樺太特別行為税令
法令番号: 勅令第百五十三號
公布年月日: 昭和18年3月20日
法令の形式: 勅令
朕樺太特別行爲稅令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月十九日
內閣總理大臣 東條英機
內務大臣 湯澤三千男
勅令第百五十三號
樺太特別行爲稅令
第一條 左ニ揭グル行爲ニハ本令ニ依リ特別行爲稅ヲ課ス
一 寫眞ノ撮影、現像、燒付及複寫
二 調髮及整容
三 織物及被服類ノ染色(描繪ヲ含ム)及刺繡
四 被服類其ノ他樺太廳長官ノ定ムルモノノ仕立(編上ヲ含ム)
五 書畫ノ表裝
六 印刷及製本
第二條 特別行爲稅ノ稅率ハ料金ノ百分ノ三十トス但シ前條第六號ニ揭グル行爲ニ付テハ料金ノ百分ノ二十トス
第三條 前條ノ料金トハ名義ノ何タルヲ問ハズ第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者ガ其ノ行爲ノ對價トシテ取得スベキ金額ヲ謂フ
第七條ニ規定スル場合ニ於ケル料金ハ第一條第六號ニ揭グル行爲ノ對價トシテ通常取得シ得ベキ金額ニ依ル
第一項ノ料金ノ計算ニ關シ必要ナル事項ハ樺太廳長官之ヲ定ム
第四條 左ニ揭グル行爲ニハ特別行爲稅ヲ課セズ
一 寫眞ノ撮影ニシテ寫眞一組ノ料金ガ一圓八十錢ニ滿タザルモノ
二 第一條第二號ニ揭グル行爲ニシテ一囘ノ料金ガ一圓ニ滿タザルモノ
三 第一條第三號ニ揭グル行爲ニシテ一件ノ料金ガ六圓(染替ニ付テハ十二圓)ニ滿タザルモノ
四 第一條第四號ニ揭グル行爲ニシテ其ノ料金ガ樺太廳長官ノ定ムル金額ニ滿タザルモノ
第五條 左ニ揭グル行爲ニハ特別行爲稅ヲ課セズ
一 國、市町村其ノ他樺太廳長官ノ指定スル公共團體ノ爲ニ爲スモノ
二 織物、被服類其ノ他樺太廳長官ノ定ムルモノノ製造又ハ販賣ヲ爲ス業ヲ營ム者ノ當該商品ニ付爲ス第一條第三號又ハ第四號ニ揭グル行爲
三 書畫ノ販賣ヲ爲ス業ヲ營ム者ノ當該商品ニ付爲ス第一條第五號ニ揭グル行爲
四 敎科用圖書及新聞紙法ニ依ル新聞紙ニシテ樺太廳長官ノ定ムルモノニ付爲ス第一條第六號ニ揭グル行爲
五 其ノ他樺太廳長官ノ定ムルモノ
第六條 特別行爲稅ハ第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者ヨリ之ヲ徵收ス
第七條 出版業者其ノ他印刷又ハ製本シタル物品ノ製造又ハ販賣ヲ爲ス業ヲ營ム者ガ自ラ印刷又ハ製本ヲ爲ス場合ニ於テハ之ヲ當該行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者ト看做ス
第八條 第一條ニ揭グル行爲ニ付取次ヲ爲ス業ヲ營ム者ノ取次ニ依リテ爲サレタル行爲ハ之ヲ當該取次ヲ爲ス業ヲ營ム者ガ同條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者トシテ自ラ爲シタルモノト看做ス
第九條 第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者ハ每月其ノ爲シタル同條ニ揭グル行爲ニ付其ノ種類每ニ料金ヲ記載シタル申吿書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ但シ其ノ業ヲ廢止シタル場合ニ於テハ直ニ之ヲ提出スベシ
前項ノ申吿書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申吿ヲ不相當ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課稅標準額ヲ決定ス
第十條 特別行爲稅ハ每月分ヲ翌月末日迄ニ納付スベシ但シ前條第一項但書ノ場合ニ於テハ直ニ之ヲ納付スベシ
第十一條 第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營マントスル者ハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ政府ニ申吿スベシ之ヲ廢止セントスルトキ亦同ジ
第十二條 第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者ハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ關スル事項ヲ帳簿ニ記載シ又ハ必要ナル事項ヲ政府ニ申吿スベシ
