(大東亜戦争陸軍給与令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第九百十二號
公布年月日: 昭和18年12月4日
法令の形式: 勅令
朕大東亞戰爭陸軍給與令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十二月三日
內閣總理大臣兼陸軍大臣　東條英機
勅令第九百十二號
大東亞戰爭陸軍給與令中左ノ通改正ス
第三條第四號中「第一項ニ揭グル者、」ノ下ニ「陸軍少年飛行兵學校生徒、」ヲ加フ
第十五條第一項第二號ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ月額五十五圓ニ滿ダサル者ニハ月額五十五圓迄ヲ給スルコトヲ得
第十六條第二項中「前項第一號」ヲ「第一項第一號」ニ改メ同條第一項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
前項第三號及第四號ノ軍裝手當ハ特ニ必要アルトキハ見習士官又ハ陸軍補充令所定ノ學校ヲ卒業シタル少尉候補者ニシテ戰地ニ出發スルモノ其ノ他特別ノ事由アルモノニ對シ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ同項第三號又ハ第四號ニ該當スルニ至ル前之ヲ支給スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ軍裝手當ノ支給ヲ受ケタル者第一項第三號又ハ第四號ニ該當スルニ至ル前死亡シ又ハ見習士官若ハ少尉候補者ヲ免ゼラレタル場合ニ於テハ之ヲ返納セシム但シ陸軍大臣特ニ定メタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十四條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ニ規定スル者ヲ除クノ外航空機ニ搭乘シテ航空勤務又ハ航空演習ニ從事スル軍人軍屬及諸生徒ニ付亦同項ニ同ジ
第三十七條第一項ヲ左ノ如ク改ム
戰地ニ在ル軍人軍屬及諸生徒ニハ戰地增俸ヲ給ス
第三十七條第二項中「前項」ヲ「第一項」ニ、「出發ノ日ヨリ之ヲ給シ」ヲ「出發ノ日ノ屬スル月分ヨリ、」ニ、「到着ノ日」ヲ「到着ノ日ノ屬スル月分」ニ改メ「在ル期間」ノ下ニ「竝ニ戰地ニ出發又ハ戰地ヨリ到着ノ日ノ屬スル月分」ヲ加ヘ同條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ戰地增俸ノ定額ハ第十三表ノ二ノ範圍內ニ於テ陸軍大臣之ヲ定ム
第三十八條第四號但書中「昇給」ヲ「進級又ハ昇給」ニ、「昇給前」ヲ「進級又ハ昇給前」ニ改メ同條第七號ヲ削ル
第四十三條　戰地ニ在ル部隊ニ屬スル軍人軍屬ニシテ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ許可ヲ受ケ其ノ家族ヲ招致シタルモノニハ家族招致手當ヲ給ス
前項ノ家族招致手當ノ定額ハ第十五表ノ範圍內ニ於テ陸軍大臣之ヲ定ム
第一項ノ規定ニ依リ家族招致手當ノ支給ヲ受クル者ニハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ必要ト認ムル糧食品及薪炭ヲ給スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依リ家族招致手當ノ支給ヲ受クル者ニハ第四十五條及第四十七條ノ規定ハ之ヲ適用セズ
第四十八條第三項ヲ左ノ如ク改ム
第四十三條第一項ノ規定ニ依リ家族招致手當ノ支給ヲ受クル者ニハ宿舍及家具ヲ貸與ス但シ宿舍及家具ノ貸與ニ代ヘ宿舍料ヲ給スルコトヲ得
第五十二條中「諸生徒」ノ下ニ「竝ニ此等ノ部隊ニ公務ヲ以テ往復スル軍人軍屬及諸生徒」ヲ加ヘ同條ニ左ノ二項ヲ加フ
