(関東州所得税令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第二百五十二號
公布年月日: 昭和17年3月28日
法令の形式: 勅令
朕關東州所得稅令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年三月二十七日
內閣總理大臣 東條英機
勅令第二百五十二號
關東州所得稅令中左ノ通改正ス
第十三條第二項中「第三種所得稅」ノ下ニ「及臨時利得稅」ヲ、同條同項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
營業利得ニ對スル臨時利得稅額ハ當該臨時利得稅ヲ課セラルベキ年分ノ所得金額ヨリ之ヲ控除ス
關東州臨時利得稅令ニ依リ臨時利得稅ヲ課セラルル營業ノ所得ニシテ所得稅ヲ課スベキ所得ト其ノ他ノ所得トヲ有スル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依リ控除スベキ臨時利得稅額ハ大使ノ定ムル所ニ依リ之ヲ計算ス
第十五條第一項ヲ左ノ如ク改ム
前二條ノ規定ニ依リ算出シタル所得總額四千圓以下ナルトキハ其ノ所得ヲ有スル者ノ申請ニ依リ其ノ所得ヨリ其ノ年一月一日現在ノ同居ノ妻竝ニ同居ノ戶主及家族中年齡十八歲󠄁未滿若ハ六十歲以上又ハ不具癈疾ノ者一人ニ付百五十圓ヲ控除ス但シ第二條ノ規定ニ依ル納稅義務者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十六條中「二百圓」ヲ「二百四十圓」ニ改ム
第五十二條中「解散シタル場合ニ於テ」ノ下ニ「各事業年度ノ所得若ハ」ヲ加フ
第五十九條 詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ依リ所得稅ヲ逋脫シタル者ハ其ノ逋脫シタル稅金ノ三倍ニ相當スル罰金又ハ科料ニ處ス但シ自首シ又ハ稅務署長若ハ民政署長ニ申出デタル者ハ其ノ罪ヲ問ハズ
前項ノ場合ニ於テ第三種ノ所得ニ付所得稅ヲ逋脫シタル者ノ所得金額ハ所得調査委員會ニ諮問セズ政府ニ於テ之ヲ決定シ直ニ其ノ稅金ヲ徵收ス
第五十九條ノ二 第三十六條ノ二ノ規定ニ違反シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第五十九條ノ三 正當ノ事由ナクシテ第四十條第一項ノ規定ニ依リ政府ニ提出スベキ支拂調書ヲ提出セズ又ハ虛僞ノ記載ヲ爲シタル支拂調書ヲ提出シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
前項ノ規定ニ依リ處罰セラレタル者ニ對シテハ其ノ提出ニ係ル支拂調書ニ付第四十條第二項ノ規定ニ依ル金額ヲ交付セズ
第五十九條ノ四 第四十一條ノ規定ニ依ル稅務官吏ノ質問ニ對シ答辯ヲ爲サズ若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者、帳簿物件ノ檢査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者又ハ虛僞ノ記載ヲ爲シタル帳簿ヲ呈示シタル者ハ千圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
第五十九條ノ五 所得ノ調査又ハ審査ノ事務ニ從事シ又ハ從事シタル者其ノ調査又ハ審査ニ關シ知得タル祕密ヲ正當ノ事由ナクシテ漏洩シタルトキハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第五十九條ノ六 大正十一年勅令第二百號第一條ノ規定ハ第五十九條ノ二乃至前條ノ罪ヲ犯シタル者ニ付テハ之ヲ適用セズ
附 則
本令ハ昭和十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第一種ノ所得ニ付テハ普通所得ニ對スル所得稅ハ昭和十七年一月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、淸算所得ニ對スル所得稅ハ同日以後ニ於ケル解散又ハ合併ニ因ル分ヨリ、第三種ノ所得ニ付テハ昭和十七年分所得稅ヨリ本令ヲ適用ス
第三十條第一項ノ規定ニ依リ所得ノ申吿ヲ爲シタル者第十五條第一項及第十六條ノ改正規定ニ依リ控除ヲ受ケントスルトキハ大使ノ定ムル所ニ依リ昭和十七年四月十五日迄ニ其ノ申請書ヲ政府ニ提出スベシ
昭和十七年分ノ第三種ノ所得ニ對スル所得稅ニ限リ改正後ノ第十五條中一月一日トアルハ三月一日トス
朕関東州所得税令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年三月二十七日
内閣総理大臣 東条英機
勅令第二百五十二号
関東州所得税令中左ノ通改正ス
第十三条第二項中「第三種所得税」ノ下ニ「及臨時利得税」ヲ、同条同項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
営業利得ニ対スル臨時利得税額ハ当該臨時利得税ヲ課セラルベキ年分ノ所得金額ヨリ之ヲ控除ス
関東州臨時利得税令ニ依リ臨時利得税ヲ課セラルル営業ノ所得ニシテ所得税ヲ課スベキ所得ト其ノ他ノ所得トヲ有スル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依リ控除スベキ臨時利得税額ハ大使ノ定ムル所ニ依リ之ヲ計算ス
第十五条第一項ヲ左ノ如ク改ム
前二条ノ規定ニ依リ算出シタル所得総額四千円以下ナルトキハ其ノ所得ヲ有スル者ノ申請ニ依リ其ノ所得ヨリ其ノ年一月一日現在ノ同居ノ妻並ニ同居ノ戸主及家族中年齢十八歳󠄁未満若ハ六十歳以上又ハ不具廃疾ノ者一人ニ付百五十円ヲ控除ス但シ第二条ノ規定ニ依ル納税義務者ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
第十六条中「二百円」ヲ「二百四十円」ニ改ム
第五十二条中「解散シタル場合ニ於テ」ノ下ニ「各事業年度ノ所得若ハ」ヲ加フ
第五十九条 詐偽其ノ他不正ノ行為ニ依リ所得税ヲ逋脱シタル者ハ其ノ逋脱シタル税金ノ三倍ニ相当スル罰金又ハ科料ニ処ス但シ自首シ又ハ税務署長若ハ民政署長ニ申出デタル者ハ其ノ罪ヲ問ハズ
前項ノ場合ニ於テ第三種ノ所得ニ付所得税ヲ逋脱シタル者ノ所得金額ハ所得調査委員会ニ諮問セズ政府ニ於テ之ヲ決定シ直ニ其ノ税金ヲ徴収ス
第五十九条ノ二 第三十六条ノ二ノ規定ニ違反シタル者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第五十九条ノ三 正当ノ事由ナクシテ第四十条第一項ノ規定ニ依リ政府ニ提出スベキ支払調書ヲ提出セズ又ハ虚偽ノ記載ヲ為シタル支払調書ヲ提出シタル者ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
前項ノ規定ニ依リ処罰セラレタル者ニ対シテハ其ノ提出ニ係ル支払調書ニ付第四十条第二項ノ規定ニ依ル金額ヲ交付セズ
第五十九条ノ四 第四十一条ノ規定ニ依ル税務官吏ノ質問ニ対シ答弁ヲ為サズ若ハ虚偽ノ陳述ヲ為シタル者、帳簿物件ノ検査ヲ拒ミ、妨ゲ若ハ忌避シタル者又ハ虚偽ノ記載ヲ為シタル帳簿ヲ呈示シタル者ハ千円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
第五十九条ノ五 所得ノ調査又ハ審査ノ事務ニ従事シ又ハ従事シタル者其ノ調査又ハ審査ニ関シ知得タル秘密ヲ正当ノ事由ナクシテ漏洩シタルトキハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第五十九条ノ六 大正十一年勅令第二百号第一条ノ規定ハ第五十九条ノ二乃至前条ノ罪ヲ犯シタル者ニ付テハ之ヲ適用セズ
附 則
本令ハ昭和十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第一種ノ所得ニ付テハ普通所得ニ対スル所得税ハ昭和十七年一月一日以後ニ終了スル事業年度分ヨリ、清算所得ニ対スル所得税ハ同日以後ニ於ケル解散又ハ合併ニ因ル分ヨリ、第三種ノ所得ニ付テハ昭和十七年分所得税ヨリ本令ヲ適用ス
第三十条第一項ノ規定ニ依リ所得ノ申告ヲ為シタル者第十五条第一項及第十六条ノ改正規定ニ依リ控除ヲ受ケントスルトキハ大使ノ定ムル所ニ依リ昭和十七年四月十五日迄ニ其ノ申請書ヲ政府ニ提出スベシ
昭和十七年分ノ第三種ノ所得ニ対スル所得税ニ限リ改正後ノ第十五条中一月一日トアルハ三月一日トス