(恩給法中改正法律)
法令番号: 法律第七十八號
公布年月日: 昭和18年3月20日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル恩給法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月十九日
內閣總理大臣兼陸軍大臣 東條英機
文部大臣 橋田邦彦
農林大臣 井野碩哉
厚生大臣 小泉親彥
司法大臣 岩村通世
海軍大臣 嶋田繁太郞
遞信大臣 寺島健
大藏大臣 賀屋興宣
商工大臣 岸信介
鐵道大臣 八田嘉明
內務大臣 湯澤三千男
外務大臣 谷正之
大東亞大臣 靑木一男
法律第七十八號
恩給法中左ノ通改正ス
第十六條第一號但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ文官ニシテ國庫ヨリ俸給ヲ受ケサル者及其ノ遺族ノ恩給ハ勅令ヲ以テ定ムル者之ヲ負擔ス
同條第四號但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ在外指定學校職員及樺太ニ於ケル敎育職員ノ一時恩給ヲ除クノ外一時恩給ハ府縣又ハ之ニ準スヘキ地方經濟之ヲ負擔ス
第十八條第一項中「府縣費ヨリ俸給ヲ給スル文官、」ヲ削ル
第二十一條第二項第一號中「及海軍ノ候補生」ヲ「竝海軍ノ候補生及見習尉官」ニ改ム
第二十二條第一項ヲ左ノ如ク改ム
敎育職員トハ公立ノ學校、幼稚園若ハ圖書館又ハ在外指定學校ノ職員ニシテ國庫ヨリ俸給ヲ給セサル官ニ在ルモノ及判任官以上ノ待遇ヲ受クルモノヲ謂フ
第二十三條第三號中「消防機關士補」ノ下ニ「、判任官タル消防手」ヲ加フ
第二十五條第四號但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ左ノ場合ニ於テハ之ヲ轉任ト看做ス
(イ) 判任官ノ待遇ヲ受クル巡査又ハ消防手警部補、消防士補、消防機關士補又ハ判任官タル巡査若ハ消防手ニ任シタルトキ
(ロ) 警部補、消防士補、消防機關士補又ハ判任官タル巡査若ハ消防手判任官ノ待遇ヲ受クル巡査又ハ消防手ニ就職スルトキ
(ハ) 判任官ノ待遇ヲ受クル看守又ハ敎導副看守長又ハ判任官タル看守若ハ敎導ニ任シタルトキ
(ニ) 副看守長又ハ判任官タル看守若ハ敎導判任官ノ待遇ヲ受クル看守又ハ敎導ニ就職スルトキ
(ホ) 其ノ他勅令ヲ以テ定ムル場合
第二十六條第四號但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ左ノ場合ニ於テハ之ヲ退職ト看做ス
(イ) 警部補、消防士補、消防機關士補、副看守長又ハ判任官タル巡査、消防手、看守若ハ敎導他ノ官ニ轉シタルトキ
(ロ) 他ノ官ヨリ警部補、消防士補、消防機關士補、副看守長又ハ判任官タル巡査、消防手、看守若ハ敎導ニ轉シタルトキ
(ハ) 其ノ他勅令ヲ以テ定ムル場合
第二十八條ノ二 防衞召集ニ依リ部隊ニ編入セラレタル軍人ノ在職年ノ計算ニ關シテハ本法中ノ在職年ノ計算ニ關スル規定ニ拘ラス勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
第四十七條中「陸軍ノ見習士官海軍ノ候補生」ヲ「陸軍ノ見習士官海軍ノ候補生見習尉官」ニ、「陸軍ノ見習士官又ハ海軍ノ候補生」ヲ「陸軍ノ見習士官又ハ海軍ノ候補生若ハ見習尉官」ニ改ム
第五十九條第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ文官ニシテ府縣又ハ之ニ準スヘキ地方經濟ヨリ俸給ヲ受クルモノハ當該府縣又ハ之ニ準スヘキ地方經濟ニ對シ納付スヘシ
第五十九條ノ二第一項ヲ左ノ如ク改ム
本節ニ於ケル退職當時ノ俸給年額ノ計算ニ付テハ左ノ特例ニ從フ
