樺太広告税令
法令番号: 勅令第二百三十一號
公布年月日: 昭和17年3月25日
法令の形式: 勅令
朕樺太廣吿稅令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年三月二十四日
內閣總理大臣 東條英機
拓務大臣 井野碩哉
勅令第二百三十一號
樺太廣吿稅令
第一條 左ニ揭グル廣吿ニハ本令ニ依リ廣吿稅ヲ課ス
第一種
一 新聞紙、雜誌、書籍其ノ他ノ出版物ニ依ル廣吿但シ第二號、第三號又ハ第二種第一號乃至第三號ニ該當スルモノヲ除ク
二 汽車、自動車、汽船其ノ他ノ交通運輸機關又ハ交通運輸業ノ設備ニ依ル廣吿但シ第二種第三號ニ該當スルモノヲ除ク
三 映畫、入場券、乘車船券、氣球其ノ他樺太廳長官ノ定ムルモノニ依ル廣吿
第二種
一 立看板、掛看板、幟、旗又ハ此等ニ類スルモノニ依ル廣吿但シ第一種第二號ニ該當スルモノヲ除ク
二 ポスターニ依ル廣吿但シ第一種第二號ニ該當スルモノヲ除ク
三 チラシ其ノ他樺太廳長官ノ定ムルモノニ依ル廣吿
四 建植看板、野立看板、額面廣吿又ハ此等ニ類スルモノ其ノ他樺太廳長官ノ定ムルモノニ依ル廣吿但シ第一種第二號ニ該當スルモノヲ除ク
第二條 廣吿稅ノ稅率左ノ如シ
第一種ノ廣吿 廣吿ノ料金ノ百分ノ十
第二種ノ廣吿
第一號ノ廣吿 一個ニ付 二十錢 廣吿ノ面積一坪ヲ超ユルトキハ一個ニ付五十錢
第二號ノ廣吿 一個ニ付 十錢
第三號ノ廣吿
チラシ 五百個又ハ其ノ端數ニ付 十錢
其ノ他 五百個又ハ其ノ端數ニ付 二十五錢
第四號ノ廣吿 廣吿ノ面積一坪又ハ其ノ端數ニ付每年 二圓
年ノ中途ニ於テ第ニ種第四號ノ廣吿ヲ開始シタル場合ニ於テハ其ノ年分ノ廣吿稅ハ月割󠄅ヲ以テ之ヲ計算ス
第三條 前條ノ廣吿ノ料金トハ廣吿料、印刷料、揭示料、使用料、手數料其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ廣吿ヲ爲ス者ガ廣吿ノ對價トシテ取得スベキ金額ヲ謂フ
自己ノ爲ニ廣吿ヲ爲ス場合又ハ他人ノ爲無料若ハ特ニ低額ノ料金ヲ以テ廣吿ヲ爲ス場合ニ於ケル廣吿ノ料金ハ其ノ廣吿ノ對價トシテ通常取得シ得ベキ金額ニ依ル
第四條 左ニ揭グル廣吿ニハ廣吿稅ヲ課セズ
一 國、市町村其ノ他樺太廳長官ノ指定スル公共團體ガ廣吿主タルモノ
二 神社ガ廣吿主タルモノ
三 法令ニ依ルモノ
四 公ノ選擧ニ關スルモノ
五 其ノ他樺太廳長官ノ定ムルモノ
第五條 第一種ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ廣吿ヲ爲ス者ヨリ、第二種第三號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ同號ニ揭グルモノヲ作製スル者ヨリ、第二種第四號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ廣吿主ヨリ之ヲ徵收ス
第六條 第一種ノ廣吿ヲ爲ス者ハ每月其ノ爲シタル廣吿ニ付其ノ種類每ニ廣吿ノ料金ヲ記載シタル申吿書ヲ、第二種第三號ニ揭グルモノヲ作製スル者ハ每月其ノ作製シタルモノニ付其ノ種類每ニ數量ヲ記載シタル申吿書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ
第二種第四號ノ廣吿ヲ爲サントスル廣吿主ハ其ノ廣吿ニ付一個每ニ廣吿ノ面積ヲ記載シタル申吿書ヲ豫メ政府ニ提出スベシ
