ニ揭グル昇給トス
一 定期昇給(每年一囘又ハ二囘一定ノ時期ニ於テ爲スモノ)
二 臨時昇給(定期昇給ノ時期以外ノ時期ニ於テ爲スモノ)
第二十條、第二十三條、第二十四條第二項及第二十五條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ閣令ノ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十九條 資本金二十萬圓以上ノ會社ハ每事業年度ニ於テ支出セントスル機密費、交際費、接待費其ノ他之ト同樣ノ性質ヲ有スル支出(利益金處分ニ依ルモノヲ含ム以下機密費等ト稱ス)ノ合計金額又ハ廣吿宣傳費其ノ他之ト同樣ノ性質ヲ有スル支出(利益金處分ニ依ルモノヲ含ム以下廣吿宣傳費等ト稱ス)ノ合計金額ガ當該會社ノ機密費等又ハ廣吿宣傳費等ノ基準月額ニ當該事業年度ノ月數(曆ニ從ヒ計算シ一月未滿ノ端數ヲ生ジタルトキハ之ヲ一月ニ切上グ)ヲ乘ジテ得ベキ金額ヲ超ユルトキハ主務大臣ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ機密費等又ハ廣吿宣傳費等ノ基準月額トハ會社ノ當該事業年度初ノ拂込資本金額ニ各閣令ノ定ムル割合ヲ乘ジテ得タル金額トス但シ左ノ各號ニ揭グル場合ニ於テハ各其ノ定ムル金額トス
一 特別ノ事由アル場合ニ於テ會社ガ主務大臣ノ承認ヲ受ケ機密費等又ハ廣吿宣傳費等ノ基準月額トシテ特別ノ金額ヲ定メタルトキ
二 主務大臣ガ機密費等又ハ廣吿宣傳費等ノ基準月額トシテ特別ノ金額ヲ定メタルトキ
前項但書ノ適用ヲ受クル會社其ノ拂込資本金額ヲ減少シタルトキハ國家總動員法第三十一條ノ規定ニ依リ閣令ノ定ムル所ニ從ヒ其ノ旨主務大臣ニ報吿スベシ
第二十九條ノ二 資本金二十萬圓以上ノ會社ハ每事業年度ニ於テ支出セントスル國防獻金及恤兵金以外ノ寄附金其ノ他之ト同樣ノ性質ヲ有スル支出(利益金處分ニ依ルモノヲ含ム以下寄附金等ト稱ス)ノ合計金額ガ閣令ノ定ムル限度ヲ超ユルトキハ主務大臣ノ許可ヲ受クベシ
第二十九條ノ三中「機密費等、」ノ下ニ「廣吿宣傳費等、」ヲ加フ
第三十四條中「會社ノ經理ヲ適正ナラシムル爲」ヲ「國民經濟ノ運營上」ニ改ム
第三十八條ノ三中「、事項及期間」ヲ「又ハ事項」ニ改ム
附 則
本令ハ昭和十九年三月十日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、臺灣、樺太及南洋群島ニ在リテハ昭和十九年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
會社ノ本令施行前開始シ本令施行後終了スル事業年度ニ於ケル機密費等、廣吿宣傳費等及寄附金等ニ關シテハ仍從前ノ第二十九條及第二十九條ノ二ノ規定ニ依ル
第二十九條及第二十九條ノ二ノ改正規定ハ資本增加(合併ニ因ル資本增加ヲ含ム以下同ジ)ニ因リ資本金二十萬圓以上ト爲リタル會社ニ付テハ當該資本增加後最初ニ開始スル事業年度ヨリ之ヲ適用ス
本令施行前ニ爲シタル行爲ニ關スル罰則ノ適用ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
朕会社経理統制令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十九年三月八日
内閣総理大臣兼軍需大臣 東条英機
厚生大臣 小泉親彦
海軍大臣 嶋田繁太郎
内務大臣 安藤紀三郎
大東亜大臣 青木一男
大蔵大臣 石渡荘太郎
農商大臣 内田信也
運輸通信大臣 五島慶太
勅令第百十三号
会社経理統制令中左ノ通改正ス
第四条第一項ニ左ノ一号ヲ加フ
三 其ノ他国民経済ノ運営上必要アリト認メラルルトキ
第六条第一項中「会社収益ノ状況其ノ他経理ノ実情ニ照シ」ヲ「国民経済ノ運営上」ニ、「当該会社」ヲ「会社」ニ改ム