第十三條 稅務官吏ハ第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者ニ對シ其ノ業務ニ關シ質問ヲ爲シ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査スルコトヲ得
第十四條 詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依リ特別行爲稅ヲ逋脫シ又ハ逋脫セントシタル者ハ二百圓以下ノ罰金ニ處シ直ニ其ノ稅金ヲ徵收ス
第十五條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ二百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
一 第九條第一項ノ規定ニ依ル申吿ヲ怠リ又ハ詐リタル者
二 政府ニ申吿セズシテ第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營ミタル者
前項第二號ニ規定スル者ニ付テハ直ニ其ノ特別行爲稅ヲ徵收ス
第十六條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
一 第十二條ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載若ハ申吿ヲ怠リ若ハ詐リ又ハ帳簿ヲ隱匿シタル者
二 第十三條ノ規定ニ依ル稅務官吏ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
第十七條 第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ガ其ノ業務ニ關シ本令ヲ犯シタルトキハ其ノ第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者ヲ處罰ス
第十八條 政府ハ第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者ノ組織スル團體ニ對シ徵稅上必要ナル施設ヲ爲シ又ハ徵收事務ノ補助ヲ爲スベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ前項ノ團體ニ對シ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ交付スルコトヲ得
附 則
本令施行ノ期日ハ樺太廳長官之ヲ定ム
本令施行前ヨリ引續キ第一條ニ揭グル行爲ヲ爲ス業ヲ營ム者本令施行後一月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スルトキハ本令施行ノ日ニ於テ本令ニ依リ申吿シタルモノト看做ス
朕樺太特別行為税令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月十九日
内閣総理大臣 東条英機
内務大臣 湯沢三千男
勅令第百五十三号
樺太特別行為税令
第一条 左ニ掲グル行為ニハ本令ニ依リ特別行為税ヲ課ス
一 写真ノ撮影、現像、焼付及複写
二 調髪及整容
三 織物及被服類ノ染色(描絵ヲ含ム)及刺繍
四 被服類其ノ他樺太庁長官ノ定ムルモノノ仕立(編上ヲ含ム)
五 書画ノ表装
六 印刷及製本
第二条 特別行為税ノ税率ハ料金ノ百分ノ三十トス但シ前条第六号ニ掲グル行為ニ付テハ料金ノ百分ノ二十トス
第三条 前条ノ料金トハ名義ノ何タルヲ問ハズ第一条ニ掲グル行為ヲ為ス業ヲ営ム者ガ其ノ行為ノ対価トシテ取得スベキ金額ヲ謂フ
第七条ニ規定スル場合ニ於ケル料金ハ第一条第六号ニ掲グル行為ノ対価トシテ通常取得シ得ベキ金額ニ依ル
第一項ノ料金ノ計算ニ関シ必要ナル事項ハ樺太庁長官之ヲ定ム
第四条 左ニ掲グル行為ニハ特別行為税ヲ課セズ
一 写真ノ撮影ニシテ写真一組ノ料金ガ一円八十銭ニ満タザルモノ
二 第一条第二号ニ掲グル行為ニシテ一回ノ料金ガ一円ニ満タザルモノ
三 第一条第三号ニ掲グル行為ニシテ一件ノ料金ガ六円(染替ニ付テハ十二円)ニ満タザルモノ
四 第一条第四号ニ掲グル行為ニシテ其ノ料金ガ樺太庁長官ノ定ムル金額ニ満タザルモノ
第五条 左ニ掲グル行為ニハ特別行為税ヲ課セズ
一 国、市町村其ノ他樺太庁長官ノ指定スル公共団体ノ為ニ為スモノ
二 織物、被服類其ノ他樺太庁長官ノ定ムルモノノ製造又ハ販売ヲ為ス業ヲ営ム者ノ当該商品ニ付為ス第一条第三号又ハ第四号ニ掲グル行為