第二種第四號ノ廣吿ヲ翌年ニ亘リ繼續セントスル廣吿主ハ其ノ廣吿ニ付一個每ニ廣吿ノ面積ヲ記載シタル申吿書ヲ其ノ年十二月末日迄ニ政府ニ提出スベシ
申吿書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申吿ヲ不相當ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課稅標準額ヲ決定ス
第七條 第一種及第二種第三號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ每月分ヲ翌月末日迄ニ納付スベシ
第二種第四號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ廣吿主ガ前條第二項ノ規定ニ依リ申吿ヲ爲ス際其ノ年分ヲ、同條第三項ノ規定ニ依リ申吿ヲ爲ス際翌年分ヲ納付スベシ
第八條 第二種第一號又ハ第二號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ廣吿主廣吿ニ印紙ヲ貼用シテ之ヲ納ムベシ但シ廣吿稅額ニ相當スル現金ヲ政府ニ納付シテ納稅濟證印ノ押捺ヲ受ケ印紙貼用ニ代フルコトヲ得
第九條 第一種若ハ第二種ノ廣吿ヲ爲ス業ヲ營マントスル者、第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付取次ヲ爲ス業ヲ營マントスル者又ハ第二種第三號ニ揭グルモノノ作製ヲ爲ス業ヲ營マントスル者ハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ營業所每ニ政府ニ申吿スベシ其ノ營業ヲ廢止セントスルトキ亦同ジ
第十條 第一種若ハ第二種ノ廣吿ヲ爲ス業ヲ營ム者、第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付取次ヲ爲ス業ヲ營ム者又ハ第二種第三號ニ揭グルモノノ作製ヲ爲ス業ヲ營ム者ハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ其ノ營業ニ關スル事項ヲ帳簿ニ記載シ又ハ必要ナル事項ヲ政府ニ申吿スベシ
第二種第四號ノ廣吿ノ廣吿主ハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ其ノ廣吿ニ付必要ナル事項ヲ政府ニ申吿スベシ
第十一條 稅務官吏ハ第一種若ハ第二種ノ廣吿ヲ爲ス業ヲ營ム者、第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付取次ヲ爲ス業ヲ營ム者、第二種第三號ニ揭グルモノノ作製ヲ爲ス業ヲ營ム者又ハ第二種第四號ノ廣吿ノ廣吿主ニ對シ廣吿ニ關シ質問ヲ爲シ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査スルコトヲ得
稅務官吏ハ廣吿ノ檢査ヲ爲スコトヲ得
第十二條 廣吿主第八條ノ規定ニ依リ廣吿ニ印紙ヲ貼用スルトキハ廣吿面ト印紙ノ彩紋トニカケテ自己ノ印章又ハ署名ヲ以テ判明ニ之ヲ消スベシ
第十三條 本令ニ定ムルモノノ外廣吿稅ニ關シ必要ナル規定ハ樺太廳長官之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行前ヨリ引續キ第一種若ハ第二種ノ廣吿ヲ爲ス業ヲ營ム者、第一種若ハ第二種ノ廣吿ニ付取次ヲ爲ス業ヲ營ム者又ハ第二種第三號ニ揭グルモノノ作製ヲ爲ス業ヲ營ム者本令施行後一月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スルトキハ本令施行ノ日ニ於テ本令ニ依リ申吿シタルモノト看做ス
