(日本証券取引所法施行令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第五百四十一號
公布年月日: 昭和18年6月26日
法令の形式: 勅令
朕日本證券取引所法施行令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年六月二十五日
內閣總理大臣 東條英機
大藏大臣 賀屋興宣
勅令第五百四十一號
日本證券取引所法施行令中左ノ通改正ス
第二十八條中「第二十五條」ヲ「第三十條」ニ改メ第二十三條ヲ第二十八條トシ以下順次五條宛繰下グ
第二十二條ノ次ニ左ノ一章ヲ加フ
第三章 取引員及賣買取引
第二十三條 日本證券取引所法第二十八條第一項ノ取引員タル資格ヲ有スル者ノ資本金額ハ左ノ各號ニ定ムル金額以上トス
一 第一種取引員(有價證券市場ニ於ケル株券及出資證券ノ實物取引及淸算取引ヲ爲ス取引員ヲ謂フ以下同ジ)ニ在リテハ百萬圓
二 第二種取引員(有價證券市場ニ於ケル株券及出資證券ノ實物取引ヲ爲ス取引員ヲ謂フ以下同ジ)ニ在リテハ五十萬圓但シ大藏大臣ノ指定スル有價證券市場ニ於ケル賣買取引ヲ爲ス第二種取引員ニ在リテハ五十萬圓以內ニ於テ大藏大臣ノ定ムル金額トス
三 第三種取引員(有價證券市場ニ於ケル國債證券、地方債證券、社債券其ノ他ノ債券ノ實物取引ヲ爲ス取引員ヲ謂フ以下同ジ)ニ在リテハ五十萬圓但シ大藏大臣ノ指定スル有價證券市場ニ於ケル賣買取引ヲ爲ス第三種取引員ニ在リテハ五十萬圓以內ニ於テ大藏大臣ノ定ムル金額トス
取引員ノ拂込資本金額ハ前項各號ニ定ムル金額ヲ下ルコトヲ得ズ
第二十四條 取引員ハ賣買取引ヲ爲ス有價證券市場及取引員ノ種類每ニ左ノ各號ニ定ムル金額ノ營業保證金ヲ日本證券取引所ニ納付スベシ但シ同一有價證券市場ニ於テ第一種取引員又ハ第二種取引員ト第三種取引員トヲ兼ヌル場合ニ於テハ其ノ取引員ノ納付スベキ營業保證金ノ金額ハ當該取引員ガ第三種取引員以外ノ取引員トシテ納付スベキ營業保證金ノ金額ニ第三種取引員トシテ納付スベキ營業保證金ノ金額ノ二分ノ一ニ相當スル金額ヲ加算シタル金額トス
一 第一種取引員ニ在リテハ二十五萬圓
二 第二種取引員ニ在リテハ十萬圓但シ大藏大臣ノ指定スル有價證券市場ニ於ケル賣買取引ヲ爲ス第二種取引員ニ在リテハ十萬圓以內ニ於テ大藏大臣ノ定ムル金額トス
三 第三種取引員ニ在リテハ十萬圓但シ大藏大臣ノ指定スル有價證券市場ニ於ケル賣買取引ヲ爲ス第三種取引員ニ在リテハ十萬圓以內ニ於テ大藏大臣ノ定ムル金額トス
第二十五條 二以上ノ營業所ニ於テ同一有價證券市場ニ於ケル賣買取引ノ取扱ヲ爲シ又ハ代理店ニ於テ有價證券市場ニ於ケル賣買取引ノ取扱ヲ爲ス場合ニ於テハ其ノ取引員ノ納付スベキ營業保證金ノ金額ハ當該取引員ガ前條ノ規定ニ依リ納付スベキ營業保證金ノ金額ニ左ノ各號ニ定ムル金額ヲ加算シタル金額トス
一 取引員ノ免許ヲ受クルニ際シ當該有價證券市場ニ於ケル賣買取引ノ取扱ヲ爲ス營業所トシテ指定ヲ受ケタルモノ以外ノ營業所每ニ其ノ取引員ガ前條ノ規定ニ依リ當該有價證券市場ニ付納付スベキ營業保證金ノ金額ノ五分ノ一ニ相當スル金額