戰地以外ノ內地又ハ外地ノ中戰地ニ準ズベキ地ニ在ル部隊ニ屬スル軍人軍屬及諸生徒竝ニ其ノ地ニ出發スル軍人軍屬及諸生徒ノ給與ニ關シテハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ第三十八條乃至第四十二條及第四十四條乃至第四十七條ノ規定ヲ準用スルコトヲ得
前項ノ戰地ニ準ズベキ地ハ第一項ニ規定スル部隊ノ在ル地方ニ就キ陸軍大臣之ヲ指定ス
第五十二條ノ二　第四十二條ノ規定ハ公務旅行途中（內地及外地內ヲ除ク）ニ於ケル船舶ノ破壞、沈沒其ノ他公務上非常ノ災害ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五十三條中「前條」ヲ「前二條」ニ改ム
第二表中「陸軍補充令第百十五條第一項第二號ニ揭グル諸學校生徒」ヲ「陸軍補充令第百十五條第一項第二號ニ揭グル諸學校生徒陸軍少年飛行兵學校生徒」ニ改ム
第四表備考第三號中「三百圓」ヲ「二百七十圓」ニ改ム
【表】
第十四表備考第二號中「三百圓」ヲ「二百七十圓」ニ改メ「判任官待遇者」ノ下ニ「ノ中俸給月額百五圓以上ノ者ハ准尉ノ額、同百五圓未滿ノ者」ヲ加フ
第十五表中「家族招致手當　判任文官及同待遇者　（月額）九〇〇〇」ヲ「
家族招致手當
將校
高等文官及同待遇者
（月額）　四〇〇
〇〇
准士官下士官
判任文官及同待遇者
（月額）　一二〇
〇〇
」ニ改ム
第十六表備考第一號中「三百圓」ヲ「二百七十圓」ニ改メ「判任官待遇者」ノ下ニ「ノ中俸給月額百五圓以上ノ者ハ准士官ノ額、同百五圓未滿ノ者」ヲ加フ
附　則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ第十五表ノ改正規定ハ昭和十八年十二月一日以後ノ給與ニ付之ヲ適用ス
曹長三等給以下ノ下士官兵ニシテ本令施行ノ際現ニ營外加俸ノ支給ヲ受クルモノノ戰地增俸ニ關シテハ第三十七條ノ改正規定ニ拘ラズ其ノ者ガ營外加俸ノ支給ヲ受クル間仍從前ノ例ニ依ル
朕大東亜戦争陸軍給与令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十二月三日
内閣総理大臣兼陸軍大臣　東条英機
勅令第九百十二号
大東亜戦争陸軍給与令中左ノ通改正ス
第三条第四号中「第一項ニ掲グル者、」ノ下ニ「陸軍少年飛行兵学校生徒、」ヲ加フ
第十五条第一項第二号ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ月額五十五円ニ満ダサル者ニハ月額五十五円迄ヲ給スルコトヲ得
第十六条第二項中「前項第一号」ヲ「第一項第一号」ニ改メ同条第一項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
前項第三号及第四号ノ軍装手当ハ特ニ必要アルトキハ見習士官又ハ陸軍補充令所定ノ学校ヲ卒業シタル少尉候補者ニシテ戦地ニ出発スルモノ其ノ他特別ノ事由アルモノニ対シ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ同項第三号又ハ第四号ニ該当スルニ至ル前之ヲ支給スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ軍装手当ノ支給ヲ受ケタル者第一項第三号又ハ第四号ニ該当スルニ至ル前死亡シ又ハ見習士官若ハ少尉候補者ヲ免ゼラレタル場合ニ於テハ之ヲ返納セシム但シ陸軍大臣特ニ定メタル場合ハ此ノ限ニ在ラズ
第三十四条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ニ規定スル者ヲ除クノ外航空機ニ搭乗シテ航空勤務又ハ航空演習ニ従事スル軍人軍属及諸生徒ニ付亦同項ニ同ジ