三 書画ノ販売ヲ為ス業ヲ営ム者ノ当該商品ニ付為ス第一条第五号ニ掲グル行為
四 教科用図書及新聞紙法ニ依ル新聞紙ニシテ樺太庁長官ノ定ムルモノニ付為ス第一条第六号ニ掲グル行為
五 其ノ他樺太庁長官ノ定ムルモノ
第六条 特別行為税ハ第一条ニ掲グル行為ヲ為ス業ヲ営ム者ヨリ之ヲ徴収ス
第七条 出版業者其ノ他印刷又ハ製本シタル物品ノ製造又ハ販売ヲ為ス業ヲ営ム者ガ自ラ印刷又ハ製本ヲ為ス場合ニ於テハ之ヲ当該行為ヲ為ス業ヲ営ム者ト看做ス
第八条 第一条ニ掲グル行為ニ付取次ヲ為ス業ヲ営ム者ノ取次ニ依リテ為サレタル行為ハ之ヲ当該取次ヲ為ス業ヲ営ム者ガ同条ニ掲グル行為ヲ為ス業ヲ営ム者トシテ自ラ為シタルモノト看做ス
第九条 第一条ニ掲グル行為ヲ為ス業ヲ営ム者ハ毎月其ノ為シタル同条ニ掲グル行為ニ付其ノ種類毎ニ料金ヲ記載シタル申告書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ但シ其ノ業ヲ廃止シタル場合ニ於テハ直ニ之ヲ提出スベシ
前項ノ申告書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申告ヲ不相当ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課税標準額ヲ決定ス
第十条 特別行為税ハ毎月分ヲ翌月末日迄ニ納付スベシ但シ前条第一項但書ノ場合ニ於テハ直ニ之ヲ納付スベシ
第十一条 第一条ニ掲グル行為ヲ為ス業ヲ営マントスル者ハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ政府ニ申告スベシ之ヲ廃止セントスルトキ亦同ジ
第十二条 第一条ニ掲グル行為ヲ為ス業ヲ営ム者ハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ其ノ業務ニ関スル事項ヲ帳簿ニ記載シ又ハ必要ナル事項ヲ政府ニ申告スベシ
第十三条 税務官吏ハ第一条ニ掲グル行為ヲ為ス業ヲ営ム者ニ対シ其ノ業務ニ関シ質問ヲ為シ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査スルコトヲ得
第十四条 詐偽其ノ他不正ノ行為ニ依リ特別行為税ヲ逋脱シ又ハ逋脱セントシタル者ハ二百円以下ノ罰金ニ処シ直ニ其ノ税金ヲ徴収ス
第十五条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ二百円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
一 第九条第一項ノ規定ニ依ル申告ヲ怠リ又ハ詐リタル者
二 政府ニ申告セズシテ第一条ニ掲グル行為ヲ為ス業ヲ営ミタル者
前項第二号ニ規定スル者ニ付テハ直ニ其ノ特別行為税ヲ徴収ス
第十六条 左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ百円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
一 第十二条ノ規定ニ依ル帳簿ノ記載若ハ申告ヲ怠リ若ハ詐リ又ハ帳簿ヲ隠匿シタル者
二 第十三条ノ規定ニ依ル税務官吏ノ質問ニ対シ答弁ヲ為サズ若ハ虚偽ノ陳述ヲ為シ又ハ其ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者
第十七条 第一条ニ掲グル行為ヲ為ス業ヲ営ム者ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ガ其ノ業務ニ関シ本令ヲ犯シタルトキハ其ノ第一条ニ掲グル行為ヲ為ス業ヲ営ム者ヲ処罰ス
第十八条 政府ハ第一条ニ掲グル行為ヲ為ス業ヲ営ム者ノ組織スル団体ニ対シ徴税上必要ナル施設ヲ為シ又ハ徴収事務ノ補助ヲ為スベキコトヲ命ズルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ前項ノ団体ニ対シ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ交付金ヲ交付スルコトヲ得
附 則
本令施行ノ期日ハ樺太庁長官之ヲ定ム
本令施行前ヨリ引続キ第一条ニ掲グル行為ヲ為ス業ヲ営ム者本令施行後一月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告スルトキハ本令施行ノ日ニ於テ本令ニ依リ申告シタルモノト看做ス