台湾総督府港務局官制
法令番号: 勅令第九百一號
公布年月日: 昭和18年12月1日
法令の形式: 勅令
朕行政機構整備實施ノ爲ニスル臺灣總督府港務局官制制定ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十一月三十日
內閣總理大臣 東條英機
內務大臣 安藤紀三郞
勅令第九百一號
臺灣總督府港務局官制
第一條 臺灣總督府港務局ハ臺灣總督ノ管理ニ屬シ左ノ事務ヲ掌ル
一 船舶、造船、船員、航路其ノ他ノ水運ニ關スル事項但シ航路標識ニ關スル事項ヲ除ク
二 港灣ニ關スル事項
三 開港取締ニ關スル法令ノ施行ニ直接必要ナル港內ノ行政警察ニ關スル事項
四 臨港倉庫ニ係ル倉庫營業ニ關スル事項
五 關稅、噸稅、出港稅及輸出入貨物ノ內國稅ニ關スル事項
六 保稅倉庫、保稅工場其ノ他ノ保稅地域ニ關スル事項
七 輸移出入貨物ノ取締、輸移出入貨物ニ關スル船舶及航空機ノ取締竝ニ貨物ノ收容ニ關スル事項
八 稅關貨物取扱人ニ關スル事項
九 外國爲替管理法ノ施行ニ關スル事項
十 輸移入ノ獸畜其ノ他ノ貨物ニ關スル家畜傳染病豫防法又ハ畜牛結核病豫防法ニ依ル檢疫又ハ檢査ニ關スル事項
十一 海港檢疫ニ關スル事項
十二 港務局又ハ港務局支局ノ所在地ニ於ケル移出先(砂糖消費稅法第七條ニ規定スルモノ)ヨリ引取ラルル砂糖ノ消費稅ニ關スル事項
第二條 基隆市及高雄市ニ港務局ヲ置ク
港務局ノ管轄區域ハ臺灣總督之ヲ定ム
第三條 港務局ニ通ジテ左ノ職員ヲ置ク
局長 二人內
一人 勅任
一人 奏任
書記官 專任二人 奏任
事務官 專任三人 奏任
海務官 專任二人 奏任
技師 專任六人 奏任
屬 專任百六十四人 判任
技手 專任三十七人 判任
手數料ヲ徵シ又ハ之ヲ免除シテ保稅地域其ノ他關稅上特殊ノ取扱ヲ爲ス場所ニ常時派出スル港務局官吏ハ之ヲ定員外トス
第四條 局長ハ臺灣總督ノ指揮監督ヲ承ケ局務ヲ掌理ス
局長ハ開港取締ニ關スル法令ノ施行ニ直接必要ナル港內ノ行政警察ニ關スル事務ニ付テハ警察署長ヲ指揮監督ス
第五條 書記官及事務官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第六條 海務官ハ上官ノ命ヲ承ケ海運造船又ハ船員ノ敎育、養成若ハ勞務管理ニ關スル事務ヲ掌ル
第七條 技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第八條 屬ハ上官ノ指揮ヲ承ケ事務ニ從事ス
第九條 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ從事ス
第十條 臺灣總督ハ必要ト認ムル地ニ港務局支局、港務局出張所又ハ港務局支局出張所ヲ置クコトヲ得
港務局支局、港務局出張所及港務局支局出張所ノ名稱及位置竝ニ港務局支局ノ管轄區域ハ臺灣總督之ヲ定ム
第一條第十號及第十一號ノ事務ヲ取扱フ港務局支局、港務局出張所及港務局支局出張所ハ臺灣總督之ヲ吿示ス
第十一條 港務局ニハ海港檢疫費豫算定額內ニ於テ臨時左ノ職員ヲ置クコトヲ得
檢疫員 判任官待遇
檢疫醫 奏任官待遇又ハ判任官待遇
前項ノ規定ニ依ル奏任官待遇者ハ通ジテ二人以內トス
檢疫員ハ上官ノ指揮ヲ承ケ檢疫ニ關スル事務ニ從事シ檢疫醫ハ上官ノ指揮ヲ承ケ檢疫ニ關スル技術ニ從事ス
前二項ニ規定スルモノノ檢疫員及檢疫醫ニ關シ必要ナル事項ハ臺灣總督之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
臺灣總督府稅關官制ハ之ヲ廢止ス
本令施行ノ際現ニ臺灣總督府稅關又ハ臺灣總督府州若ハ廳ノ港務部ノ職員ノ職ニ在ル者別ニ辭令ヲ發セラレザルトキハ臺灣總督府稅關事務官ハ臺灣總督府港務局書記官ニ、臺灣總督府稅關關稅官ハ臺灣總督府港務局事務官ニ、臺灣總督府州港務官ハ臺灣總督府港務局海務官ニ、臺灣總督府稅關鑑定官及臺灣總督府州港務醫官ハ臺灣總督府港務局技師ニ、臺灣總督府稅關ノ屬、監視及監吏竝ニ臺灣總督府州又ハ廳ノ港務屬及港吏ハ臺灣總督府港務局屬ニ、臺灣總督府稅關ノ鑑定官補及技手竝ニ臺灣總督府州又ハ廳ノ港務醫官補、港務獸醫及港務技手ハ臺灣總督府港務局技手ニ同官等及同俸給又ハ現ニ受クル俸給額ニ相當スル級俸ヲ以テ任ゼラレタルモノトス但シ現ニ受クル俸給額ニ相當スル級俸ナキトキハ從前ノ俸給ヲ受クルモノトス