第十三条第一項中「少キ金額ヲ超ユルトキ」ノ下ニ「又ハ其ノ支給ガ閣令ノ定ムル金額ニ付閣令ノ定ムル方法ニ依ラザルトキ」ヲ加フ
第十五条ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ閣令ノ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第十九条第一項中「社員ノ基本給料ノ増加支給(以下昇給ト称ス)ヲ為サントスルトキ」ヲ「定期昇給ヲ為サントスルトキ及臨時昇給ヲ為サントスルトキ」ニ、同条第二項第一号中「海軍軍医科、薬剤科、主計科、造船科、造機科及造兵科士官」ヲ「海軍将校相当官」ニ改メ同条ニ第一項トシテ左ノ一項ヲ加フ
社員ノ基本給料ノ増加支給(以下昇給ト称ス)ヲ分チテ左ノ各号ニ掲グル昇給トス
一 定期昇給(毎年一回又ハ二回一定ノ時期ニ於テ為スモノ)
二 臨時昇給(定期昇給ノ時期以外ノ時期ニ於テ為スモノ)
第二十条、第二十三条、第二十四条第二項及第二十五条ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ閣令ノ定ムル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第二十九条 資本金二十万円以上ノ会社ハ毎事業年度ニ於テ支出セントスル機密費、交際費、接待費其ノ他之ト同様ノ性質ヲ有スル支出(利益金処分ニ依ルモノヲ含ム以下機密費等ト称ス)ノ合計金額又ハ広告宣伝費其ノ他之ト同様ノ性質ヲ有スル支出(利益金処分ニ依ルモノヲ含ム以下広告宣伝費等ト称ス)ノ合計金額ガ当該会社ノ機密費等又ハ広告宣伝費等ノ基準月額ニ当該事業年度ノ月数(暦ニ従ヒ計算シ一月未満ノ端数ヲ生ジタルトキハ之ヲ一月ニ切上グ)ヲ乗ジテ得ベキ金額ヲ超ユルトキハ主務大臣ノ許可ヲ受クベシ
前項ノ機密費等又ハ広告宣伝費等ノ基準月額トハ会社ノ当該事業年度初ノ払込資本金額ニ各閣令ノ定ムル割合ヲ乗ジテ得タル金額トス但シ左ノ各号ニ掲グル場合ニ於テハ各其ノ定ムル金額トス
一 特別ノ事由アル場合ニ於テ会社ガ主務大臣ノ承認ヲ受ケ機密費等又ハ広告宣伝費等ノ基準月額トシテ特別ノ金額ヲ定メタルトキ
二 主務大臣ガ機密費等又ハ広告宣伝費等ノ基準月額トシテ特別ノ金額ヲ定メタルトキ
前項但書ノ適用ヲ受クル会社其ノ払込資本金額ヲ減少シタルトキハ国家総動員法第三十一条ノ規定ニ依リ閣令ノ定ムル所ニ従ヒ其ノ旨主務大臣ニ報告スベシ
第二十九条ノ二 資本金二十万円以上ノ会社ハ毎事業年度ニ於テ支出セントスル国防献金及恤兵金以外ノ寄附金其ノ他之ト同様ノ性質ヲ有スル支出(利益金処分ニ依ルモノヲ含ム以下寄附金等ト称ス)ノ合計金額ガ閣令ノ定ムル限度ヲ超ユルトキハ主務大臣ノ許可ヲ受クベシ
第二十九条ノ三中「機密費等、」ノ下ニ「広告宣伝費等、」ヲ加フ
第三十四条中「会社ノ経理ヲ適正ナラシムル為」ヲ「国民経済ノ運営上」ニ改ム
第三十八条ノ三中「、事項及期間」ヲ「又ハ事項」ニ改ム
附 則
本令ハ昭和十九年三月十日ヨリ之ヲ施行ス但シ朝鮮、台湾、樺太及南洋群島ニ在リテハ昭和十九年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
会社ノ本令施行前開始シ本令施行後終了スル事業年度ニ於ケル機密費等、広告宣伝費等及寄附金等ニ関シテハ仍従前ノ第二十九条及第二十九条ノ二ノ規定ニ依ル
第二十九条及第二十九条ノ二ノ改正規定ハ資本増加(合併ニ因ル資本増加ヲ含ム以下同ジ)ニ因リ資本金二十万円以上ト為リタル会社ニ付テハ当該資本増加後最初ニ開始スル事業年度ヨリ之ヲ適用ス
本令施行前ニ為シタル行為ニ関スル罰則ノ適用ニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル