(関東州支那事変特別税令中改正ノ件)
法令番号: 勅令第千三十四號
公布年月日: 昭和16年11月29日
法令の形式: 勅令
朕關東州支那事變特別稅令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年十一月二十八日
內閣總理大臣 東條英機
勅令第千三十四號
關東州支那事變特別稅令中左ノ通改正ス
第十五條ノ二ニ左ノ三號ヲ加フ
四 旅館ノ用ニ供スル家屋
五 麻雀場、撞球場其ノ他大使ノ定ムル遊技場ノ用ニ供スル家屋
六 俱樂部、會館其ノ他名稱ノ何タルヲ問ハズ會員其ノ他大使ノ定ムル者ノ親睦ヲ圖リ又ハ其ノ慰安若ハ娛樂ノ用ニ供スル家屋
第十五條ノ五中「百分ノ十」ヲ「百分ノ二十」ニ改ム
第十六條 通行稅ハ汽車、電車、乘合自動車及汽船ノ乘客ニ之ヲ課ス
第十六條ノ二 汽車ノ乘客ニハ左ノ區別ニ依リ通行稅ヲ課ス
一 普通乘車ノ契約ヲ爲シタル場合
乘車區間三十粁以下ナルトキ
一等 十錢
二等 五錢
乘車區間五十粁以下ナルトキ
一等 二十錢
二等 十錢
三等 三錢
乘車區間百粁以下ナルトキ
一等 三十錢
二等 十五錢
三等 五錢
乘車區間百五十粁以下ナルトキ
一等 六十錢
二等 三十錢
三等 十錢
乘車區間二百五十粁以下ナルトキ
一等 九十錢
二等 四十五錢
三等 十五錢
乘車區間三百五十粁以下ナルトキ
一等 一圓五十錢
二等 七十五錢
三等 二十五錢
乘車區間五百粁以下ナルトキ
一等 二圓十錢
二等 一圓五錢
三等 三十五錢
乘車區間八百粁以下ナルトキ
一等 三圓
二等 一圓五十錢
三等 五十錢
乘車區間千三百粁以下ナルトキ
一等 三圓九十錢
二等 一圓九十五錢
三等 六十五錢
乘車區間千八百粁以下ナルトキ
一等 四圓八十錢
二等 二圓四十錢
三等 八十錢
乘車區間千八百粁ヲ超ユルトキ
一等 六圓
二等 三圓
三等 一圓
二 囘數乘車ノ契約ヲ爲シタル場合
囘數二十囘以下ナルトキ 前號稅額ノ五倍
囘數五十囘以下ナルトキ 前號稅額ノ十倍
囘數五十囘ヲ超ユルトキ 前號稅額ノ二十倍
三 定期乘車ノ契約ヲ爲シタル場合
契約期間一月內ナルトキ 第一號稅額ノ五倍
契約期間三月內ナルトキ 第一號稅額ノ十倍
契約期間六月內ナルトキ 第一號稅額ノ二十倍
契約期間六月ヲ超ユルトキ 第一號稅額ノ三十倍
四 團體乘車ノ契約ヲ爲シタル場合
人員五十人以下ナルトキ 第一號稅額ノ五倍
人員百人以下ナルトキ 第一號稅額ノ十倍
人員二百人以下ナルトキ 第一號稅額ノ二十倍
人員二百人ヲ超ユルトキ 第一號稅額ノ三十倍
五 貸切乘車ノ契約ヲ爲シタル場合
一等 貸切運賃ノ百分ノ十
二等 貸切運賃ノ百分ノ六
三等 貸切運賃ノ百分ノ三
前項第五號ノ規定ニ依ル稅額ハ同項第一號ノ稅額ニ乘客定員數ヲ乘ジタル金額ヲ超ユルコトヲ得ズ
第一項第一號乃至第三號ニ規定スル通行稅ハ十二歲未滿ノ乘客ニ付テハ其ノ半額トス
前項ノ稅額ニ十錢ニ滿タザル端數アル場合ニ於テハ其ノ端數ガ五錢以上ナルトキハ之ヲ五錢トシ五錢ニ滿タザルトキハ之ヲ切捨ツ但シ其ノ全額五錢ニ滿タザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十六條ノ三 急行車又ハ寢臺車ニ乘車ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ前條ノ規定ニ依ルノ外急行料金又ハ寢臺料金ノ百分ノ十ノ稅率ニ依リ通行稅ヲ課ス
前條第四項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ算出シタル稅額ニ付之ヲ準用ス
第十六條ノ四 電車、乘合自動車及汽船ノ乘客ニハ左ノ區別ニ依リ通行稅ヲ課ス