前項ノ規定ハ文官任用ノ資格ニ關スル規定ノ適用ヲ妨ゲズ
朕行政機構整備実施ノ為ニスル台湾総督府港務局官制制定ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年十一月三十日
内閣総理大臣 東条英機
内務大臣 安藤紀三郎
勅令第九百一号
台湾総督府港務局官制
第一条 台湾総督府港務局ハ台湾総督ノ管理ニ属シ左ノ事務ヲ掌ル
一 船舶、造船、船員、航路其ノ他ノ水運ニ関スル事項但シ航路標識ニ関スル事項ヲ除ク
二 港湾ニ関スル事項
三 開港取締ニ関スル法令ノ施行ニ直接必要ナル港内ノ行政警察ニ関スル事項
四 臨港倉庫ニ係ル倉庫営業ニ関スル事項
五 関税、噸税、出港税及輸出入貨物ノ内国税ニ関スル事項
六 保税倉庫、保税工場其ノ他ノ保税地域ニ関スル事項
七 輸移出入貨物ノ取締、輸移出入貨物ニ関スル船舶及航空機ノ取締並ニ貨物ノ収容ニ関スル事項
八 税関貨物取扱人ニ関スル事項
九 外国為替管理法ノ施行ニ関スル事項
十 輸移入ノ獣畜其ノ他ノ貨物ニ関スル家畜伝染病予防法又ハ畜牛結核病予防法ニ依ル検疫又ハ検査ニ関スル事項
十一 海港検疫ニ関スル事項
十二 港務局又ハ港務局支局ノ所在地ニ於ケル移出先(砂糖消費税法第七条ニ規定スルモノ)ヨリ引取ラルル砂糖ノ消費税ニ関スル事項
第二条 基隆市及高雄市ニ港務局ヲ置ク
港務局ノ管轄区域ハ台湾総督之ヲ定ム
第三条 港務局ニ通ジテ左ノ職員ヲ置ク
局長 二人内
一人 勅任
一人 奏任
書記官 専任二人 奏任
事務官 専任三人 奏任
海務官 専任二人 奏任
技師 専任六人 奏任
属 専任百六十四人 判任
技手 専任三十七人 判任
手数料ヲ徴シ又ハ之ヲ免除シテ保税地域其ノ他関税上特殊ノ取扱ヲ為ス場所ニ常時派出スル港務局官吏ハ之ヲ定員外トス
第四条 局長ハ台湾総督ノ指揮監督ヲ承ケ局務ヲ掌理ス
局長ハ開港取締ニ関スル法令ノ施行ニ直接必要ナル港内ノ行政警察ニ関スル事務ニ付テハ警察署長ヲ指揮監督ス
第五条 書記官及事務官ハ上官ノ命ヲ承ケ事務ヲ掌ル
第六条 海務官ハ上官ノ命ヲ承ケ海運造船又ハ船員ノ教育、養成若ハ労務管理ニ関スル事務ヲ掌ル
第七条 技師ハ上官ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
第八条 属ハ上官ノ指揮ヲ承ケ事務ニ従事ス
第九条 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ技術ニ従事ス
第十条 台湾総督ハ必要ト認ムル地ニ港務局支局、港務局出張所又ハ港務局支局出張所ヲ置クコトヲ得
港務局支局、港務局出張所及港務局支局出張所ノ名称及位置並ニ港務局支局ノ管轄区域ハ台湾総督之ヲ定ム
第一条第十号及第十一号ノ事務ヲ取扱フ港務局支局、港務局出張所及港務局支局出張所ハ台湾総督之ヲ告示ス
第十一条 港務局ニハ海港検疫費予算定額内ニ於テ臨時左ノ職員ヲ置クコトヲ得
検疫員 判任官待遇
検疫医 奏任官待遇又ハ判任官待遇
前項ノ規定ニ依ル奏任官待遇者ハ通ジテ二人以内トス
検疫員ハ上官ノ指揮ヲ承ケ検疫ニ関スル事務ニ従事シ検疫医ハ上官ノ指揮ヲ承ケ検疫ニ関スル技術ニ従事ス
前二項ニ規定スルモノノ検疫員及検疫医ニ関シ必要ナル事項ハ台湾総督之ヲ定ム
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
台湾総督府税関官制ハ之ヲ廃止ス
本令施行ノ際現ニ台湾総督府税関又ハ台湾総督府州若ハ庁ノ港務部ノ職員ノ職ニ在ル者別ニ辞令ヲ発セラレザルトキハ台湾総督府税関事務官ハ台湾総督府港務局書記官ニ、台湾総督府税関関税官ハ台湾総督府港務局事務官ニ、台湾総督府州港務官ハ台湾総督府港務局海務官ニ、台湾総督府税関鑑定官及台湾総督府州港務医官ハ台湾総督府港務局技師ニ、台湾総督府税関ノ属、監視及監吏並ニ台湾総督府州又ハ庁ノ港務属及港吏ハ台湾総督府港務局属ニ、台湾総督府税関ノ鑑定官補及技手並ニ台湾総督府州又ハ庁ノ港務医官補、港務獣医及港務技手ハ台湾総督府港務局技手ニ同官等及同俸給又ハ現ニ受クル俸給額ニ相当スル級俸ヲ以テ任ゼラレタルモノトス但シ現ニ受クル俸給額ニ相当スル級俸ナキトキハ従前ノ俸給ヲ受クルモノトス
前項ノ規定ハ文官任用ノ資格ニ関スル規定ノ適用ヲ妨ゲズ