陸軍少年飛行兵学校令
法令番号: 勅令第二百二十五號
公布年月日: 昭和18年3月29日
法令の形式: 勅令
朕陸軍少年飛行兵學校令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月二十七日
內閣總理大臣兼陸軍大臣 東條英機
勅令第二百二十五號
陸軍少年飛行兵學校令
第一條 陸軍少年飛行兵學校ハ宇都宮陸軍飛行學校、熊谷陸軍飛行學校、陸軍航空通信學校、所澤陸軍航空整備學校又ハ岐阜陸軍航空整備學校ノ生徒ト爲スベキ生徒ヲ敎育スル所トス
第二條 陸軍少年飛行兵學校ハ之ヲ東京及大津ニ置ク
陸軍少年飛行兵學校ハ其ノ所在地名ヲ冠稱ス
第三條 生徒ハ少年飛行兵タルコトヲ志願シ召集試驗ニ合格シタル者ヲ以テ之ニ充テ宇都宮陸軍飛行學校、熊谷陸軍飛行學校、陸軍航空通信學校、所澤陸軍航空整備學校又ハ岐阜陸軍航空整備學校ノ生徒ニ必要ナル敎育ヲ受ケシム通常每年二囘入校セシメ其ノ修學期間ハ槪ネ一年トス
第四條 生徒ノ採用ニ關スル事項及入校期日ニ付テハ陸軍大臣之ヲ定ム
第五條 生徒ノ敎育綱領ハ陸軍航空總監之ヲ定ム
第六條 生徒ノ敎育ノ實施ハ敎則ニ依ル其ノ敎則ハ前條ノ敎育綱領ニ基キ陸軍航空總監ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第七條 生徒ノ敎育ヲ行フ爲陸軍少年飛行兵學校ニ敎育隊ヲ置ク
第八條 陸軍少年飛行兵學校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
副官
學校附
敎育隊長
敎育隊中隊長
敎育隊附
准士官、下士官及判任文官
第九條 校長ハ陸軍航空總監ニ隸シ校務ヲ總理ス
第十條 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十一條 學校附ハ校長ノ命ヲ承ケ各擔任ノ業務ヲ掌ル
第十二條 敎育隊長ハ敎育隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ敎育ヲ掌理ス
第十三條 敎育隊中隊長ハ敎育隊長ノ命ヲ承ケ敎育ヲ擔任ス
第十四條 敎育隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各擔任ノ業務ヲ掌ル
第十五條 准士官、下士官及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ敎育ヲ補助シ又ハ技術若ハ事務ニ從事ス
第十六條 生徒ハ校內ニ居住セシメ其ノ修學ニ要スル兵器、被服、圖書、器具、消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
第十七條 生徒ハ總テ校長ノ管理ニ屬ス
第十八條 生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第十九條 生徒左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ之ヲ退校セシム
一 軍紀ヲ紊リ又ハ屢法則ヲ犯ス者
二 品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
三 學術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
四 傷痍疾病ニ因リ修學ニ堪ヘザル者
五 前各號ノ外少年飛行兵タルニ適セズト認ムル者
第二十條 生徒中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修學期間內ニ所定ノ學術ヲ修メ得ザル者ニシテ尙望アリト認ムルモノハ之ヲ次期ノ生徒ト爲スコトヲ得
第二十一條 前二條ノ規定ニ該當スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空總監ヲ經テ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ處理ス
第二十二條 校長ハ生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ其ノ修業成績書ヲ調製シ之ヲ陸軍航空總監ニ提出シ其ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業證書ヲ付與ス
第二十三條 陸軍航空總監ハ校長ヲシテ卒業者ニ對シ宇都宮陸軍飛行學校、熊谷陸軍飛行學校、陸軍航空通信學校、所澤陸軍航空整備學校又ハ岐阜陸軍航空整備學校ニ入校ヲ命ゼシム但シ卒業者中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ此等ノ學校ノ生徒ト爲スコトヲ得ザル者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十四條 校長ハ生徒ニ每年三週間以內ノ休暇ヲ與フルコトヲ得
第二十五條 校長ハ卒業者ニ對シ卒業ノ日ヨリ第二十三條ニ揭グル學校ニ入校スベキ日ニ至ル迄休暇ヲ與フルコトヲ得但シ此ノ期間ニ於ケル卒業者ノ身分ハ陸軍少年飛行兵學校ニ屬ス
第二十六條 校長ハ校務上便宜ノ時期ニ於テ武官タル職員ニ隊附勤務ヲ爲サシムルコトヲ得
第二十七條 校長ハ生徒ノ敎育上必要アルトキハ敎育總監、軍司令官、航空軍司令官、師團長又ハ飛行師團長ニ禀議シ其ノ學校又ハ軍隊ヲ使用スルコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