一 普通乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合
乘車船區間四十粁以下ナルトキ
一等 三十錢
二等 十五錢
乘車船區間八十粁以下ナルトキ
一等 五十錢
二等 二十五錢
三等 五錢
乘車船區間百二十粁以下ナルトキ
一等 一圓五十錢
二等 七十五錢
三等 十五錢
乘車船區間百六十粁以下ナルトキ
一等 三圓
二等 一圓五十錢
三等 三十錢
乘車船區間三百粁以下ナルトキ
一等 五圓
二等 二圓五十錢
三等 五十錢
乘車船區間五百粁以下ナルトキ
一等 七圓
二等 三圓五十錢
三等 七十錢
乘車船區間五百粁ヲ超ユルトキ
一等 十圓
二等 五圓
三等 一圓
二 囘數乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合
囘數二十囘以下ナルトキ 前號稅額ノ五倍
囘數五十囘以下ナルトキ 前號稅額ノ十倍
囘數五十囘ヲ超ユルトキ 前號稅額ノ二十倍
三 定期乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合
契約期間一月內ナルトキ 第一號稅額ノ五倍
契約期間三月內ナルトキ 第一號稅額ノ十倍
契約期間六月內ナルトキ 第一號稅額ノ二十倍
契約期間六月ヲ超ユルトキ 第一號稅額ノ三十倍
四 團體乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合
人員五十人以下ナルトキ 第一號稅額ノ五倍
人員百人以下ナルトキ 第一號稅額ノ十倍
人員二百人以下ナルトキ 第一號稅額ノ二十倍
人員二百人ヲ超ユルトキ 第一號稅額ノ三十倍
五 貸切乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合
一等 貸切運賃ノ百分ノ二十
二等 貸切運賃ノ百分ノ十五
三等 貸切運賃ノ百分ノ十
前項第五號ノ規定ニ依ル稅額ハ同項第一號ノ稅額ニ乘客定員數ヲ乘ジタル金額ヲ超ユルコトヲ得ズ
第一項第一號乃至第三號ニ規定スル通行稅ハ十二歲未滿ノ乘客ニ付テハ其ノ半額トス
第十六條ノ二第四項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ算出シタル稅額ニ付之ヲ準用ス
第十六條ノ五 寢臺船ニ乘船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テハ前條ノ規定ニ依ルノ外左ノ稅率ニ依リ通行稅ヲ課ス
一等 寢臺料金ノ百分ノ三十
二等 寢臺料金ノ百分ノ二十
三等 寢臺料金ノ百分ノ十
第十六條ノ二第四項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ算出シタル稅額ニ付之ヲ準用ス
第十六條ノ六 汽車ト電車、乘合自動車又ハ汽船トヲ通ジ乘車船ノ契約ヲ爲シタル場合ニ於テ第十六條ノ二ノ規定ニ依リ課スベキ通行稅額ト第十六條ノ四ノ規定ニ依リ課スベキ通行稅額トノ合算額ガ一等ニ在リテハ十圓、二等ニ在リテハ五圓、三等ニ在リテハ一圓ヲ超ユルトキハ一等十圓、二等五圓、三等一圓ヲ以テ各其ノ稅額トス
第十七條 乘車區間三十粁以下ノ汽車ノ三等乘客及乘車船區間四十粁以下ノ電車、乘合自動車又ハ汽船ノ三等乘客ニハ通行稅ヲ課セズ但シ第十六條ノ三又ハ第十六條ノ五ノ規定ニ依ル通行稅ハ此ノ限ニ在ラズ
第十七條ノ二 陸海軍ノ團體トシテノ乘車船ニシテ大使ノ定ムルモノニハ通行稅ヲ課セズ
第十八條中「第十六條第一項及前條第一號」ヲ「第十六條ノ二第一項第一號、第十六條ノ四第一項第一號及第十七條」ニ改メ同條中第一號ヲ削リ第二號ヲ第一號トシ第三號ヲ第二號トス
第十九條中「第十六條第一項、第五項及第十七條第一號、第三號」ヲ「第十六條ノ二第一項第一號第五號、第十六條ノ四第一項第一號第五號及第十七條」ニ、「第十六條第六項」ヲ「第十六條ノ二第二項及第十六條ノ四第二項」ニ改ム
第二十條中「運賃」ノ下ニ「、急行料金又ハ寢臺料金」ヲ加フ
第二十四條第一項ヲ左ノ如ク改ム
入場稅ノ稅率左ノ如シ
第一種ノ場所
入場料ガ一人一囘七十五錢未滿ナルトキ 入場料ノ百分ノ十
入場料ガ一人一囘一圓五十錢未滿ナルトキ 入場料ノ百分ノ二十
入場料ガ一人一囘三圓未滿ナルトキ 入場料ノ百分ノ三十
入場料ガ一人一囘四圓五十錢未滿ナルトキ 入場料ノ百分ノ四十
入場料ガ一人一囘四圓五十錢以上ナルトキ 入場料ノ百分ノ五十
囘數、定期又ハ貸切ニテ入場ノ契約ヲ爲シタルトキ 入場料ノ百分ノ二十
第二種ノ場所
麻雀場、撞球場 入場料ノ百分ノ二十
舞踏場、ゴルフ場 入場料ノ百分ノ三十
第二十五條第一項中「三十四錢」ヲ「二十八錢」ニ改ム
第三十一條第一項中「百分ノ五」ヲ「百分ノ十」ニ改ム
第三十二條第一項中「三十四錢」ヲ「二十八錢」ニ改ム
第三十五條第一項第一種第十四號中「トランク」ノ下ニ「類竝ニ行李」ヲ、同種第十八號中「玩具」ノ下ニ「、遊戲具、搖籃及乳母車類」ヲ加ヘ同種第十五號ヲ左ノ如ク改ム
十五 釣用具類
同種ニ左ノ如ク加フ
三十一 庭木竝ニ庭園用ノ石材及石工品
三十二 簾、釣燈籠及提灯類
三十三 鐵瓶竝ニ茶道及香道用具
三十四 扇子及團扇
三十五 花輪及花束類
丙類
三十六 靴及履物
三十七 事務用器具
同項第二種第十七號中「受信用眞空管、」ノ下ニ「マイクロホン、」ヲ加ヘ同種第二十三號中「茶」ヲ「紅茶、烏龍茶、包種茶、支那茶」ニ改ム
同種ニ左ノ如ク加フ
二十五 煙火類
二十六 薰物及線香類
二十七 大理石及之ヲ原料トスル擬石竝ニ陶磁器製タイル
丙種
二十八 電球類
二十九 携行用ノ電燈、同ケース及電池
三十 魔法瓶、水筒類及同部分品
三十一 計算機
三十二 タイプライター、同部分品及附屬品
三十三 輪轉謄寫機及同附屬品
三十四 金錢登錄機
三十五 タイムスタンプ及同附屬品
三十六 ミシン及ミシン用針
三十七 板硝子
三十八 紙及セロファン
三十九 齒磨
四十 綠茶
四十一 調味料
同條第二項ヲ左ノ如ク改ム
同一物品ニシテ第一種及第二種ニ該當スルモノハ之ヲ第二種トシ甲類及乙類若ハ甲類及丙類又ハ甲類、乙類及丙類ニ該當スルモノハ之ヲ甲類トシ乙類及丙類ニ該當スルモノハ之ヲ乙類トス
第三十六條 物品稅ノ稅率左ノ如シ
第一種
甲類 物品ノ價格百分ノ四十
乙類 物品ノ價格百分ノ二十 第三十九條ノ規定ニ依ル場合ニ在リテハ百分ノ三十
丙類 物品ノ價格百分ノ十
第二種
甲類 物品ノ價格百分ノ四十
乙類 物品ノ價格百分ノ二十
丙類 物品ノ價格百分ノ十
第三種
酒類
イ 釀造酒
支那酒タル淸酒、黃酒、濁酒 一石ニ付 十五圓
麥酒 一石ニ付 二十五圓
葡萄酒、シャンパン其ノ他ノ果實酒 一石ニ付 三十五圓
前記以外ノ釀造酒 一石ニ付 三十二圓
ロ 蒸餾酒
酒精 一石ニ付 四十五圓
前記以外ノ蒸餾酒 一石ニ付 二十五圓
ハ 再製酒
酒精分二十度以下ノ白酒、味淋 一石ニ付 三十圓
前記以外ノ再製酒 一石ニ付 三十五圓
第三十九條 第一種第十六號ニ揭グル物品ハ入札其ノ他競爭ノ方法ニ依リ賣買セラルル場合(强制競賣又ハ之ニ準ズベキ場合ヲ除ク)ハ其ノ札元又ハ之ニ準ズベキ者ガ小賣業者トシテ當該物品ヲ販賣スルモノト看做ス
第四十條中「又ハ嗜好飮料」ヲ「、嗜好飮料、薰物類、線香類、齒磨又ハ調味料」ニ改ム
第四十九條ノ二中「及飮食」ヲ「、飮食及宿泊」ニ改メ同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ場所以外ノ場所ニ於テ飮食スル場合ニ於テ其ノ飮食物ガ料理店又ハ旅館ヨリ供給ヲ受クルモノナルトキハ其ノ飮食ハ之ヲ料理店又ハ旅館ニ於ケル飮食ト看做ス