第三十七条第一項ヲ左ノ如ク改ム
戦地ニ在ル軍人軍属及諸生徒ニハ戦地増俸ヲ給ス
第三十七条第二項中「前項」ヲ「第一項」ニ、「出発ノ日ヨリ之ヲ給シ」ヲ「出発ノ日ノ属スル月分ヨリ、」ニ、「到着ノ日」ヲ「到着ノ日ノ属スル月分」ニ改メ「在ル期間」ノ下ニ「並ニ戦地ニ出発又ハ戦地ヨリ到着ノ日ノ属スル月分」ヲ加ヘ同条第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ戦地増俸ノ定額ハ第十三表ノ二ノ範囲内ニ於テ陸軍大臣之ヲ定ム
第三十八条第四号但書中「昇給」ヲ「進級又ハ昇給」ニ、「昇給前」ヲ「進級又ハ昇給前」ニ改メ同条第七号ヲ削ル
第四十三条　戦地ニ在ル部隊ニ属スル軍人軍属ニシテ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ許可ヲ受ケ其ノ家族ヲ招致シタルモノニハ家族招致手当ヲ給ス
前項ノ家族招致手当ノ定額ハ第十五表ノ範囲内ニ於テ陸軍大臣之ヲ定ム
第一項ノ規定ニ依リ家族招致手当ノ支給ヲ受クル者ニハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ必要ト認ムル糧食品及薪炭ヲ給スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ依リ家族招致手当ノ支給ヲ受クル者ニハ第四十五条及第四十七条ノ規定ハ之ヲ適用セズ
第四十八条第三項ヲ左ノ如ク改ム
第四十三条第一項ノ規定ニ依リ家族招致手当ノ支給ヲ受クル者ニハ宿舎及家具ヲ貸与ス但シ宿舎及家具ノ貸与ニ代ヘ宿舎料ヲ給スルコトヲ得
第五十二条中「諸生徒」ノ下ニ「並ニ此等ノ部隊ニ公務ヲ以テ往復スル軍人軍属及諸生徒」ヲ加ヘ同条ニ左ノ二項ヲ加フ
戦地以外ノ内地又ハ外地ノ中戦地ニ準ズベキ地ニ在ル部隊ニ属スル軍人軍属及諸生徒並ニ其ノ地ニ出発スル軍人軍属及諸生徒ノ給与ニ関シテハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ第三十八条乃至第四十二条及第四十四条乃至第四十七条ノ規定ヲ準用スルコトヲ得
前項ノ戦地ニ準ズベキ地ハ第一項ニ規定スル部隊ノ在ル地方ニ就キ陸軍大臣之ヲ指定ス
第五十二条ノ二　第四十二条ノ規定ハ公務旅行途中（内地及外地内ヲ除ク）ニ於ケル船舶ノ破壊、沈没其ノ他公務上非常ノ災害ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五十三条中「前条」ヲ「前二条」ニ改ム
第二表中「陸軍補充令第百十五条第一項第二号ニ掲グル諸学校生徒」ヲ「陸軍補充令第百十五条第一項第二号ニ掲グル諸学校生徒陸軍少年飛行兵学校生徒」ニ改ム
第四表備考第三号中「三百円」ヲ「二百七十円」ニ改ム
【表】
第十四表備考第二号中「三百円」ヲ「二百七十円」ニ改メ「判任官待遇者」ノ下ニ「ノ中俸給月額百五円以上ノ者ハ准尉ノ額、同百五円未満ノ者」ヲ加フ
第十五表中「家族招致手当　判任文官及同待遇者　（月額）九〇〇〇」ヲ「
家族招致手当
将校
高等文官及同待遇者
（月額）　四〇〇
〇〇
准士官下士官
判任文官及同待遇者
（月額）　一二〇
〇〇
」ニ改ム
第十六表備考第一号中「三百円」ヲ「二百七十円」ニ改メ「判任官待遇者」ノ下ニ「ノ中俸給月額百五円以上ノ者ハ准士官ノ額、同百五円未満ノ者」ヲ加フ
附　則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス但シ第十五表ノ改正規定ハ昭和十八年十二月一日以後ノ給与ニ付之ヲ適用ス
曹長三等給以下ノ下士官兵ニシテ本令施行ノ際現ニ営外加俸ノ支給ヲ受クルモノノ戦地増俸ニ関シテハ第三十七条ノ改正規定ニ拘ラズ其ノ者ガ営外加俸ノ支給ヲ受クル間仍従前ノ例ニ依ル