二 有價證券市場ニ於ケル賣買取引ノ取扱ヲ爲ス代理店每ニ其ノ取引員ガ前條ノ規定ニ依リ當該有價證券市場ニ付納付スベキ營業保證金ノ金額ノ二十分ノ一ニ相當スル金額
第二十六條 日本證券取引所法及本令ニ規定スルモノノ外營業保證金ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十七條 有價證券市場ニ於ケル賣買取引ノ期限ハ實物取引ニ在リテハ十五日、淸算取引ニ在リテハ三月ヲ超ユルコトヲ得ズ
附 則
第一條 本令ハ昭和十八年六月三十日ヨリ之ヲ施行ス
第二條 取引所法ニ依ル取引所ニシテ日本證券取引所法第九十六條ニ規定スルモノ(以下舊取引所ト稱ス)ニ於ケル有價證券ノ賣買取引ニシテ同法第百八條第一項ノ規定施行ノ際仍結了セザルモノハ之ヲ日本證券取引所ガ其ノ賣買取引ノ爲サレタル舊取引所ノ所在地ニ開設スル有價證券市場ニ於ケル賣買取引ト看做ス但シ其ノ有價證券市場ニ於テ同法ニ基キ大藏大臣ノ認可ヲ受ケテ行フ賣買取引中之ニ相當スルモノナキ場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
前項本文ノ場合ニ於テハ舊取引所ガ取引所法第二十條ノ規定ニ依リ納付セシメタル證據金ハ之ヲ日本證券取引所ガ日本證券取引所法第四十八條第一項ノ規定ニ依リ納付セシメタル賣買證據金ト看做ス
第三條 前條第一項但書ノ場合ニ於ケル舊取引所ニ於ケル有價證券ノ賣買取引ニシテ日本證券取引所法第百八條第一項ノ規定施行ノ際仍結了セザルモノニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
前項ノ賣買取引ハ日本證券取引所ガ當該賣買取引ノ爲サレタル舊取引所ノ所在地ニ開設スル有價證券市場ニ於テ之ヲ結了スベシ
前項ノ有價證券市場ニ於テハ昭和十八年八月三十一日迄ヲ限リ仍從前ノ例ニ依リ第一項ノ賣買取引ニ相當スル賣買取引ヲ行フコトヲ得
第四條 日本證券取引所法第百九條第一項ノ取引員ガ取引所法第十四條ノ規定ニ依リ舊取引所ニ納付シタル身元保證金ハ之ヲ日本證券取引所ガ其ノ舊取引所ノ所在地ニ開設スル有價證券市場ニ付其ノ取引員ガ日本證券取引所法第三十條ノ規定ニ依リ日本證券取引所ニ納付シタル營業保證金ト看做ス
前項ノ場合ニ於テ同項ノ身元保證金ノ金額ガ當該取引員ノ納付スベキ營業保證金ノ金額ニ滿タザルトキハ當該取引員ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ不足額ニ相當スル金額ノ營業保證金ヲ日本證券取引所ニ納付スベシ
第五條 前條第一項ノ規定ハ附則第三條ノ場合及舊取引所ニ於ケル賣買取引ニシテ日本證券取引所法第百八條第一項ノ規定施行ノ際旣ニ結了シタルモノニ關シ取引員ニ對シ舊取引所ノ有スル債權ヲ日本證券取引所ガ承繼シタル場合ニ於テ日本證券取引所ガ前條第一項ノ營業保證金ニ付取引所法第二十四條ノ規定ニ依ル優先權ヲ行フコトヲ妨ゲズ
前條第一項ノ規定ハ日本證券取引所法第百九條第一項ノ取引員ニ對シ舊取引所ニ於ケル賣買取引ノ委託ヲ爲シタル者又ハ附則第三條ノ賣買取引ノ委託ヲ爲シタル者ガ其ノ取引員ノ委託契約ノ違約ニ因ル債權ニ關シ前條第一項ノ營業保證金ニ付同法第五十三條第二項ノ委託者ト同順位ニ於テ取引所法第二十四條ノ二第一項ノ規定ニ依ル優先權ヲ行フコトヲ妨ゲズ