第四十九條ノ三 遊興飮食稅ノ稅率左ノ如シ
一 藝妓ノ花代 料金ノ百分ノ四十二
二 藝妓ノ花代ニ類スル料金ニシテ大使ノ定ムルモノ(以下其ノ他ノ花代ト稱ス) 料金ノ百分ノ十八
三 前各號以外ノ遊興飮食ノ料金 料金ノ百分ノ二十
四 旅館ニ於ケル宿泊ノ料金 料金ノ百分ノ十五
前項ノ遊興飮食又ハ宿泊ノ料金ハ前條ニ規定スル場所ノ經營者ガ遊興、飮食又ハ宿泊ヲ爲シタル者ヨリ其ノ遊興、飮食又ハ宿泊ニ付領收スベキ金額ヲ謂フ
遊興飮食又ハ宿泊ノ料金ノ算定ニ關シテハ大使之ヲ定ム
第四十九條ノ四 遊興飮食ノ料金ガ一人一囘三圓ニ滿タザル場合及旅館ニ於ケル宿泊ノ料金ガ一人一泊七圓ニ滿タザル場合ニハ遊興飮食稅ヲ課セズ但シ左ニ揭グル遊興飮食ノ料金ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一 藝妓ノ花代
二 其ノ他ノ花代
三 藝妓ノ花代又ハ其ノ他ノ花代ヲ伴フ遊興飮食ノ料金
前項ノ一人一囘ノ遊興飮食ノ料金及一人一泊ノ宿泊ノ料金ノ計算ニ關シ必要ナル事項ハ大使之ヲ定ム
第四十九條ノ六第一項及第四十九條ノ八第一項中「每月分ノ料金」ヲ「每月分ノ遊興飮食又ハ宿泊ノ料金」ニ改ム
附 則
第一條 本令ハ昭和十六年十二月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第十六條乃至第二十條ノ改正規定施行ノ期日ハ大使之ヲ定ム
第二條 改正後ノ關東州支那事變特別稅令第十五條ノ二第四號乃至第六號及第十五條ノ五ノ規定ハ本令施行後竣成スル家屋ノ建築ニ付之ヲ適用ス
本令施行前新築竣成シタル關東州支那事變特別稅令第十五條ノ二第一號乃至第三號ニ揭グル家屋ニシテ建築價額一萬五千圓未滿ノモノニ關シ同令第十五條ノ四第一項ノ規定ニ依リ建築稅ヲ課スル場合ニ於テハ前ノ建築價額ヨリ七千五百圓ヲ控除シタル金額ノ百分ノ十ニ相當スル金額ヲ其ノ建築稅額ヨリ控除ス
本令施行前新築竣成シタル關東州支那事變特別稅令第十五條ノ二第一號乃至第三號ニ揭グル家屋ニシテ建築價額一萬五千圓以上ノモノニ關シ同令第十五條ノ四ノ規定ニ依リ建築稅ヲ課スル場合ニ於テハ從前ノ規定ニ依リ課セラレタル建築稅額ノ二倍ニ相當スル金額ヲ其ノ建築稅額ヨリ控除ス
關東州支那事變特別稅令第十五條ノ四ノ規定ハ改正後ノ同令第十五條ノ二第四號乃至第六號ニ揭グル家屋ノ新築ガ本令施行前竣成シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第三條 本令施行前ヨリ引續キ第三十五條ノ改正規定ニ依リ物品稅ヲ課スルコトト爲リタル第一種ノ物品ノ小賣業ヲ營ム者又ハ同第二種ノ物品ノ製造ヲ爲ス者本令施行後一月以內ニ其ノ旨ヲ政府ニ申吿スルトキハ本令施行ノ日ニ於テ關東州支那事變特別稅令第四十八條ノ規定ニ依リ申吿シタルモノト看做ス
第四條 改正後ノ關東州支那事變特別稅令第三十五條ニ揭グル第二種又ハ第三種ノ物品ノ製造者又ハ販賣者ガ本令施行ノ際製造場又ハ保稅地域以外ノ場所ニ於テ左ノ各號ノ一ニ該當スル物品ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ之ニ物品稅ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本令施行ノ日ニ於テ其ノ物品ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做シ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ物品稅ヲ徵收ス但シ從前ノ規定ニ依リ物品稅ヲ課セラレタル物品ニ付テハ其ノ課セラレタル稅額ニ相當スル金額ヲ控除シタル金額ヲ以テ其ノ稅額トス