一 公務ノ爲傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ之カ爲退職シ又ハ死亡シタル者ニ付退職又ハ死亡前一年內ニ昇給アリタル場合ニ於テハ級俸(軍人及準軍人ニ付テハ別表第一號表ノ假定俸給年額ヲ以テ級俸トス以下同シ)ノ定アル俸給ニ付二級ヲ超エ昇給シタルトキハ二級、其ノ定ナキ俸給ニ付退職又ハ死亡ノ一年前ノ俸給ノ百分ノ三十ヲ超エ昇給シタルトキハ百分ノ三十ノ昇給アリタルモノトス
二 前號ニ規定スル者以外ノ者ニ付退職又ハ死亡前一年內ニ昇給アリタル場合ニ於テハ級俸ノ定アル俸給ニ付一級ヲ超エ昇給シタルトキハ一級、其ノ定ナキ俸給ニ付退職又ハ死亡ノ一年前ノ俸給ノ百分ノ十五ヲ超エ昇給シタルトキハ百分ノ十五ノ昇給アリタルモノトス
同條第二項中「前項但書」ヲ「前項」ニ、同條第三項中「退職前一年內ノ俸給」ヲ「退職當時ノ俸給年額」ニ、同條第四項中「看做シ計算ス」ヲ「看做ス」ニ、同條第五項中「退職前ノ俸給月額ト稱スルハ退職前」ヲ「退職當時ノ俸給月額トハ退職當時」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
軍人及準軍人ニ付テハ別表第一號表ニ定ムル各階等ニ對スル假定俸給年額ヲ以テ各其ノ階等ニ對スル俸給年額トス
第六十條第二項、第三項及第七項中「退職前」ヲ「退職當時」ニ改ム
第六十一條第三項中「退職前」ヲ「退職當時」ニ、「十四年以上」ヲ「十三年以上」ニ改ム
第六十一條ノ二第三項中「退職前」ヲ「退職當時」ニ、「十三年以上」ヲ「十二年以上」ニ、「下士官ニ在リテハ七圓、兵ニ在リテハ六圓」ヲ「下士官ノ俸給年額ヲ以テ普通恩給額ヲ計算スル場合ニ在リテハ七圓、兵ノ俸給年額ヲ以テ之ヲ計算スル場合ニ在リテハ六圓」ニ改ム
第六十二條第二項乃至第四項及第八項、第六十三條第二項及第三項、第六十四條第二項、第六十七條第二項、第六十八條第二項竝ニ第七十條第二項中「退職前」ヲ「退職當時」ニ改ム
第七十四條第二項中「生活資料ヲ得ルノ途ナク且之ヲ扶養スル者ナキ」ヲ「生活資料ヲ得ルノ途ナキ」ニ改ム
第七十五條第二項ヲ左ノ如ク改ム
公務員カ退職又ハ死亡前一年內ニ二階等ヲ超エ進級シタル場合ニ於テ前項第二號乃至第四號ノ規定ニ依リ別表第五號表乃至第七號表ノ率ヲ乘スヘキトキハ當該公務員カ退職又ハ死亡前一年內ニ二階等進級シタルトキ乘スヘキ率ヲ乘ス
同條第四項中「前項」ヲ「前二項」ニ改メ同條第三項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第二項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ別表第八號表ノ率ヲ乘スヘキ場合ニ付之ヲ準用ス
第八十條第一項第三號及第八十一條第一項中「生活資料ヲ得ルノ途ナク且之ヲ扶養スル者ナキ」ヲ「生活資料ヲ得ルノ途ナキ」ニ改ム
第八十二條第二項及第三項中「死亡前」ヲ「死亡當時」ニ、同條第四項中「扶助料」ヲ「一時扶助料」ニ改ム
第八十二條ノ次ニ左ノ一章ヲ加フ
第四章 雜則
第八十二條ノ二 公務員ニシテ本屬廳ノ承認ヲ受ケ外國政府又ハ之ニ準スルモノノ官吏其ノ他ノ職員(以下外國政府職員ト稱ス)ト爲ル爲退職シタル後二年以上外國政府職員トシテ在職シタルモノ公務員トシテ再就職シ其ノ後一年以上在職シタル場合ニ於テハ其ノ外國政府職員トシテノ在職年月數ハ之ヲ普通恩給ノ基礎タル在職年ニ通算ス但シ恩給權者ニ於テ反對ノ意思ヲ表示シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ規定ハ公務員カ本屬廳ノ承認ヲ受ケ外國政府職員ト爲ル爲退職スル際普通恩給ヲ給スヘキ場合ニ於テハ之ヲ適用セス外國政府職員在職中普通恩給ヲ給スヘキ事由ノ生シタルトキ亦同シ