朕日本証券取引所法施行令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年六月二十五日
内閣総理大臣 東条英機
大蔵大臣 賀屋興宣
勅令第五百四十一号
日本証券取引所法施行令中左ノ通改正ス
第二十八条中「第二十五条」ヲ「第三十条」ニ改メ第二十三条ヲ第二十八条トシ以下順次五条宛繰下グ
第二十二条ノ次ニ左ノ一章ヲ加フ
第三章 取引員及売買取引
第二十三条 日本証券取引所法第二十八条第一項ノ取引員タル資格ヲ有スル者ノ資本金額ハ左ノ各号ニ定ムル金額以上トス
一 第一種取引員(有価証券市場ニ於ケル株券及出資証券ノ実物取引及清算取引ヲ為ス取引員ヲ謂フ以下同ジ)ニ在リテハ百万円
二 第二種取引員(有価証券市場ニ於ケル株券及出資証券ノ実物取引ヲ為ス取引員ヲ謂フ以下同ジ)ニ在リテハ五十万円但シ大蔵大臣ノ指定スル有価証券市場ニ於ケル売買取引ヲ為ス第二種取引員ニ在リテハ五十万円以内ニ於テ大蔵大臣ノ定ムル金額トス
三 第三種取引員(有価証券市場ニ於ケル国債証券、地方債証券、社債券其ノ他ノ債券ノ実物取引ヲ為ス取引員ヲ謂フ以下同ジ)ニ在リテハ五十万円但シ大蔵大臣ノ指定スル有価証券市場ニ於ケル売買取引ヲ為ス第三種取引員ニ在リテハ五十万円以内ニ於テ大蔵大臣ノ定ムル金額トス
取引員ノ払込資本金額ハ前項各号ニ定ムル金額ヲ下ルコトヲ得ズ
第二十四条 取引員ハ売買取引ヲ為ス有価証券市場及取引員ノ種類毎ニ左ノ各号ニ定ムル金額ノ営業保証金ヲ日本証券取引所ニ納付スベシ但シ同一有価証券市場ニ於テ第一種取引員又ハ第二種取引員ト第三種取引員トヲ兼ヌル場合ニ於テハ其ノ取引員ノ納付スベキ営業保証金ノ金額ハ当該取引員ガ第三種取引員以外ノ取引員トシテ納付スベキ営業保証金ノ金額ニ第三種取引員トシテ納付スベキ営業保証金ノ金額ノ二分ノ一ニ相当スル金額ヲ加算シタル金額トス
一 第一種取引員ニ在リテハ二十五万円
二 第二種取引員ニ在リテハ十万円但シ大蔵大臣ノ指定スル有価証券市場ニ於ケル売買取引ヲ為ス第二種取引員ニ在リテハ十万円以内ニ於テ大蔵大臣ノ定ムル金額トス
三 第三種取引員ニ在リテハ十万円但シ大蔵大臣ノ指定スル有価証券市場ニ於ケル売買取引ヲ為ス第三種取引員ニ在リテハ十万円以内ニ於テ大蔵大臣ノ定ムル金額トス
第二十五条 二以上ノ営業所ニ於テ同一有価証券市場ニ於ケル売買取引ノ取扱ヲ為シ又ハ代理店ニ於テ有価証券市場ニ於ケル売買取引ノ取扱ヲ為ス場合ニ於テハ其ノ取引員ノ納付スベキ営業保証金ノ金額ハ当該取引員ガ前条ノ規定ニ依リ納付スベキ営業保証金ノ金額ニ左ノ各号ニ定ムル金額ヲ加算シタル金額トス
一 取引員ノ免許ヲ受クルニ際シ当該有価証券市場ニ於ケル売買取引ノ取扱ヲ為ス営業所トシテ指定ヲ受ケタルモノ以外ノ営業所毎ニ其ノ取引員ガ前条ノ規定ニ依リ当該有価証券市場ニ付納付スベキ営業保証金ノ金額ノ五分ノ一ニ相当スル金額
二 有価証券市場ニ於ケル売買取引ノ取扱ヲ為ス代理店毎ニ其ノ取引員ガ前条ノ規定ニ依リ当該有価証券市場ニ付納付スベキ営業保証金ノ金額ノ二十分ノ一ニ相当スル金額