一 改正後ノ關東州支那事變特別稅令第三十五條ニ揭グル第二種ノ物品ニシテ同條各號ニ揭グル品名每ニ價格二千圓以上ノモノ
二 第三種ノ物品ニシテ各種類ヲ通ジ合計十五石以上ノモノ
本令施行ノ際製造場ニ現存スル第三種ノ物品ニシテ戾入又ハ移入シタルモノニ付テハ關東州支那事變特別稅令第四十三條第二項ノ規定ニ拘ラズ之ヲ移出シタルトキ物品稅ヲ徵收ス此ノ場合ニ於テハ前項但書ノ規定ヲ準用ス
第一項ノ製造者又ハ販賣者ハ同項第一號ノ物品ニ付テハ其ノ品名每ニ數量、價格及貯藏ノ場所、第二號ノ物品ニ付テハ其ノ品名每ニ數量及貯藏ノ場所ヲ本令施行後一月以內ニ政府ニ申吿スベシ
朕関東州支那事変特別税令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
昭和十六年十一月二十八日
内閣総理大臣 東条英機
勅令第千三十四号
関東州支那事変特別税令中左ノ通改正ス
第十五条ノ二ニ左ノ三号ヲ加フ
四 旅館ノ用ニ供スル家屋
五 麻雀場、撞球場其ノ他大使ノ定ムル遊技場ノ用ニ供スル家屋
六 俱楽部、会館其ノ他名称ノ何タルヲ問ハズ会員其ノ他大使ノ定ムル者ノ親睦ヲ図リ又ハ其ノ慰安若ハ娯楽ノ用ニ供スル家屋
第十五条ノ五中「百分ノ十」ヲ「百分ノ二十」ニ改ム
第十六条 通行税ハ汽車、電車、乗合自動車及汽船ノ乗客ニ之ヲ課ス
第十六条ノ二 汽車ノ乗客ニハ左ノ区別ニ依リ通行税ヲ課ス
一 普通乗車ノ契約ヲ為シタル場合
乗車区間三十粁以下ナルトキ
一等 十銭
二等 五銭
乗車区間五十粁以下ナルトキ
一等 二十銭
二等 十銭
三等 三銭
乗車区間百粁以下ナルトキ
一等 三十銭
二等 十五銭
三等 五銭
乗車区間百五十粁以下ナルトキ
一等 六十銭
二等 三十銭
三等 十銭
乗車区間二百五十粁以下ナルトキ
一等 九十銭
二等 四十五銭
三等 十五銭
乗車区間三百五十粁以下ナルトキ
一等 一円五十銭
二等 七十五銭
三等 二十五銭
乗車区間五百粁以下ナルトキ
一等 二円十銭
二等 一円五銭
三等 三十五銭
乗車区間八百粁以下ナルトキ
一等 三円
二等 一円五十銭
三等 五十銭
乗車区間千三百粁以下ナルトキ
一等 三円九十銭
二等 一円九十五銭
三等 六十五銭
乗車区間千八百粁以下ナルトキ
一等 四円八十銭
二等 二円四十銭
三等 八十銭
乗車区間千八百粁ヲ超ユルトキ
一等 六円
二等 三円
三等 一円
二 回数乗車ノ契約ヲ為シタル場合
回数二十回以下ナルトキ 前号税額ノ五倍
回数五十回以下ナルトキ 前号税額ノ十倍
回数五十回ヲ超ユルトキ 前号税額ノ二十倍
三 定期乗車ノ契約ヲ為シタル場合
契約期間一月内ナルトキ 第一号税額ノ五倍
契約期間三月内ナルトキ 第一号税額ノ十倍
契約期間六月内ナルトキ 第一号税額ノ二十倍
契約期間六月ヲ超ユルトキ 第一号税額ノ三十倍
四 団体乗車ノ契約ヲ為シタル場合
人員五十人以下ナルトキ 第一号税額ノ五倍
人員百人以下ナルトキ 第一号税額ノ十倍
人員二百人以下ナルトキ 第一号税額ノ二十倍
人員二百人ヲ超ユルトキ 第一号税額ノ三十倍
五 貸切乗車ノ契約ヲ為シタル場合
一等 貸切運賃ノ百分ノ十
二等 貸切運賃ノ百分ノ六
三等 貸切運賃ノ百分ノ三
前項第五号ノ規定ニ依ル税額ハ同項第一号ノ税額ニ乗客定員数ヲ乗ジタル金額ヲ超ユルコトヲ得ズ
第一項第一号乃至第三号ニ規定スル通行税ハ十二歳未満ノ乗客ニ付テハ其ノ半額トス
前項ノ税額ニ十銭ニ満タザル端数アル場合ニ於テハ其ノ端数ガ五銭以上ナルトキハ之ヲ五銭トシ五銭ニ満タザルトキハ之ヲ切捨ツ但シ其ノ全額五銭ニ満タザルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第十六条ノ三 急行車又ハ寝台車ニ乗車ノ契約ヲ為シタル場合ニ於テハ前条ノ規定ニ依ルノ外急行料金又ハ寝台料金ノ百分ノ十ノ税率ニ依リ通行税ヲ課ス