第一項ノ場合ニ於テ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第八十二條ノ三 第六十四條ノ二ノ規定ハ前條ノ規定ニ依リ外國政府職員トシテノ在職年月數ヲ通算シテ普通恩給ヲ給スル場合ニ付之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ外國政府職員トシテノ就職ヲ以テ再就職トス
別表第一號表(乙)中
陸軍兵長
陸軍上等兵
陸軍一等兵
陸軍二等兵
海軍一等兵
海軍二等兵
海軍三等兵
海軍四等兵
兵長
上等兵
一等兵
二等兵
ニ改ム
別表第五號表及第六號表中
准士官
曹長一等兵曹
軍曹二等兵曹
伍長三等兵曹
陸軍兵長
海軍一等兵
陸軍上等兵
海軍二等兵
陸軍一等兵
海軍三等兵
陸軍二等兵
海軍四等兵
判任
一等
二等
三等
四等
判任待遇
准士官
曹長上等兵曹
軍曹一等兵曹
伍長二等兵曹
兵長
上等兵
一等兵
二等兵
判任
一等
二等
三等
四等
判任待遇
ニ改ム
別表第七號表中
陸軍兵長
海軍一等兵
陸軍上等兵
海軍二等兵
陸軍一等兵
海軍三等兵
陸軍二等兵
海軍四等兵
兵長
上等兵
一等兵
二等兵
ニ改ム
附 則
第一條 本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム但シ恩給法第二十三條、第二十五條及第二十六條ノ改正規定ハ勅令ヲ以テ定ムル日ヨリ、同法第二十八條ノ二ノ改正規定ハ昭和十七年十二月一日ヨリ之ヲ適用ス
第二條 恩給法第十六條ノ改正規定施行前給與事由ノ生ジタル恩給ノ負擔ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
第三條 恩給法第十七條ノ規定ハ當分ノ內之ヲ適用セズ
前項ノ規定ノ施行ニ關シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四條 恩給法第五十九條ノ二ノ改正規定施行前給與事由ノ生ジタル恩給ノ額ヲ計算スル場合ニ於テハ仍從前ノ例ニ依ル
第五條 昭和十六年十二月八日以後恩給法第五十九條ノ二乃至第六十四條及第七十五條ノ改正規定施行前公務ノ爲傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ之ガ爲退職シタル公務員若ハ之ニ準ズベキ者ニシテ同改正規定施行ノ際現ニ從前ノ規定ニ依リ普通恩給ヲ受ケ若ハ受クベキモノ又ハ同一期間內ニ公務ノ爲傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ之ガ爲死亡シタル公務員若ハ之ニ準ズベキ者ノ遺族ニシテ同改正規定施行ノ際現ニ從前ノ規定ニ依リ扶助料ヲ受ケ若ハ受クベキモノニハ同改正規定ニ依ル恩給金額ガ從前ノ規定ニ依ル恩給金額ヨリ多額ナルトキハ當該金額ト同改正規定ニ依ル金額トノ差額ヲ勅令ノ定ムル所ニ依リ增給ス
第六條 公務員ニシテ恩給法第八十二條ノ二ノ改正規定施行前外國政府職員ト爲ル爲退職シタル後二年以上外國政府職員タリシモノ公務員トシテ再就職シ一年以上在職シテ同改正規定施行後退職スル場合ニ於テハ同法第八十二條ノ二ノ改正規定ニ準ジ外國政府職員トシテノ在職年月數ヲ通算ス
恩給法第八十二條ノ三ノ改正規定ハ前項ノ場合ニ付之ヲ準用ス但シ昭和八年九月三十日以前ニ給與事由ノ生ジタル一時恩給ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第七條 昭和八年法律第五十號附則第十條中「第五十九條ノ二第一項但書」ヲ「第五十九條ノ二第一項」ニ、「同但書各號」ヲ「同項第二號」ニ改ム
第八條 從前ノ規定ニ依ル道府縣立師範學校長ニ付テハ仍從前ノ例ニ依ル
恩給法第二十二條ノ改正規定施行ノ際道府縣立師範學校職員ヨリ官立師範學校職員ニ轉任シ同條ノ改正規定施行後之ヲ退職スル者ニ普通恩給ヲ給スル場合ニ於テ其ノ在職年中ニ同條ノ改正規定施行前ノ同法第六十二條第三項又ハ第四項ニ揭グル學校ノ敎育職員トシテノ勤續在職年十七年以上ノモノヲ含ムトキハ當該勤續在職年中十七年ヲ控除シタル殘ノ勤續在職年一年ニ付同條ノ規定ニ依リ加給ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル恩給法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十八年三月十九日