本令施行前ヨリ引續キ爲ス第二種第一號又ハ第二號ノ廣吿ニ付テハ本令施行ノ日ヨリ十日以內ニ廣吿ニ相當印紙ヲ貼用スベシ
本令施行前ヨリ引續キ爲ス第二種第四號ノ廣吿ノ廣吿主ハ樺太廳長官ノ定ムル所ニ依リ本令施行後二月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申吿シ昭和十七年分ノ廣吿稅ヲ納付スベシ
前項ノ場合ニ於テ第二種第四號ノ廣吿ニ對スル廣吿稅ハ第二條ニ規定スル稅額ノ四分ノ三トス
朕樺太広告税令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十七年三月二十四日
内閣総理大臣 東条英機
拓務大臣 井野碩哉
勅令第二百三十一号
樺太広告税令
第一条 左ニ掲グル広告ニハ本令ニ依リ広告税ヲ課ス
第一種
一 新聞紙、雑誌、書籍其ノ他ノ出版物ニ依ル広告但シ第二号、第三号又ハ第二種第一号乃至第三号ニ該当スルモノヲ除ク
二 汽車、自動車、汽船其ノ他ノ交通運輸機関又ハ交通運輸業ノ設備ニ依ル広告但シ第二種第三号ニ該当スルモノヲ除ク
三 映画、入場券、乗車船券、気球其ノ他樺太庁長官ノ定ムルモノニ依ル広告
第二種
一 立看板、掛看板、幟、旗又ハ此等ニ類スルモノニ依ル広告但シ第一種第二号ニ該当スルモノヲ除ク
二 ポスターニ依ル広告但シ第一種第二号ニ該当スルモノヲ除ク
三 チラシ其ノ他樺太庁長官ノ定ムルモノニ依ル広告
四 建植看板、野立看板、額面広告又ハ此等ニ類スルモノ其ノ他樺太庁長官ノ定ムルモノニ依ル広告但シ第一種第二号ニ該当スルモノヲ除ク
第二条 広告税ノ税率左ノ如シ
第一種ノ広告 広告ノ料金ノ百分ノ十
第二種ノ広告
第一号ノ広告 一個ニ付 二十銭 広告ノ面積一坪ヲ超ユルトキハ一個ニ付五十銭
第二号ノ広告 一個ニ付 十銭
第三号ノ広告
チラシ 五百個又ハ其ノ端数ニ付 十銭
其ノ他 五百個又ハ其ノ端数ニ付 二十五銭
第四号ノ広告 広告ノ面積一坪又ハ其ノ端数ニ付毎年 二円
年ノ中途ニ於テ第ニ種第四号ノ広告ヲ開始シタル場合ニ於テハ其ノ年分ノ広告税ハ月割󠄅ヲ以テ之ヲ計算ス
第三条 前条ノ広告ノ料金トハ広告料、印刷料、掲示料、使用料、手数料其ノ他名義ノ何タルヲ問ハズ広告ヲ為ス者ガ広告ノ対価トシテ取得スベキ金額ヲ謂フ
自己ノ為ニ広告ヲ為ス場合又ハ他人ノ為無料若ハ特ニ低額ノ料金ヲ以テ広告ヲ為ス場合ニ於ケル広告ノ料金ハ其ノ広告ノ対価トシテ通常取得シ得ベキ金額ニ依ル
第四条 左ニ掲グル広告ニハ広告税ヲ課セズ
一 国、市町村其ノ他樺太庁長官ノ指定スル公共団体ガ広告主タルモノ
二 神社ガ広告主タルモノ
三 法令ニ依ルモノ
四 公ノ選挙ニ関スルモノ
五 其ノ他樺太庁長官ノ定ムルモノ
第五条 第一種ノ広告ニ対スル広告税ハ広告ヲ為ス者ヨリ、第二種第三号ノ広告ニ対スル広告税ハ同号ニ掲グルモノヲ作製スル者ヨリ、第二種第四号ノ広告ニ対スル広告税ハ広告主ヨリ之ヲ徴収ス
第六条 第一種ノ広告ヲ為ス者ハ毎月其ノ為シタル広告ニ付其ノ種類毎ニ広告ノ料金ヲ記載シタル申告書ヲ、第二種第三号ニ掲グルモノヲ作製スル者ハ毎月其ノ作製シタルモノニ付其ノ種類毎ニ数量ヲ記載シタル申告書ヲ翌月十日迄ニ政府ニ提出スベシ
第二種第四号ノ広告ヲ為サントスル広告主ハ其ノ広告ニ付一個毎ニ広告ノ面積ヲ記載シタル申告書ヲ予メ政府ニ提出スベシ