第二十六条 日本証券取引所法及本令ニ規定スルモノノ外営業保証金ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十七条 有価証券市場ニ於ケル売買取引ノ期限ハ実物取引ニ在リテハ十五日、清算取引ニ在リテハ三月ヲ超ユルコトヲ得ズ
附 則
第一条 本令ハ昭和十八年六月三十日ヨリ之ヲ施行ス
第二条 取引所法ニ依ル取引所ニシテ日本証券取引所法第九十六条ニ規定スルモノ(以下旧取引所ト称ス)ニ於ケル有価証券ノ売買取引ニシテ同法第百八条第一項ノ規定施行ノ際仍結了セザルモノハ之ヲ日本証券取引所ガ其ノ売買取引ノ為サレタル旧取引所ノ所在地ニ開設スル有価証券市場ニ於ケル売買取引ト看做ス但シ其ノ有価証券市場ニ於テ同法ニ基キ大蔵大臣ノ認可ヲ受ケテ行フ売買取引中之ニ相当スルモノナキ場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラズ
前項本文ノ場合ニ於テハ旧取引所ガ取引所法第二十条ノ規定ニ依リ納付セシメタル証拠金ハ之ヲ日本証券取引所ガ日本証券取引所法第四十八条第一項ノ規定ニ依リ納付セシメタル売買証拠金ト看做ス
第三条 前条第一項但書ノ場合ニ於ケル旧取引所ニ於ケル有価証券ノ売買取引ニシテ日本証券取引所法第百八条第一項ノ規定施行ノ際仍結了セザルモノニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル
前項ノ売買取引ハ日本証券取引所ガ当該売買取引ノ為サレタル旧取引所ノ所在地ニ開設スル有価証券市場ニ於テ之ヲ結了スベシ
前項ノ有価証券市場ニ於テハ昭和十八年八月三十一日迄ヲ限リ仍従前ノ例ニ依リ第一項ノ売買取引ニ相当スル売買取引ヲ行フコトヲ得
第四条 日本証券取引所法第百九条第一項ノ取引員ガ取引所法第十四条ノ規定ニ依リ旧取引所ニ納付シタル身元保証金ハ之ヲ日本証券取引所ガ其ノ旧取引所ノ所在地ニ開設スル有価証券市場ニ付其ノ取引員ガ日本証券取引所法第三十条ノ規定ニ依リ日本証券取引所ニ納付シタル営業保証金ト看做ス
前項ノ場合ニ於テ同項ノ身元保証金ノ金額ガ当該取引員ノ納付スベキ営業保証金ノ金額ニ満タザルトキハ当該取引員ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ不足額ニ相当スル金額ノ営業保証金ヲ日本証券取引所ニ納付スベシ
第五条 前条第一項ノ規定ハ附則第三条ノ場合及旧取引所ニ於ケル売買取引ニシテ日本証券取引所法第百八条第一項ノ規定施行ノ際既ニ結了シタルモノニ関シ取引員ニ対シ旧取引所ノ有スル債権ヲ日本証券取引所ガ承継シタル場合ニ於テ日本証券取引所ガ前条第一項ノ営業保証金ニ付取引所法第二十四条ノ規定ニ依ル優先権ヲ行フコトヲ妨ゲズ
前条第一項ノ規定ハ日本証券取引所法第百九条第一項ノ取引員ニ対シ旧取引所ニ於ケル売買取引ノ委託ヲ為シタル者又ハ附則第三条ノ売買取引ノ委託ヲ為シタル者ガ其ノ取引員ノ委託契約ノ違約ニ因ル債権ニ関シ前条第一項ノ営業保証金ニ付同法第五十三条第二項ノ委託者ト同順位ニ於テ取引所法第二十四条ノ二第一項ノ規定ニ依ル優先権ヲ行フコトヲ妨ゲズ