内閣総理大臣兼陸軍大臣 東条英機
文部大臣 橋田邦彦
農林大臣 井野碩哉
厚生大臣 小泉親彦
司法大臣 岩村通世
海軍大臣 嶋田繁太郎
逓信大臣 寺島健
大蔵大臣 賀屋興宣
商工大臣 岸信介
鉄道大臣 八田嘉明
内務大臣 湯沢三千男
外務大臣 谷正之
大東亜大臣 青木一男
法律第七十八号
恩給法中左ノ通改正ス
第十六条第一号但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ文官ニシテ国庫ヨリ俸給ヲ受ケサル者及其ノ遺族ノ恩給ハ勅令ヲ以テ定ムル者之ヲ負担ス
同条第四号但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ在外指定学校職員及樺太ニ於ケル教育職員ノ一時恩給ヲ除クノ外一時恩給ハ府県又ハ之ニ準スヘキ地方経済之ヲ負担ス
第十八条第一項中「府県費ヨリ俸給ヲ給スル文官、」ヲ削ル
第二十一条第二項第一号中「及海軍ノ候補生」ヲ「並海軍ノ候補生及見習尉官」ニ改ム
第二十二条第一項ヲ左ノ如ク改ム
教育職員トハ公立ノ学校、幼稚園若ハ図書館又ハ在外指定学校ノ職員ニシテ国庫ヨリ俸給ヲ給セサル官ニ在ルモノ及判任官以上ノ待遇ヲ受クルモノヲ謂フ
第二十三条第三号中「消防機関士補」ノ下ニ「、判任官タル消防手」ヲ加フ
第二十五条第四号但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ左ノ場合ニ於テハ之ヲ転任ト看做ス
(イ) 判任官ノ待遇ヲ受クル巡査又ハ消防手警部補、消防士補、消防機関士補又ハ判任官タル巡査若ハ消防手ニ任シタルトキ
(ロ) 警部補、消防士補、消防機関士補又ハ判任官タル巡査若ハ消防手判任官ノ待遇ヲ受クル巡査又ハ消防手ニ就職スルトキ
(ハ) 判任官ノ待遇ヲ受クル看守又ハ教導副看守長又ハ判任官タル看守若ハ教導ニ任シタルトキ
(ニ) 副看守長又ハ判任官タル看守若ハ教導判任官ノ待遇ヲ受クル看守又ハ教導ニ就職スルトキ
(ホ) 其ノ他勅令ヲ以テ定ムル場合
第二十六条第四号但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ左ノ場合ニ於テハ之ヲ退職ト看做ス
(イ) 警部補、消防士補、消防機関士補、副看守長又ハ判任官タル巡査、消防手、看守若ハ教導他ノ官ニ転シタルトキ
(ロ) 他ノ官ヨリ警部補、消防士補、消防機関士補、副看守長又ハ判任官タル巡査、消防手、看守若ハ教導ニ転シタルトキ
(ハ) 其ノ他勅令ヲ以テ定ムル場合
第二十八条ノ二 防衛召集ニ依リ部隊ニ編入セラレタル軍人ノ在職年ノ計算ニ関シテハ本法中ノ在職年ノ計算ニ関スル規定ニ拘ラス勅令ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得
第四十七条中「陸軍ノ見習士官海軍ノ候補生」ヲ「陸軍ノ見習士官海軍ノ候補生見習尉官」ニ、「陸軍ノ見習士官又ハ海軍ノ候補生」ヲ「陸軍ノ見習士官又ハ海軍ノ候補生若ハ見習尉官」ニ改ム
第五十九条第一項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ文官ニシテ府県又ハ之ニ準スヘキ地方経済ヨリ俸給ヲ受クルモノハ当該府県又ハ之ニ準スヘキ地方経済ニ対シ納付スヘシ
第五十九条ノ二第一項ヲ左ノ如ク改ム
本節ニ於ケル退職当時ノ俸給年額ノ計算ニ付テハ左ノ特例ニ従フ