前条第四項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ算出シタル税額ニ付之ヲ準用ス
第十六条ノ四 電車、乗合自動車及汽船ノ乗客ニハ左ノ区別ニ依リ通行税ヲ課ス
一 普通乗車船ノ契約ヲ為シタル場合
乗車船区間四十粁以下ナルトキ
一等 三十銭
二等 十五銭
乗車船区間八十粁以下ナルトキ
一等 五十銭
二等 二十五銭
三等 五銭
乗車船区間百二十粁以下ナルトキ
一等 一円五十銭
二等 七十五銭
三等 十五銭
乗車船区間百六十粁以下ナルトキ
一等 三円
二等 一円五十銭
三等 三十銭
乗車船区間三百粁以下ナルトキ
一等 五円
二等 二円五十銭
三等 五十銭
乗車船区間五百粁以下ナルトキ
一等 七円
二等 三円五十銭
三等 七十銭
乗車船区間五百粁ヲ超ユルトキ
一等 十円
二等 五円
三等 一円
二 回数乗車船ノ契約ヲ為シタル場合
回数二十回以下ナルトキ 前号税額ノ五倍
回数五十回以下ナルトキ 前号税額ノ十倍
回数五十回ヲ超ユルトキ 前号税額ノ二十倍
三 定期乗車船ノ契約ヲ為シタル場合
契約期間一月内ナルトキ 第一号税額ノ五倍
契約期間三月内ナルトキ 第一号税額ノ十倍
契約期間六月内ナルトキ 第一号税額ノ二十倍
契約期間六月ヲ超ユルトキ 第一号税額ノ三十倍
四 団体乗車船ノ契約ヲ為シタル場合
人員五十人以下ナルトキ 第一号税額ノ五倍
人員百人以下ナルトキ 第一号税額ノ十倍
人員二百人以下ナルトキ 第一号税額ノ二十倍
人員二百人ヲ超ユルトキ 第一号税額ノ三十倍
五 貸切乗車船ノ契約ヲ為シタル場合
一等 貸切運賃ノ百分ノ二十
二等 貸切運賃ノ百分ノ十五
三等 貸切運賃ノ百分ノ十
前項第五号ノ規定ニ依ル税額ハ同項第一号ノ税額ニ乗客定員数ヲ乗ジタル金額ヲ超ユルコトヲ得ズ
第一項第一号乃至第三号ニ規定スル通行税ハ十二歳未満ノ乗客ニ付テハ其ノ半額トス
第十六条ノ二第四項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ算出シタル税額ニ付之ヲ準用ス
第十六条ノ五 寝台船ニ乗船ノ契約ヲ為シタル場合ニ於テハ前条ノ規定ニ依ルノ外左ノ税率ニ依リ通行税ヲ課ス
一等 寝台料金ノ百分ノ三十
二等 寝台料金ノ百分ノ二十
三等 寝台料金ノ百分ノ十
第十六条ノ二第四項ノ規定ハ前項ノ規定ニ依リ算出シタル税額ニ付之ヲ準用ス
第十六条ノ六 汽車ト電車、乗合自動車又ハ汽船トヲ通ジ乗車船ノ契約ヲ為シタル場合ニ於テ第十六条ノ二ノ規定ニ依リ課スベキ通行税額ト第十六条ノ四ノ規定ニ依リ課スベキ通行税額トノ合算額ガ一等ニ在リテハ十円、二等ニ在リテハ五円、三等ニ在リテハ一円ヲ超ユルトキハ一等十円、二等五円、三等一円ヲ以テ各其ノ税額トス
第十七条 乗車区間三十粁以下ノ汽車ノ三等乗客及乗車船区間四十粁以下ノ電車、乗合自動車又ハ汽船ノ三等乗客ニハ通行税ヲ課セズ但シ第十六条ノ三又ハ第十六条ノ五ノ規定ニ依ル通行税ハ此ノ限ニ在ラズ
第十七条ノ二 陸海軍ノ団体トシテノ乗車船ニシテ大使ノ定ムルモノニハ通行税ヲ課セズ
第十八条中「第十六条第一項及前条第一号」ヲ「第十六条ノ二第一項第一号、第十六条ノ四第一項第一号及第十七条」ニ改メ同条中第一号ヲ削リ第二号ヲ第一号トシ第三号ヲ第二号トス
第十九条中「第十六条第一項、第五項及第十七条第一号、第三号」ヲ「第十六条ノ二第一項第一号第五号、第十六条ノ四第一項第一号第五号及第十七条」ニ、「第十六条第六項」ヲ「第十六条ノ二第二項及第十六条ノ四第二項」ニ改ム
第二十条中「運賃」ノ下ニ「、急行料金又ハ寝台料金」ヲ加フ