第二種第四号ノ広告ヲ翌年ニ亘リ継続セントスル広告主ハ其ノ広告ニ付一個毎ニ広告ノ面積ヲ記載シタル申告書ヲ其ノ年十二月末日迄ニ政府ニ提出スベシ
申告書ノ提出ナキトキ又ハ政府ニ於テ申告ヲ不相当ト認メタルトキハ政府ハ其ノ課税標準額ヲ決定ス
第七条 第一種及第二種第三号ノ広告ニ対スル広告税ハ毎月分ヲ翌月末日迄ニ納付スベシ
第二種第四号ノ広告ニ対スル広告税ハ広告主ガ前条第二項ノ規定ニ依リ申告ヲ為ス際其ノ年分ヲ、同条第三項ノ規定ニ依リ申告ヲ為ス際翌年分ヲ納付スベシ
第八条 第二種第一号又ハ第二号ノ広告ニ対スル広告税ハ広告主広告ニ印紙ヲ貼用シテ之ヲ納ムベシ但シ広告税額ニ相当スル現金ヲ政府ニ納付シテ納税済証印ノ押捺ヲ受ケ印紙貼用ニ代フルコトヲ得
第九条 第一種若ハ第二種ノ広告ヲ為ス業ヲ営マントスル者、第一種若ハ第二種ノ広告ニ付取次ヲ為ス業ヲ営マントスル者又ハ第二種第三号ニ掲グルモノノ作製ヲ為ス業ヲ営マントスル者ハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ営業所毎ニ政府ニ申告スベシ其ノ営業ヲ廃止セントスルトキ亦同ジ
第十条 第一種若ハ第二種ノ広告ヲ為ス業ヲ営ム者、第一種若ハ第二種ノ広告ニ付取次ヲ為ス業ヲ営ム者又ハ第二種第三号ニ掲グルモノノ作製ヲ為ス業ヲ営ム者ハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ其ノ営業ニ関スル事項ヲ帳簿ニ記載シ又ハ必要ナル事項ヲ政府ニ申告スベシ
第二種第四号ノ広告ノ広告主ハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ其ノ広告ニ付必要ナル事項ヲ政府ニ申告スベシ
第十一条 税務官吏ハ第一種若ハ第二種ノ広告ヲ為ス業ヲ営ム者、第一種若ハ第二種ノ広告ニ付取次ヲ為ス業ヲ営ム者、第二種第三号ニ掲グルモノノ作製ヲ為ス業ヲ営ム者又ハ第二種第四号ノ広告ノ広告主ニ対シ広告ニ関シ質問ヲ為シ又ハ帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ検査スルコトヲ得
税務官吏ハ広告ノ検査ヲ為スコトヲ得
第十二条 広告主第八条ノ規定ニ依リ広告ニ印紙ヲ貼用スルトキハ広告面ト印紙ノ彩紋トニカケテ自己ノ印章又ハ署名ヲ以テ判明ニ之ヲ消スベシ
第十三条 本令ニ定ムルモノノ外広告税ニ関シ必要ナル規定ハ樺太庁長官之ヲ定ム
附 則
本令ハ昭和十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行前ヨリ引続キ第一種若ハ第二種ノ広告ヲ為ス業ヲ営ム者、第一種若ハ第二種ノ広告ニ付取次ヲ為ス業ヲ営ム者又ハ第二種第三号ニ掲グルモノノ作製ヲ為ス業ヲ営ム者本令施行後一月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告スルトキハ本令施行ノ日ニ於テ本令ニ依リ申告シタルモノト看做ス
本令施行前ヨリ引続キ為ス第二種第一号又ハ第二号ノ広告ニ付テハ本令施行ノ日ヨリ十日以内ニ広告ニ相当印紙ヲ貼用スベシ
本令施行前ヨリ引続キ為ス第二種第四号ノ広告ノ広告主ハ樺太庁長官ノ定ムル所ニ依リ本令施行後二月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告シ昭和十七年分ノ広告税ヲ納付スベシ
前項ノ場合ニ於テ第二種第四号ノ広告ニ対スル広告税ハ第二条ニ規定スル税額ノ四分ノ三トス