一 公務ノ為傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ之カ為退職シ又ハ死亡シタル者ニ付退職又ハ死亡前一年内ニ昇給アリタル場合ニ於テハ級俸(軍人及準軍人ニ付テハ別表第一号表ノ仮定俸給年額ヲ以テ級俸トス以下同シ)ノ定アル俸給ニ付二級ヲ超エ昇給シタルトキハ二級、其ノ定ナキ俸給ニ付退職又ハ死亡ノ一年前ノ俸給ノ百分ノ三十ヲ超エ昇給シタルトキハ百分ノ三十ノ昇給アリタルモノトス
二 前号ニ規定スル者以外ノ者ニ付退職又ハ死亡前一年内ニ昇給アリタル場合ニ於テハ級俸ノ定アル俸給ニ付一級ヲ超エ昇給シタルトキハ一級、其ノ定ナキ俸給ニ付退職又ハ死亡ノ一年前ノ俸給ノ百分ノ十五ヲ超エ昇給シタルトキハ百分ノ十五ノ昇給アリタルモノトス
同条第二項中「前項但書」ヲ「前項」ニ、同条第三項中「退職前一年内ノ俸給」ヲ「退職当時ノ俸給年額」ニ、同条第四項中「看做シ計算ス」ヲ「看做ス」ニ、同条第五項中「退職前ノ俸給月額ト称スルハ退職前」ヲ「退職当時ノ俸給月額トハ退職当時」ニ改メ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
軍人及準軍人ニ付テハ別表第一号表ニ定ムル各階等ニ対スル仮定俸給年額ヲ以テ各其ノ階等ニ対スル俸給年額トス
第六十条第二項、第三項及第七項中「退職前」ヲ「退職当時」ニ改ム
第六十一条第三項中「退職前」ヲ「退職当時」ニ、「十四年以上」ヲ「十三年以上」ニ改ム
第六十一条ノ二第三項中「退職前」ヲ「退職当時」ニ、「十三年以上」ヲ「十二年以上」ニ、「下士官ニ在リテハ七円、兵ニ在リテハ六円」ヲ「下士官ノ俸給年額ヲ以テ普通恩給額ヲ計算スル場合ニ在リテハ七円、兵ノ俸給年額ヲ以テ之ヲ計算スル場合ニ在リテハ六円」ニ改ム
第六十二条第二項乃至第四項及第八項、第六十三条第二項及第三項、第六十四条第二項、第六十七条第二項、第六十八条第二項並ニ第七十条第二項中「退職前」ヲ「退職当時」ニ改ム
第七十四条第二項中「生活資料ヲ得ルノ途ナク且之ヲ扶養スル者ナキ」ヲ「生活資料ヲ得ルノ途ナキ」ニ改ム
第七十五条第二項ヲ左ノ如ク改ム
公務員カ退職又ハ死亡前一年内ニ二階等ヲ超エ進級シタル場合ニ於テ前項第二号乃至第四号ノ規定ニ依リ別表第五号表乃至第七号表ノ率ヲ乗スヘキトキハ当該公務員カ退職又ハ死亡前一年内ニ二階等進級シタルトキ乗スヘキ率ヲ乗ス
同条第四項中「前項」ヲ「前二項」ニ改メ同条第三項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第二項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ別表第八号表ノ率ヲ乗スヘキ場合ニ付之ヲ準用ス
第八十条第一項第三号及第八十一条第一項中「生活資料ヲ得ルノ途ナク且之ヲ扶養スル者ナキ」ヲ「生活資料ヲ得ルノ途ナキ」ニ改ム
第八十二条第二項及第三項中「死亡前」ヲ「死亡当時」ニ、同条第四項中「扶助料」ヲ「一時扶助料」ニ改ム
第八十二条ノ次ニ左ノ一章ヲ加フ
第四章 雑則
第八十二条ノ二 公務員ニシテ本属庁ノ承認ヲ受ケ外国政府又ハ之ニ準スルモノノ官吏其ノ他ノ職員(以下外国政府職員ト称ス)ト為ル為退職シタル後二年以上外国政府職員トシテ在職シタルモノ公務員トシテ再就職シ其ノ後一年以上在職シタル場合ニ於テハ其ノ外国政府職員トシテノ在職年月数ハ之ヲ普通恩給ノ基礎タル在職年ニ通算ス但シ恩給権者ニ於テ反対ノ意思ヲ表示シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ規定ハ公務員カ本属庁ノ承認ヲ受ケ外国政府職員ト為ル為退職スル際普通恩給ヲ給スヘキ場合ニ於テハ之ヲ適用セス外国政府職員在職中普通恩給ヲ給スヘキ事由ノ生シタルトキ亦同シ
第一項ノ場合ニ於テ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第八十二条ノ三 第六十四条ノ二ノ規定ハ前条ノ規定ニ依リ外国政府職員トシテノ在職年月数ヲ通算シテ普通恩給ヲ給スル場合ニ付之ヲ準用ス此ノ場合ニ於テハ外国政府職員トシテノ就職ヲ以テ再就職トス