東京陸軍航空學校令ハ之ヲ廢止ス
本令中所澤陸軍航空整備學校トアルハ昭和十八年七月三十一日迄ハ陸軍航空整備學校トス
本令施行ノ際現ニ東京陸軍航空學校ノ生徒タル者ハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ東京又ハ大津ノ陸軍少年飛行兵學校ノ生徒ト爲ルモノトス
朕陸軍少年飛行兵学校令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月二十七日
内閣総理大臣兼陸軍大臣 東条英機
勅令第二百二十五号
陸軍少年飛行兵学校令
第一条 陸軍少年飛行兵学校ハ宇都宮陸軍飛行学校、熊谷陸軍飛行学校、陸軍航空通信学校、所沢陸軍航空整備学校又ハ岐阜陸軍航空整備学校ノ生徒ト為スベキ生徒ヲ教育スル所トス
第二条 陸軍少年飛行兵学校ハ之ヲ東京及大津ニ置ク
陸軍少年飛行兵学校ハ其ノ所在地名ヲ冠称ス
第三条 生徒ハ少年飛行兵タルコトヲ志願シ召集試験ニ合格シタル者ヲ以テ之ニ充テ宇都宮陸軍飛行学校、熊谷陸軍飛行学校、陸軍航空通信学校、所沢陸軍航空整備学校又ハ岐阜陸軍航空整備学校ノ生徒ニ必要ナル教育ヲ受ケシム通常毎年二回入校セシメ其ノ修学期間ハ概ネ一年トス
第四条 生徒ノ採用ニ関スル事項及入校期日ニ付テハ陸軍大臣之ヲ定ム
第五条 生徒ノ教育綱領ハ陸軍航空総監之ヲ定ム
第六条 生徒ノ教育ノ実施ハ教則ニ依ル其ノ教則ハ前条ノ教育綱領ニ基キ陸軍航空総監ノ認可ヲ受ケ校長之ヲ定ム
第七条 生徒ノ教育ヲ行フ為陸軍少年飛行兵学校ニ教育隊ヲ置ク
第八条 陸軍少年飛行兵学校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
副官
学校附
教育隊長
教育隊中隊長
教育隊附
准士官、下士官及判任文官
第九条 校長ハ陸軍航空総監ニ隷シ校務ヲ総理ス
第十条 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌ル
第十一条 学校附ハ校長ノ命ヲ承ケ各担任ノ業務ヲ掌ル
第十二条 教育隊長ハ教育隊ヲ統ベ校長ノ命ヲ承ケ教育ヲ掌理ス
第十三条 教育隊中隊長ハ教育隊長ノ命ヲ承ケ教育ヲ担任ス
第十四条 教育隊附ハ上官ノ命ヲ承ケ各担任ノ業務ヲ掌ル
第十五条 准士官、下士官及判任文官ハ上官ノ命ヲ承ケ教育ヲ補助シ又ハ技術若ハ事務ニ従事ス
第十六条 生徒ハ校内ニ居住セシメ其ノ修学ニ要スル兵器、被服、図書、器具、消耗品等ハ之ヲ貸付シ又ハ支給スルコトヲ得
第十七条 生徒ハ総テ校長ノ管理ニ属ス
第十八条 生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ズ
第十九条 生徒左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ之ヲ退校セシム
一 軍紀ヲ紊リ又ハ屡法則ヲ犯ス者
二 品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
三 学術ノ成績不良ニシテ卒業ノ目途ナキ者
四 傷痍疾病ニ因リ修学ニ堪ヘザル者
五 前各号ノ外少年飛行兵タルニ適セズト認ムル者
第二十条 生徒中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ修学期間内ニ所定ノ学術ヲ修メ得ザル者ニシテ尚望アリト認ムルモノハ之ヲ次期ノ生徒ト為スコトヲ得
第二十一条 前二条ノ規定ニ該当スル者アルトキハ校長其ノ事由ヲ具シ陸軍航空総監ヲ経テ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ処理ス
第二十二条 校長ハ生徒卒業ノ期ニ至リタルトキハ其ノ修業成績書ヲ調製シ之ヲ陸軍航空総監ニ提出シ其ノ認可ヲ受ケ卒業者ニ卒業証書ヲ付与ス
第二十三条 陸軍航空総監ハ校長ヲシテ卒業者ニ対シ宇都宮陸軍飛行学校、熊谷陸軍飛行学校、陸軍航空通信学校、所沢陸軍航空整備学校又ハ岐阜陸軍航空整備学校ニ入校ヲ命ゼシム但シ卒業者中傷痍疾病其ノ他ノ事故ニ因リ此等ノ学校ノ生徒ト為スコトヲ得ザル者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第二十四条 校長ハ生徒ニ毎年三週間以内ノ休暇ヲ与フルコトヲ得
第二十五条 校長ハ卒業者ニ対シ卒業ノ日ヨリ第二十三条ニ掲グル学校ニ入校スベキ日ニ至ル迄休暇ヲ与フルコトヲ得但シ此ノ期間ニ於ケル卒業者ノ身分ハ陸軍少年飛行兵学校ニ属ス
第二十六条 校長ハ校務上便宜ノ時期ニ於テ武官タル職員ニ隊附勤務ヲ為サシムルコトヲ得
第二十七条 校長ハ生徒ノ教育上必要アルトキハ教育総監、軍司令官、航空軍司令官、師団長又ハ飛行師団長ニ禀議シ其ノ学校又ハ軍隊ヲ使用スルコトヲ得
附 則
本令ハ昭和十八年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
東京陸軍航空学校令ハ之ヲ廃止ス
本令中所沢陸軍航空整備学校トアルハ昭和十八年七月三十一日迄ハ陸軍航空整備学校トス
本令施行ノ際現ニ東京陸軍航空学校ノ生徒タル者ハ陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ東京又ハ大津ノ陸軍少年飛行兵学校ノ生徒ト為ルモノトス