第二十四条第一項ヲ左ノ如ク改ム
入場税ノ税率左ノ如シ
第一種ノ場所
入場料ガ一人一回七十五銭未満ナルトキ 入場料ノ百分ノ十
入場料ガ一人一回一円五十銭未満ナルトキ 入場料ノ百分ノ二十
入場料ガ一人一回三円未満ナルトキ 入場料ノ百分ノ三十
入場料ガ一人一回四円五十銭未満ナルトキ 入場料ノ百分ノ四十
入場料ガ一人一回四円五十銭以上ナルトキ 入場料ノ百分ノ五十
回数、定期又ハ貸切ニテ入場ノ契約ヲ為シタルトキ 入場料ノ百分ノ二十
第二種ノ場所
麻雀場、撞球場 入場料ノ百分ノ二十
舞踏場、ゴルフ場 入場料ノ百分ノ三十
第二十五条第一項中「三十四銭」ヲ「二十八銭」ニ改ム
第三十一条第一項中「百分ノ五」ヲ「百分ノ十」ニ改ム
第三十二条第一項中「三十四銭」ヲ「二十八銭」ニ改ム
第三十五条第一項第一種第十四号中「トランク」ノ下ニ「類並ニ行李」ヲ、同種第十八号中「玩具」ノ下ニ「、遊戯具、揺籃及乳母車類」ヲ加ヘ同種第十五号ヲ左ノ如ク改ム
十五 釣用具類
同種ニ左ノ如ク加フ
三十一 庭木並ニ庭園用ノ石材及石工品
三十二 簾、釣灯籠及提灯類
三十三 鉄瓶並ニ茶道及香道用具
三十四 扇子及団扇
三十五 花輪及花束類
丙類
三十六 靴及履物
三十七 事務用器具
同項第二種第十七号中「受信用真空管、」ノ下ニ「マイクロホン、」ヲ加ヘ同種第二十三号中「茶」ヲ「紅茶、烏龍茶、包種茶、支那茶」ニ改ム
同種ニ左ノ如ク加フ
二十五 煙火類
二十六 薫物及線香類
二十七 大理石及之ヲ原料トスル擬石並ニ陶磁器製タイル
丙種
二十八 電球類
二十九 携行用ノ電灯、同ケース及電池
三十 魔法瓶、水筒類及同部分品
三十一 計算機
三十二 タイプライター、同部分品及附属品
三十三 輪転謄写機及同附属品
三十四 金銭登録機
三十五 タイムスタンプ及同附属品
三十六 ミシン及ミシン用針
三十七 板硝子
三十八 紙及セロファン
三十九 歯磨
四十 緑茶
四十一 調味料
同条第二項ヲ左ノ如ク改ム
同一物品ニシテ第一種及第二種ニ該当スルモノハ之ヲ第二種トシ甲類及乙類若ハ甲類及丙類又ハ甲類、乙類及丙類ニ該当スルモノハ之ヲ甲類トシ乙類及丙類ニ該当スルモノハ之ヲ乙類トス
第三十六条 物品税ノ税率左ノ如シ
第一種
甲類 物品ノ価格百分ノ四十
乙類 物品ノ価格百分ノ二十 第三十九条ノ規定ニ依ル場合ニ在リテハ百分ノ三十
丙類 物品ノ価格百分ノ十
第二種
甲類 物品ノ価格百分ノ四十
乙類 物品ノ価格百分ノ二十
丙類 物品ノ価格百分ノ十
第三種
酒類
イ 醸造酒
支那酒タル清酒、黄酒、濁酒 一石ニ付 十五円
麦酒 一石ニ付 二十五円
葡萄酒、シャンパン其ノ他ノ果実酒 一石ニ付 三十五円
前記以外ノ醸造酒 一石ニ付 三十二円
ロ 蒸餾酒
酒精 一石ニ付 四十五円
前記以外ノ蒸餾酒 一石ニ付 二十五円
ハ 再製酒
酒精分二十度以下ノ白酒、味淋 一石ニ付 三十円
前記以外ノ再製酒 一石ニ付 三十五円
第三十九条 第一種第十六号ニ掲グル物品ハ入札其ノ他競争ノ方法ニ依リ売買セラルル場合(強制競売又ハ之ニ準ズベキ場合ヲ除ク)ハ其ノ札元又ハ之ニ準ズベキ者ガ小売業者トシテ当該物品ヲ販売スルモノト看做ス
第四十条中「又ハ嗜好飲料」ヲ「、嗜好飲料、薫物類、線香類、歯磨又ハ調味料」ニ改ム
第四十九条ノ二中「及飲食」ヲ「、飲食及宿泊」ニ改メ同条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ場所以外ノ場所ニ於テ飲食スル場合ニ於テ其ノ飲食物ガ料理店又ハ旅館ヨリ供給ヲ受クルモノナルトキハ其ノ飲食ハ之ヲ料理店又ハ旅館ニ於ケル飲食ト看做ス
第四十九条ノ三 遊興飲食税ノ税率左ノ如シ
一 芸妓ノ花代 料金ノ百分ノ四十二