別表第一号表(乙)中
陸軍兵長
陸軍上等兵
陸軍一等兵
陸軍二等兵
海軍一等兵
海軍二等兵
海軍三等兵
海軍四等兵
兵長
上等兵
一等兵
二等兵
ニ改ム
別表第五号表及第六号表中
准士官
曹長一等兵曹
軍曹二等兵曹
伍長三等兵曹
陸軍兵長
海軍一等兵
陸軍上等兵
海軍二等兵
陸軍一等兵
海軍三等兵
陸軍二等兵
海軍四等兵
判任
一等
二等
三等
四等
判任待遇
准士官
曹長上等兵曹
軍曹一等兵曹
伍長二等兵曹
兵長
上等兵
一等兵
二等兵
判任
一等
二等
三等
四等
判任待遇
ニ改ム
別表第七号表中
陸軍兵長
海軍一等兵
陸軍上等兵
海軍二等兵
陸軍一等兵
海軍三等兵
陸軍二等兵
海軍四等兵
兵長
上等兵
一等兵
二等兵
ニ改ム
附 則
第一条 本法施行ノ期日ハ各規定ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム但シ恩給法第二十三条、第二十五条及第二十六条ノ改正規定ハ勅令ヲ以テ定ムル日ヨリ、同法第二十八条ノ二ノ改正規定ハ昭和十七年十二月一日ヨリ之ヲ適用ス
第二条 恩給法第十六条ノ改正規定施行前給与事由ノ生ジタル恩給ノ負担ニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル
第三条 恩給法第十七条ノ規定ハ当分ノ内之ヲ適用セズ
前項ノ規定ノ施行ニ関シ必要ナル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第四条 恩給法第五十九条ノ二ノ改正規定施行前給与事由ノ生ジタル恩給ノ額ヲ計算スル場合ニ於テハ仍従前ノ例ニ依ル
第五条 昭和十六年十二月八日以後恩給法第五十九条ノ二乃至第六十四条及第七十五条ノ改正規定施行前公務ノ為傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ之ガ為退職シタル公務員若ハ之ニ準ズベキ者ニシテ同改正規定施行ノ際現ニ従前ノ規定ニ依リ普通恩給ヲ受ケ若ハ受クベキモノ又ハ同一期間内ニ公務ノ為傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ之ガ為死亡シタル公務員若ハ之ニ準ズベキ者ノ遺族ニシテ同改正規定施行ノ際現ニ従前ノ規定ニ依リ扶助料ヲ受ケ若ハ受クベキモノニハ同改正規定ニ依ル恩給金額ガ従前ノ規定ニ依ル恩給金額ヨリ多額ナルトキハ当該金額ト同改正規定ニ依ル金額トノ差額ヲ勅令ノ定ムル所ニ依リ増給ス
第六条 公務員ニシテ恩給法第八十二条ノ二ノ改正規定施行前外国政府職員ト為ル為退職シタル後二年以上外国政府職員タリシモノ公務員トシテ再就職シ一年以上在職シテ同改正規定施行後退職スル場合ニ於テハ同法第八十二条ノ二ノ改正規定ニ準ジ外国政府職員トシテノ在職年月数ヲ通算ス
恩給法第八十二条ノ三ノ改正規定ハ前項ノ場合ニ付之ヲ準用ス但シ昭和八年九月三十日以前ニ給与事由ノ生ジタル一時恩給ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第七条 昭和八年法律第五十号附則第十条中「第五十九条ノ二第一項但書」ヲ「第五十九条ノ二第一項」ニ、「同但書各号」ヲ「同項第二号」ニ改ム
第八条 従前ノ規定ニ依ル道府県立師範学校長ニ付テハ仍従前ノ例ニ依ル
恩給法第二十二条ノ改正規定施行ノ際道府県立師範学校職員ヨリ官立師範学校職員ニ転任シ同条ノ改正規定施行後之ヲ退職スル者ニ普通恩給ヲ給スル場合ニ於テ其ノ在職年中ニ同条ノ改正規定施行前ノ同法第六十二条第三項又ハ第四項ニ掲グル学校ノ教育職員トシテノ勤続在職年十七年以上ノモノヲ含ムトキハ当該勤続在職年中十七年ヲ控除シタル残ノ勤続在職年一年ニ付同条ノ規定ニ依リ加給ス