二 芸妓ノ花代ニ類スル料金ニシテ大使ノ定ムルモノ(以下其ノ他ノ花代ト称ス) 料金ノ百分ノ十八
三 前各号以外ノ遊興飲食ノ料金 料金ノ百分ノ二十
四 旅館ニ於ケル宿泊ノ料金 料金ノ百分ノ十五
前項ノ遊興飲食又ハ宿泊ノ料金ハ前条ニ規定スル場所ノ経営者ガ遊興、飲食又ハ宿泊ヲ為シタル者ヨリ其ノ遊興、飲食又ハ宿泊ニ付領収スベキ金額ヲ謂フ
遊興飲食又ハ宿泊ノ料金ノ算定ニ関シテハ大使之ヲ定ム
第四十九条ノ四 遊興飲食ノ料金ガ一人一回三円ニ満タザル場合及旅館ニ於ケル宿泊ノ料金ガ一人一泊七円ニ満タザル場合ニハ遊興飲食税ヲ課セズ但シ左ニ掲グル遊興飲食ノ料金ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ
一 芸妓ノ花代
二 其ノ他ノ花代
三 芸妓ノ花代又ハ其ノ他ノ花代ヲ伴フ遊興飲食ノ料金
前項ノ一人一回ノ遊興飲食ノ料金及一人一泊ノ宿泊ノ料金ノ計算ニ関シ必要ナル事項ハ大使之ヲ定ム
第四十九条ノ六第一項及第四十九条ノ八第一項中「毎月分ノ料金」ヲ「毎月分ノ遊興飲食又ハ宿泊ノ料金」ニ改ム
附 則
第一条 本令ハ昭和十六年十二月一日ヨリ之ヲ施行ス但シ第十六条乃至第二十条ノ改正規定施行ノ期日ハ大使之ヲ定ム
第二条 改正後ノ関東州支那事変特別税令第十五条ノ二第四号乃至第六号及第十五条ノ五ノ規定ハ本令施行後竣成スル家屋ノ建築ニ付之ヲ適用ス
本令施行前新築竣成シタル関東州支那事変特別税令第十五条ノ二第一号乃至第三号ニ掲グル家屋ニシテ建築価額一万五千円未満ノモノニ関シ同令第十五条ノ四第一項ノ規定ニ依リ建築税ヲ課スル場合ニ於テハ前ノ建築価額ヨリ七千五百円ヲ控除シタル金額ノ百分ノ十ニ相当スル金額ヲ其ノ建築税額ヨリ控除ス
本令施行前新築竣成シタル関東州支那事変特別税令第十五条ノ二第一号乃至第三号ニ掲グル家屋ニシテ建築価額一万五千円以上ノモノニ関シ同令第十五条ノ四ノ規定ニ依リ建築税ヲ課スル場合ニ於テハ従前ノ規定ニ依リ課セラレタル建築税額ノ二倍ニ相当スル金額ヲ其ノ建築税額ヨリ控除ス
関東州支那事変特別税令第十五条ノ四ノ規定ハ改正後ノ同令第十五条ノ二第四号乃至第六号ニ掲グル家屋ノ新築ガ本令施行前竣成シタル場合ニハ之ヲ適用セズ
第三条 本令施行前ヨリ引続キ第三十五条ノ改正規定ニ依リ物品税ヲ課スルコトト為リタル第一種ノ物品ノ小売業ヲ営ム者又ハ同第二種ノ物品ノ製造ヲ為ス者本令施行後一月以内ニ其ノ旨ヲ政府ニ申告スルトキハ本令施行ノ日ニ於テ関東州支那事変特別税令第四十八条ノ規定ニ依リ申告シタルモノト看做ス
第四条 改正後ノ関東州支那事変特別税令第三十五条ニ掲グル第二種又ハ第三種ノ物品ノ製造者又ハ販売者ガ本令施行ノ際製造場又ハ保税地域以外ノ場所ニ於テ左ノ各号ノ一ニ該当スル物品ヲ所持スル場合ニ於テハ其ノ場所ヲ以テ製造場、其ノ所持者ヲ以テ製造者ト看做シ之ニ物品税ヲ課ス此ノ場合ニ於テハ本令施行ノ日ニ於テ其ノ物品ヲ製造場ヨリ移出シタルモノト看做シ大使ノ定ムル所ニ依リ其ノ物品税ヲ徴収ス但シ従前ノ規定ニ依リ物品税ヲ課セラレタル物品ニ付テハ其ノ課セラレタル税額ニ相当スル金額ヲ控除シタル金額ヲ以テ其ノ税額トス
一 改正後ノ関東州支那事変特別税令第三十五条ニ掲グル第二種ノ物品ニシテ同条各号ニ掲グル品名毎ニ価格二千円以上ノモノ
二 第三種ノ物品ニシテ各種類ヲ通ジ合計十五石以上ノモノ
本令施行ノ際製造場ニ現存スル第三種ノ物品ニシテ戻入又ハ移入シタルモノニ付テハ関東州支那事変特別税令第四十三条第二項ノ規定ニ拘ラズ之ヲ移出シタルトキ物品税ヲ徴収ス此ノ場合ニ於テハ前項但書ノ規定ヲ準用ス
第一項ノ製造者又ハ販売者ハ同項第一号ノ物品ニ付テハ其ノ品名毎ニ数量、価格及貯蔵ノ場所、第二号ノ物品ニ付テハ其ノ品名毎ニ数量及貯蔵ノ場所ヲ本令施行後一月以内ニ政府ニ申告スベシ